国家公務員法 第75条(身分保障)
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- 職員は、法律又は人事院規則で定める事由による場合でなければ、その意に反して、降任され、休職され、又は免職されることはない。
- 2.職員は、この法律又は人事院規則で定める事由に該当するときは、降給されるものとする。
この条文の基本情報
身分保障とは何ですか?
定義身分保障とは、国家公務員法第75条に定められた規定で、「職員は、法律又は人事院規則で定める事由による場合でなければ、その意に反して、降任され、休職され、又は免職されることはない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国家公務員法第75条(身分保障)は、日本の国家公務員法に含まれる条文です。
- 国家公務員法第75条の条文原文は「職員は、法律又は人事院規則で定める事由による場合でなければ、その意に反して、降任され、休職され、又は免職されることはない。」で始まります。
- 国家公務員法第75条は第一目に置かれています。
- 国家公務員法の公布日は昭和22年10月21日です。
- 国家公務員法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 国家公務員法第75条の前の条は国家公務員法第74条です。
- 国家公務員法第75条の次の条は国家公務員法第76条です。
- 国家公務員法第75条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第75条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000120 - 本サイト収録
国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第75条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000120/75
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国家公務員法75条は、法律または人事院規則の事由がなければ、職員を意に反して降任・休職・免職できないと定める。自ら辞職する場合は保護の対象外。
Q · 国家公務員って、上司に嫌われただけでクビになることはあるの?
法定事由がなければ意に反して降任・休職・免職されない
国家公務員法75条1項により、職員は法律(78条・79条など)または人事院規則で定める事由がなければ、その意に反して降任・休職・免職されません。上司の好き嫌いだけでは処分できません。ただし勤務実績不良や適格性の欠如、組織の廃止による過員などの法定事由があれば分限処分は可能です。また、自分で辞職願を出した場合は「意に反して」に当たらず、この保護は働きません。
解説
公務員は「クビにならない」というのは俗説ではなく、条文に書かれた仕組みである。ただし、守られているのは「その意に反して」降任・休職・免職されないという一点だけだ。法律(78条・79条)か人事院規則に定められた事由がなければ、上司がどれだけあなたを嫌っていても、降任も休職も免職もできない。逆に、あなたが自分で辞職願に判を押した瞬間、この盾は働かなくなる。「意に反して」という前提がなくなるからだ。退職勧奨の面談で「自分から辞めたほうが経歴に傷がつかない」と言われたら、その言葉が何を狙っているのかはここで分かる。2項の降給は「されるものとする」と、義務の形で書かれている。規則の事由(勤務実績不良など)に当たれば、給料は下がるのが原則という作りだ。さらに、75条が守るのは分限(能力や適格性に関する処分)であり、不祥事への制裁である懲戒(82条)は別の手続で進む。この区別を知っているかどうかで、面談の席での受け答えが変わる。
法的な位置づけ
国家公務員法第75条は、一般職の国家公務員の身分保障を定める規定である。1項は、法律(同法78条・79条等)または人事院規則で定める事由がない限り、職員をその意に反して降任・休職・免職できないとし、2項は、法律または人事院規則所定の事由に該当する場合に降給されるものとする。分限処分の事由法定主義を定めたものである。
手順
- 1.退職勧奨の場では署名しない 人事課の面談で辞職願を渡されても、その場では署名せず持ち帰る。75条の保護は「意に反して」の処分に対するもので、自ら辞職すれば保護は外れる
- 2.面談内容を当日中に記録 面談の日時・出席者・発言内容・提示された理由を当日中に書き残す。後に処分を争う際、当局側の説明との食い違いを示す材料になる
- 3.処分説明書の交付を確認・請求 処分を受けたら、国家公務員法89条の処分説明書が交付されたかを確認する。交付されていなければ同条2項に基づき交付を請求し、処分事由と根拠条文を特定する
- 4.期限内に人事院へ審査請求 処分説明書の受領日の翌日から3か月以内(処分の日の翌日から1年以内)に人事院へ審査請求する。裁決に不服があれば、裁決を知った日から6か月以内に取消訴訟を検討する
よくある質問 AI による整理
Q1国家公務員の身分保障とは?
法律または人事院規則で定める事由がなければ、本人の意に反して降任・休職・免職されないという保障です。国家公務員法75条1項が根拠です。
Q2分限処分とは何ですか?
職員の能力・適格性・心身の状態や組織の事情を理由とする降任・休職・免職・降給のことです。制裁である懲戒処分とは目的も手続も異なります。
Q3公務員を能力不足でクビにできる?
