国家公務員法 第81条の2(管理監督職勤務上限年齢による降任等)
クイックジャンプ
- 任命権者は、管理監督職(一般職の職員の給与に関する法律第十条の二第一項に規定する官職及びこれに準ずる官職として人事院規則で定める官職並びに指定職(これらの官職のうち、病院、療養所、診療所その他の国の部局又は機関に勤務する医師及び歯科医師が占める官職その他のその職務と責任に特殊性があること又は欠員の補充が困難であることによりこの条の規定を適用することが著しく不適当と認められる官職として人事院規則で定める官職を除く。)をいう。以下この目及び第八十一条の七において同じ。)を占める職員でその占める管理監督職に係る管理監督職勤務上限年齢に達している職員について、異動期間(当該管理監督職勤務上限年齢に達した日の翌日から同日以後における最初の四月一日までの間をいう。以下この目及び同条において同じ。)(第八十一条の五第一項から第四項までの規定により延長された期間を含む。以下この項において同じ。)に、管理監督職以外の官職又は管理監督職勤務上限年齢が当該職員の年齢を超える管理監督職(以下この項及び第三項においてこれらの官職を「他の官職」という。)への降任又は転任(降給を伴う転任に限る。)をするものとする。ただし、異動期間に、この法律の他の規定により当該職員について他の官職への昇任、降任若しくは転任をした場合又は第八十一条の七第一項の規定により当該職員を管理監督職を占めたまま引き続き勤務させることとした場合は、この限りでない。
- 2.前項の管理監督職勤務上限年齢は、年齢六十年とする。ただし、次の各号に掲げる管理監督職を占める職員の管理監督職勤務上限年齢は、当該各号に定める年齢とする。
- 一国家行政組織法第十八条第一項に規定する事務次官及びこれに準ずる管理監督職のうち人事院規則で定める管理監督職年齢六十二年
- 二前号に掲げる管理監督職のほか、その職務と責任に特殊性があること又は欠員の補充が困難であることにより管理監督職勤務上限年齢を年齢六十年とすることが著しく不適当と認められる管理監督職として人事院規則で定める管理監督職六十年を超え六十四年を超えない範囲内で人事院規則で定める年齢
- 3.第一項本文の規定による他の官職への降任又は転任(以下この目及び第八十九条第一項において「他の官職への降任等」という。)を行うに当たつて任命権者が遵守すべき基準に関する事項その他の他の官職への降任等に関し必要な事項は、人事院規則で定める。
この条文の基本情報
管理監督職勤務上限年齢による降任等とは何ですか?
定義管理監督職勤務上限年齢による降任等とは、国家公務員法第81条の2に定められた規定で、「任命権者は、管理監督職(一般職の職員の給与に関する法律第十条の二第一項に規定する官職及びこれに準ずる官職として人事院規則で定める官職並びに指定職(これらの官職の…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国家公務員法第81条の2(管理監督職勤務上限年齢による降任等)は、日本の国家公務員法に含まれる条文です。
- 国家公務員法第81条の2の条文原文は「任命権者は、管理監督職(一般職の職員の給与に関する法律第十条の二第一項に規定する官職及びこれに準ずる官職として人事院規則で定める官職並びに指定職(これらの官職の…」で始まります。
- 国家公務員法第81条の2は第二目に置かれています。
- 国家公務員法の公布日は昭和22年10月21日です。
- 国家公務員法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 国家公務員法第81条の2の前の条は国家公務員法第81条です。
- 国家公務員法第81条の2の次の条は国家公務員法第81条の3です。
- 国家公務員法第81条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第81条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000120 - 本サイト収録
国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第81条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000120/81_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国家公務員法81条の2は、管理職の職員が原則60歳に達すると、異動期間内に管理職以外の官職へ降任または降給を伴う転任をさせる役職定年制を定める。
Q · 国家公務員の定年が65歳になっても、課長は65歳まで続けられるの?
