国家公務員法 第110条
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- 次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。
- 一第二条第六項の規定に違反した者
- 二第十七条第二項(第十八条の三第二項において準用する場合を含む。次号及び第四号において同じ。)の規定による証人として喚問を受け虚偽の陳述をした者
- 三第十七条第二項の規定により証人として喚問を受け正当の理由がなくてこれに応ぜず、又は同項の規定により書類若しくはその写しの提出を求められ正当の理由がなくてこれに応じなかつた者
- 四第十七条第二項の規定により書類又はその写しの提出を求められ、虚偽の事項を記載した書類又は写しを提出した者
- 五第十七条第三項(第十八条の三第二項において準用する場合を含む。)の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は質問に対して陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をした者(第十七条第一項の調査の対象である職員(第十八条の三第二項において準用する場合にあつては、同条第一項の調査の対象である職員又は職員であつた者)を除く。)
- 六第十八条の規定に違反して給与を支払つた者
- 七第三十三条第一項の規定に違反して任命をした者
- 八第三十九条の規定による禁止に違反した者
- 九第四十条の規定に違反して虚偽行為を行つた者
- 十第四十一条の規定に違反して受験若しくは任用を阻害し又は情報を提供した者
- 十一第六十三条の規定に違反して給与を支給した者
- 十二第六十八条の規定に違反して給与の支払をした者
- 十三第七十条の規定に違反して給与の支払について故意に適当な措置をとらなかつた人事官
- 十四第八十三条第二項の規定に違反して停職者に俸給を支給した者
- 十五第八十六条の規定に違反して故意に勤務条件に関する行政措置の要求の申出を妨げた者
- 十六何人たるを問わず第九十八条第二項前段に規定する違法な行為の遂行を共謀し、唆し、若しくはあおり、又はこれらの行為を企てた者
- 十七第百条第四項(同条第五項において準用する場合を含む。)の規定に違反して陳述及び証言を行わなかつた者
- 十八第百二条第一項に規定する政治的行為の制限に違反した者
- 十九第百八条の二第五項の規定に違反して団体を結成した者
- 2.前項第八号に該当する者の収受した金銭その他の利益は、これを没収する。その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国家公務員法第110条は、日本の国家公務員法に含まれる条文です。
- 国家公務員法第110条の条文原文は「次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。」で始まります。
- 国家公務員法第110条は第四章に置かれています。
- 国家公務員法の公布日は昭和22年10月21日です。
- 国家公務員法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 国家公務員法第110条の前の条は国家公務員法第109条です。
- 国家公務員法第110条の次の条は国家公務員法第111条です。
- 国家公務員法第110条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第110条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000120 - 本サイト収録
国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第110条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000120/110
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国家公務員法110条は、政治的行為の制限違反や争議行為のあおり、人事院調査での虚偽陳述など19類型に三年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金を科す罰則規定。
Q · 公務員がストライキに参加すると、刑事罰を受けるの?
参加だけなら刑事罰はなく、あおった側が処罰対象になる
国家公務員法110条1項17号が処罰するのは、争議行為の遂行を共謀し、唆し、あおり、又は企てた者です。「何人たるを問わず」とあるため、公務員でない組合役員なども含まれます。単にストライキに参加しただけの職員は本条の刑事罰の対象ではありませんが、同法98条2項違反として懲戒処分の対象にはなります。刑は三年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金です。
解説
三年以下の拘禁刑または百万円以下の罰金。国家公務員法の罰則の中でも重い部類のこの刑罰は、十九もの違反類型に一括して付いている。並び方は雑多に見えるが、共通点が一つある。どれも「公務員制度そのものを内側から壊す行為」を狙っているのだ。任用試験の情報漏えい、口利きの見返りに金銭を受け取る行為、人事院の調査での虚偽陳述、政治的行為の制限違反、争議行為のあおり。見落とされやすいのは、対象が公務員に限られない号があることだ。争議行為については「何人たるを問わず」と書かれ、民間の組合幹部や外部の活動家も処罰の対象になる。一方で、ストライキに参加しただけの職員は本条では処罰されない(懲戒処分の対象にはなる)。誰が、どの段階で刑事罰の線を越えるのか。その線引きを知っていれば、懲戒で済む話と前科が付く話を取り違えずに済む。
法的な位置づけ
国家公務員法110条は同法の罰則規定の一つであり、人事院の調査における虚偽陳述、人事に関する利益授受、争議行為の共謀・唆し・あおり・企て、政治的行為の制限違反など19類型の行為について、三年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金を定める。同条2項は、人事に関する利益授受で収受した利益の必要的没収・追徴を規定する。
よくある質問 AI による整理
Q1国家公務員法110条とは?
国家公務員法の罰則規定で、政治的行為の制限違反、争議行為のあおり、人事院調査での虚偽陳述など19類型に三年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金を定めています。
Q2国家公務員が政治的行為をしたら罰則はある?
