国家公務員法 第74条(分限、懲戒及び保障の根本基準)
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- すべて職員の分限、懲戒及び保障については、公正でなければならない。
- 2.前項に規定する根本基準の実施につき必要な事項は、この法律に定めるものを除いては、人事院規則でこれを定める。
この条文の基本情報
分限、懲戒及び保障の根本基準とは何ですか?
定義分限、懲戒及び保障の根本基準とは、国家公務員法第74条に定められた規定で、「すべて職員の分限、懲戒及び保障については、公正でなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国家公務員法第74条(分限、懲戒及び保障の根本基準)は、日本の国家公務員法に含まれる条文です。
- 国家公務員法第74条の条文原文は「すべて職員の分限、懲戒及び保障については、公正でなければならない。」で始まります。
- 国家公務員法第74条は第六節に置かれています。
- 国家公務員法の公布日は昭和22年10月21日です。
- 国家公務員法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 国家公務員法第74条の前の条は国家公務員法第73条の2です。
- 国家公務員法第74条の次の条は国家公務員法第75条です。
- 国家公務員法第74条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第74条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000120 - 本サイト収録
国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第74条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000120/74
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国家公務員法74条は、職員の分限・懲戒・保障はすべて公正でなければならないと定める根本基準であり、実施に必要な事項は同法のほか人事院規則で定める。
Q · 国家公務員法74条の「公正」って、公務員は処分されないという意味?
処分しないという意味ではなく、理由と手続の公正を求める原則
国家公務員法74条1項は、職員の分限・懲戒・保障がすべて公正でなければならないと定めています。これは処分を禁じる規定ではありません。処分の理由、同種事案との均衡、手続の適正を求める根本基準です。具体的な事由は75条・78条・82条などで定められ、細目は同条2項により人事院規則に委ねられています。処分に不服がある職員は、取消訴訟の前に人事院への審査請求を経る必要があります(92条の2)。
解説
「公務員はクビにならない」。この俗説は半分だけ正しく、残りの半分は危うい誤解である。出どころをたどると国家公務員法74条に行き着く。分限(本人の非行を問わず、勤務実績の不良、心身の故障、組織改廃などを理由に行う降任・休職・免職など)、懲戒(非行に対する制裁)、保障(不当な扱いから職員を守る仕組み)の三つは、すべて「公正でなければならない」。ただし、ここでいう公正とは「処分しない」ことではない。「理由と手続を説明できる処分しかしない」という意味であり、免職も停職も実際に行われている。あなたが一般職の国家公務員なら、押さえるべき点は二つある。一つ目は、民間の解雇ルール(労働契約法16条)があなたには適用されないこと。代わりに、74条を起点とする国公法の体系と人事院規則があなたを守る。二つ目は、処分に納得できないときでも、いきなり裁判所には行けないこと。先に人事院へ審査請求をしなければならず、その期限は処分説明書を受け取った日の翌日から3か月である。順番を知らない人は、言い分が正しくても負ける。
法的な位置づけ
国家公務員法74条は、一般職の国家公務員に対する分限(能率維持のための降任・休職・免職等)、懲戒(非行に対する制裁)、保障(不当な処分からの保護)の三領域について、公正であることを根本基準として定める規定である。実施に必要な事項は同法の定めを除き人事院規則に委任される。
手順
- 1.処分説明書を受け取り内容を確認する 不利益処分を受けたら、89条の処分説明書を必ず受け取る。交付されなかった場合は、処分を知った日の翌日から15日以内に交付を請求する。事実認定と根拠条文が具体的に書かれているかを確認する
- 2.処分の均衡を点検する 人事院の「懲戒処分の指針」と公表事例を並べ、自分の事案の処分量定が同種事案と比べて重すぎないかを確認する。分限処分なら、改善指導の経過が記録されているかも確認する
- 3.期限内に人事院へ審査請求する 処分説明書受領日の翌日から3か月以内に人事院へ審査請求を行う。必要に応じて口頭審理の公開を請求し、処分者に処分理由と均衡を説明させる
- 4.判定に不服なら取消訴訟を提起する 人事院の判定に納得できない場合は、裁決を知った日から6か月以内に取消訴訟を提起する。審査請求から3か月を経過しても裁決がない場合は、裁決を待たずに提起できる
よくある質問 AI による整理
Q1国家公務員法74条とは何ですか?
職員の分限・懲戒・保障はすべて公正でなければならないと定める根本基準の規定です。具体的な処分事由は75条以下、細目は人事院規則に委ねられています。
Q2公務員の分限処分とは何ですか?
本人の非行を問わず、勤務実績の不良、心身の故障、組織の改廃などを理由に行う降任・休職・免職などの処分です。公務の能率を保つための制度で、制裁ではありません。
Q3公務員の懲戒処分の種類は?
