国家公務員法 第33条(任免の根本基準)
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- 職員の任用は、この法律の定めるところにより、その者の受験成績、人事評価又はその他の能力の実証に基づいて行わなければならない。
- 2.前項に規定する根本基準の実施に当たつては、次に掲げる事項が確保されなければならない。
- 一職員の公正な任用
- 二行政需要の変化に対応するために行う優れた人材の養成及び活用
- 3.職員の免職は、法律に定める事由に基づいてこれを行わなければならない。
- 4.第一項に規定する根本基準の実施につき必要な事項であつて第二項第一号に掲げる事項の確保に関するもの及び前項に規定する根本基準の実施につき必要な事項は、この法律に定めのあるものを除いては、人事院規則でこれを定める。
この条文の基本情報
任免の根本基準とは何ですか?
定義任免の根本基準とは、国家公務員法第33条に定められた規定で、「職員の任用は、この法律の定めるところにより、その者の受験成績、人事評価又はその他の能力の実証に基づいて行わなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国家公務員法第33条(任免の根本基準)は、日本の国家公務員法に含まれる条文です。
- 国家公務員法第33条の条文原文は「職員の任用は、この法律の定めるところにより、その者の受験成績、人事評価又はその他の能力の実証に基づいて行わなければならない。」で始まります。
- 国家公務員法第33条は第二節に置かれています。
- 国家公務員法の公布日は昭和22年10月21日です。
- 国家公務員法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 国家公務員法第33条の前の条は国家公務員法第29〜32条です。
- 国家公務員法第33条の次の条は国家公務員法第33条の2です。
- 国家公務員法第33条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第33条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000120 - 本サイト収録
国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第33条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000120/33
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国家公務員法33条は、職員の任用を受験成績・人事評価等の能力の実証に基づいて行い、免職は法律に定める事由がある場合に限ると定める任免の根本基準である。
Q · 国家公務員は法律で守られているから、本当にクビにならないの?
いいえ。法定事由があれば懲戒なしでも免職されうる
国家公務員法33条3項は、免職を「法律に定める事由」に基づく場合に限っています。これは免職の禁止ではなく、理由の限定です。同法78条は、人事評価等に照らした勤務実績不良、心身の故障、適格性の欠如、官制・定員の改廃による過員を分限免職の事由として定めており、非違行為がなくても免職はありえます。処分に不服があれば、人事院への審査請求(同法90条)で争うことができます。
解説
「公務員はクビにならない」。役所の外で広く信じられているこの常識を、国家公務員法33条は半分だけ認め、残りの半分をはっきり否定している。1項は、任用(役所が人を採用・昇任・降任・転任させること)を受験成績、人事評価、その他の能力の実証に基づいて行うよう定める。コネも、年次の順番も、政治家の口利きも根拠にならない。3項は、免職を「法律に定める事由」があるときに限る。身分保障の土台はここにある。ただし裏を返せば、法律が定める事由があれば免職できる。78条は、人事評価に照らして勤務実績がよくない場合、心身の故障、適格性の欠如、組織の改廃による過員を挙げており、懲戒処分(非違行為への制裁)がなくても分限免職(能力・組織の事情を理由とする免職)はありうる。評価シートに残った記録は、昇任の根拠になると同時に、免職の根拠にもなる。あなたが職員なら、評価面談での一言が数年後に効いてくる。
法的な位置づけ
国家公務員法33条は、国家公務員の任免に関する根本基準を定める規定である。任用は受験成績、人事評価その他の能力の実証に基づいて行うものとし、その実施にあたっては公正な任用と、行政需要の変化に対応する優れた人材の養成及び活用の確保を求める。免職は法律に定める事由に基づく場合に限られ、実施細目は人事院規則に委ねられる。
手順
- 1.処分説明書の交付を確認する 意に反する降任・免職を告げられたら、まず処分説明書(89条)が交付されたかを確認する。交付がなければ請求する。処分の根拠となった78条の号と具体的事実が記載されているかをチェックする
- 2.評価記録と反証資料を確保する 人事評価の記録、評価面談のメモ、業務日誌、上司とのメールを自分の手元に保存する。役所側の記録は開示請求で取得を検討する。日付入りの業務実績が反証の中心になる
- 3.期限内に人事院へ審査請求する 処分説明書を受領した日の翌日から3か月以内、かつ処分の日の翌日から1年以内に人事院へ審査請求を行う(90条、90条の2)。期限を過ぎると原則として争えなくなる
- 4.裁決後に取消訴訟を検討する 取消訴訟は原則として人事院の裁決を経た後に提起する(92条の2)。裁決があったことを知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)に、弁護士と訴訟戦略を組み立てる
よくある質問 AI による整理
Q1分限免職とは何ですか?
