国家公務員法 第78条の2(幹部職員の降任に関する特例)
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- 任命権者は、幹部職員(幹部職のうち職制上の段階が最下位の段階のものを占める幹部職員を除く。以下この条において同じ。)について、次の各号に掲げる場合のいずれにも該当するときは、人事院規則の定めるところにより、当該幹部職員が前条各号に掲げる場合のいずれにも該当しない場合においても、その意に反して降任(直近下位の職制上の段階に属する幹部職への降任に限る。)を行うことができる。
- 一当該幹部職員が、人事評価又は勤務の状況を示す事実に照らして、他の官職(同じ職制上の段階に属する他の官職であつて、当該官職に対する任命権が当該幹部職員の任命権者に属するものをいう。第三号において「他の官職」という。)を占める他の幹部職員に比して勤務実績が劣つているものとして人事院規則で定める要件に該当する場合
- 二当該幹部職員が現に任命されている官職に幹部職員となり得る他の特定の者を任命すると仮定した場合において、当該他の特定の者が、人事評価又は勤務の状況を示す事実その他の客観的な事実及び当該官職についての適性に照らして、当該幹部職員より優れた業績を挙げることが十分見込まれる場合として人事院規則で定める要件に該当する場合
- 三当該幹部職員について、欠員を生じ、若しくは生ずると見込まれる他の官職についての適性が他の候補者と比較して十分でない場合として人事院規則で定める要件に該当すること若しくは他の官職の職務を行うと仮定した場合において当該幹部職員が当該他の官職に現に就いている他の職員より優れた業績を挙げることが十分見込まれる場合として人事院規則で定める要件に該当しないことにより、転任させるべき適当な官職がないと認められる場合又は幹部職員の任用を適切に行うため当該幹部職員を降任させる必要がある場合として人事院規則で定めるその他の場合
この条文の基本情報
幹部職員の降任に関する特例とは何ですか?
定義幹部職員の降任に関する特例とは、国家公務員法第78条の2に定められた規定で、「任命権者は、幹部職員(幹部職のうち職制上の段階が最下位の段階のものを占める幹部職員を除く。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国家公務員法第78条の2(幹部職員の降任に関する特例)は、日本の国家公務員法に含まれる条文です。
- 国家公務員法第78条の2の条文原文は「任命権者は、幹部職員(幹部職のうち職制上の段階が最下位の段階のものを占める幹部職員を除く。」で始まります。
- 国家公務員法第78条の2は第一目に置かれています。
- 国家公務員法の公布日は昭和22年10月21日です。
- 国家公務員法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 国家公務員法第78条の2の前の条は国家公務員法第78条です。
- 国家公務員法第78条の2の次の条は国家公務員法第79条です。
- 国家公務員法第78条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第78条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000120 - 本サイト収録
国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第78条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000120/78_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国家公務員法78条の2は、局長級以上の幹部職員について、本人に落ち度がなくても他の幹部との比較等により、直近下位の幹部職へ一段だけ降任できる特例を定める。
Q · 局長は仕事でミスをしていなくても降格されることがあるの?
要件を満たせば可能。ただし一段下の幹部職までに限られる
国家公務員法78条の2により、事務次官級・局長級の幹部職員は、78条が定める勤務実績不良や適格性欠如がなくても、他の幹部と比べて勤務実績が劣る場合や、より優れた業績が見込める後任候補がいる場合など、人事院規則の要件に該当すれば降任されえます。ただし降任先は直近下位の段階の幹部職に限られ、処分説明書の交付と人事院への審査請求の手続も適用されます。
解説
霞が関の局長ポストは長く「身分保障の城」と呼ばれてきた。国家公務員法78条は、本人の意に反する降任に厳しい条件を課している。勤務実績がよくない、心身の故障、適格性の欠如など、本人に明らかな問題がある場合だけである。78条の2は、この城に一枚の抜け道を開けた。事務次官級と局長級の幹部については、本人に落ち度がなくても降任できる。ほかの幹部と比べて見劣りする場合や、より優れた業績が見込める後任候補がいる場合などである。ここで判断基準は「絶対評価」から「相対比較」に入れ替わる。ただし条件がある。降任は直近下位の段階(局長級なら部長級)までに限られる。要件は人事院規則で縛られる。そして通常の不利益処分と同じく、処分説明書と人事院への審査請求という道が残っている。幹部人事は政治の裁量だと片付ける前に、この条文を読んでおきたい。裁量がどこまで広がり、どこで止まるのかがわかる
法的な位置づけ
国家公務員法78条の2は、幹部職員の降任に関する特例規定であり、職制上最下位の段階を除く幹部職員について、他の幹部職員との勤務実績の比較、後任候補者の優位性、転任させるべき官職の不存在など人事院規則所定の要件を満たす場合に、同法78条各号の事由がなくても、直近下位の段階の幹部職へ意に反して降任させることを認める。
よくある質問 AI による整理
Q1幹部職員の降任特例とは
国家公務員法78条の2が定める制度で、次官級・局長級の幹部を、本人の非違がなくても相対比較などの要件により一段下の幹部職へ降任できる仕組みです。
Q2国家公務員法78条の2対象は誰?
