国家公務員法 第76条(欠格による失職)
クイックジャンプ
職員が第三十八条各号(第二号を除く。)のいずれかに該当するに至つたときは、人事院規則で定める場合を除くほか、当然失職する。
この条文の基本情報
欠格による失職とは何ですか?
定義欠格による失職とは、国家公務員法第76条に定められた規定で、「職員が第三十八条各号(第二号を除く。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国家公務員法第76条(欠格による失職)は、日本の国家公務員法に含まれる条文です。
- 国家公務員法第76条の条文原文は「職員が第三十八条各号(第二号を除く。」で始まります。
- 国家公務員法第76条は第一目に置かれています。
- 国家公務員法の公布日は昭和22年10月21日です。
- 国家公務員法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 国家公務員法第76条の前の条は国家公務員法第75条です。
- 国家公務員法第76条の次の条は国家公務員法第77条です。
- 国家公務員法第76条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第76条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000120 - 本サイト収録
国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第76条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000120/76
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国家公務員法76条は、職員が38条各号(2号を除く)の欠格事由に該当した時点で、人事院規則で定める場合を除き、処分なしに当然失職すると定める。
Q · 国家公務員が執行猶予付きの判決を受けたら、仕事はどうなるの?
拘禁刑以上が確定すれば、執行猶予付きでも当然失職する
国家公務員法76条により、職員が38条各号(第2号を除く)の欠格事由に該当すると、人事院規則で定める場合を除き当然に失職します。38条1号の拘禁刑以上の刑には執行猶予付き判決も含まれるため、判決が確定した日に身分を失います。罰金刑は1号に当たらないため失職はしませんが、82条の懲戒処分は別途検討されます。失職は処分ではないため、90条の審査請求の対象外と解されています。
解説
辞令も通知書も届かない。それでも国家公務員の身分は、刑事判決が確定した日に自動的に消える。国家公務員法76条は、職員が38条の欠格事由(第2号の懲戒免職を除く)のどれかに当てはまった時点で「当然失職する」と定める。ここでいう「当然」とは、任命権者が処分を出さなくても、法律の力だけで職を失うという意味である。現実に最も多いのは38条1号の「禁錮以上の刑」に当たる場合だ。拘禁刑導入後の文言は最新の改正状況をご確認ください。注意すべきは、執行猶予が付いても対象になる点である。飲酒運転の事故で「拘禁刑1年、執行猶予3年」の判決が確定すれば、刑務所に入らなくても公務員ではなくなる。一方、罰金刑は1号に当たらないので失職しない(懲戒処分の可能性は別に残る)。失職は処分ではないので、90条の審査請求(人事院に不服を申し立てる手続)の対象にもならない。つまり勝負はもっと手前、刑事手続の段階で「罰金で終わるか、拘禁刑以上になるか」という一点にかかっている。
法的な位置づけ
国家公務員法76条は欠格による失職を定める規定であり、職員が同法38条各号(懲戒免職に関する第2号を除く)の欠格事由に該当するに至った場合、人事院規則で定める場合を除き、任命権者の処分を待たずに法律上当然に職員の身分を失うことを規定する。同法75条の身分保障に対する法定の例外として機能する。
よくある質問 AI による整理
Q1国家公務員の当然失職とは?
欠格事由に該当した時点で、任命権者の処分なしに法律上当然に職員の身分を失うことです。国家公務員法76条が根拠です。
Q2公務員 執行猶予 失職する?
失職します。38条1号の拘禁刑以上の刑には執行猶予付き判決も含まれ、判決確定日に当然失職します(国家公務員法76条)。
Q3公務員が失職するのはいつから?
刑事判決が確定した日です。判決言渡し日ではありません。第一審判決後、控訴期間14日を経過すると確定します。
Q4国家公務員の欠格事由とは?
国家公務員法38条に列挙された、公務員になれない事由です。拘禁刑以上の刑の執行中・執行猶予中の者などが含まれます。
Q5略式起訴の罰金で公務員は失職する?
失職しません。罰金は38条1号の拘禁刑以上に当たらないためです。ただし懲戒処分(82条)は別途ありえます。
Q6失職後も働き続けていたらどうなる?
