国家公務員法 第70条の2(人事評価の根本基準)
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職員の人事評価は、公正に行われなければならない。
この条文の基本情報
人事評価の根本基準とは何ですか?
定義人事評価の根本基準とは、国家公務員法第70条の2に定められた規定で、「職員の人事評価は、公正に行われなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国家公務員法第70条の2(人事評価の根本基準)は、日本の国家公務員法に含まれる条文です。
- 国家公務員法第70条の2の条文原文は「職員の人事評価は、公正に行われなければならない。」で始まります。
- 国家公務員法第70条の2は第四節に置かれています。
- 国家公務員法の公布日は昭和22年10月21日です。
- 国家公務員法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 国家公務員法第70条の2の前の条は国家公務員法第70条です。
- 国家公務員法第70条の2の次の条は国家公務員法第70条の3です。
- 国家公務員法第70条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第70条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000120 - 本サイト収録
国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第70条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000120/70_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国家公務員法70条の2は、職員の人事評価を公正に行う義務を定める。評価は昇任・昇給・勤勉手当・分限の基礎となり、不満があれば苦情相談・苦情処理で是正を求められる。
Q · 国家公務員の人事評価が不公平だと感じたら、法律上どう扱われるの?
評価者には公正義務があり、苦情処理で是正を求められる
国家公務員法70条の2は、職員の人事評価を公正に行う義務を定めています。人事評価の結果そのものは一般に行政処分にあたらず、取消訴訟で直接争うのは難しいとされます。ただし、政令に基づく苦情相談・苦情処理の仕組みで是正を求めることができます。評価を理由に降任や免職(78条)が行われた場合は、人事院への審査請求(90条)の中で評価の公正性が争点になります。
解説
条文はわずか一文、二十数文字である。「職員の人事評価は、公正に行われなければならない」。飾りの標語に見えるが、中身は違う。平成21年(2009年)以降、一般職の国家公務員の昇任、昇給、勤勉手当(いわゆるボーナスの成績部分)、さらに降任や免職(分限処分:懲戒ではなく、能力不足などを理由に本人の意に反して行う身分上の措置)まで、人事の判断材料は原則として人事評価に一本化された(27条の2、70条の4、78条)。つまり評価シートは、あなたの給与明細と身分に直結する基礎データである。本条は、そのデータを作る評価者に「公正」という法的義務を課している。気に入らない部下に低い評語を付ける、目標を途中で勝手に変える、面談をせずに評価を確定させる。こうした運用は職場の慣習ではなく、法律上の義務違反として問題にできる。評価結果そのものは原則として取消訴訟の対象にならない。それでも、苦情相談と苦情処理、そして評価を根拠にした不利益処分を争う場面で、本条は必ず論点になる。評価面談を「儀式」と見るか「証拠を作る場」と見るかで、数年後の給与は変わる
法的な位置づけ
国家公務員法第70条の2は、一般職の国家公務員に対する人事評価の根本基準を定める規定であり、人事評価を公正に行わなければならない旨を定める。人事評価は能力評価と業績評価からなり、任用、給与、分限その他の人事管理の基礎として活用される(同法27条の2、70条の4)。評価の基準や方法、苦情処理などの具体的手続は70条の3に基づく政令に委ねられている。
手順
- 1.期首面談で目標と達成基準を書面に残す 期首の目標設定の際、業務目標と達成基準をできるだけ数値や期限で表し、目標設定シートに記載させる。面談後に合意内容をメールで確認し、控えを保存する
- 2.期中の目標変更と業務実績を記録する 上司の交代や業務変更で目標が変わった場合は、変更の日付・理由・合意の有無を記録する。成果物や達成状況も時系列で保存しておく
- 3.評価開示後、評語の根拠の説明を求める 評価結果の開示を受けたら、どの評価項目がどの事実に基づいてその評語になったのか、具体的な説明を評価者に求める。回答は記録に残す
- 4.期限内に苦情相談・苦情処理を申し出る 納得できない場合は、各府省の実施規程で申出期限を確認したうえで、苦情相談窓口に相談し、必要に応じて苦情処理を申し出る。「上司が嫌い」ではなく「評価項目 X について期首の合意 Y と実績 Z が一致するのに評語が低い」という形で書く
- 5.不利益処分に至った場合は審査請求を検討する 評価を理由に降任・免職などの処分を受けた場合は、処分説明書を受領した日の翌日から3か月以内、処分の日の翌日から1年以内に人事院へ審査請求する(国家公務員法90条・90条の2)。弁護士への相談を並行して行う
よくある質問 AI による整理
Q1国家公務員の人事評価とは何ですか?
職員が職務を遂行するうえで発揮した能力と挙げた業績を把握して行う勤務成績の評価です。能力評価と業績評価の二本立てで、定期的に実施されます。
Q2人事評価の結果はボーナスにどう影響しますか?
業績評価の結果は勤勉手当の成績率に反映されます。能力評価と業績評価の結果は昇給区分や昇任の判断にも使われます。
Q3人事評価の結果は本人に開示されますか?