原則60歳で管理職を外れ、非管理職ポストへ移る
国家公務員法81条の2により、課長や室長などの管理監督職にある職員は、管理監督職勤務上限年齢(原則60歳)に達すると、その翌日から最初の4月1日までの異動期間内に、管理職以外の官職への降任または降給を伴う転任をされます。定年(81条の6)とは別の制度です。事務次官級は62歳、人事院規則で指定された官職は61〜64歳が上限です。異動期間の延長(81条の5)や勤務延長(81条の7)による例外もあります。
解説
国家公務員の定年は65歳へ段階的に延びている。一方で、課長や室長のポストに座っていられるのは原則60歳までである。この二つは別々の制度で、よく混同される。60歳に達すると、その日の翌日から最初の4月1日までが「異動期間」になる。任命権者(人事を決める権限を持つ大臣や長官)は、この期間内に管理職以外のポストへの降任、または給料が下がる転任を行わなければならない。本人が希望したかどうか、成績が良いかどうかは関係ない。例外は三つだけある。異動期間の延長(81条の5)、勤務延長の特例(81条の7)、それに別の規定による昇任や転任である。事務次官級は62歳、人事院規則で指定された特殊な官職は61歳から64歳の範囲で上限が決まる。病院や診療所に勤める医師・歯科医師などは、そもそも制度の対象外である。押さえておくべきなのは次の点である。この降任は懲戒でも成績不良による降任でもなく、年齢だけで自動的に起こる。だから争う材料は「なぜ自分が」ではなく、「どのポストへ」「どの基準で」動かされるかにある。58歳の今から異動希望や資格を準備しておいた人と、60歳の春に辞令を受け取って初めて知る人とでは、その後5年間の働き方が大きく変わる。
法的な位置づけ
管理監督職勤務上限年齢制とは、国家公務員法第81条の2に基づき、管理監督職を占める職員が上限年齢(原則60歳)に達した場合に、異動期間(到達日の翌日から最初の4月1日まで)内に、管理監督職以外の官職等への降任または降給を伴う転任を行うよう任命権者に求める制度をいう。定年制とは別個の制度であり、懲戒処分ではない。
手順
- 1.自分の上限年齢と異動期間を確認する 自分の官職が管理監督職に当たるか、上限年齢が60歳・62歳・人事院規則指定年齢のどれかを人事担当に確認し、誕生日の前日を基準に異動期間の開始日と終了日を算出する
- 2.前年度の人事ヒアリングで異動希望を伝える 異動期間に入る前年度のヒアリングで、希望する異動先を具体的に伝え、面談記録やメールで伝えた事実を残す
- 3.業務継続上の支障を書面化する 後任不在などで業務が止まる具体的事実がある場合、延長(81条の5)の判断材料として異動期間前に上司へ書面で提出する
- 4.給与と退職手当を試算して比較する 降任後の俸給、60歳超の俸給水準、管理職手当の消失、定年前退職時の退職手当特例、定年前再任用短時間勤務の条件を人事担当に試算してもらい比較する
- 5.異動後の勤務条件に不服があれば行政措置要求を検討する 異動後の勤務条件に不服がある場合、人事院への行政措置要求(86条)や苦情相談を検討する。処分説明書が交付されない点に留意する
よくある質問 AI による整理
Q1国家公務員の役職定年とは?
管理監督職にある職員が原則60歳に達すると、管理職以外のポストへ降任または降給を伴う転任をされる制度です。国家公務員法81条の2が根拠です。
Q2役職定年の異動期間はいつからいつまで?
上限年齢に達した日の翌日から、それ以後の最初の4月1日までです。誕生日の前日に年齢が満了するため、生まれ日によって期間の長さが大きく変わります。
Q3事務次官の役職定年は何歳?
事務次官およびこれに準ずる人事院規則で定める管理監督職は62歳です。原則の60歳より2年長く管理職に就けます。
Q4役職定年は何年から始まった?
定年の段階的な65歳への引上げに合わせ、令和3年法律第61号による改正で導入され、令和5年(2023年)4月1日から施行されています。
Q5役職定年で降任されたら懲戒扱いになる?
なりません。年齢のみを理由とする制度上の異動であり、懲戒処分でも、人事評価に基づく降任(78条)でもありません。
Q6役職定年の対象になる管理監督職とは?
給与法10条の2第1項の管理職手当が支給される官職、これに準ずる人事院規則で定める官職、および指定職です。一部の医師等の官職は除かれます。
Q7役職定年で同格ポストに異動できる?
本条による転任は「降給を伴う転任」に限られます。給料が下がらない同格ポストへの横移動は、本条の処理としては要件を満たしません。
Q8役職定年の例外は認められる?
異動期間の延長(81条の5)、管理職のまま引き続き勤務させる特例(81条の7)、他の規定による昇任・転任等の場合は本条の降任等をしません。
この条文についての質問 AI による整理
Q160歳で課長を外されたら、給料ってどのくらい下がるんですか?
