国家公務員法 第78条(本人の意に反する降任及び免職の場合)
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- 職員が、次の各号に掲げる場合のいずれかに該当するときは、人事院規則の定めるところにより、その意に反して、これを降任し、又は免職することができる。
- 一人事評価又は勤務の状況を示す事実に照らして、勤務実績がよくない場合
- 二心身の故障のため、職務の遂行に支障があり、又はこれに堪えない場合
- 三その他その官職に必要な適格性を欠く場合
- 四官制若しくは定員の改廃又は予算の減少により廃職又は過員を生じた場合
この条文の基本情報
本人の意に反する降任及び免職の場合とは何ですか?
定義本人の意に反する降任及び免職の場合とは、国家公務員法第78条に定められた規定で、「職員が、次の各号に掲げる場合のいずれかに該当するときは、人事院規則の定めるところにより、その意に反して、これを降任し、又は免職することができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国家公務員法第78条(本人の意に反する降任及び免職の場合)は、日本の国家公務員法に含まれる条文です。
- 国家公務員法第78条の条文原文は「職員が、次の各号に掲げる場合のいずれかに該当するときは、人事院規則の定めるところにより、その意に反して、これを降任し、又は免職することができる。」で始まります。
- 国家公務員法第78条は第一目に置かれています。
- 国家公務員法の公布日は昭和22年10月21日です。
- 国家公務員法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 国家公務員法第78条の前の条は国家公務員法第77条です。
- 国家公務員法第78条の次の条は国家公務員法第78条の2です。
- 国家公務員法第78条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第78条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000120 - 本サイト収録
国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第78条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000120/78
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国家公務員法78条は、勤務実績不良・心身の故障・適格性欠如・廃職または過員の四つの場合に限り、人事院規則に従って職員を意に反して降任・免職できると定める。
Q · 国家公務員は、不祥事を起こしていなくても免職されることがあるの?
ある。ただし法定の四事由と人事院規則の手続が必要
国家公務員法78条により、非違行為がなくても、勤務実績がよくない場合、心身の故障で職務に支障がある場合、官職に必要な適格性を欠く場合、廃職・過員が生じた場合の四つに限り、本人の意に反して降任・免職できます。手続は人事院規則11-4が定め、処分を受けた職員は処分説明書(89条)を受け取り、人事院へ審査請求(90条)できます。制裁ではないため、懲戒免職と異なり退職手当は原則支給されます。
解説
「公務員には身分保障があるから、簡単にはクビにならない」。この常識は半分正しく、半分危うい。国家公務員法78条は、非違行為(ルール違反や不祥事)が一つもなくても、本人の同意なしに降任または免職できる場面を四つ定めている。勤務実績がよくない場合、心身の故障、官職に必要な適格性の欠如、そして組織改廃や予算減による廃職・過員である。これを「分限処分」(職務を続けられる状態にあるかを判断する処分で、罰ではない)という。罰ではないため、懲戒免職とは違い、退職手当は原則として支給される。ただし、任命権者が好きに使える条文ではない。人事院規則11-4が手続を縛り、処分説明書の交付(89条)と人事院への審査請求(90条)という反撃の道も用意されている。勝敗を分けるのは処分の当日ではない。その前の数か月に、誰がどんな記録を残したかである。
法的な位置づけ
国家公務員法78条は分限降任・分限免職を定める規定であり、職員が勤務実績不良、心身の故障、官職に必要な適格性の欠如、または官制・定員の改廃や予算減少による廃職・過員のいずれかに該当するとき、人事院規則の定めに従い、その意に反して降任または免職できる旨を規定する。公務能率の維持を目的とし、非違行為への制裁である懲戒処分とは性質を異にする。
手順
- 1.処分説明書を受け取り根拠条文を確認 処分説明書を必ず受け取り、78条のどの号を根拠にしているか、懲戒(82条)ではないかを確認する。交付されない場合は国家公務員法89条2項に基づき交付を請求する
- 2.自分に関する人事記録の開示を請求 人事評価記録、指導記録、診断関係書類など自己に関する資料を、個人情報の保護に関する法律に基づき開示請求する。処分理由と事実の食い違いを洗い出す材料になる
- 3.反論の土俵を整理 「悪いことはしていない」ではなく、改善の機会が与えられなかった、医師の診断手続が不十分だった、配置換えの余地があったなど、事由と手続の不備に焦点を絞って事実と証拠を整理する
- 4.期限内に人事院へ審査請求 処分説明書受領日の翌日から3か月以内、かつ処分日の翌日から1年以内に人事院へ審査請求書を提出する(90条、90条の2)。期限が迫る場合は理由の補充を後日とし、まず請求書を出す
- 5.裁決後、必要なら取消訴訟 人事院の裁決に不服がある場合、裁決を知った日から6か月以内に処分取消訴訟を提起する(92条の2、行政事件訴訟法14条)。弁護士への相談はこの段階より前が望ましい
よくある質問 AI による整理
Q1分限処分とは何ですか?
