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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 最終改正 収録時点 令和8年10月2日読了 7 分7 分7 分

国家公務員法 第111条

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第百九条第二号から第四号まで若しくは第十二号又は前条第一項第一号から第七号まで、第九号から第十五号まで、第十七号若しくは第十九号に掲げる行為を企て、命じ、故意にこれを容認し、唆し又はその幇助をした者は、それぞれ各本条の刑に処する。

この条文の基本情報

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 国家公務員法第111条は、日本の国家公務員法に含まれる条文です。
  2. 国家公務員法第111条の条文原文は「第百九条第二号から第四号まで若しくは第十二号又は前条第一項第一号から第七号まで、第九号から第十五号まで、第十七号若しくは第十九号に掲げる行為を企て、命じ、故意に…」で始まります。
  3. 国家公務員法第111条は第四章に置かれています。
  4. 国家公務員法の公布日は昭和22年10月21日です。
  5. 国家公務員法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
  6. 国家公務員法第111条の前の条は国家公務員法第110条です。
  7. 国家公務員法第111条の次の条は国家公務員法第112条です。
  8. 国家公務員法第111条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第111条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000120
  • 本サイト収録国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第111条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000120/111

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点国家公務員法111条は、公務員による秘密漏洩や禁止された政治的行為などを企て、命じ、容認し、唆し、幇助した者を、公務員でなくても各本条と同じ刑で処罰する規定である。

Q · 公務員に「内緒で教えて」と頼んで断られたら、罪にはならないの?

断られても処罰されうる。唆す行為そのものが罰せられる

国家公務員法111条は、秘密漏洩(109条12号)などを公務員に「唆し」た者を、公務員でなくても各本条の刑で処罰します。最高裁(最決昭和53年5月31日、外務省秘密漏洩事件)は、実行の決意を新たに生じさせるに足りる慫慂行為をすれば「唆し」にあたると解しています。相手が実際に漏らしたかどうかは要件とされていません。ただし取材目的の働きかけは、手段が相当であれば正当業務行為(刑法35条)となります。

解説

公務員ではないから国家公務員法は関係ない、と思っているなら誤りだ。本条は処罰の対象を「公務員」ではなく「者」と書いている。職務上の秘密を漏らすこと(109条12号)や、禁止された政治的行為(110条1項19号)などを、公務員に「唆し」たり「幇助」したりした人は、公務員でなくても、実際に手を下した公務員と同じ刑で処罰される。本条が挙げる行為は「企て、命じ、故意に容認し、唆し、幇助」の五つである。とくに注意すべきは「唆し」だ。最高裁は、秘密を漏らす決意を新たに生じさせる程度の働きかけ(慫慂:強く勧めること)をした時点で成立するとし、相手が実際に漏らしたかどうかを要件にしていない(最決昭和53.5.31、外務省秘密漏洩事件)。入札担当の職員に「予定価格、ちょっとだけ教えてよ」と頼む営業担当者、官僚から内部資料を引き出そうとする記者、公務員の友人に選挙ビラ配りを頼む支援者。どの人も、線の手前にいるのか、すでに越えているのかを知っておく必要がある。

法的な位置づけ

国家公務員法111条は、同法109条および110条1項に列挙された一部の罪について、これを企て、命じ、故意に容認し、唆し、または幇助した者を各本条の刑で処罰する規定である。処罰主体は公務員に限られない。判例上、「唆し」は正犯の実行を要件としない独立の処罰類型と解されている。

よくある質問 AI による整理

Q1国家公務員法111条とは?

公務員の秘密漏洩や禁止された政治的行為などを唆したり手助けしたりした人を、身分を問わず、元の罪と同じ刑で罰する規定です。

Q2そそのかし罪とは何ですか?

公務員に違法行為を実行する決意を新たに生じさせるような働きかけを罰するものです。国家公務員法111条や地方公務員法62条に規定があります。

Q3公務員から内部情報を聞き出すのは違法?

実質的に秘密といえる情報について漏洩を唆せば、111条で処罰されえます。公開情報の確認や情報公開請求による入手は問題になりません。

Q4西山事件とはどんな事件?

沖縄返還密約をめぐり、新聞記者が外務省の事務官に秘密文書の持ち出しを唆したとして有罪となった事件です。最決昭和53年5月31日で確定しました。

Q5予定価格を職員に聞くと何罪になる?