政令に基づき、評価結果は原則として本人に開示される仕組みです。開示の範囲や方法の細部は各府省の実施規程を確認してください。
Q4人事評価の苦情はどこに相談できますか?
各府省に置かれた苦情相談窓口と苦情処理の手続があります。人事院の苦情相談も利用できます。申出期限は実施規程で確認が必要です。
Q5人事評価が低いと降格されますか?
78条1号は、人事評価や勤務の状況に照らして勤務実績がよくない場合を降任・免職の要件としています。ただし低評価だけで直ちに降任されるわけではありません。
Q6上司の好き嫌いで評価するのは違法ですか?
評価項目と無関係な個人的感情で評語を付けることは、70条の2の公正義務に反します。報復目的ならパワハラとして問題になる余地もあります。
Q7人事評価の結果に不服申立てはできますか?
評価結果そのものは一般に処分にあたらず、審査請求の対象外とされます。評価を理由とする降任・免職などの不利益処分になった段階で審査請求ができます。
Q8地方公務員の人事評価にも同じルールがありますか?
地方公務員法23条が、地方公務員の人事評価を公正に行うべきことを定めています。国家公務員法とほぼ同じ構造の規定です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1人事評価に納得いかないんですけど、裁判で取り消してもらえますか?
人事評価の結果そのものは、一般に行政処分(役所があなたに直接下す具体的な決定)にあたらず、取消訴訟や審査請求で直接争うのは難しいとされる。争えるのは、苦情相談・苦情処理の回路と、評価を理由に行われた降任・免職などの不利益処分(78条、90条)の段階である。実務のポイント:処分段階で主張の中心になるのは、過去の評価記録である。今の苦情申出は、それ自体で是正されなくても、後で使える記録として残る
Q2上司と仲が悪いと、やっぱり評価って下がるものなんですか?
現実には起こりうる。ただし、評価項目と関係のない個人的な感情で評語を付けることは、本条の「公正」に反する。人事評価には評価者の上に調整者がいて、評価者一人の判断では確定しない仕組みになっている。実務のポイント:苦情を出すときは「上司が嫌い」ではなく、「評価項目 X について、期首の合意 Y と実績 Z が一致しているのに評語が低い」という形で書く。そうすれば、調整者は制度上その点を検討せざるをえなくなる
Q3苦情を申し出たら、職場で目を付けられて次の評価がもっと下がりませんか?
その不安は当然である。しかし苦情を申し出たことを理由に不利益に扱えば、それ自体が本条の公正義務に反し、ハラスメントとして問題にされうる。実務のポイント:苦情を申し出た職員に対する次期の評価は、人事当局も注意して見ることが多い。申出の記録が残っていることで、かえって次の評価が慎重に付けられるという面がある。黙っていることが一番安全だとは限らない
Q4低評価が続くとクビになるって本当ですか?
本人の意に反する降任や免職(78条1号)の要件の一つが、「人事評価又は勤務の状況を示す事実に照らして、勤務実績がよくない場合」である。ただし実務では、指導や研修、配置換えなどを経る慎重な運用が求められ、低評価だけで即免職になるわけではない(手続の詳細は人事院規則、最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:分限の検討が始まると改善の機会が与えられることが多い。その期間中の面談記録が、あなたにとって最大の防御材料になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「人事評価は上司の裁量だから、不満があっても何もできない」と思われがちである。たしかに評価には裁量がある。しかし本条は評価を「公正に行う」ことを法律上の義務としており、苦情相談・苦情処理という正式な回路が政令で用意されている。泣き寝入りは法律が想定する唯一の道ではない
- 低い評語は「ボーナスが少し減るだけ」と軽く見られている。実際には、業績評価は勤勉手当の成績率に、能力評価と業績評価は昇給区分や昇任の判断に使われる。さらに低い評価が重なれば78条の分限処分の基礎資料にもなる。一枚の評価シートは、数年単位で効いてくる累積データである
- 問うべきは「評価結果に納得できるか」ではない。法律上、不服を持ち込みやすいのは結果の当否より過程の瑕疵である。期首に目標設定をしたか、期末面談があったか、評価項目以外の事情(私生活、組合活動、個人的な好き嫌い)が混じっていないか。結論ではなく手続を突くのが実務上の定石である
- 評価される側から見れば人事評価は「上司との人間関係」だが、法律から見れば任命権者が職員の身分と給与を決めるための公的記録の作成である。その記録は後日の審査請求や訴訟で証拠として読まれる。雑談のつもりで済ませた面談は、後で相手側の証拠にもなる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 70条の2:人事評価を公正に行う根本基準 | 70条の3:人事評価の定期実施と基準・方法の政令委任 78条:勤務実績不良などを理由とする降任・免職 |
| 名宛人 | 評価を行う任命権者・評価者 | 人事評価を実施する任命権者と政令制定者 処分を行う任命権者 |
| 職員が争う手段 | 苦情相談・苦情処理(評価段階) | 政令・実施規程に沿った手続違反の指摘 人事院への審査請求(90条)、その後の取消訴訟 |