職員が職務を続けられる状態にあるかを判断し、降任・免職・休職・降給を行う処分です。制裁ではない点で懲戒処分と異なり、国家公務員法78条・79条が根拠です。
Q2公務員 勤務成績不良 免職 できる?
できます。国家公務員法78条1号が人事評価または勤務状況を示す事実に照らした勤務実績不良を事由としています。ただし改善の機会を与えた経緯など手続の適正が求められます。
Q3分限免職 退職金 出る?
原則として支給されます。懲戒免職では国家公務員退職手当法12条により全部または一部が支給されないことがありますが、分限免職は制裁ではないためこの制限の対象外です。
Q4分限免職 審査請求 いつまで?
処分説明書を受領した日の翌日から3か月以内、かつ処分の日の翌日から1年以内に人事院へ請求します(国家公務員法90条の2)。期限経過後は原則争えません。
Q5公務員 休職3年 その後どうなる?
心身の故障による休職は原則3年が上限です。満了時に復職できなければ、78条2号による分限免職が検討される段階に進みます。満了前の診断書提出が重要です。
Q6省庁の統廃合で公務員は免職される?
官制・定員の改廃や予算減少で廃職・過員が生じれば、78条4号により免職が法律上可能です。ただし配置換えなど免職回避の努力を尽くしたかが審査で問われます。
Q7分限降任とは?
職員の意に反して、現在より下位の官職に任命する分限処分です。78条の四事由のいずれかに該当する場合に、免職より軽い措置として行われます。
Q8分限免職 取消訴訟 できる?
できます。ただし原則として人事院への審査請求の裁決を経てから提起する必要があり(92条の2)、裁決を知った日から6か月以内が出訴期間です(行政事件訴訟法14条)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1分限免職と懲戒免職って、結局どっちもクビですよね?
結果として職を失う点は同じである。違いは性格にある。懲戒(82条)は非違行為への制裁、分限(78条)は職務を続けられる状態かどうかの判断だ。懲戒免職では退職手当が支給されないことがあるが、分限免職では原則支給される。実務のポイント:実務では、懲戒にするには証拠が足りない事案を分限で処理しようとする例がある。どちらの条文を根拠にしたかは、処分説明書で必ず確認すること
Q2採用されたばかりの半年間でも、この条文で守られますか?
守られない。国家公務員法81条により、条件付採用期間中の職員には78条も審査請求の規定も適用されず、人事院規則11-4の別枠で処分される。実務のポイント:条件付採用期間の長さや延長の扱いは規則で定められている。最初の半年は評価記録が薄いまま判断されやすいため、指導内容は自分でも控えておくのが自衛策になる
Q3うつで休職中なんですが、いきなり免職されることはありますか?
いきなりは考えにくい。通常は79条の休職で療養期間が確保され、心身の故障による休職の上限は原則3年である。免職するには、人事院規則11-4が定める医師の診断手続を経る必要がある。実務のポイント:勝負どころは満了直前の復職判定だ。主治医と産業医の意見が食い違えば、それが争点になる。主治医の意見書は、就労可能な条件まで具体的に書いてもらうこと
間違えやすい点 AI による整理
- 「免職」と聞けば退職金はゼロだと思い込みがちだが、それは懲戒免職の話である。78条の分限免職は制裁ではないため、退職手当は原則として支給される。同じ「クビ」でも根拠条文が違えば、手元に残る金額は数百万円単位で変わる
- 「何も悪いことをしていないのに免職されるのはおかしい」という問いの立て方自体がずれている。78条は悪事の有無をそもそも問わない。問うのは、その官職を続けられる状態にあるかどうかである。反論も「私は悪くない」ではなく、「改善の機会が与えられなかった」「配置換えの余地があった」という土俵で組み立てる必要がある
- 条件付採用期間中の新人にも、先輩と同じ身分保障があると思っていないか。国家公務員法81条により、臨時的職員と条件付採用期間中の職員には78条や審査請求の規定そのものが適用されず、人事院規則の別ルールで処分される。採用直後の数か月は、保護がいちばん薄い時期である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 性質 | 78条 分限降任・免職:職務を続けられる状態かの判断(制裁ではない) | 82条 懲戒処分:非違行為への制裁 79条 休職:心身の故障等で一時的に職務から離す分限処分 |
| 事由 | 勤務実績不良、心身の故障、適格性欠如、廃職・過員の四つ | 法令違反、職務上の義務違反・職務怠慢、全体の奉仕者にふさわしくない非行 心身の故障による長期の休養、刑事事件で起訴された場合 |
| 身分への効果 | 降任または職を失う | 免職・停職・減給・戒告 身分を保有したまま職務に従事しない |
| 退職手当 | 免職の場合も原則支給 | 懲戒免職では全部または一部不支給がありうる(退職手当法12条) 休職中は退職に当たらず問題とならない |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では考績で丙等が続く場合の処分や、機関の裁撤・組織変更・心身障害による資遣が日本の分限処分に近い機能を担う。免職と資遣が別制度として分かれている点が異なる