国家公務員法82条が定める免職・停職・減給・戒告の四種類です。訓告や厳重注意は監督上の措置であり、法律上の懲戒処分には含まれません。
Q4公務員の処分に不服申立てはいつまで?
人事院への審査請求は、処分説明書を受領した日の翌日から3か月以内です。処分の日の翌日から1年を過ぎると請求できなくなります(90条の2)。
Q5公務員の処分はすぐ裁判で争える?
争えません。国家公務員の不利益処分の取消訴訟は、人事院への審査請求に対する裁決を経た後でなければ提起できません(92条の2、審査請求前置)。
Q6公務員 酒気帯び運転 懲戒 免職になる?
人事院の「懲戒処分の指針」では、酒気帯び運転の標準例は免職・停職・減給とされています。刑事罰とは別に所属省庁が懲戒処分を検討します。
Q7公務員の処分が重すぎるのは違法?
懲戒権者には裁量がありますが、社会観念上著しく妥当を欠く処分は裁量権の濫用として違法になります(最判昭和52年12月20日、神戸税関事件)。
Q8条件付採用期間中の公務員も身分保障される?
条件付採用期間中の職員には、75条や78条などの身分保障規定が適用されません(81条)。入省直後は身分保障が最も弱い時期です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1懲戒処分も分限処分も、結局どっちも罰みたいなもんですよね?
違います。懲戒(82条)は非行に対する制裁で、免職・停職・減給・戒告の四種類があります。分限(75条、78条、79条)は制裁ではなく、公務の能率を保つための処分で、勤務実績の不良や心身の故障などを理由に降任・休職・免職を行います。実務のポイント:懲戒免職は退職手当の不支給につながりうる一方、分限免職は通常、退職手当の支給対象になりえます(最新の改正状況をご確認ください)。どちらの名目で処理されるかで、手元に残るお金が大きく変わります
Q2処分に納得いかないんですけど、すぐ裁判できますか?
できません。取消訴訟を起こす前に、人事院への審査請求を経る必要があります(92条の2)。審査請求は処分説明書を受け取った日の翌日から3か月以内です(90条の2)。実務のポイント:人事院の審査は、処分を取り消すだけでなく、処分を軽く修正する判定を出すこともあります。免職を停職に変えてもらえれば、職も退職手当も残ります。「取消しか、ゼロか」ではなく、修正を狙う戦い方もあります
Q3うつ病で長く休んでたら、そのうちクビになるんですか?
心身の故障で長期の休養が必要な場合は、まず分限休職になります(79条)。休職期間は人事院規則11-4で原則3年を超えない範囲とされ、回復の見込みがないと判断されると、分限免職の対象になりえます(78条)。最新の改正状況をご確認ください。実務のポイント:免職の可否は主治医の診断書と、任命権者が指定する医師の診断に大きく左右されます。主治医に職場復帰の見通しや、軽減勤務なら可能かどうかを具体的に書いてもらえるかどうかが、分かれ目になります
Q4訓告とか厳重注意って、懲戒処分なんですか?
懲戒処分ではありません。国公法上の懲戒は82条の四種類だけで、訓告や厳重注意は監督上の措置という扱いです。そのため、不利益処分として人事院に審査請求することは原則としてできません。実務のポイント:懲戒ではなくても、訓告は勤勉手当や昇給の評価に反映されることがあります。「処分じゃないから大丈夫」と軽く受け止めず、事実関係に異論があるなら、その場で書面にして残しておくべきです
間違えやすい点 AI による整理
- 「公務員は絶対にクビにならない」と思われているが、実際には分限免職も懲戒免職も存在し、人事院は毎年、懲戒処分の件数を公表している。身分保障が約束しているのは「免職されないこと」ではない。「法律と人事院規則が定める事由がなければ、本人の意に反して降任・免職されないこと」(75条)である
- 「処分が重すぎるから裁判所に訴えよう」という発想は、問いの立て方そのものが間違っている。国家公務員の不利益処分の取消訴訟は、人事院の裁決を経た後でなければ起こせない(92条の2、審査請求前置)。最初に向かう先は裁判所ではなく人事院である
- 懲戒免職で仕事を失うことは誰でも知っている。しかし、その重さは職を失うことにとどまらない。国家公務員退職手当法により、退職手当の全部または一部が支給されないことがあり、退職後に在職中の非違が判明した場合は返納を命じられることもある。何十年分の積み立てが、一度の処分で消えうる
- 本人から見れば「懲戒されなかった、セーフだ」と思える場面でも、法律の上では分限と懲戒は別の制度である。非行として懲戒されなくても、勤務実績の不良や適格性の欠如を理由に、分限で降任や免職になる道は残っている。この落差に気付かないまま油断していると、別ルートから処分される
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の性格 | 74条:分限・懲戒・保障の根本基準(公正原則) | 75条:意に反する降任・免職等の制限(身分保障) 82条:懲戒の事由と四種類の処分 |