法律上は判決確定日に職員でなくなっています。最高裁は、後から国が失職を主張しても信義則違反とはいえないとした判断を示しています。
Q7当然失職は違憲ではない?
最高裁は、公務員の当然失職規定について憲法14条等に違反しないと判断してきました(最判平成元年1月17日、地方公務員の事案)。
Q8国家公務員と地方公務員で失職の扱いは違う?
地方公務員法28条4項にも当然失職規定がありますが、条例で過失の交通事故などを例外とする特例を設ける自治体があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1罰金刑だったら公務員をクビにならないんですか?
罰金は国家公務員法38条1号の「禁錮以上の刑」に当たらないので、76条による当然失職は起きない。ただし82条の懲戒処分は別に検討され、飲酒運転などでは懲戒免職もありうる。実務のポイント:失職は裁量の余地がない自動装置だが、懲戒は処分なので量定を争える。罰金にとどめられれば、戦える土俵に残れるということだ
Q2失職したことに納得できない場合、人事院に審査請求できますか?
原則としてできない。90条の審査請求は処分を対象とするが、失職は法律上当然に生じる効果で処分ではないと解されている。争うなら、職員の地位にあることの確認を求める訴訟(行政事件訴訟法4条の当事者訴訟)が中心になる。実務のポイント:失職と懲戒免職が同時に問題になる事案では、どちらを争うのかを最初に整理しないと、手続を丸ごと空振りすることがある
Q3失職したら退職金はゼロになるんですか?
一律にゼロとは限らない。国家公務員退職手当法12条に基づき、失職の場合は退職手当の全部または一部を支給しない処分が検討され、非違の内容や勤務実績が考慮される。実務のポイント:支給制限は処分なので、こちらは不服申立ての対象になりうる。失職は争えなくても、退職金は争える場合がある(最新の改正状況をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 「執行猶予が付けば仕事は続けられる」と思われがちだが、逆である。38条1号は刑の執行が終わるまで、または執行を受けることがなくなるまでの者を指し、執行猶予期間中はまさにそこに含まれる。実刑かどうかではなく、刑の種類が拘禁刑以上か罰金以下かが分かれ目になる
- 失職は懲戒免職の軽い版だと思われがちだが、両者は仕組みがまるで違う。懲戒免職は任命権者が下す処分なので審査請求で争える。失職は法律の効果として自動的に生じるので、争う窓口は処分の取消しではなく、身分があることの確認を求める訴訟になる。どちらを取るかを間違えると、手続そのものが空振りに終わる
- 「不祥事を起こしたらどうなるか」という問いの立て方からして狭い。実務で重いのは不祥事の中身より、刑事事件の決着の形である。同じ事故でも、略式命令の罰金で済めば76条は動かず、公判請求されて拘禁刑になれば身分が消える。そのうえ国家公務員退職手当法12条により、退職手当が支給されない場合もある。一件の事故で職と退職金をまとめて失う道筋が、ここでつながっている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 身分喪失の仕組み | 国公法76条:欠格事由該当で法律上当然に失職 | 国公法82条:任命権者の懲戒処分(懲戒免職) 国公法78条:任命権者の分限処分(分限免職) |
| 任命権者の裁量 | なし(人事院規則で定める例外を除く) | あり(処分の要否・量定を判断) あり(勤務実績不良等の判断) |
| 人事院への審査請求(90条) | 処分ではないため原則対象外 | 対象 対象 |
| 争う主な手段 | 地位確認の当事者訴訟(行訴法4条) | 審査請求・処分取消訴訟 審査請求・処分取消訴訟 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も刑事有罪を任用の消極資格とし、任用後に該当すれば免職とする。ただし一部の刑については緩刑(執行猶予)宣告を受けた者を除外する定めがあり、執行猶予も失職対象とする日本より緩やかな面がある。条文の現行文言は要確認
韓国も欠格事由(同法33条)該当を当然退職事由とする。日本と同じく処分を要しない自動的な身分喪失の構造