できます。78条の勤務実績不良や適格性の欠如に当たれば分限免職が可能です。ただし評価記録や指導の経過など、客観的な裏付けが求められます。
Q4公務員の退職勧奨は断れる?
断れます。退職勧奨はあくまで任意の辞職を促すもので、応じる義務はありません。辞職願を出さない限り、75条の身分保障は残ります。
Q5公務員の辞職願は撤回できる?
辞令が交付される前であれば、信義則に反するような特段の事情がない限り、撤回は原則として可能とされています(最判昭和34年6月26日)。
Q6分限処分の審査請求はいつまで?
処分説明書を受領した日の翌日から3か月以内、かつ処分の日の翌日から1年以内に人事院へ審査請求する必要があります(国家公務員法90条の2)。
Q7条件付採用期間中の公務員は守られる?
75条と78条〜80条は適用されません(81条1項)。条件付採用期間(原則6か月)は身分保障が最も薄い時期で、その勤務状況が正式採用の判断材料になります。
Q8分限免職でも退職金は出る?
懲戒免職と異なり、分限免職は退職手当の支給対象となるのが原則です。金額の算定区分は免職事由によって異なるため、個別の確認が必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1病気で長く休んでるんですけど、このまま休職からクビになったりしますか?
心身の故障で長期の休養が必要なときは、79条1号により休職にされることがあります。休職期間は人事院規則11-4で3年を超えない範囲とされ、期間が満了しても回復しなければ78条2号の分限免職に進む可能性があります。実務のポイント:復職できるかどうかは診断書が大きく左右します。満了間際になって慌てるより、早いうちから主治医と復職の見通しを文書にしておく人のほうが残りやすい
Q2起訴されただけで休職って、まだ有罪って決まってないのにおかしくないですか?
79条2号は、刑事事件に関して起訴されたことを休職事由として定めており、判決の確定を待ちません。起訴休職は処分としての制裁ではなく、職務から一時的に外すための措置という位置づけです。実務のポイント:起訴休職と懲戒は別の手続です。起訴休職中でも給与の一部が支給される定めがあります(一般職の職員の給与に関する法律23条。最新の改正状況をご確認ください)
Q3所属してる部署がなくなったら、公務員でも解雇されるんですか?
ありえます。78条4号は、官制・定員の改廃や予算の減少によって廃職・過員が生じた場合の分限免職を認めています。2009年の社会保険庁廃止が実例です。実務のポイント:実際に争点になるのは、配置転換などで免職を避ける努力が尽くされたかどうかです。このときも審査請求を受けた人事院が一部の処分を取り消しており、あきらめずに争う価値はあります
Q4降給って、懲戒の減給とは何が違うんですか?
降給は75条2項に基づく分限処分で、降格や降号によって給与の水準そのものを下げます。減給は82条の懲戒処分で、一定期間だけ俸給を減らす制裁です。実務のポイント:減給は1年以下の期間限定ですが、降給は元に戻る期限がありません。長い目で見た生涯賃金への影響は、降給のほうが大きくなることがあります
間違えやすい点 AI による整理
- 「公務員は絶対にクビにならない」と思われているが、実際には78条に分限免職の事由が並んでいる。勤務実績不良、心身の故障、適格性の欠如、そして官制・定員の改廃や予算の減少による廃職・過員である。2009年の社会保険庁廃止では、多数の職員が分限免職になった。守られているのは「理由のない免職」からであって、免職そのものからではない
- 「不祥事を起こしたら、75条の身分保障で守ってもらえるか」という問いは、そもそも立て方が違う。75条が扱うのは分限、つまり能力や適格性の問題である。非違行為への制裁は82条の懲戒という別の手続で動く。懲戒免職になると、退職手当は原則として支給されない(国家公務員退職手当法12条)。分限と懲戒のどちらの手続に乗せられたかで、失うものの大きさがまったく違ってくる
- 新人も同じように守られていると思いがちだが、保護の差は想像以上に大きい。条件付採用期間中の職員(原則6か月)と臨時的職員には、75条も78条から80条も適用されない(81条1項)。採用されたばかりの時期がいちばん守りの薄い時期であり、その間の勤務記録がそのまま正式採用の判断材料になる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 国公法75条:事由がなければ意に反する処分をしないという身分保障の総則 | 国公法78条・79条:降任・免職・休職の具体的事由 国公法82条:非違行為に対する懲戒処分 |
| 処分の性質 | 分限処分の枠組み(能力・適格性・組織事情) | 分限処分(勤務実績不良・心身の故障・適格性欠如・廃職過員など) 制裁(免職・停職・減給・戒告) |
| 給与への影響 | 2項:法定事由に該当すれば降給(期限の定めなし) | 降任・休職に伴う給与の変動 減給は1年以下の期間限定 |