| 直接の効果 | 個々の処分を定めず、全処分の適否を測る物差しとなる | 法律・人事院規則の事由がなければ降任・免職されない 非行があれば免職・停職・減給・戒告を科しうる |
| 争い方での使い方 | 処分の均衡・手続の適正を主張する根拠 | 分限事由の不存在を主張する根拠 懲戒事由の不存在や量定の過重を主張する根拠 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は身分保障と懲戒を別法で定め、不服申立ては公務人員保障暨培訓委員会への復審・申訴を経る。人事院審査前置に近い構造を持つ
韓国も意に反する免職等を法定事由に限り、不服は訴請審査委員会への訴請を経る前置主義を採る
ドイツは職業官吏制度の伝統的原則を憲法で保障し、懲戒は連邦懲戒法による手続で行われる
米国連邦職員の不利益処分は職務効率の促進に資する理由を要し、不服はメリット・システム保護委員会(MSPB)へ申し立てる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 飲み会の帰りに酒気帯び運転で検挙された。刑事の罰金とは別に、所属省庁は懲戒処分の検討に入る。人事院の「懲戒処分の指針について」では、酒気帯び運転の標準例は免職・停職・減給とされている。公務員にとっては罰金よりも、こちらのほうが本当の刑罰になりうる
- 同じ部署で同じミスをした二人のうち、あなただけが停職で、同僚は戒告だったらどうなるのか。公正原則が求めるのは処分の均衡、つまり同種の事案とのつり合いである。過去の処分例を並べ、処分者に差の理由を説明させることが、審査請求で最も有効な攻め方になる
- あなたは課長で、遅刻と無断欠勤を繰り返す部下に手を焼いている。指導記録を残さないまま分限免職の手続に進めば、人事院で取り消されるおそれがある。改善の機会を与えた経過を日付入りの書面で残しておくことが、後で処分の公正さを証明する唯一の手段になる
- 懲戒処分の処分説明書を受け取ってから、もう2か月半が過ぎた。審査請求の期限は受領日の翌日から3か月であり、残りは2週間しかない。これを過ぎると、人事院で争う道も、その先の取消訴訟の道もまとめて閉じる
- 入省から半年たたない新人が、突然免職を告げられた。75条や78条の身分保障は、条件付採用期間中の職員には適用されない(81条)。公務員の守りが一番薄いのは、入省直後の時期である
取るべき行動
被害を受けた側:1. 処分説明書(89条)を必ず受け取る。交付されなかった場合は、処分を知った日の翌日から15日以内に交付を請求する2. 説明書に記載された事実認定と処分の重さを、人事院の「懲戒処分の指針」や公表事例と照らし合わせ、重すぎないかを確認する3. 受領日の翌日から3か月以内に人事院へ審査請求する(90条、90条の2)。口頭審理の公開請求も検討する4. 人事院の判定に納得できなければ取消訴訟へ進む。公務員事件の経験がある弁護士に早めに相談する
訴えられた側:1. 処分の前に本人から弁明を聴き、その内容を記録に残す2. 同種事案の過去の処分と比べ、処分の重さのつり合いを確認する。最高裁(神戸税関事件、最判昭和52.12.20)は、懲戒処分が社会観念上著しく妥当を欠く場合は裁量権の濫用として違法になるとしている3. 分限処分の場合は、改善指導や配置転換などの経過を書面で残す4. 処分説明書には事実と根拠条文を具体的に書く。抽象的な記載は人事院の審査で弱点になる
時効(請求できる期限):人事院への審査請求は、処分説明書を受領した日の翌日から3か月以内。処分の日の翌日から1年を過ぎると請求できない(90条の2)。取消訴訟は人事院の裁決を経た後に提起し(92条の2)、裁決があったことを知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)。審査請求から3か月たっても裁決がない場合は、裁決を待たずに訴訟を提起できる(同法8条2項1号)
学説
通説:74条は個々の処分の要件を定める規定ではなく、分限・懲戒・保障の各規定を解釈・運用する際の根本基準である。処分の均衡、事実認定の正確さ、手続の適正が公正の中身とされる
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和22年(1947年) 新設:国家公務員法の制定により、分限・懲戒・保障の根本基準として規定
- 国家公務員法 第75条身分保障、意に反する降任等の制限
- 国家公務員法 第82条懲戒処分の事由と四種類
- 国家公務員法 第89条不利益処分の処分説明書交付
- 国家公務員法 第90条人事院への審査請求
- 国家公務員法 第92条の2取消訴訟の審査請求前置
- 国家公務員退職手当法 第12条懲戒免職時の退職手当不支給
- 労働契約法 第22条公務員への解雇権濫用法理の適用除外
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