国家公務員法 第109条
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- 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
- 一第七条第三項の規定に違反して任命を受諾した者
- 二第八条第三項の規定に違反して故意に人事官を罷免しなかつた閣員
- 三人事官の欠員を生じた後六十日以内に人事官を任命しなかつた閣員(この期間内に両議院の同意を経なかつた場合にはこの限りでない。)
- 四第十五条の規定に違反して官職を兼ねた者
- 五第十六条第二項の規定に違反して故意に人事院規則及びその改廃を官報に掲載することを怠つた者
- 六第十九条の規定に違反して故意に人事記録の作成、保管又は改訂をしなかつた者
- 七第二十条の規定に違反して故意に報告しなかつた者
- 八第二十七条の規定に違反して差別をした者
- 九第四十七条第三項の規定に違反して採用試験の公告を怠り又はこれを抑止した職員
- 十第八十三条第一項の規定に違反して停職を命じた者
- 十一第九十二条の規定によつてなされる人事院の判定、処置又は指示に故意に従わなかつた者
- 十二第百条第一項若しくは第二項又は第百六条の十二第一項の規定に違反して秘密を漏らした者
- 十三第百三条の規定に違反して営利企業の地位に就いた者
- 十四離職後二年を経過するまでの間に、離職前五年間に在職していた局等組織に属する役職員又はこれに類する者として政令で定めるものに対し、契約等事務であつて離職前五年間の職務に属するものに関し、職務上不正な行為をするように、又は相当の行為をしないように要求し、又は依頼した再就職者
- 十五国家行政組織法第二十一条第一項に規定する部長若しくは課長の職又はこれらに準ずる職であつて政令で定めるものに離職した日の五年前の日より前に就いていた者であつて、離職後二年を経過するまでの間に、当該職に就いていた時に在職していた局等組織に属する役職員又はこれに類する者として政令で定めるものに対し、契約等事務であつて離職した日の五年前の日より前の職務(当該職に就いていたときの職務に限る。)に属するものに関し、職務上不正な行為をするように、又は相当の行為をしないように要求し、又は依頼した再就職者
- 十六国家行政組織法第六条に規定する長官、同法第十八条第一項に規定する事務次官、同法第二十一条第一項に規定する事務局長若しくは局長の職又はこれらに準ずる職であつて政令で定めるものに就いていた者であつて、離職後二年を経過するまでの間に、局長等としての在職機関に属する役職員又はこれに類する者として政令で定めるものに対し、契約等事務であつて局長等としての在職機関の所掌に属するものに関し、職務上不正な行為をするように、又は相当の行為をしないように要求し、又は依頼した再就職者
- 十七在職していた府省その他の政令で定める国の機関、行政執行法人若しくは都道府県警察(以下この号において「行政機関等」という。)に属する役職員又はこれに類する者として政令で定めるものに対し、国、行政執行法人若しくは都道府県と営利企業等(再就職者が現にその地位に就いているものに限る。)若しくはその子法人との間の契約であつて当該行政機関等においてその締結について自らが決定したもの又は当該行政機関等による当該営利企業等若しくはその子法人に対する行政手続法第二条第二号に規定する処分であつて自らが決定したものに関し、職務上不正な行為をするように、又は相当の行為をしないように要求し、又は依頼した再就職者
- 十八第十四号から前号までに掲げる再就職者から要求又は依頼(独立行政法人通則法第五十四条第一項において準用する第十四号から前号までに掲げる要求又は依頼を含む。)を受けた職員であつて、当該要求又は依頼を受けたことを理由として、職務上不正な行為をし、又は相当の行為をしなかつた者
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国家公務員法第109条は、日本の国家公務員法に含まれる条文です。
- 国家公務員法第109条の条文原文は「次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。」で始まります。
- 国家公務員法第109条は第四章に置かれています。
- 国家公務員法の公布日は昭和22年10月21日です。
- 国家公務員法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 国家公務員法第109条の前の条は国家公務員法第108条の7です。
- 国家公務員法第109条の次の条は国家公務員法第110条です。
- 国家公務員法第109条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第109条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000120 - 本サイト収録
国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第109条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000120/109
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国家公務員法109条は、秘密漏えいや再就職者の不正依頼など18類型の違反に1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金を科す。守秘義務違反は退職後も処罰対象となる。
Q · 公務員が職務上の秘密を漏らしたら、懲戒だけで済むの?