人事院規則14-7が定める政治的行為の制限に違反すると、同法102条1項を経由して本条1項19号の刑事罰の対象になりえます。懲戒処分とは別に進みます。
Q3国家公務員法違反の時効は何年?
本条の罪の公訴時効は3年です(刑事訴訟法250条2項6号)。犯罪行為が終わった時から進行します。懲戒処分はこれとは別の扱いです。
Q4人事院の証人喚問を欠席するとどうなる?
正当な理由なく喚問に応じないと、本条1項により処罰対象になります。書類提出の求めを正当な理由なく拒んだ場合や、虚偽の書類を出した場合も同様です。
Q5地方公務員の政治活動は犯罪になる?
地方公務員法36条の政治的行為の制限違反には刑事罰がなく、懲戒処分の対象にとどまります。刑事罰がある国家公務員とは扱いが大きく異なります。
Q6非常勤の国家公務員も政治的行為の制限を受ける?
一般職の非常勤職員も原則として人事院規則14-7の制限を受けます。ただし適用除外の範囲があるため、人事院規則の該当条項で個別に確認が必要です。
Q7公務員の採用試験の情報を漏らすと違法?
国家公務員法41条に違反して受験や任用を阻害したり、特別な情報を提供したりすると、本条1項により三年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金の対象です。
Q8国家公務員のスト禁止は憲法違反では?
最高裁は全農林警職法事件(昭和48年)で、争議行為のあおり等の処罰を憲法28条に違反しないと判断しました。現在もこの判例が維持されています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1公務員って選挙で投票以外のこと、何もしちゃダメなんですか?
そこまでではない。投票はもちろん自由で、禁止されるのは人事院規則14-7が列挙する政治的行為(政党機関紙の配布、特定候補の支持を目的とする署名運動の企画など)である。違反すると国家公務員法102条1項を経由して本条の罰則が及ぶ。実務のポイント:堀越事件以降、処罰の判断で重く見られるのは行為の中身より行為者の地位である。同じ行動でも、管理職的地位にある職員は処罰されうる側に大きく寄る
Q2組合のストに参加しただけで、前科が付いたりしますか?
本条で処罰されるのは、争議行為の共謀、唆し、あおり、企てであり、参加しただけでは刑事罰の対象にならない(国家公務員法98条2項、本条1項)。ただし参加者も懲戒処分の対象にはなる。実務のポイント:実務で争点になりやすいのは「参加」と「あおり」の境目である。職場で同僚に参加を呼びかけるメッセージを送った瞬間、評価が一段上がりうる。呼びかけ役を引き受ける前に、その重さを知っておく必要がある
Q3口利きのお礼を受け取ったけど、まだ使ってないなら返せば済みますか?
返しても犯罪の成立は消えない。国家公務員法39条違反は受け取った時点で成立し、受け取った利益は本条2項で必ず没収され、没収できなければ価額を追徴される。刑法の任意的没収とは異なり、裁判所に「没収しない」という選択肢がない。実務のポイント:同じ行為が刑法の収賄罪にも当たると、より重い刑で立件されることがある。早期の返還と申告は情状として意味を持つが、それで免責されるわけではない
間違えやすい点 AI による整理
- 「ストライキに参加したら公務員は逮捕される」と思われがちだが、本条が処罰するのは争議行為の共謀、唆し、あおり、企てであり、参加そのものではない。単なる参加者は懲戒処分の対象にとどまる。刑事責任は、人を動かす側に集中する設計である
- 政治的行為の制限違反が犯罪になりうることは知っていても、その範囲がどれほど揺れてきたかは知られていない。猿払事件(最大判昭和49.11.6)は広く処罰を認めたが、堀越事件(最判平成24.12.7)は「政治的中立性を損なうおそれが実質的に認められるもの」に限る解釈を示し、休日に職務と無関係に機関紙を配った管理職でない職員を無罪とした。同じ日の世田谷事件では、管理職的地位にあった職員が有罪とされている。肩書き一つで結論が分かれる
- 職員本人の目線では「身内の調査だから多少ぼかしても構わない」と感じるかもしれない。だが法律の上では、人事院の喚問は証人尋問と同じ重さを持つ。社内ヒアリングの感覚でした言い繕いが、虚偽陳述罪の構成要件にそのまま当てはまる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 法定刑 | 国公法110条:三年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金 | 国公法109条:一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金(守秘義務違反等) 地方公務員法61条:三年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金 |
| 政治的行為の制限違反 | 刑事罰あり(1項19号、102条1項違反) | 対象外(守秘義務・服務違反等を処罰) 刑事罰なし(地公法36条違反は懲戒のみ) |
| 争議行為の扱い | 共謀・唆し・あおり・企てを「何人たるを問わず」処罰(1項17号)、単なる参加は対象外 | 対象外 地公法37条の争議行為について、あおり等を同様に処罰 |
