国家公務員法 第61条の4(内閣総理大臣及び内閣官房長官との協議に基づく任用等)
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- 任命権者は、職員の選考による採用、昇任、降任及び転任であつて幹部職への任命に該当するもの、幹部職員の幹部職以外の官職への昇任、降任及び転任(第八十一条の二第一項の規定による降任及び転任を除く。)並びに幹部職員の退職(政令で定めるものに限る。第四項において同じ。)及び免職(次項及び第三項において「採用等」という。)を行う場合には、政令で定めるところにより、あらかじめ内閣総理大臣及び内閣官房長官に協議した上で、当該協議に基づいて行うものとする。
- 2.前項の場合において、災害その他緊急やむを得ない理由により、あらかじめ内閣総理大臣及び内閣官房長官に協議する時間的余裕がないときは、任命権者は、同項の規定にかかわらず、当該協議を行うことなく、職員の採用等を行うことができる。
- 3.任命権者は、前項の規定により職員の採用等を行つた場合には、内閣総理大臣及び内閣官房長官に通知するとともに、遅滞なく、当該採用等について、政令で定めるところにより、内閣総理大臣及び内閣官房長官に協議し、当該協議に基づいて必要な措置を講じなければならない。
- 4.内閣総理大臣又は内閣官房長官は、幹部職員について適切な人事管理を確保するために必要があると認めるときは、任命権者に対し、幹部職員の昇任、降任、転任、退職及び免職(第八十一条の二第一項の規定による降任及び転任を除く。以下この項において「昇任等」という。)について協議を求めることができる。この場合において、協議が調つたときは、任命権者は、当該協議に基づいて昇任等を行うものとする。
この条文の基本情報
内閣総理大臣及び内閣官房長官との協議に基づく任用等とは何ですか?
定義内閣総理大臣及び内閣官房長官との協議に基づく任用等とは、国家公務員法第61条の4に定められた規定で、「任命権者は、職員の選考による採用、昇任、降任及び転任であつて幹部職への任命に該当するもの、幹部職員の幹部職以外の官職への昇任、降任及び転任(第八十一条の二第一項…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国家公務員法第61条の4(内閣総理大臣及び内閣官房長官との協議に基づく任用等)は、日本の国家公務員法に含まれる条文です。
- 国家公務員法第61条の4の条文原文は「任命権者は、職員の選考による採用、昇任、降任及び転任であつて幹部職への任命に該当するもの、幹部職員の幹部職以外の官職への昇任、降任及び転任(第八十一条の二第一項…」で始まります。
- 国家公務員法第61条の4は第六款に置かれています。
- 国家公務員法の公布日は昭和22年10月21日です。
- 国家公務員法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 国家公務員法第61条の4の前の条は国家公務員法第61条の3です。
- 国家公務員法第61条の4の次の条は国家公務員法第61条の5です。
- 国家公務員法第61条の4には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第61条の4 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000120 - 本サイト収録
国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第61条の4(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000120/61_4
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国家公務員法61条の4は、幹部職の採用・昇任・降任・転任や免職等について、任命権者が事前に内閣総理大臣と内閣官房長官に協議し、その協議に基づいて行うと定める。
Q · 霞が関の局長人事って、結局だれが決めているの?
大臣が決めるが、総理・官房長官との協議が整うことが前提
国家公務員の任命権者は原則として各大臣です(国家公務員法55条)。ただし事務次官・局長・部長などの幹部職については、国家公務員法61条の4により、大臣があらかじめ内閣総理大臣及び内閣官房長官に協議し、その協議に基づいて人事を行います。辞令は大臣名で出ますが、協議が整わなければ実行できません。災害時は事後協議が認められ、総理・官房長官の側から協議を求めることもできます。
解説
霞が関の局長ポストを決めているのは、各省の大臣だけではない。国家公務員の任命権者は原則として各大臣である(国家公務員法55条)。しかし事務次官・局長・部長・審議官級といった「幹部職」については別の手続がある。採用・昇任・降任・転任、幹部職員の免職、そして政令で定める退職を行う前に、大臣は内閣総理大臣と内閣官房長官に協議しなければならない。そのうえで、協議の結果に基づいて人事を行う。辞令に載るのは大臣の名前だが、協議が整わなければその人事は実行できない仕組みである。さらに4項により、総理や官房長官の側から「この幹部の人事について協議したい」と持ちかけることもできる。平成26年(2014年)に内閣人事局の発足とあわせて導入された制度で、報道でよく見る「官邸主導の人事」は、この条文が法的な根拠になっている。所管官庁の方針が突然変わったとき、その背景を人事の側から読み解けるかどうかで、状況の見え方がまったく違ってくる。
法的な位置づけ
国家公務員法61条の4は、幹部職員の人事に関する内閣協議制度を定める規定である。任命権者は、幹部職への採用・昇任・降任・転任、幹部職員の幹部職以外への異動、政令で定める退職及び免職について、あらかじめ内閣総理大臣及び内閣官房長官に協議し、その協議に基づいて行う。緊急時の事後協議の例外と、総理・官房長官からの協議要求権も定める。
よくある質問 AI による整理
Q1国家公務員法61条の4とは?
各省幹部の人事について、任命権者である大臣が総理と官房長官に事前協議し、その協議に基づいて行うことを定めた条文です。平成26年に新設されました。
Q2幹部職とはどのポストですか?
事務次官、局長、部長、審議官級などの官職を指します。用語の定義は国家公務員法の別条と政令で定められており、対象は各府省の最上位層です。
Q3内閣人事局 いつできた?
