国家公務員法 第43条(受験の欠格条項)
クイックジャンプ
第四十四条に規定する資格に関する制限の外、官職に就く能力を有しない者は、受験することができない。
この条文の基本情報
受験の欠格条項とは何ですか?
定義受験の欠格条項とは、国家公務員法第43条に定められた規定で、「第四十四条に規定する資格に関する制限の外、官職に就く能力を有しない者は、受験することができない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国家公務員法第43条(受験の欠格条項)は、日本の国家公務員法に含まれる条文です。
- 国家公務員法第43条の条文原文は「第四十四条に規定する資格に関する制限の外、官職に就く能力を有しない者は、受験することができない。」で始まります。
- 国家公務員法第43条は第二款に置かれています。
- 国家公務員法の公布日は昭和22年10月21日です。
- 国家公務員法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 国家公務員法第43条の前の条は国家公務員法第42条です。
- 国家公務員法第43条の次の条は国家公務員法第44条です。
- 国家公務員法第43条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第43条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000120 - 本サイト収録
国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第43条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000120/43
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国家公務員法43条は、第44条の資格要件とは別に、第38条の欠格事由に当たる者など官職に就く能力を有しない者の受験を禁じる。罰金刑の前科は欠格事由に当たらない。
Q · 前科があると国家公務員試験は受けられないの?
罰金なら受験できる。拘禁刑の執行猶予中は受験できない
国家公務員法43条は、第44条の資格要件とは別に、官職に就く能力を有しない者の受験を禁じています。一般に第38条の欠格事由に当たる人を指し、拘禁刑以上の刑の執行を終えていない人(執行猶予中を含む)や、懲戒免職から2年を経過しない人などが該当します。罰金刑や科料は欠格事由に当たらないため、罰金の前科があっても受験できます。執行猶予は期間満了で刑の言渡しが効力を失い(刑法27条)、欠格から外れます。
解説
罰金刑の前科がある人でも、国家公務員の採用試験は受けられる。執行猶予中の人は受けられない。この二つを分けているのが本条である。本条は、第44条が定める受験資格の制限とは別に、「官職に就く能力を有しない者」の受験を認めていない。一般には、第38条の欠格条項に当たる人を指すと解されている。具体的には、拘禁刑以上の刑に処せられて執行を終えていない人(執行猶予中を含む)、懲戒免職(公務員として最も重い処分であるクビ)を受けてから2年を経過しない人などである。ここで押さえておくべきことは三つある。第一に、この線引きは「前科があるかどうか」ではなく、「刑の重さ」と「いつまで続くか」で決まる。第二に、令和元年(2019年)の法改正で、成年被後見人・被保佐人は一律の欠格から外された。第三に、国籍要件は法律の条文ではなく人事院規則に書かれている。受験をあきらめる前に確かめるべきなのは、自分が該当するかどうかではなく、いつ該当しなくなるかである。
法的な位置づけ
国家公務員法第43条は、国家公務員採用試験の受験制限を定める規定である。第44条に基づき人事院規則が定める資格要件とは別に、官職に就く能力を有しない者の受験を認めない。能力を有しない者とは、一般に第38条の欠格事由に該当する者、すなわち拘禁刑以上の刑の執行を終えていない者や、懲戒免職の処分から2年を経過しない者などを指す。
手順
- 1.判決書・処分通知書で刑の種類を確認する 判決書や略式命令、懲戒処分通知書を手元に用意し、罰金・科料なのか、拘禁刑(旧懲役・禁錮)なのか、執行猶予が付いているかを確認する。罰金・科料だけなら第38条の欠格事由に当たらない
- 2.欠格から外れる日を日付単位で特定する 執行猶予なら判決確定日から猶予期間を数えて満了日を出す(刑法25条・27条)。実刑なら刑の執行終了日、懲戒免職なら処分の日から2年を経過する日を特定する
- 3.受験予定の試験日程と照合する 人事院が公表する各採用試験の申込受付期間・試験日と、欠格から外れる日を一枚の表に並べる。欠格から外れた後に受験できる最初の試験を特定し、受験計画を組む
- 4.判断に迷う場合は人事院に書面で照会する 欠格事由に当たらないはずなのに受付を拒まれた場合や、成年後見の利用などで個別審査となる場合は、人事院の試験担当窓口に根拠規定を書面で照会し、職務遂行能力を示す資料を準備する
よくある質問 AI による整理
Q1国家公務員法43条とは何ですか?