| 主な処罰対象者 | 職員に限らず、人事官・任命権者・外部者を含む | 主に職員・元職員 地方公務員及び外部者(号による) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も公務員の政治活動を制限し罷工を禁止するが、違反への対応は主に懲戒・行政上の責任であり、日本の国公法のように政治的行為違反へ直接刑事罰を科す構造とは異なる
韓国は政治運動の禁止と集団行為の禁止の違反に刑事罰を置いており、日本と同じく刑罰で中立性を担保する型に近い
ドイツは官吏のストライキ禁止を職業官吏制度の伝統的原則から導くが、担保手段は懲戒であり刑事罰ではない
米国は政治活動の制限違反を懲戒で処理する一方、連邦職員のストライキ参加そのものを刑事罰の対象とする点で、参加者を処罰しない日本と逆の設計である
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 国の出先機関で課長補佐を務めるあなたが、選挙前に特定候補を応援する投稿を実名 SNS で繰り返したらどうなる? 人事院規則14-7が定める「政治的行為」に当たれば、懲戒処分にとどまらず本条の刑事罰が視野に入る。最高裁は、管理職的地位にあるかどうか、職務との関連性が外から見えるかどうかを重く見ている
- 労働組合の専従役員として、職員に「明日は一斉に職場放棄しよう」とビラを配った。あなた自身は公務員でなくても、争議行為のあおりとして処罰されうる。全農林警職法事件(最大判昭和48.4.25)がこの処罰を合憲と判断している
- 知人から「息子を採用してもらえるよう口を利いてほしい、お礼はする」と封筒を渡された。受け取った瞬間に国家公務員法39条違反となり、受け取った金は没収される。使ってしまっていれば同じ額を追徴される
- 人事院から証人として喚問する旨の通知が届き、出頭日まであと5日。上司からは「余計なことは言うな」と言われている。正当な理由なく欠席しても虚偽の陳述をしても、処罰されるのは上司ではなくあなたである
取るべき行動
被害を受けた側:1. 採用試験の情報漏えいや口利きで不利益を受けた疑いがあるなら、日時、関係者、金銭の動きを時系列でメモし、書類や通信記録を保全する2. 所属府省の監察部門や人事院の窓口に通報する。公益通報者保護法の保護対象になりうる3. 刑事事件にすべき事案なら警察または検察へ告発する。本条違反は告発によって捜査が動く類型である4. 報復的な人事を受けたら、国家公務員法86条の行政措置要求を検討する。その申出を故意に妨げる行為自体も本条の処罰対象である
訴えられた側:1. 政治的行為が問題にされたら、行為時の地位(管理職かどうか)、勤務時間の内か外か、公務員であることが外から分かったかどうかを整理する。堀越事件の判断枠組みがそのまま防御の軸になる2. 争議関係では、自分の行為が単なる参加かあおりかを区別し、どの号に当たると指摘されているのかを特定させる3. 懲戒手続と刑事手続は別々に進むので、懲戒の聴取で話した内容が刑事で使われうることを前提に、早い段階で弁護士に相談する
時効(請求できる期限):公訴時効は3年(刑事訴訟法250条2項6号。長期5年未満の拘禁刑または罰金に当たる罪)。起算点は犯罪行為が終わった時(同法253条1項)。懲戒処分には刑事の公訴時効のような期限がなく、別に進むことに注意(最新の改正状況をご確認ください)
学説
判例(合憲限定解釈の流れ):猿払事件は政治的行為の処罰を広く認めたが、堀越事件は構成要件自体を「中立性を損なうおそれが実質的に認められる行為」に限定し、行為者の地位や職務関連性を重視する枠組みへ移った
学説の多数(違憲論・限定論):政治的行為や争議のあおりへの刑事罰は、表現の自由や労働基本権の制約として過度に広汎であるとの批判が強く、懲戒で足りる領域まで刑罰を及ぼすことへの疑問が示されてきた
改正沿革 AI による整理
- 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年6月1日)施行 刑法等の一部改正に伴う整理で「懲役」が「拘禁刑」に改められた。罰金額の引上げ時期や号の追加・削除の経緯は要人的検証
改正の年表
- 1.昭和22年(1947年) 新設:国家公務員法の制定とともに罰則規定として設けられた
- 2.昭和23年(1948年) 改正:占領下の改正で公務員の争議行為が全面禁止され、あおり等の処罰規定が整備された
- 3.令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年)施行 改正:刑法等の一部改正に伴い「懲役」が「拘禁刑」に改められた
- 国家公務員法 第102条政治的行為の制限、本条で刑罰化
- 国家公務員法 第98条争議行為の禁止、あおり等を処罰
- 国家公務員法 第39条人事に関する利益授受の禁止、没収の前提
- 国家公務員法 第109条守秘義務違反等の一年以下の罰則
- 国家公務員法 第17条人事院の調査、喚問と検査の権限
- 刑法 第19条任意的没収の一般則を必要的没収で修正
- 刑法 第197条収賄罪、利益授受行為との競合
- 地方公務員法 第61条地方公務員における同種罰則の対応規定
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