二重に下がる。第一に、管理職以外のポストへの降任または降給を伴う転任(81条の2)によって、俸給表上の格付けと管理職手当が変わる。第二に、60歳を超えた職員の俸給は、給与法の附則によって当分の間7割水準とされている。実務のポイント:60歳以降に定年前退職しても、退職手当を定年退職と同じ扱いで計算する経過措置がある。辞めるか残るかは、この試算を人事担当に出してもらってから決めればよい(最新の改正状況をご確認ください)
Q2後任がいないから残ってくれって言われたら、課長のままでいられるんですか?
ありうる。81条の5によって、公務の運営に著しい支障が生じる場合などに異動期間が延長され、管理監督職のまま勤務を続けられる余地がある。ただし判断するのは任命権者で、延長の期間にも上限がある。実務のポイント:延長は「本人の希望」ではなく「組織の支障」を理由に組み立てられる制度である。延長を望むなら、自分の意欲ではなく、業務が止まる具体的な事実を上司の手元に残しておくほうが効く
Q3病院で働く国家公務員の医師も60歳で部長を外れるんですか?
制度の対象外となる官職がある。81条の2第1項の括弧書は、病院・療養所・診療所などに勤務する医師・歯科医師が占める官職のうち、職務の特殊性や欠員補充の困難性から人事院規則で定めるものを、管理監督職の範囲から除いている。実務のポイント:同じ組織の中でも、対象外の官職と、上限年齢を61〜64歳に引き上げた官職(第2項第2号)がある。自分がどの区分かは人事院規則11-11の別表で確認できる
間違えやすい点 AI による整理
- 「定年が65歳に延びたのだから、65歳まで課長を続けられる」と受け取る人が多い。実際には、定年(81条の6)と管理監督職勤務上限年齢(本条)は別の制度である。管理職を続けられるのは原則60歳までで、そこから先は延長された期間を管理職以外として働く設計になっている
- 役職定年による降任を「降格処分」だと受け止めて傷つく人がいる。しかしこれは懲戒でも、人事評価が悪いことによる降任(78条)でもなく、年齢だけを理由とする制度上の異動である。人事記録にも処分として残る性質のものではない。恥ではないと理解できれば、交渉の場で冷静に異動先の条件を話せる
- 「降任の理由書(処分説明書)が来たら審査請求で争えばいい」と考えがちだが、前提がずれている。89条1項は、本条による「他の官職への降任等」を処分説明書の交付対象から外している。通常の不利益処分と同じ審査請求ルートは使いにくいと考えておくべきである(実務上、個別事案での扱いは要確認)。争点は処分の取消しではなく、勤務条件への行政措置要求や、異動前の調整に移る
- 給料が下がるのは降任のせいだけだと思われがちだが、深刻さはその程度ではない。60歳を超えた職員の俸給は、当分の間、降任とは別に原則7割水準に抑えられる仕組みがある。役職を外れて管理職手当がなくなることと合わせると、手取りは想像以上に減る(最新の改正状況をご確認ください)
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 制度の中身 | 81条の2:管理監督職勤務上限年齢(役職定年)による降任・転任 | 81条の6:定年による退職(段階的に65歳) 81条の5:異動期間の延長の特例 |
| 基準年齢 | 原則60歳、事務次官級62歳、指定官職61〜64歳 | 定年年齢(段階的に65歳へ引上げ) 上限年齢到達後の異動期間を延長 |
| 効果 | 管理職以外への降任または降給を伴う転任 | 職員の身分を失い退職 一定期間、管理監督職のまま勤務継続 |
| 判断主体 | 任命権者(年齢により一律) | 法律上当然に退職 任命権者(公務運営上の支障等の要件) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は屆齡退休(65歳)の規定はあるが、管理職ポストだけに年齢上限を設ける一般的な制度は置いていない
韓国の国家公務員の定年は原則60歳。定年と別に管理職の年齢上限を一律に定める仕組みは一般的でない
ドイツ連邦公務員は法定の年齢上限(原則67歳へ段階的引上げ)で退職する。管理職だけに年齢上限を設ける制度は一般的でない
米国連邦公務員は原則として強制退職年齢がなく、法執行官など特定職のみ強制退職年齢が定められている