平成26年(2014年)5月に内閣官房に設置されました。本条の協議制度も同じ改正で導入され、幹部人事の一元管理が始まりました。
Q4官邸は幹部人事を拒否できる?
本条は協議に基づいて行うと定めるため、協議が整わない人事は実行できません。結果として、官邸側は実質的に同意しない選択肢を持つことになります。
Q5災害時の幹部人事はどうなる?
2項により、事前協議の時間的余裕がなければ大臣は協議なしで任命できます。ただし3項により、事後に通知し、遅滞なく協議しなければなりません。
Q6幹部の退職も官邸と協議が必要?
必要です。ただし対象は政令で定める退職に限られます。免職は協議対象で、役職定年(81条の2)による降任・転任は除外されています。
Q7内閣人事局 忖度 なぜ起きる?
幹部人事が官邸との協議を前提とする構造のため、官僚が人事権の所在を意識しやすいと指摘されています。評価は分かれており、制度と運用を分けて見る必要があります。
Q8幹部人事の協議内容は公開される?
個別人事の協議内容は、個人情報等を理由に原則として公開されにくいのが実情です。どの手続(事前協議か緊急例外か)を経たかを問う方が情報を得やすいとされます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1大臣が決めた人事を、総理があとからひっくり返せるんですか?
条文上、人事を決めるのは任命権者である大臣(55条)だが、1項は「協議に基づいて行う」と定めているので、協議が整わない人事は実行できない。4項により、総理や官房長官の側から昇任・降任などの協議を求めることもできる。実務のポイント:実際のすり合わせは、内閣人事局と各省の官房が候補者名簿の段階から進めており、正式な協議の場に上がるころには結論がほぼ出ていると言われる
Q2官邸が関わるのは、偉い人の昇進人事だけですか?
昇進だけではない。1項の対象は、幹部職への採用・昇任・降任・転任に加え、幹部職員の免職や政令で定める退職にまで及ぶ。つまり幹部から「外す」人事も、官邸との協議が前提になる。一方、役職定年(81条の2)による降任と転任は対象から除かれている。実務のポイント:注目すべきは誰が昇進したかより、誰が幹部職以外のポストへ転任したかである。そこに官邸の意思が最もはっきり表れる
間違えやすい点 AI による整理
- 「内閣人事局が幹部人事を決めている」とよく言われるが、条文上の決定権者はあくまで各大臣(任命権者)である。総理と官房長官は協議の相手方で、内閣人事局はその事務を担う組織にすぎない。ただし「協議に基づいて行う」と定められているため、協議が整わない限り大臣は単独で人事を進められない。形式上の権限と実質的な拘束力は分けて理解する必要がある
- 官邸が人事に関与することを「政治介入だから悪」とする見方と、「縦割りの省益人事を内閣全体の立場から統制する民主的な仕組み」とする見方がある。本条の立法目的は後者だった。一方で、官僚が人事権を持つ官邸の意向を過度に忖度するようになったという批判も、国会や報道で繰り返されてきた。どちらが正しいかは評価が分かれており、一方の見方だけでは制度の実像を見誤る
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律内容 | 61条の4:幹部人事の総理・官房長官への協議義務 | 55条:任命権者(原則各大臣)の定め 61条の2:幹部候補者の適格性審査と名簿 |
| 権限の主体 | 任命権者が行うが、協議の相手方は総理・官房長官 | 各大臣等の任命権者 内閣総理大臣が適格性審査を行う |
| 段階 | 具体的な任命・異動・免職の実行段階 | 人事権の帰属の前提 候補者を選別する前段階 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は考試院・銓敘部による資格審査を軸とする任用制度で、幹部人事を行政院中枢と協議させる日本型の明文規定はない
韓国は2006年に高位公務員団を創設し、人事革新処が一元管理する。大統領の任用権が明文化されている点で、日本より中央集権的
ドイツは政治的官吏(事務次官等)を理由なく一時退職させられる制度を持ち、政治と幹部官僚の関係を正面から制度化している
米国は政治任用が幅広く、SES の一部も政治任用枠とされる。幹部層の政治的統制は日本よりはるかに強い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたの会社の許認可を担当する局の局長が、就任からわずか一年で交代した。規制緩和に慎重な人物だったと業界紙は報じている。辞令は大臣の名前で出ているが、その前には本条1項の協議があり、4項により官邸の側から協議を求めることもできる。新しい局長の過去の発言を今のうちに調べておけば、次の制度改正の方向をいち早くつかめる。
- 大地震の翌朝、被災地対応を担う局長が倒れた。後任はどうやって決まるのか? 2項により、協議する時間的余裕がなければ大臣は事前協議なしで任命できる。ただし事後に通知し、遅滞なく協議しなければならない。
改正沿革 AI による整理
- 平成26年(2014年) 内閣人事局の設置とともに、幹部人事を一元的に管理する制度の一部として本条が新設された
- 令和3年(2021年)公布、令和5年(2023年)施行 定年引上げに伴い役職定年制(81条の2)が導入され、同条による降任と転任を協議対象から除く文言が加えられたとみられる(人的検証が必要)
改正の年表
- 1.平成26年(2014年) 新設:国家公務員法等の一部を改正する法律により、内閣人事局の設置とあわせて幹部職員人事の一元管理制度の一部として新設された
- 2.令和3年(2021年) 改正:定年引上げに伴う管理監督職の役職定年制(81条の2)の導入に合わせ、同条による降任・転任を協議対象から除く文言が加えられたとみられる(施行は令和5年。人的検証を推奨)
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