国家公務員法 第61条の2(適格性審査及び幹部候補者名簿)
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- 内閣総理大臣は、次に掲げる者について、政令で定めるところにより、幹部職(自衛隊法第三十条の二第一項第六号に規定する幹部職を含む。第二号及び次項において同じ。)に属する官職(同条第一項第二号に規定する自衛官以外の隊員が占める職を含む。次項及び第六十一条の十一において同じ。)に係る標準職務遂行能力(同法第三十条の二第一項第五号に規定する標準職務遂行能力を含む。次項において同じ。)を有することを確認するための審査(以下「適格性審査」という。)を公正に行うものとする。
- 一幹部職員(自衛隊法第三十条の二第一項第六号に規定する幹部隊員を含む。次号及び第六十一条の九第一項において同じ。)
- 二幹部職員以外の者であつて、幹部職の職責を担うにふさわしい能力を有すると見込まれる者として任命権者(自衛隊法第三十一条第一項の規定により同法第二条第五項に規定する隊員(以下「自衛隊員」という。)の任免について権限を有する者を含む。第三項及び第四項、第六十一条の六並びに第六十一条の十一において同じ。)が内閣総理大臣に推薦した者
- 三前二号に掲げる者に準ずる者として政令で定める者
- 2.内閣総理大臣は、適格性審査の結果、幹部職に属する官職に係る標準職務遂行能力を有することを確認した者について、政令で定めるところにより、氏名その他政令で定める事項を記載した名簿(以下この条及び次条において「幹部候補者名簿」という。)を作成するものとする。
- 3.内閣総理大臣は、任命権者の求めがある場合には、政令で定めるところにより、当該任命権者に対し、幹部候補者名簿を提示するものとする。
- 4.内閣総理大臣は、政令で定めるところにより、定期的に、及び任命権者の求めがある場合その他必要があると認める場合には随時、適格性審査を行い、幹部候補者名簿を更新するものとする。
- 5.内閣総理大臣は、前各項の規定による権限を内閣官房長官に委任する。
- 6.第一項(第三号を除く。)及び第二項から第四項までの政令は、人事院の意見を聴いて定めるものとする。
この条文の基本情報
適格性審査及び幹部候補者名簿とは何ですか?
定義適格性審査及び幹部候補者名簿とは、国家公務員法第61条の2に定められた規定で、「内閣総理大臣は、次に掲げる者について、政令で定めるところにより、幹部職(自衛隊法第三十条の二第一項第六号に規定する幹部職を含む。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国家公務員法第61条の2(適格性審査及び幹部候補者名簿)は、日本の国家公務員法に含まれる条文です。
- 国家公務員法第61条の2の条文原文は「内閣総理大臣は、次に掲げる者について、政令で定めるところにより、幹部職(自衛隊法第三十条の二第一項第六号に規定する幹部職を含む。」で始まります。
- 国家公務員法第61条の2は第六款に置かれています。
- 国家公務員法の公布日は昭和22年10月21日です。
- 国家公務員法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 国家公務員法第61条の2の前の条は国家公務員法第61条です。
- 国家公務員法第61条の2の次の条は国家公務員法第61条の3です。
- 国家公務員法第61条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第61条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000120 - 本サイト収録
国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第61条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000120/61_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国家公務員法第61条の2は、内閣総理大臣が適格性審査を行い幹部候補者名簿を作成すると定める。権限は内閣官房長官に委任され、実務は内閣人事局が担う。
Q · 霞が関の局長になるには、内閣の名簿に載らないとダメなの?