| 違反時の効果 | 評価の是正、後続の人事措置の正当性が揺らぐ | 手続を欠く評価は公正性を疑われる 要件を欠く処分は取消しの対象 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は考績(年終考績など)を正確かつ客観的に行う旨を法律で定め、考績結果は昇給・賞与・免職に直結する。公正性の要請という点で日本の本条と同じ機能を持つ
韓国も勤務成績の評定を法律で定め、評定結果を人事管理に反映する。評定の客観性確保が制度の中心課題とされる点は日本と共通
ドイツは定期的な職務評価(dienstliche Beurteilung)を法定し、評価は昇進選考の基礎となる。評価に対しては行政裁判所で争う実務が発達している点が日本と異なる
米連邦政府は各機関に業績評価制度の整備を義務付け、評価は昇給や人事措置の根拠となる。メリット・システムの原則が日本の戦後公務員制度にも影響を与えた
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 期末面談の席で、課長から「今期はC相当だね」と言われた。期首に書面で合意した目標は全部達成しているのに、理由の説明は「総合的に見て」の一言だけだった。評価は、期首に設定した目標と評価項目に照らして行う仕組みになっている。まず期首の目標設定シートを手元に確保しておくこと
- もし、課長が変わって、前任者と一緒に決めた業務目標が期の途中で一方的に変えられ、その新しい目標で評価されたら、どうなる? 目標変更の経緯と、変更に至るまでのやり取りを記録しておかなければ、あなたの「話が違う」は評価者の記憶と言い分に負ける
- あなたが評価者側の係長で、仕事ぶりとは関係なく、以前に意見が対立した部下の評語を一段下げてしまった。その部下がパワハラ相談窓口と苦情相談を同時に使えば、問われるのは部下の働きぶりではなくあなたの評価行動になる。評価者であるあなた自身も評価される
- 評語の開示から間もないうちに苦情を申し出なければ、手続上の機会を失うおそれがある。開示を受けたらその週のうちに、苦情相談を使うかどうかを決めておく(申出期限は各府省の実施規程を確認)
- 同期の友人から「二期連続で低評価を付けられて、分限の話が出ている」とLINEが来た。78条1号の降任や免職は、人事評価や勤務の状況に照らして勤務実績がよくない場合が前提となる。これまでの評価が公正に行われていたかどうかが、そのまま防御の焦点になる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 期首の目標設定シート、自己申告書、面談日時、上司とのメールやチャットを時系列で保存する2. 開示された評語について、どの評価項目がどの事実によってそう判断されたのか、説明を求める3. 納得できなければ、府省の苦情相談窓口に相談し、必要に応じて苦情処理を申し出る(期限は実施規程で要確認)。人事院の苦情相談も使える4. パワハラが疑われる場合は、ハラスメント相談窓口にも並行して相談する5. 評価を根拠にして降任や免職が行われた場合は、人事院への審査請求(90条)で評価の公正性を争う
訴えられた側:1. 評価者として、期首の目標設定と期末面談を必ず実施し、記録に残す2. 評語の根拠は評価項目ごとに具体的な事実で書き、「総合的に」のような理由付けで済ませない3. 私的な感情、組合活動、評価期間外の出来事を判断材料に混ぜない4. 苦情を申し立てられたら、弁明より先に、事実記録と評価基準との対応を整理して調整者や実施権者に共有する5. 評価者訓練を受けた記録も残しておく
時効(請求できる期限):人事評価の結果そのものについては、法律上の時効期間は定められていない。苦情処理の申出には、開示後の短い期限が政令や各府省の実施規程で定められているため、個別に確認すること(最新の改正状況をご確認ください)。評価を理由とする降任・免職などの不利益処分に対する審査請求は、処分説明書を受領した日の翌日から3か月以内、かつ処分の日の翌日から1年以内(国家公務員法90条の2)
学説
実務上の一般的理解:人事評価の結果そのものは職員の権利義務を直接形成しないため、一般に行政処分にはあたらないとされる。公正性は苦情処理の段階と、評価を基礎とする降任・免職などの不利益処分を争う段階で問題となる
改正沿革 AI による整理
- 平成19年(2007年)法律第108号、平成21年(2009年)4月1日施行 従来の勤務評定制度に代わり、能力評価と業績評価からなる人事評価制度を導入した改正で新設された。人事評価の根本基準として、公正に行う義務を明文化した
改正の年表
- 1.平成19年(2007年) 新設:平成19年法律第108号により、従来の勤務評定制度に代えて能力評価と業績評価からなる人事評価制度を導入し、その根本基準として本条を新設。平成21年(2009年)4月1日施行
- 国家公務員法 第27条の2人事評価に基づく人事管理の原則
- 国家公務員法 第70条の3人事評価の定期実施と政令委任
- 国家公務員法 第70条の4評価結果に応じた措置義務
- 国家公務員法 第78条勤務実績不良による降任・免職
- 国家公務員法 第90条不利益処分に対する審査請求
- 一般職の職員の給与に関する法律 第8条勤務成績に基づく昇給の決定
- 地方公務員法 第23条地方公務員の人事評価の根本基準
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