幹部職員のうち、職制上最下位の段階(部長級)を除く者です。実質的には事務次官級と局長級が対象になります。
Q3幹部職員 降任 何段階まで
直近下位の職制上の段階に属する幹部職への降任に限られます。局長級なら部長級までで、二段以上の降格は本条ではできません。
Q4国家公務員 降任 審査請求 いつまで
処分説明書を受け取った日の翌日から3か月以内、かつ処分の日の翌日から1年以内に人事院へ審査請求します(国家公務員法90条の2)。
Q5幹部公務員の降任は違法?
人事院規則の要件に該当し、一段降任の範囲内であれば適法です。要件の裏付けを欠く、または政治的意向のみによる降任は取消しの対象になりえます。
Q6局長 降格 理由 何が必要?
人事評価や勤務の状況を示す事実など客観的な事実が必要です。本条各号のいずれに当たるかを、人事院規則の要件に即して示す必要があります。
Q7内閣人事局は幹部を自由に降格できる?
できません。本条の降任は人事院規則の要件と一段降任の制限に縛られ、処分説明書の交付や人事院審査の手続も及びます。
Q8幹部公務員 降任 本人の同意は必要?
不要です。本条は「その意に反して」降任できる根拠規定です。その代わり要件と手続が厳格に定められています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1局長から一気に課長まで落とされることってあるんですか?
本条による降任は「直近下位の職制上の段階に属する幹部職」に限られる。局長級なら部長級までで、幹部職の外にある課長級へ落とすことは本条ではできない。それを超えるなら78条の要件、つまり本人の勤務実績不良や適格性欠如などが必要になる。実務のポイント:処分説明書の根拠条文が78条か78条の2かで、争い方はまったく変わる。まず条番号を確認する
Q2ほかの局長より劣るって、誰がどうやって決めるんですか?
任命権者が、人事評価や勤務の状況を示す事実をもとに判断する。要件の詳細は人事院規則に委ねられている(本条1号)。印象や好みではなく、比較可能な客観的事実が求められる。実務のポイント:比較の母数は「同じ段階の官職のうち、同じ任命権者のもの」に限られる。他省庁の局長と比べて劣っているという理屈は、条文上そもそも成り立たない
Q3降任に納得いかなかったら、すぐ裁判できますか?
