国家公務員法 第106条の19(共同調査)
クイックジャンプ
委員会は、第百六条の十七第二項(前条第二項において準用する場合を含む。)の規定により報告を受けた場合において必要があると認めるときは、再就職等規制違反行為に関し、監察官に任命権者と共同して調査を行わせることができる。
この条文の基本情報
共同調査とは何ですか?
定義共同調査とは、国家公務員法第106条の19に定められた規定で、「委員会は、第百六条の十七第二項(前条第二項において準用する場合を含む。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国家公務員法第106条の19(共同調査)は、日本の国家公務員法に含まれる条文です。
- 国家公務員法第106条の19の条文原文は「委員会は、第百六条の十七第二項(前条第二項において準用する場合を含む。」で始まります。
- 国家公務員法第106条の19は第二款に置かれています。
- 国家公務員法の公布日は昭和22年10月21日です。
- 国家公務員法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 国家公務員法第106条の19の前の条は国家公務員法第106条の18です。
- 国家公務員法第106条の19の次の条は国家公務員法第106条の20です。
- 国家公務員法第106条の19には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第106条の19 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000120 - 本サイト収録
国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第106条の19(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000120/106_19
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国家公務員法106条の19は、再就職等監視委員会が任命権者から調査経過の報告を受け必要と認めるとき、監察官に任命権者と共同で再就職等規制違反行為を調査させられると定める。
Q · 役所の天下り調査に、途中から監視委員会の監察官が入ってくることはあるの?
ある。委員会が必要と認めれば共同調査にできる
国家公務員法106条の19により、再就職等監視委員会は、任命権者(各大臣など)が行う再就職等規制違反の調査について経過報告を受けた場合に、必要があると認めるときは、監察官に任命権者と共同して調査を行わせることができます。調査の主体は任命権者に残りますが、監察官が加わることで、聴取や資料確認に外部の目が入ります。委員会が最初から単独で調査する経路は別途106条の20に定められています。
解説
天下り調査の最大の弱点は、疑われた役所が自分で自分を調べる点にある。国家公務員法は、再就職あっせんなどの違反が疑われるとき、まず任命権者(その職員を任命・監督する大臣などのトップ)に調査させる。任命権者は調査を始める前に、内閣府の再就職等監視委員会へ通知しなければならない。委員会はその調査の経過について報告を求めることができる。本条が働くのはこの報告を受けた場面である。委員会が必要と認めれば、配下の再就職等監察官を役所の調査に送り込み、任命権者と共同で調べさせることができる。つまり身内の調査は、途中から外部の目が入る調査に切り替えられる。役所の調査に呼ばれた現役職員や OB、天下りを受け入れた企業や大学の担当者にとって、相手が役所の人事担当者だけではなくなる。本条はそのスイッチが入る条件を定めている。「身内の調査だから穏便に済む」という読みは、この一条で崩れる
法的な位置づけ
国家公務員法106条の19は、任命権者が行う再就職等規制違反行為の調査について、再就職等監視委員会が同法106条の17第2項(106条の18第2項による準用を含む)に基づき経過報告を受けた場合に、必要と認めるときは監察官を任命権者と共同で調査に当たらせることができる旨を定める規定である。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.調査の経路を確認する 聴取や資料提出の依頼を受けたら、任命権者単独の調査か、監察官が加わった共同調査(106条の19)か、委員会独自の調査(106条の20)かを確認する。同席者の所属と肩書を記録しておく
- 2.時系列の経緯書を作る 再就職に関わる接触、紹介、面談、採用決定の日時と関係者を時系列で書面化する。記憶だけで答えず、メール・スケジュール・稟議書で裏付ける
- 3.提出資料と説明内容の整合を確認する 共同調査では提出資料を監察官も確認する。社内記録と口頭説明の食い違いがないか、提出前に突き合わせる。不明点は推測で埋めず、確認中と明示する
- 4.処分リスクがあれば専門家に相談する 現役職員で懲戒処分の可能性がある場合や、受入れ先として組織的関与が疑われる場合は、早めに弁護士へ相談し、弁明や回答方針を整える
よくある質問 AI による整理
Q1再就職等監察官とは何ですか?
内閣府の再就職等監視委員会に置かれ、国家公務員の再就職等規制違反行為を調査する職員です。任命権者との共同調査や委員会独自の調査を担います。
Q2天下り調査はどこが行うのですか?
原則は職員を任命・監督する任命権者(各大臣など)が調査し、再就職等監視委員会が通知・経過報告を受けて監督します。必要に応じ監察官が共同調査に加わります。
Q3共同調査に切り替わる条件は?
委員会が任命権者から調査経過の報告を受け、かつ必要があると認めることです(国家公務員法106条の19)。役所側の同意は条文上の要件になっていません。
Q4天下り調査の聴取を断れますか?
現役職員は職務上の調査として協力が求められる立場にあり、拒否は服務上の問題になりえます。OB や受入れ先は個別事情によるため、弁護士への相談が安全です。
Q5再就職あっせんは違法ですか?
現役職員が他の職員・OB の再就職について営利企業等に情報提供や依頼をすることは、国家公務員法106条の2で原則禁止されています。
Q6OB の働きかけ規制は何年間?
再就職した元職員が、離職前の職務に関し古巣の職員へ契約等の働きかけをすることは、離職後2年間規制されます(国家公務員法106条の4)。
Q7天下り違反が認定されたらどうなる?
違反した現役職員は懲戒処分(国家公務員法82条)の対象となりえます。委員会は調査結果を踏まえて任命権者に勧告などを行う仕組みもあります。
Q8再就職等監視委員会に通報できますか?