ドイツは故意犯で1年以上の自由刑などの確定判決により、判決確定と同時に官吏関係が終了する。刑の重さの基準を細かく定める点が日本と異なる
米国連邦では一般的な当然失職制度はなく、重罪で有罪となった法執行官の必要的解職など、個別の規定で対応する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 飲み会の帰り、自家用車で人身事故を起こした霞が関の係長。起訴後の判決は拘禁刑10月、執行猶予3年。本人は「実刑じゃなくてよかった」と安堵したが、控訴せずに判決が確定した日、懲戒の審議を待つこともなく公務員の身分は消えていた
- 夫が国家公務員で、交通事故の刑事裁判を控えている。弁護人は「執行猶予は確実」と言う。家族は「それなら仕事は続けられる」と思っているが、そうではない。罰金で終わる余地があるなら、そこに全力をかける意味がある
- もし失職したのに誰も気付かず、そのまま何年も勤務が続いていたら、どうなる? 失職は法律上当然に生じるので、後で気付いた国側から「とっくに職員ではなかった」と主張される。最高裁は、国のこの主張を信義則違反とはいえないとした判断を示している(最判平成19.12.13)
- 第一審で拘禁刑の執行猶予付き判決が出た。控訴期限まであと14日。その14日を過ぎれば判決は確定し、同時に職を失う。控訴して量刑を争うか、確定させるかの判断は、刑事事件の話であると同時に、生活の糧をどうするかの判断でもある
- 人事課の担当者が、職員の判決確定を知らないまま給与を払い続けていた。失職の日以降の給与は法律上の根拠を欠き、返還の問題が生じる。人事の側から見れば、判決確定日の把握が管理上の急所になる
取るべき行動
被害を受けた側:ここでいう当事者は、失職の危機にある職員とその家族を指す。1. 刑事事件になった時点で、公務員の身分への影響を理解している弁護人に依頼する2. 起訴前の示談と、罰金相当事案であることの立証に集中する3. 判決が確定したら人事担当と退職手当の扱いを確認する4. 失職の成否そのものに争いがあれば、公法上の当事者訴訟(行政事件訴訟法4条)による地位確認を検討する
訴えられた側:ここでは、失職の扱いを担う任命権者や人事担当を想定する。1. 職員の刑事判決の確定日を正確に把握する。判決言渡し日ではない2. 確定日以降の給与支給を止め、過払い分の精算を検討する3. 人事院規則で定める例外に当たるかを確認する4. 退職手当の支給制限(国家公務員退職手当法12条)を手続に沿って判断する。失職の事実を知りながら放置すると、後で信義則の争いを招く
時効(請求できる期限):失職の効果は刑事判決が確定した日に生じる。第一審判決に対する控訴期間は14日(刑事訴訟法373条)。失職そのものに独自の時効はないが、給与・退職手当に関わる請求には一般消滅時効(民法166条)等が関係しうる(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:当然失職は法律上当然に生じる効果であって行政処分ではないため、国家公務員法90条の審査請求の対象とならず、失職の成否を争うには公法上の当事者訴訟として地位確認を求めるべきとされる。
改正沿革 AI による整理
- 昭和22年(1947年) 国家公務員法の制定時から、欠格事由該当による当然失職を定める条文として置かれた
- 令和元年(2019年)改正 成年被後見人等の権利制限を見直す法整備により38条の欠格事由から成年被後見人・被保佐人が削られて号がずれ、本条の除外対象の号番号が改められたとみられる。人的検証が必要
改正の年表
- 1.昭和22年(1947年) 新設:国家公務員法の制定により、欠格事由該当による当然失職の規定が置かれた
- 国家公務員法 第38条失職の前提となる欠格事由
- 国家公務員法 第75条身分保障の原則とその例外
- 国家公務員法 第82条懲戒処分、罰金刑時の別経路
- 国家公務員法 第90条処分への審査請求、失職は対象外
- 国家公務員退職手当法 第12条失職時の退職手当支給制限
- 地方公務員法 第28条地方公務員の当然失職と条例特例
- 行政事件訴訟法 第4条失職を争う地位確認の当事者訴訟
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める