済まない。刑事罰の対象で、退職後も処罰され得る
国家公務員法100条1項は、職務上知り得た秘密を漏らすことを禁じ、この義務は退職後も続きます。違反すると109条12号により1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金が科されます。ただし保護される「秘密」は、非公知の事実で実質的にも秘密として保護に値するものに限られます(最決昭和52年12月19日)。漏えいをそそのかした者も111条で同じ刑の対象です。
解説
国家公務員法109条には18の号が並んでいるが、共通点が一つある。どの号も「役所の中で一度起きると、外から見えなくなる不正」を対象にしている。人事記録の未作成、採用試験の公告を握りつぶすこと、職員への差別、1年を超える停職、人事院の判定を無視すること、職務上の秘密を漏らすこと、在職中の営利企業の役員兼業、そして天下りした元職員が古巣の後輩に「入札で便宜を図れ」と頼むこと。懲戒(役所内部で科す処分、例:減給や停職)で済む話に見えるが、どれも1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金が科される犯罪である。あなたが公務員なら、退職した後も守秘義務の刑事責任は消えない(100条1項)。あなたが業者なら、OBからの頼みごとを受けた現役職員の側も18号で処罰される。あなたが記者なら、秘密の漏えいをそそのかした側も111条で同じ刑を受ける。18の号は、役所の外にいる人にも届いている。
法的な位置づけ
国家公務員法109条は、同法の人事管理・服務規定のうち、公務の公正と信頼を損なう18類型の違反行為を刑事罰の対象とする罰則規定である。人事記録の不作成、差別的取扱い、秘密漏えい、無許可の営利企業役員就任、再就職者による職務上不正な行為の依頼、及びその依頼に応じた職員の不正行為を含み、法定刑は1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金である。
よくある質問 AI による整理
Q1国家公務員法109条とは?
国家公務員法の服務・人事規定のうち18類型の違反に刑事罰を科す罰則規定です。法定刑は1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金です。
Q2公務員の守秘義務違反の罰則は?
国家公務員の場合、100条1項違反は109条12号により1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金です。懲戒処分とは別に科されます。
Q3天下りOBの口利きは違法?
離職後2年以内の再就職者が、古巣の職員に契約等事務で職務上不正な行為を要求・依頼すれば109条14号〜17号で処罰されます。
Q4国家公務員が家族の会社の役員になるのは違法?
103条は営利企業の役員就任を原則禁じており、所定の承認なく就任すれば109条13号の罰則対象です。無報酬でも問題になり得ます。
Q5国家公務員法でいう「秘密」とは何?
判例上、非公知の事実で、実質的にも秘密として保護に値するものを指します。「秘」の指定があるだけでは足りません(最決昭和52年12月19日)。
Q6国家公務員法違反の時効はいつまで?
109条の法定刑上限は1年以下の拘禁刑のため、公訴時効は犯罪行為が終わった時から3年です(刑事訴訟法250条2項6号)。
Q7人事院の判定に役所が従わないとどうなる?
92条に基づく人事院の判定・処置・指示に故意に従わなかった者は、109条11号で1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金の対象です。
Q8公務員の人事上の差別は犯罪になる?
27条の平等取扱いの原則に違反して差別をした者は、109条8号により刑事罰の対象になります。懲戒や審査請求とは別の手続です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1辞めて10年たった元公務員でも、昔の仕事の話をしたら捕まるんですか?