原則はい。名簿に載った者から選び、官邸と協議も必要
国家公務員法61条の2により、内閣総理大臣(実際には委任を受けた内閣官房長官)が適格性審査を行い、幹部職に必要な標準職務遂行能力があると確認した者を幹部候補者名簿に記載します。任命権者である各大臣は、原則としてこの名簿に載った者の中から幹部職員を任命し(61条の3)、任命前には総理大臣・官房長官と協議します(61条の4)。審査対象は現職幹部職員、任命権者の推薦者、政令で定める準ずる者の三類型です。
解説
霞が関の局長や事務次官は、各省の大臣が自分の省の中から選んでいると思われがちだ。2014年からは、そう単純ではない。本条により、事務次官・局長・部長級などの幹部職に就くには、まず内閣総理大臣が行う「適格性審査」(幹部として求められる標準的な能力があるかどうかの確認)を通り、「幹部候補者名簿」に名前が載る必要がある。そのうえで、名簿に載った者の中から任命する仕組みになっている(61条の3)。審査の対象は三つのルートに限られる。現職の幹部職員、各省の任命権者(人事を決める権限を持つ大臣など)が推薦した者、そして政令で定める「これらに準ずる者」である。この権限は5項により内閣官房長官に委任されており、実務は内閣人事局が担う。ここがポイントで、各省の人事の入口は首相官邸側が握っている。一方で6項は、審査や名簿に関する政令を定めるとき人事院の意見を聴くよう求めているが、「準ずる者」を定める1項3号の政令だけはその対象から外れている。幹部人事のニュースを見たとき、背後にあるこの構造を知っているかどうかで、記事の読み方がまるで変わる。
法的な位置づけ
国家公務員法61条の2は、幹部職員の任用に先立つ適格性審査と幹部候補者名簿を定める規定である。内閣総理大臣は、現職幹部職員、任命権者の推薦者及び政令で定める準ずる者について標準職務遂行能力の有無を審査し、確認された者を名簿に記載して任命権者に提示し、定期的に更新する。権限は内閣官房長官に委任される。
よくある質問 AI による整理
Q1適格性審査とは何ですか?
幹部職に求められる標準職務遂行能力を有するかを確認する審査です。国家公務員法61条の2第1項に基づき内閣総理大臣が行い、権限は内閣官房長官に委任されています。
Q2幹部候補者名簿とは?
適格性審査で標準職務遂行能力が確認された者の氏名などを記載した名簿です(61条の2第2項)。幹部職員は原則としてこの名簿の中から任命されます。
Q3適格性審査の対象者は誰ですか?
現職の幹部職員、任命権者が推薦した者、政令で定める準ずる者の三類型です(1項各号)。自衛隊法上の幹部隊員も含まれます。
Q4幹部職とはどのポストを指しますか?
事務次官、局長、部長など、国家公務員法34条で定義される幹部職に属する官職を指します。いわゆる各省の指定職クラスの上位ポストが該当します。
Q5幹部候補者名簿はいつ更新されますか?
政令に従い定期的に更新されるほか、任命権者の求めがある場合や必要と認める場合には随時、適格性審査を行って更新されます(4項)。
Q6内閣人事局 何をする組織?
内閣官房に置かれ、幹部職員人事の一元管理などを担う組織です。本条で内閣官房長官に委任された適格性審査や名簿作成の実務を担当しています。
Q7幹部人事に人事院は関与しますか?
適格性審査や名簿に関する政令を定める際、人事院の意見を聴く必要があります(6項)。ただし「準ずる者」を定める1項3号の政令は対象外です。
Q8自衛隊の幹部も名簿の対象?
対象です。1項のかっこ書きで自衛隊法30条の2に規定する幹部職・幹部隊員が含まれており、防衛省の幹部人事も同じ仕組みで扱われます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1幹部候補者名簿って公開されてるんですか?誰が載ってるか見られます?
名簿は内閣総理大臣(実際には委任を受けた内閣官房長官)が作成し、任命権者の求めに応じて提示するものである(本条2項・3項)。一般に公開することを前提とした名簿ではない。実務のポイント:外から見えるのは結果としての任命だけである。そのため、報道で「名簿に載っていなかった人が抜擢された」とされる場合は、公募や「準ずる者」(1項3号)というルートを通ったかどうかが検証のポイントになる
Q2大臣が気に入った部下を局長にしたくても、官邸がダメと言えば無理なんですか?