国家公務員採用試験の受験制限を定める条文です。第44条の資格要件とは別に、官職に就く能力を有しない者、一般には第38条の欠格事由に当たる者の受験を禁じています。
Q2懲戒免職になったら公務員試験はいつから受けられる?
懲戒免職の処分の日から2年を経過すれば、第38条の欠格事由から外れます。2年を経過するまでは、本条により国家公務員試験を受験できません。
Q3拘禁刑の実刑を終えたら公務員試験は受けられる?
刑の執行を終えれば第38条の欠格事由に当たらなくなり、本条による受験制限も外れます。ただし、その後の面接などの選考で経歴が評価されることは別の問題です。
Q4成年被後見人は国家公務員試験を受けられる?
受けられます。2019年の法改正で、成年被後見人・被保佐人を一律に排除する欠格条項は削除されました。現在は職務を行う能力が個別に判断されます。
Q5国家公務員の欠格事由には何がある?
第38条が定めます。拘禁刑以上の刑の執行を終えていない者、懲戒免職から2年を経過しない者、日本国憲法下の政府を暴力で破壊することを主張する団体の結成者・加入者などです。
Q6欠格者が採用されてしまったらどうなる?
欠格者の任用は当然無効と解されています。在職中に欠格事由に該当した場合は、第76条により当然に失職します。処分を待たずに身分を失う点に注意が必要です。
Q7起訴猶予や不起訴でも公務員試験に影響する?
起訴猶予や不起訴は刑に処せられたわけではないため、第38条の欠格事由には当たりません。したがって本条を理由に受験できなくなることはありません。
Q8政府の暴力的破壊を主張する団体に入っていた人は受験できる?
日本国憲法施行の日以後に、憲法またはその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する団体を結成・加入した者は第38条の欠格事由に当たり、受験できません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1執行猶予が明けたら、すぐに国家公務員試験を受けられますか?
受けられる。猶予期間が満了すると刑の言渡しは効力を失い(刑法27条)、国家公務員法38条の欠格事由に当たらなくなるので、本条による受験制限も外れる。実務のポイント:満了の「翌日」と申込受付期間のずれで1年を失う人がいる。判決確定日から満了日を正確に数え、それぞれの試験の受付期間と日単位で照合しておくことが大切である
Q2罰金刑の前科って、受験のときに申告しないといけないんですか?
罰金刑は国家公務員法38条の欠格事由に当たらないので、本条を理由に受験できなくなることはない。申込書類の記載項目は試験ごとに確認が必要である。実務のポイント:欠格事由に当たらないことと、面接で経歴を聞かれることは別の問題である。聞かれた場合に嘘をつくと、前科そのものより虚偽の申告のほうが大きなリスクになる。事実を短く説明し、反省と現在の自分を語る準備をしておく
Q3外国籍でも国家公務員試験を受けられる職種ってありますか?
国家公務員法の条文そのものには国籍要件がない。採用試験での国籍制限は人事院規則に定められており、一般職の採用試験は原則として日本国籍が必要とされている。実務のポイント:地方公務員では、自治体ごとに国籍条項を外した職種がある。国と地方では根拠規定がまったく違うので、国がだめなら地方という選択肢を最初から比較しておく価値がある
間違えやすい点 AI による整理
- 「前科があると国家公務員になれない」という理解は、半分だけ正しい。欠格となるのは拘禁刑以上の刑で、執行が終わるまでまたは執行を受けることがなくなるまでの人に限られる。罰金や科料は欠格事由に当たらない。また、執行猶予期間が満了すれば刑の言渡しは効力を失う(刑法27条)。
- 「外国籍だと法律で受験が禁じられている」と考える人は多いが、国家公務員法の条文に国籍要件は直接書かれていない。根拠は人事院規則にあり、その背景には「公権力の行使に携わる公務員には日本国籍が必要」という政府見解(いわゆる当然の法理)がある。法律なのか規則なのかという違いは、議論する場面で大きな意味を持つ
- 「成年後見を使っている人は公務員になれない」という認識は、2019年の法改正を知らない人のものである。一律の欠格条項は削除され、現在は職務遂行能力を個別に審査する仕組みになっている。家族が善意から受験をあきらめさせてしまうことが、最も起こりやすいパターンである
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する内容 | 43条:官職に就く能力を有しない者の受験を禁止 | 38条:官職に就く能力を有しない者(欠格事由)の具体的な列挙 44条:人事院規則で受験資格要件を定める権限 |
| 適用される場面 | 採用試験の受験段階 | 受験・任用・在職のすべての段階(在職中は76条で当然失職) 採用試験の受験段階 |