100条1項は、守秘義務が退職後も続くと明記しており、109条12号の罰則も及びます。ただし公訴時効は漏らした時点から3年なので、処罰されるのは最近漏らした分です。実務のポイント:実務では、何年も前の情報で既に非公知ではなくなっていれば「秘密」に当たらないという反論が成り立ちます。講演や本の執筆の前に、出身省庁に事前相談しておけば争いを避けられます
Q2記者が官僚から情報をもらうのって、そもそも違法なんですか?
取材自体は原則として正当業務行為であり、違法ではありません。最高裁(最決昭和53.5.31、西山事件)は、報道目的で、手段と方法が法秩序全体の精神から見て相当なものであれば違法性を欠くとしました。実務のポイント:有罪の決め手になったのは情報の中身ではなく入手の仕方でした。取材先との関係や接触の経緯を記録しておくことが、記者自身を守ります
Q3OBに頼まれたけど断った。それでも自分に何か責任はありますか?
不正な行為をしていなければ、18号は成立しません。ただし国家公務員法は、再就職者から依頼を受けた職員に届出義務を課しています(106条の4第9項)。実務のポイント:処罰されるリスクよりも、届け出なかったことで懲戒の対象になるリスクのほうが現実的です。断った事実と届け出た日時を残しておけば、後で調査があっても自分の立場は揺らぎません(最新の改正状況をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 守秘義務違反は懲戒で終わる話と思われがちだが、罰則は刑事罰である。退職後も同じで、年金生活に入った元職員でも起訴され得る。ただし保護されるのは何でもよいわけではなく、最高裁(最決昭和52.12.19)は「非公知の事実で、実質的に秘密として保護に値するもの」に限定した。「マル秘」の判子があれば秘密、という形式論では決まらない
- 天下り規制と聞くと、再就職そのものが犯罪だと考える人が多い。問われているのはそこではない。14号から17号が処罰するのは、再就職者が古巣に「職務上不正な行為」を頼むことである。不正を伴わない単なる働きかけは、109条ではなく過料(行政上の金銭罰)の対象として別に扱われる。取締りの重心は「辞めた後の口利き」にある
- 公務員の身から見れば18号は「頼まれた」だけの被害者の条文に見える。法律から見れば、応じて不正をした時点で現役職員自身が犯罪者になる。先輩の頼みを断れなかったという事情は、情状として考慮されることはあっても、構成要件を外す理由にはならない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の性質 | 109条:18類型の違反に対する罰則(刑事罰) | 100条:守秘義務そのものを定める服務規定 111条:109条等の行為の企て・命令・容認・そそのかし・幇助を処罰 |
| 処罰される主体 | 違反した職員・閣員・再就職者・依頼に応じた職員 | 義務を負うのは現職職員及び退職者(罰則は109条12号が担う) 公務員以外の者(記者・業者など)も対象になり得る |
| 法定刑 | 1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金 | 本条自体に刑罰はなく、違反は懲戒事由にもなる 各本条(109条等)と同じ刑 |
| 実務上の焦点 | どの号の構成要件に当たるか | 漏らした情報が実質秘に当たるか 取材等の手段・方法が社会観念上相当か |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は公務上の秘密漏洩を刑法で直接処罰し、離職後の再就職制限(旋轉門条項)は公務員服務法で規律する。日本のように一つの公務員法の罰則条に集約していない
韓国は公務上秘密漏洩を刑法で処罰し、退職公職者の就業制限・請託禁止は公職者倫理法で規律する
ドイツは職務上の秘密漏洩を刑法典で処罰し、公共の利益を危うくしたことを要件とする。退職後の兼業届出は連邦公務員法で規律する