任命権は大臣にある。ただし、任命は原則として名簿に載った者の中から行い(61条の3)、任命の前には総理大臣・官房長官と協議しなければならない(61条の4)。つまり大臣が単独で押し切ることは、制度上想定されていない。実務のポイント:協議が実際にどこまで人事を左右しているかは公表されない。そのため、運用の評価は論者によって大きく分かれている
間違えやすい点 AI による整理
- 「幹部人事は各省の大臣が決める」という理解は半分しか正しくない。任命権者は今でも大臣だが、選べるのは原則として内閣人事局の審査を通った名簿の中からであり、さらに任命には総理大臣・官房長官との協議が必要とされる(61条の4)。入口と出口の両方で官邸が関わっている
- 名簿に載れば出世が約束されると思うのは、問いの立て方がずれている。名簿は「幹部を務める能力がある」と確認された者のリストにすぎず、どのポストに就くかを決めるものではない。名簿に載っていてもポストに就けない者は当然いるし、名簿は定期的に更新される(4項)
- 政治主導による人事の一元化は、官僚からすれば「官邸の顔色をうかがう圧力」に見える。一方、制度の建前は「省益にとらわれない、政府全体での適材適所」である。どちらが実態に近いかは、政治学や行政学の分野で評価が分かれている。制度そのものは中立だが、運用次第でどちらにも転ぶ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する段階 | 61条の2:適格性審査と幹部候補者名簿の作成(入口) | 61条の3:名簿記載者からの幹部職任命(選任) 61条の4:任命前の総理大臣・官房長官との協議(出口) |
| 主体 | 内閣総理大臣(内閣官房長官に委任) | 各省の任命権者(大臣等) 任命権者と内閣総理大臣・内閣官房長官 |
| 判断の中身 | 標準職務遂行能力の有無の確認 | 名簿の中から特定ポストに誰を充てるか 個別任命・異動案の協議 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では簡任職の任用は資格要件と陞遷手続で規律され、内閣中枢による名簿一元管理の仕組みは日本ほど明確ではない
韓国は高位公務員団制度により幹部層を政府全体で一括管理しており、日本の幹部人事一元管理と発想が近い
ドイツは次官級などを政治的官吏とし、いつでも一時退職させうる仕組みで政治と幹部官僚の関係を調整している
米国は1978年公務員制度改革法で上級管理職層を創設し、幹部資格の認定と配置の柔軟化を図った。日本の名簿制度の比較対象としてよく挙げられる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 局長人事の報道で「官邸主導」「内閣人事局が差し戻した」という言葉を見かけた。なぜ官邸が各省の人事に口を出せるのか? その入口が本条の名簿であり、任命時の協議ルール(61条の4)とセットで動いている
- 民間企業で20年働いてきたあなたが、中央省庁の幹部ポスト公募(61条の6)に応募した。書類が通っても、すぐに任命されるわけではない。まず適格性審査を通り、名簿に載ることが条件になる
- 所属する省で課長を務めるあなたに、夏の人事異動まで残り一か月というタイミングで、官房から「幹部候補として推薦する」という連絡が来た。推薦はゴールではなく、内閣官房長官のもとでの審査への入場券にすぎない
学説
行政学・政治学上の評価:幹部人事の一元管理を、縦割り打破と内閣の政策責任の明確化として評価する見解と、官僚の過度な忖度を招き専門性・中立性を損なうとして批判する見解が並存し、運用実態の評価は分かれている
改正沿革 AI による整理
- 平成26年(2014年) 国家公務員法等の一部を改正する法律(平成26年法律第22号)で新設された。内閣人事局の設置とあわせ、幹部人事の一元管理の中核として導入された。その後の改正の有無は人的検証が必要
改正の年表
- 1.平成26年(2014年) 新設:国家公務員法等の一部を改正する法律(平成26年法律第22号)により新設。内閣人事局の設置とあわせ、幹部職員人事の一元管理の中核として導入された
- 国家公務員法 第34条幹部職・標準職務遂行能力の定義
- 国家公務員法 第61条の3名簿記載者からの幹部職任命
- 国家公務員法 第61条の4幹部人事の総理・官房長官協議
- 国家公務員法 第61条の6幹部職の公募と名簿の連動
- 自衛隊法 第30条の2自衛隊幹部職・幹部隊員の定義準用
- 内閣法 第21条内閣人事局の設置根拠(現行効力を要確認)
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