国家公務員法111条の秘密漏示そそのかし罪のほか、官製談合防止法違反や刑法96条の6(公契約関係競売等妨害)が問題になりえます。

Q6公務員に選挙の手伝いを頼むのは違法?

国家公務員の政治的行為は102条で制限されており、その違反を唆せば111条の対象になりえます。ただし判例は、処罰対象を中立性を実質的に損なう行為に限定しています。

Q7そそのかし罪の罰則はどれくらい?

元の罪と同じ刑です。109条系は1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金、110条系は3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金です。

Q8そそのかし罪の時効は何年?

109条系・110条系とも、公訴時効は3年です(刑事訴訟法250条2項6号)。起算点は犯罪行為が終わった時で、具体的には事案ごとに判断されます。

この条文についての質問 AI による整理

Q1頼んだけど断られたんです。それでも罪になるんですか?

なりえます。最高裁は、本条の「唆し」を、秘密漏示を実行させる目的で、実行の決意を新たに生じさせるに足りる慫慂行為をすることと解しています(最決昭和53.5.31)。相手が実際に漏らしたかどうかは要件とされていません。実務のポイント:実務で問題になるのは一回の軽い質問より、接待や便宜の提供と一体になった継続的な働きかけです。捜査機関はやり取りの全体像を見ます

Q2記者が官僚から情報をもらうのって、全部違法なんですか?

違法ではありません。西山記者事件で最高裁は、報道目的の働きかけがすぐに違法となるわけではないとしました。手段や方法が法秩序全体の精神に照らして相当であれば、正当業務行為になります(刑法35条)。実務のポイント:この事件で有罪を決めたのは、報道の価値ではありませんでした。取材相手との個人的な関係を利用した、手段の不当性です。記者が守るべき線は、何を聞くかより、どう聞くかにあります

Q3罰則はどれくらいですか?

「各本条の刑」なので、元の罪と同じです。109条の罪(守秘義務違反など)なら1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金、110条の罪(政治的行為の制限違反など)なら3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金です。実務のポイント:罰金で済んでも前科は残ります。官公庁の入札参加資格の審査や指名停止に影響する可能性があり、会社にとっては刑より入札から締め出されることの方が重い(最新の改正状況をご確認ください)

間違えやすい点 AI による整理

  • 「公務員でなければ国家公務員法違反にはならない」と考えるのは誤りだ。本条の主語は「者」で、身分を問わない。西山記者事件で有罪になったのは、秘密を漏らした外務省の事務官だけではなかった。唆した側の新聞記者も有罪になった
  • 教唆は相手が実行して初めて犯罪になる、という刑法61条の感覚は多くの人が持っている。しかし本条の深刻さは別のところにある。最高裁は、実行の決意を新たに生じさせるに足りる働きかけをすれば「唆し」にあたると解しており、相手が拒んでも成立しうる。頼んだが断られたから大丈夫、とは言えない
  • 「どこまで聞いたら違法か」を線引きしようとする発想そのものが、的を外していることが多い。判断の中心は質問の内容より、秘密の性質(実質的に秘密として保護に値するか)と、働きかけの手段や方法にある。同じ質問でも、接待や利益提供、弱みにつけ込む関係が背景にあれば評価は大きく変わる
比較の観点この条文ほかの条文
処罰される主体111条:身分を問わず「者」(記者・業者・支援者・上司も含む)109条:公務員(12号は職員・元職員の秘密漏示)
110条:公務員(19号は102条違反の政治的行為)
処罰される行為企て・命じ・故意の容認・唆し・幇助秘密漏示などの実行行為そのもの
政治的行為・争議行為のあおり等の実行行為
法定刑各本条の刑(元の罪と同じ)1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金
3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金
一般の教唆犯(刑法61条)との違い判例上、正犯の実行がなくても唆し自体で成立しうる刑法61条:正犯の実行を前提とする(共犯従属性)
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他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
中華民国刑法第132条・第31条