| 退職手当への影響 | 分限処分自体は退職手当を一律に失わせない | 分限免職でも原則として支給対象 懲戒免職は原則不支給(退職手当法12条) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も公務員の身分は法律によらなければ剝奪されないとし、免職事由を考績法で定める。救済は保訓会への復審という点で、日本の人事院審査請求と構造が似ている
韓国は刑の宣告・懲戒処分・法定事由によらなければ本人の意に反して休職・降任・免職されないと定め、日本の75条とほぼ同じ構造をとる
ドイツは職業官吏制度の伝統的原則として終身任用を憲法レベルで保障し、日本よりも身分保障の根拠が強固である
米国連邦職員は「勤務の能率を高める理由」がなければ不利益処分を受けず、処分はMSPB(功績制度保護委員会)で争う
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 上司との関係が最悪になり、「君はこの仕事に向いていない」と言われ続けている。それだけで免職まで進むのか? 78条3号の「官職に必要な適格性を欠く場合」に当たらない限り、免職はできない。しかも判例は、適格性がないというためには、簡単には直せない継続的な素質・能力・性格などが原因であることを求めている(最判昭和48.9.14、地方公務員の事案)
- 人事課に呼ばれ、辞職願の用紙を渡されて「明日までに出してほしい」と言われた。持ち帰る時間は一晩しかない。署名した瞬間に75条の保護は外れる。ただし、辞令が交付される前であれば、信義則に反しない限り撤回は原則として可能とされている(最判昭和34.6.26)
- 管理職のあなたは、仕事をしない部下を降任させたいと考えている。しかし指導記録も面談記録もなく、改善の機会も与えていないまま発令すると、審査請求を受けた人事院で処分が取り消されるおそれが高い。処分する側も、この条文の縛りを受けている
- 刑事事件で起訴された。判決はまだ出ていない。それでも79条2号によって休職にされうる
- 処分説明書(89条)が自宅に届いた。人事院への審査請求の期限は、受領した日の翌日から3か月。先延ばしにしている間にも期限は近づいている
取るべき行動
被害を受けた側:1. 退職勧奨に即答しない。辞職願は持ち帰り、その場では署名しない2. 面談の日時・出席者・発言内容を当日中に記録する3. 処分を受けたら、89条の処分説明書が交付されたかを確認する。交付されていなければ、同条2項に基づいて交付を請求できる4. 受領日の翌日から3か月以内に人事院へ審査請求する(90条・90条の2) 5. 裁決に不服があれば取消訴訟を検討する
訴えられた側:処分する側(管理職・人事担当)の場合:1. 78条・79条・人事院規則11-4のどの事由に当たるのかを特定する2. 勤務実績不良を理由にするなら、人事評価の記録、指導の記録、改善の機会を与えた経過をそろえる3. 処分説明書には、具体的な事由と審査請求ができる旨を明記する4. 降給は人事院規則11-10の手続に沿って行う。記録が足りないまま発令すると、人事院で取り消される危険が高い
時効(請求できる期限):審査請求は、処分説明書を受領した日の翌日から3か月以内、かつ処分の日の翌日から1年以内(国家公務員法90条の2)。取消訴訟は審査請求を経なければ起こせず(同92条の2)、裁決があったことを知った日から6か月以内に提起する(行政事件訴訟法14条)。(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:75条は分限処分の事由を法律・人事院規則に限定する事由法定主義を定め、猟官制を排して職員の政治的中立性を確保する趣旨とされる。処分事由の該当性判断には任命権者の裁量が認められるが、その裁量は公務能率の維持という目的に拘束される
改正沿革 AI による整理
- 昭和22年(1947年)制定 国家公務員法(昭和22年法律第120号)の制定時から、身分保障の規定として置かれている
- 令和3年(2021年)改正(要検証) 定年引上げ等の改正にあわせて、2項の降給事由が「この法律又は人事院規則で定める事由」と改められた可能性がある。改正の時期と内容は人による検証が必要
改正の年表
- 1.昭和22年(1947年) 新設:国家公務員法(昭和22年法律第120号)の制定時から身分保障の規定として置かれた
- 国家公務員法 第78条意に反する降任・免職の事由
- 国家公務員法 第79条意に反する休職の事由
- 国家公務員法 第81条条件付採用・臨時的職員への適用除外
- 国家公務員法 第82条懲戒処分、分限とは別の手続
- 国家公務員法 第89条不利益処分の説明書交付義務
- 労働契約法 第22条国家公務員への解雇法理の適用除外
- 地方公務員法 第27条地方公務員の分限・懲戒の同種規定
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