| 要件の置き場所 | 法律(受験禁止の効果を定める) | 法律(欠格事由を号ごとに列挙) 人事院規則(年齢・学歴・国籍などの細目) |
| 罰金前科の扱い | 38条に当たらない限り受験可 | 罰金・科料は欠格事由に含まれない 前科ではなく資格要件を規律 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も応考の段階と任用の段階で欠格事由を分けて規定しており、受験段階での排除という構造は日本と共通する。
韓国は欠格事由を詳しく列挙し、執行猶予期間の満了後も一定期間の欠格を置く号があるなど、日本より細分化されている。
ドイツは国籍(ドイツ国籍またはEU市民)と憲法への忠誠を任用要件とし、重い有罪判決については身分喪失の規定で対応する。
米国連邦政府は一律の欠格よりも、犯罪歴などを個別に審査する適格性判断(suitability)を中心としている。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 執行猶予3年の判決を受けた大学3年生が、国家公務員総合職を目指している。猶予期間の満了日はいつか、それと来年の試験申込期間のどちらが先に来るか。この日付の差だけで、受験が1年早くなるか遅くなるかが決まる
- 学生時代の迷惑防止条例違反で罰金30万円を払った人がいる。「前科者は公務員になれない」と思い込み、10年間民間で働いてきた。罰金は第38条の欠格事由に当たらない。思い込みが10年分のキャリアの選択肢を消していたことになる
- 成年後見制度を利用している家族が、障害者選考採用の国家公務員試験を受けたいと言い出したらどうなる? 2019年の改正より前なら門前払いだった。今は一律に排除されず、職務を行う能力が個別に判断される
- 人事担当者の立場から見た場面:採用内定者に執行猶予中だったことが後から判明した。欠格者の採用は判例上、当然無効と解されている。任用を取り消すかどうかを検討するのではなく、そもそも任用が成立していなかったという前提で処理が始まる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 受験を拒まれた、またはあきらめかけている場合は、まず判決書や処分通知書で刑の種類(罰金か拘禁刑か)と猶予期間の満了日を確認する。2. 第38条の各号と照らし合わせ、該当する号があるか、いつ外れるかを特定する。3. 該当しないのに受付を拒否された場合は、人事院の試験担当窓口に根拠規定を書面で照会する。4. 成年後見の利用などで個別審査の対象となる場合は、主治医の意見書など職務遂行能力を示す資料を準備しておく
訴えられた側:1. 採用機関の担当者として、欠格者が混ざっていた場合、その採用は当然無効と扱われる前提で法務部門と早急に協議する。2. 支払済み給与の扱いや、本人が行った職務行為の効力(事実上の公務員の理論)を切り分けて検討する。3. 本人については、虚偽申告の有無が懲戒処分や刑事責任の判断を分ける。事実確認は書面で行い、記録を残す(最新の運用はご確認ください)
時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効はない。判断の基準となる時点は第38条による。拘禁刑以上の刑は、その執行が終わるまで、または執行を受けることがなくなるまで。執行猶予は猶予期間の満了まで(刑法27条)。懲戒免職は処分の日から2年を経過するまで
学説
通説:本条の「官職に就く能力を有しない者」は第38条の欠格事由該当者を指し、年齢・学歴・国籍などの要件は第44条に基づく人事院規則で定められる。本条は受験段階で欠格者を排除する効果規定と位置づけられる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和22年(1947年) 新設:国家公務員法の制定により、第44条の資格制限と並ぶ受験制限として設けられた。
- 2.令和元年(2019年) 改正:成年被後見人等の権利の制限に係る措置の適正化を図る整備法により、第38条から成年被後見人・被保佐人の一律欠格が削除され、本条の受験制限の範囲も縮小した。
- 3.令和7年(2025年) 改正:懲役・禁錮を拘禁刑に一本化する刑法改正の施行に伴い、第38条の欠格事由の表記が「拘禁刑以上の刑」に改められた。
- 国家公務員法 第38条欠格条項、官職に就く能力の具体化
- 国家公務員法 第44条人事院が定める受験資格要件
- 国家公務員法 第27条平等取扱いの原則
- 国家公務員法 第76条欠格該当による当然失職
- 国家公務員法 第33条能力実証に基づく任免の根本基準
- 地方公務員法 第16条地方公務員の欠格条項(並行規定)
- 刑法 第27条猶予期間経過で刑の言渡し失効
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める