すぐにはできない。国家公務員の意に反する降任は不利益処分であり、人事院への審査請求を経てからでなければ取消訴訟を提起できない(国家公務員法92条の2)。実務のポイント:審査請求では人事院の公平審理で任命権者側の根拠資料が表に出やすい。裁判より先に、ここが事実上の主戦場になることが多い
間違えやすい点 AI による整理
- 内閣人事局ができてから幹部は政権の意向ひとつで自由に飛ばせるようになった、という受け止めは広い。だが本条による降任は、人事院規則が定める客観的要件に当てはまることが前提である。しかも直近下位の段階への一段降任に限られる。免職も二段降格も、この条文では根拠にならない
- 「本人にミスがなければ降格されない」という公務員の常識は、幹部職の上層については半分しか正しくない。78条は本人の問題を要件とするが、本条はほかの幹部や後任候補との比較を要件にしている。自分は何もしていないという反論は、本条の土俵ではそのまま防御にならない
- 降任を争うなら裁判所へ行けばいい、と考える人もいる。しかし国家公務員の不利益処分には審査請求前置がある。まず人事院への審査請求を経なければ、取消訴訟を起こせない。順序を間違えるうちに期限が過ぎ、争う機会そのものを失う
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象者 | 78条の2:幹部職員(最下位段階を除く=次官級・局長級) | 78条:一般職の職員全般 61条の4:幹部職員の任用(任免協議) |
| 判断基準 | 他の幹部・後任候補との相対比較(人事院規則の要件) | 本人の勤務実績不良・心身の故障・適格性欠如など絶対的事由 適格性審査と内閣総理大臣・官房長官との協議 |
| 処分の範囲 | 直近下位の段階の幹部職への降任のみ | 降任および免職 任命・昇任・転任など任用全般 |
| 不服申立て | 処分説明書(89条)+人事院への審査請求(90条) | 処分説明書(89条)+人事院への審査請求(90条) 任用行為そのものは通常の不利益処分審査の対象外 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は常任文官の調任と考績による降級を別枠で規律し、幹部層だけを相対比較で降任させる明文の特例は置いていない
韓国は高位公務員団制度を設け、定期的な適格審査で不適格とされた者を職権免職の対象とする点で、日本より厳しい設計
ドイツは次官級等を政治的官吏とし、理由を要せず一時退職させられる。日本の本条は降任の幅と要件を絞った点で対照的
米国の上級管理職(SES)は業績評価に基づき SES から外すことができ、相対的・業績基準で幹部層を入れ替える発想が近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 局長として二年間、大きな失点なく職務をこなしてきた。それでも人事当局から「同格のほかの局長と比べて実績が劣る」と伝えられ、部長級への異動を打診された。本人に非がなくても、相対比較だけで降任の根拠がそろうことがある。それが本条の設計である
- 意に反する降任の辞令と処分説明書を受け取った元局長は、何を確認すればいいのか? まず、説明書に書かれた理由が本条のどの号に当たるかを見る。次に、人事院規則の要件に照らして裏付けとなる事実が示されているかを見る。審査請求の期限は受領の翌日から三か月である
- 内閣人事局の担当として、幹部人事案を組む立場にいる。後任候補のほうが優れた業績を挙げると見込める、という理由で現職を降任させたい。そのためには人事評価などの客観的事実を積み上げた記録が要る。その記録がなければ、審査請求の場で処分の根拠が崩れる
- 政権交代の直後、新大臣が「方針に合わない局長を外したい」と口にした。本条は政治的な好き嫌いで降任する権限を与えていない。要件は勤務実績と客観的事実による比較である
取るべき行動
被害を受けた側:1. 降任の辞令とあわせて処分説明書(国家公務員法89条)の交付を受け、理由が本条のどの号に当たるかを特定する2. 比較対象とされた幹部や後任候補、人事評価の記録など、根拠事実の開示を求める3. 人事院規則の要件に照らし、客観的事実の裏付けが欠けていないか、降任先が直近下位の段階か、を点検する4. 期限内に人事院へ審査請求を行う。取消訴訟はその後に検討する
訴えられた側:任命権者側が注意すべき点である。1. 人事評価と勤務状況の事実を、ほかの幹部や後任候補と比較できる形で記録に残す2. 人事院規則の要件への当てはめを、決裁文書で明示しておく3. 降任先は直近下位の段階の幹部職に限る4. 処分説明書には具体的な理由を記載する。政治的な意向だけを示すことは、審査請求で処分が取り消される最大のリスクになる
時効(請求できる期限):人事院への審査請求は、処分説明書を受領した日の翌日から3か月以内、かつ処分があった日の翌日から1年以内(国家公務員法90条の2)。取消訴訟は審査請求前置(同法92条の2)を経たうえで、裁決があったことを知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成26年(2014年) 内閣人事局の設置など幹部職員人事の一元管理を導入した国家公務員法等の一部改正で、幹部職員の降任に関する特例として新設された。その後の改正の有無は要確認
改正の年表
- 1.平成26年(2014年) 新設:内閣人事局の設置など幹部職員人事の一元管理を導入した国家公務員法等の一部改正により、幹部職員の降任に関する特例として新設。その後の改正の有無は要確認
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