韓国の직권면직は、職制の廃止・過員、心身障害、勤務成績不良など日本の78条に近い事由を列挙しており、構造が類似する
ドイツの終身官吏は勤務成績不良を理由とする免職が原則なく、職務不能の場合は退職(Ruhestand)へ移行させる。身分保障は日本より強い
米国連邦職員は業績不良による解雇(Chapter 43)と人員削減(RIF)が別手続で規律され、MSPB への不服申立てが用意されている
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- うつ病で休職して3年近くになる。人事課から「復職が難しければ、次の段階も考えざるを得ない」と電話があった。心身の故障による休職は原則3年が上限(人事院規則11-4)で、上限が近づくと舞台は79条の休職から78条2号の免職へ移る。主治医の意見書を今のうちに厚くしておくかどうかで、結論が変わりうる
- 所属する出先機関が統廃合で丸ごとなくなったら、職員はどうなるのか? 4号の廃職・過員を理由とする免職が理論上は可能になる。2009年末の社会保険庁廃止では500人を超える職員が分限免職となり、その後の人事院審査で一部の処分が取り消された。争点は、配置換えなど免職を避ける努力を尽くしたかどうかだった
- あなたは課長として、何度注意しても期限を守らない部下を抱えている。人事評価を最低にしただけで免職手続に進むと、手続の不備を理由に処分が取り消されかねない。いつ、何を指導し、どんな改善の機会を与え、結果はどうだったか。その記録がない処分は、審査請求の場で崩れる
- 上司と相性が悪く、人事評価が二期連続で最低だった。「勤務実績がよくない」という一文が、あなたの身分保障に最初の穴を開ける。
- 処分説明書を受け取った日の翌日から3か月。人事院に審査請求できるのはそこまでだ(90条の2)。ショックで一か月を空費すると、残り二か月で反論書面と証拠をそろえることになる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 処分説明書を必ず受け取る。交付されなければ請求できる(89条2項) 2. 人事評価の記録、指導記録、診断書など自分に関する資料の開示を、個人情報の保護に関する法律に基づいて請求する3. 受領した日の翌日から3か月以内に人事院へ審査請求する(90条、90条の2) 4. 改善の機会がなかったこと、配置換えの余地があったことを具体的な事実で主張する5. 取消訴訟は、原則として審査請求の裁決を経てから提起する(92条の2)
訴えられた側:任命権者や管理職の立場なら、次の準備が要る。1. 1号・3号による処分では、具体的な指導、警告、研修の日時と内容を記録し、改善の機会を与えた経緯を残す2. 2号による処分では、人事院規則11-4が求める医師の診断手続を確実に踏む3. 4号による処分では、配置換えや他府省への転任などの回避努力を記録する4. 処分説明書には抽象論ではなく具体的な事実を書く。曖昧な説明書は審査で最初に突かれる
時効(請求できる期限):人事院への審査請求は、処分説明書を受領した日の翌日から3か月以内、かつ処分があった日の翌日から1年以内(国家公務員法90条の2)。取消訴訟は審査請求前置(同92条の2)で、裁決があったことを知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)。最新の改正状況をご確認ください
学説
通説:分限処分は公務能率の維持を目的とする処分であり、職員の責任を問う懲戒処分とは目的・性質が異なる。したがって同一事実に基づき分限と懲戒を併せて行うことも理論上は排除されないが、処分事由の認定と裁量行使には司法審査が及ぶ
通説:4号の廃職・過員による免職は職員側に責任のない事由であるため、任命権者には配置換え等による免職回避の努力が求められ、その有無が処分の適法性判断に影響する
改正沿革 AI による整理
- 平成19年(2007年)改正 人事評価制度の導入に伴う改正。1号が「人事評価又は勤務の状況を示す事実に照らして、勤務実績がよくない場合」に改められ、人事評価と分限処分が結び付けられた。施行時期を含め、人的検証が必要
改正の年表
- 1.昭和22年(1947年) 新設:国家公務員法の制定とともに、本人の意に反する降任・免職の事由を定める規定として設けられた
- 2.平成19年(2007年) 改正:人事評価制度の導入に伴い、1号が人事評価または勤務の状況を示す事実に照らして勤務実績がよくない場合に改められた。施行時期を含め原典での確認が必要
- 国家公務員法 第75条身分保障の原則、本条はその例外
- 国家公務員法 第79条心身故障等による休職、免職の前段階
- 国家公務員法 第82条懲戒処分、制裁としての免職との区別
- 国家公務員法 第89条不利益処分の説明書交付義務
- 国家公務員法 第90条人事院への審査請求
- 国家公務員退職手当法 第12条懲戒免職時の退職手当支給制限
- 行政事件訴訟法 第14条分限処分取消訴訟の出訴期間
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