米国は元連邦職員による古巣への働きかけ(リボルビングドア)を刑事罰で直接制限しており、日本の再就職者規制と発想が近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 元局長が民間の建設会社に再就職して1年半。古巣の課長に電話で「次の入札、予定価格をそれとなく教えてくれ」と頼んだ。17号の典型例である。頼まれた課長が応じれば18号で課長も処罰される。退職から2年の期限まで、あと半年残っていた
- 省内の人事データを扱っていた職員が退職後、転職先で「前の職場の内部事情」を講演の雑談で話した。辞めたから時効、という感覚は通用しない。100条1項の守秘義務は退職後も続き、109条12号の罰則もそのまま及ぶ
- もし、あなたの取材先の官僚が「これは本当はまずいんだが」と前置きして非公開の交渉文書を見せてくれたら、どうなるか? 漏らした官僚は12号、あなたは111条のそそのかし罪に問われる可能性がある。境界線を決めるのは取材の手段と方法である
- 週末だけ家業の株式会社で取締役を務めている国家公務員。無報酬でも103条違反になり得る。許可を得ずに役員に就いていれば、13号の罰則対象である
取るべき行動
被害を受けた側:1. 人事で差別された、あるいは違法な停職を受けたと感じたら、まず処分説明書と通知を保管する2. 不利益処分は人事院への審査請求で争う(90条、90条の2)。人事院の判定に役所が従わない場合は11号の罰則の対象になる3. 秘密の漏えいで被害を受けた民間人は、刑事告発とあわせて国家賠償法1条による国への賠償請求を検討する4. 天下りOBの口利きが疑われる場合は、内閣府の再就職等監視委員会に情報提供する
訴えられた側:1. 秘密漏えいを疑われたら、その情報が本当に非公知で実質秘に当たるかを最初に検討する(最決昭和52.12.19)。既に報道されていた情報であれば要件を欠く可能性がある2. OBの依頼を受けただけで不正に応じていなければ18号は成立しない。断った記録を確保する3. 懲戒処分と刑事手続は別に進む。懲戒は審査請求、刑事は弁護人と、両方の窓口を早期に分けて対応する
時効(請求できる期限):法定刑の上限が1年以下の拘禁刑なので、公訴時効は犯罪行為の終了から3年(刑事訴訟法250条2項6号、253条1項)。懲戒処分に対する人事院への審査請求は、処分説明書を受領した日の翌日から3か月以内、かつ処分から1年以内(90条の2)。天下り関係の号は、離職から2年以内の依頼が対象である
学説
通説(実質秘説):守秘義務違反罪の保護対象は、形式的な秘密指定の有無ではなく、非公知性と実質的な要保護性で判断する。判例もこの立場を採り、刑事罰の範囲を限定している
改正沿革 AI による整理
- 平成19年(2007年)改正、平成20年(2008年)施行 退職管理制度の見直しにより、再就職者が古巣に不正行為を依頼すること、及び依頼を受けて不正をした職員を処罰する各号が加わった(号番号・施行日の詳細は要確認)
- 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年6月1日)施行 刑法等の一部改正に伴い「懲役」が「拘禁刑」に改められた
改正の年表
- 1.昭和22年(1947年) 新設:国家公務員法の制定とともに罰則規定として設けられた
- 2.平成19年(2007年) 改正:退職管理制度の見直しにより、再就職者による職務上不正な行為の依頼と、依頼に応じた職員の不正行為を処罰する各号が加わった(号番号・施行日の詳細は要確認)
- 3.令和4年(2022年) 改正:刑法等の一部改正に伴い「懲役」が「拘禁刑」に改められた(令和7年6月1日施行)
- 国家公務員法 第100条守秘義務、退職後も継続
- 国家公務員法 第103条私企業からの隔離、役員兼業の禁止
- 国家公務員法 第106条の4再就職者による依頼等の規制
- 国家公務員法 第111条企て・そそのかし・幇助も本条の刑で処罰
- 国家公務員法 第113条不正を伴わない働きかけへの過料(現行効力を要確認)
- 特定秘密の保護に関する法律 第23条特定秘密の漏えいに重い刑罰を科す特則
- 地方公務員法 第60条地方公務員の守秘義務違反等の同種罰則
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