制裁ではなく、勤務実績不良・心身の故障・適格性欠如・定員改廃による過員など、能力や組織の事情を理由とする免職です。国家公務員法78条が事由を定めています。
Q2国家公務員の免職理由には何がある?
分限免職は78条の4事由(勤務実績不良、心身の故障、適格性欠如、官制・定員の改廃等による過員)、懲戒免職は82条の非違行為が根拠です。これ以外の理由では免職できません。
Q3分限免職でも退職金は出る?
分限免職は制裁ではないため、退職手当は原則として支給されます。退職手当の全部または一部が支給されない仕組みがあるのは、主に懲戒免職の場合です。
Q4国家公務員の条件付採用期間はいつまで?
原則として採用後6か月です(59条、人事院規則8―12)。この期間中は81条により、75条・78条などの身分保障規定がそのままは適用されません。
Q5国家公務員の人事評価は年に何回?
能力評価が年1回、業績評価が年2回行われるのが基本です。評価結果は昇任・昇給などの任用や給与に活用され、33条1項の「能力の実証」の中心的な資料となります。
Q6所属部署が廃止されたら公務員は免職される?
官制・定員の改廃による過員は78条4号の分限免職事由です。ただし配置転換などの回避努力が問われ、社会保険庁の廃止に伴う分限免職では人事院が一部の処分を取り消しました。
Q7地方公務員にも同じルールはある?
あります。地方公務員法15条が任用の根本基準を、同法27条・28条が分限の基準と事由を定めており、国家公務員と同じ成績主義と身分保障の構造になっています。
Q8公務員の降任とはどういう処分?
現在の官職より下位の職制上の段階の官職に任命する処分です。本人の意に反する降任も、78条に定める事由がなければできず、不服があれば人事院に審査請求できます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1公務員って結局、何をしてもクビにならないんですよね?
そうではない。33条3項は、免職を法律に定める事由があるときに限っているだけである。懲戒免職(82条)のほか、勤務実績不良や適格性欠如、組織改廃による過員を理由とする分限免職(78条)がある。実務のポイント:実務では、分限免職の前に降任や配置換え、改善指導が段階的に行われることが多い。その各段階の記録が、処分の適法性を左右する
Q2上司に嫌われて評価を下げられたら、もう終わりですか?
終わりではない。人事評価は公正に行わなければならず(70条の2)、評価を根拠にした降任・免職は人事院で争える(90条)。分限処分に裁量はあっても無制限ではないとした最高裁判例もある(最判昭和48.9.14)。実務のポイント:審査で効くのは、評価の低さそのものではなく、評価と具体的事実が結びついていないことである。日頃から自分の業務実績を日付入りで残しておく
Q3退職を勧められているんですが、断ったら免職になりますか?
断ったこと自体は免職の事由にならない。免職には78条などの法定事由が必要である。度を越した退職勧奨が違法とされた最高裁判例もある(最判昭和55.7.10)。実務のポイント:勧奨に応じて辞表を出すと「辞職」となり、処分説明書も審査請求もない。役所側にとって最も争われにくい出口が辞職だということを知ったうえで判断する
間違えやすい点 AI による整理
- 「公務員は法律で守られているから解雇されない」と思われがちだが、33条3項は免職を禁止しているのではない。免職の理由を法律で決めた事由に限っているだけである。78条の事由に当たれば、懲戒処分がなくても分限免職は成立する。守られているのは「気分や好き嫌いで切られないこと」であり、「どんなに勤務実績が悪くても残れること」ではない
- 成績主義という言葉は入口の試験の話だと思われている。だが1項は「受験成績」と並んで「人事評価」を任用の根拠に挙げている。入省時の順位は、年を追うごとに評価の積み重ねに上書きされていく。採用試験の区分や入省年次にとらわれない人事管理は27条の2にも明記されている。試験に受かった日が勝負の終わりではなく、評価の記録が始まった日である
- 「退職勧奨を断ったら免職される」という不安は、問題の立て方がずれている。退職勧奨は法的には「お願い」であり、応じるかどうかは本人の自由である。免職したいなら、役所は78条の事由を立証し、処分説明書を出さなければならない。逆に、勧奨に応じて自分から辞表を出すと、それは免職ではなく辞職となり、人事院で争う道を自分で閉じることになる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 国公法33条:任用・免職全体の根本基準(能力の実証、法定事由主義) | 国公法75条:意に反する降任・休職・免職からの身分保障 国公法78条:意に反する降任・免職の具体的事由(4号) |
| 規定の性格 | 原則を宣言する基本規定 | 職員の権利としての保障規定 任命権者が処分できる場合を列挙する授権規定 |
| 条件付採用期間中の扱い | 任用の根本基準として適用される | 81条によりそのままは適用されない 81条によりそのままは適用されない |