台湾には、公務員以外の者の唆しを独立に処罰する規定はない。刑法31条の身分犯への共犯規定により、正犯の実行を前提に処罰される

韓国
대한민국 형법 제127조・제33조

韓国も公務上秘密漏洩の教唆は刑法総則の共犯規定で処理し、正犯の実行を前提とする

ドイツ
StGB § 353b Abs. 3a

ドイツは2012年改正で、報道関係者による秘密漏洩の幇助を違法としない旨を明文化した。取材の自由を立法で保護する点で、日本の判例調整型と対照的である

アメリカ
18 U.S.C. § 2・Hatch Act

米国は一般的な共犯規定で処理する。記者の情報入手を処罰した例は極めて限られ、報道の自由の保護が厚い

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 官公庁向けの営業を担当して三年目。飲み会で親しくなった職員に「次の入札、予定価格どのあたりですか」と軽く聞いた。職員は答えなかった。それでも、秘密を漏らすよう働きかけたと評価されれば、本条の「唆し」の射程に入りうる。官製談合に関する罪(刑法96条の6など)とは別の、もう一本の線である
  • 記者であるあなたは、省庁の担当者と親しくなって未公開の交渉文書を入手した。西山記者事件で最高裁は、取材目的の働きかけがすぐに違法となるわけではないとした。そのうえで、手段や方法が社会観念上是認できない場合は正当業務行為(仕事として正当な行為)にあたらないと判断し、有罪を確定させた。取材の中身ではなく、取材のやり方が問われる
  • 公務員の友人に選挙ビラ配りを頼んだら、どうなる? 国家公務員の政治的行為は102条と人事院規則で制限されており、その違反を唆せば本条の対象になりうる。ただし堀越事件判決(最判平成24.12.7)は、処罰対象を職務の中立性を実質的に損なうおそれのある行為に絞っている。管理職かどうか、勤務時間外かどうかで結論が変わる
  • 課長として、部下が内部情報を外部の業者へ流していると薄々気づきながら放置していた。「故意に容認した」と認定されれば、漏らした部下と同じ刑になる。見て見ぬふりにも責任が生じる
  • 警察から任意の事情聴取の連絡があり、日程調整の期限はあと三日。容疑は元同僚の公務員に内部資料を頼んだ件だ。聴取の前に弁護士へ相談し、LINE やメールのやり取りを時系列で整理しておくこと。自分の言葉で供述が固まる前に済ませる必要がある

取るべき行動

被害を受けた側:1. 公務員であるあなたが外部から非公開情報を執拗に求められたら、依頼の日時・内容・相手を記録する2. 上司や服務担当部署(コンプライアンス窓口)へ速やかに報告し、一人で抱えない。放置すると、組織の側が「故意に容認した」と評価される余地が生まれる3. 利益提供を伴う依頼なら、国家公務員倫理法の観点からも報告対象になりうる4. 断った事実も記録に残す

訴えられた側:1. 任意の聴取でも、応じる前に弁護士へ相談する2. 依頼した情報が実質的に秘密として保護に値するか(公知の情報ではないか)を検討する。形式的に「秘」とされていても、実質秘でなければ争える3. 働きかけの手段が相当だったかを、メールや LINE の時系列で整理する4. 取材や業務としての正当性(刑法35条)を主張できるか、弁護人と詰める

時効(請求できる期限):公訴時効は、109条の罪(1年以下の拘禁刑等)、110条の罪(3年以下の拘禁刑等)のいずれも3年(刑事訴訟法250条2項6号)。起算点は犯罪行為が終わった時(同253条)。唆しの場合は働きかけを終えた時点が基準になりうるが、具体的な起算は事案次第(最新の改正状況をご確認ください)

学説

判例・通説(独立教唆犯説):本条の唆しは、刑法総則の教唆犯とは異なる独立の犯罪類型である。被唆者が実行に出なくても、実行の決意を生じさせるに足りる慫慂行為があれば成立する。

限定解釈説:独立処罰は表現の自由や取材の自由を萎縮させるため、唆しを、違法行為の具体的・現実的な危険を生じさせる働きかけに限定すべきだとする見解。判例は、手段の相当性と実質秘の要件で調整している。

改正沿革 AI による整理

  • 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年6月1日)施行 刑法等の一部改正に伴い、本条が引用する109条・110条の法定刑の「懲役」が「拘禁刑」に改められた。本条の文言自体が改正されたかどうか、また過去の号番号整理の経緯は、人の手による検証が必要

改正の年表

  1. 1.昭和22年(1947年) 新設:国家公務員法(昭和22年法律第120号)の制定。罰則章に、公務員以外の者による企て・唆し等の処罰規定が置かれた。号番号の変遷は、原典で確認が必要
  2. 2.令和4年(2022年) 改正:刑法等の一部改正に伴い、本条が引用する109条・110条の法定刑の「懲役」が「拘禁刑」に改められた(令和7年6月1日施行)

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国家公務員法の全文を見る所属する編章節を開く:第四章

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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