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 4月2日生まれの課長は、誕生日前日の4月1日に60歳に達する。異動期間は4月2日から翌年4月1日までの丸1年になる。4月1日生まれの課長は3月31日に60歳に達するので、異動期間は翌日の4月1日だけ。同じ60歳でも、準備に使える時間が1年と1日ほど違う
- 59歳の室長が、部下から「来年度から室長は誰になるんですか」と聞かれて言葉に詰まった。後任が決まらないまま異動期間が迫っている。公務の運営に著しい支障が出ると認められれば、81条の5による延長がありうる。ただし延長を決めるのは任命権者であり、本人が申請して得られるものではない
- 人事課の担当者として、60歳に達した管理職10名の異動先を探している。空いている非管理職ポストが足りず、給料が下がらない同格の転任先を用意しようとした。81条の2で認められる転任は「降給を伴う転任」に限られるので、この処理は条文の要件を満たさない。第3項の人事院規則が定める基準にも照らして、組み直す必要がある
- もし定年前に辞めた場合、退職金は自己都合扱いで減るのか? 60歳以降に定年前退職した職員を定年退職と同じ扱いにする経過的な特例がある。辞めるか残るかは、この特例を確認してから決めればよい(最新の改正状況をご確認ください)
- 地方の市役所に勤める姉から「うちも60歳で課長を降りるらしい」と相談された。地方公務員にも、同じ構造の役職定年制が地方公務員法に置かれている。仕組みの骨格を三分で説明できれば、あとは条例の細部を確認すればよい
取るべき行動
被害を受けた側:1. 自分の管理監督職勤務上限年齢(原則60歳、事務次官級62歳、人事院規則で指定された官職は別)と、異動期間の開始日・終了日を人事担当に確認する2. 前年度の人事ヒアリングで異動先の希望を具体的に伝え、記録を残しておく3. 業務の継続に支障が出る事情があれば、延長(81条の5)の判断材料として事前に書面化する4. 異動後の勤務条件に不服があれば、人事院への行政措置要求(86条)や苦情相談を検討する。60歳以降の給与、定年前退職時の退職手当特例、定年前再任用短時間勤務(60条の2)も並べて比較する
訴えられた側:任命権者・人事担当の立場で整理する。1. 対象となる職員を上限年齢の到達日から逆算してリスト化し、異動期間内に処理を終える2. 転任は「降給を伴う」ものに限られる。同格ポストへの横移動は本条の処理にならない3. 人事院規則が定める異動先選定の基準(第3項)に照らし、ポストの選び方を説明できるようにしておく4. 延長や勤務延長を使う場合は、要件の充足を記録に残す。恣意的な延長は他の職員との公平性の問題を生む
時効(請求できる期限):特定の時効はないが、降任・転任は「上限年齢に達した日の翌日から、それ以後の最初の4月1日まで」の異動期間内に行う必要がある(延長された場合はその期間)。本条による降任等は処分説明書の交付対象外(89条1項)であり、審査請求の期間(90条の2、処分説明書受領の翌日から3か月)が通常どおり働くとは限らない(実務上要確認)。勤務条件に関する行政措置要求(86条)には法定の期限はない。
改正沿革 AI による整理
- 令和3年(2021年)改正、令和5年(2023年)4月1日施行 国家公務員の定年を段階的に65歳へ引き上げる改正(令和3年法律第61号)に合わせ、管理監督職勤務上限年齢制(いわゆる役職定年制)を本条に規定した。改正前の81条の2は定年に関する規定であり、同じ条番号で内容が置き換わっている。改正回数と経緯は人による確認が必要
改正の年表
- 1.令和3年(2021年) 改正:国家公務員法等の一部を改正する法律(令和3年法律第61号)により、定年の段階的引上げと合わせて管理監督職勤務上限年齢制を本条に規定。令和5年(2023年)4月1日施行。改正前の81条の2は定年に関する規定であった
- 国家公務員法 第81条の3上限年齢到達者の管理監督職任用制限(現行効力を要確認)
- 国家公務員法 第81条の5異動期間の延長の特例
- 国家公務員法 第81条の6定年による退職、定年年齢の定め
- 国家公務員法 第81条の7定年による退職の特例(勤務延長)
- 国家公務員法 第89条処分説明書交付から役職定年降任を除外
- 地方公務員法 第28条の2地方公務員の管理監督職勤務上限年齢制(現行効力を要確認)
- 一般職の職員の給与に関する法律 第10条の2管理職手当官職、管理監督職の範囲を画定
- 国家行政組織法 第18条事務次官の設置、上限年齢62歳の対象
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める