| 違反を争う手段 | 個別処分を通じて90条の審査請求で争う | 90条の人事院審査請求、92条の2の取消訴訟 処分説明書記載の事由の有無を審査請求で争う |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も任用は考試と資格に基づく専門性重視の原則を採り、考績の結果に基づく免職の仕組みがある。考試院による試験任用が憲法上の制度として位置付けられている点が特徴
韓国も任用は試験成績・勤務成績・経歴評定その他の能力の実証に基づくと定め、日本とほぼ同じ構造の成績主義を採る
ドイツは能力主義(Leistungsprinzip)を憲法上の原則とし、公職への就任を適性・能力・専門的業績に基づかせる。職業官吏制度の伝統的原則による強い身分保障を伴う
米国連邦公務員制度は猟官制への反省から1883年のペンドルトン法でメリットシステムを導入した。日本の国家公務員法はこの系譜を継受している
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 所属していた部局が統廃合で消滅し、人事課から「受け入れ先のポストがない」と告げられたらどうなるのか。78条4号(官制・定員の改廃による過員)による分限免職は法律上ありうる。社会保険庁が廃止されたときは、多数の職員が分限免職となり、その後、人事院が一部の処分を取り消した
- 課長補佐のあなたは、部下の人事評価に「業績不十分」と書いた。本人の改善を促すつもりだった。しかしその記録は、将来の降任・分限免職の根拠資料にもなる。具体的な事実を書かずに評価だけを下げると、処分が争われたとき、評価の公正さ(70条の2)そのものを突かれる側に回る
- 入省して4か月、上司から「向いていないのでは」と言われた。採用は条件付きで、この期間中は身分保障の規定がそのまま適用されない。油断していい時期ではない
- 分限免職の処分説明書が手元に届いた。人事院への審査請求は、受け取った翌日から3か月以内である。辞令のショックで一週間寝込んでいる間にも、期限は減っていく。弁護士を探すのと並行して、評価記録と面談メモの開示請求を今日から始める必要がある
- 知人の国会議員秘書から「息子を省庁に入れられないか」と相談された。33条1項がある以上、採用の根拠は能力の実証だけである。口利きに乗れば、依頼した側も受けた側も、公正な任用(同条2項1号)を壊した当事者として扱われる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 降任・免職の処分を受けたら、処分説明書(89条)の交付を確認し、なければ請求する2. 人事評価の記録、面談メモ、業務日誌、メールを自分の手元に確保する3. 処分説明書を受け取った翌日から3か月以内に人事院へ審査請求を行う(90条、90条の2) 4. 取消訴訟は原則として人事院の裁決を経てから提起する(92条の2)。審査段階から弁護士と組み立てる
訴えられた側:処分をする側(人事担当・評価者)の場合:1. 評価には具体的な事実と日付を必ず添え、改善指導の経過を記録する2. 分限処分の前に、本人に改善の機会と弁明の機会を与えた記録を残す3. 78条のどの号に当たるのかを特定し、処分説明書に明記する4. 恣意的と見られる運用は人事院で取り消されうるため、同種事案とのバランスを確認する
時効(請求できる期限):人事院への審査請求は、処分説明書を受領した日の翌日から3か月以内、かつ処分があった日の翌日から1年以内(国家公務員法90条の2)。裁決後の取消訴訟は、裁決があったことを知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:33条は成績主義を任用の根本基準とし、情実・政治的任用を排除することで行政の中立性を確保する規定である。3項の法定事由主義は75条の身分保障と一体となり、免職を法律の明文事由に限定する。
裁量統制論:分限処分には任命権者の裁量が認められるが、処分事由の認定、改善機会の付与、同種事案との均衡などの観点から司法審査・人事院審査による統制が及ぶと解されている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和22年(1947年) 新設:国家公務員法の制定により、任用を受験成績、勤務成績その他の能力の実証に基づかせる成績主義の原則が定められた
- 2.平成19年(2007年) 改正:能力・実績主義の人事管理への転換を目的とする改正により、任用の根拠として「人事評価」が明記され、人事評価制度が任用・給与の基礎として導入された
- 国家公務員法 第27条の2採用年次等にとらわれない人事管理
- 国家公務員法 第70条の2人事評価の公正実施の基準
- 国家公務員法 第75条意に反する免職等からの身分保障
- 国家公務員法 第78条意に反する降任・免職の法定事由
- 国家公務員法 第90条不利益処分に対する人事院審査請求
- 地方公務員法 第15条地方公務員の任用の根本基準
- 行政事件訴訟法 第14条処分取消訴訟の出訴期間
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