できます。委員会は再就職等規制違反に関する情報提供を受け付けています。具体的な日時・関係者・内容を整理して伝えると調査につながりやすくなります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1人事課の調査と、監視委員会の調査って何が違うんですか?
任命権者の調査は役所自身が行い、委員会はその経過について報告を受ける立場にある(第106条の17)。本条により、委員会が必要と認めれば監察官を送り込んで共同調査にできる。実務のポイント:共同調査になると、聴取記録が委員会側にも残る。役所内で話を丸めても、外部の記録と照らし合わせて整合性を確かめられる前提で臨むべきである
Q2OB を採用しただけで、うちの会社も調べられるんですか?
調査の中心は国家公務員側の規制違反行為(第106条の2から第106条の4など)であり、採用そのものが違法になるわけではない。ただし経緯の確認のために、受入れ先へ資料提出や説明が求められることはある。実務のポイント:誰がどの時点で OB の名前を出してきたかを示す記録が、最も重く見られる。採用稟議に紹介元を正直に書いてあるかどうかで、説明のしやすさが大きく変わる
間違えやすい点 AI による整理
- 「再就職等監視委員会は疑いがあれば自由に役所へ乗り込める」と思われがちだが、本条の共同調査は任命権者の調査が進み、その経過報告を受けた場面で、委員会が必要と認めたときに使う仕組みである。委員会が自ら監察官に調査させる経路は別の条文(第106条の20)にある。どの経路で調査が動いているかによって、主導しているのが役所か委員会かが変わる
- 天下り問題は「受け入れた企業や大学には関係ない役所内部の話」と見られやすい。しかし共同調査では再就職先への照会や資料提出の求めが入ることが多く、採用経緯の記録が曖昧だと組織の信用問題に発展する。2017年の文部科学省の組織的再就職あっせん問題では、受入れ先の大学名まで報道された
- 共同調査に切り替わった時点で、深刻さは一段上がっている。委員会が「役所の調査だけでは不十分かもしれない」と判断したシグナルだからだ。結果は勧告や懲戒処分(第82条)の検討につながりうる。事務的な確認と受け止めて軽く答えると、その回答が記録として残る
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 調査の主導者 | 106条の19:任命権者が主体、監察官が共同で参加 | 106条の17:任命権者が単独で調査し委員会に通知・報告 106条の20:委員会が監察官に独自に調査させる |
| 発動のきっかけ | 任命権者調査の経過報告を受け、委員会が必要と認めたとき | 任命権者が違反の疑いを思料し調査を行おうとするとき 委員会が違反の疑いがあると思料するとき |
| 外部性の強さ | 中:内部調査に外部の目が加わる | 低:委員会は報告・意見で関与 高:委員会側が直接主導 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は離職後の就職制限を服務法で定め、違反の調査・弾劾は独立機関である監察院が担う。任命機関との共同調査という段階的設計は日本特有
韓国は退職公職者の就職制限を公職者倫理委員会の事前審査で管理する。事後調査より事前承認に重心がある
米国は離職後の働きかけ規制を刑事罰付きで定め、各省の監察総監(Inspector General)や司法省が調査・訴追を担う
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 省の人事課から「OB の再就職経緯について話を聞きたい」と連絡が来た。2回目の聴取の席に、見慣れない監察官が同席していた。本条による共同調査に切り替わった可能性が高い
- もしあなたが省内の人事担当として、退職予定の先輩の再就職先を業界団体に「紹介しただけ」だったら、どうなる? 省内調査の経過報告を見た委員会が、監察官を共同調査に入れる。「紹介」が他の職員の再就職あっせん規制(第106条の2)に当たるかどうかが、外部の目で詰められる
- あなたは天下りを受け入れた大学の総務課長である。省から OB 採用の経緯について資料提出を求められ、締切は来週金曜日。共同調査に入っていれば、提出書類は監察官も読む。社内メールの時系列と説明内容がずれていると、そこが真っ先に突かれる
- 退職して1年の元局長が、古巣の後輩に契約について「よろしく頼む」と電話した。離職後2年以内の働きかけは規制されている(第106条の4)。後輩が上司に報告したところから調査が始まった
取るべき行動
被害を受けた側:1. 省内で再就職あっせんや OB からの働きかけを見聞きしたら、日時・相手・内容をすぐメモに残す2. OB から働きかけを受けた現役職員には届出の仕組みがある。上司や人事担当、または再就職等監視委員会の通報窓口に相談する3. 役所の調査が形だけで終わりそうなら、委員会へ具体的な事実を情報提供する。経過報告を見た委員会が共同調査に動くきっかけになりうる
訴えられた側:1. 聴取の場に監察官が同席しているか、共同調査なのかをまず確認する2. 記憶が曖昧な点は推測で答えず、記録を確認してから回答すると伝える3. 紹介やあっせんの経緯(依頼の有無、情報提供の範囲)をメールやスケジュールで裏付けて整理する4. 懲戒処分の可能性があるなら、早めに弁護士へ相談し、処分前の弁明の機会に備える
時効(請求できる期限):本条自体に特定の期限はない。ただし再就職者による働きかけの規制は離職後2年間(第106条の4)で、この期間中の行為が調査対象の中心になる。懲戒処分に時効の定めはないため、発覚が遅れても処分の対象になりうる(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成19年(2007年) 新設:国家公務員法等の一部を改正する法律により、再就職等規制の強化とともに再就職等監視委員会・監察官による調査の仕組みが導入され、本条が新設された
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める