児童福祉法 第10条
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- 市町村は、この法律の施行に関し、次に掲げる業務を行わなければならない。
- 一児童及び妊産婦の福祉に関し、必要な実情の把握に努めること。
- 二児童及び妊産婦の福祉に関し、必要な情報の提供を行うこと。
- 三児童及び妊産婦の福祉に関し、家庭その他からの相談に応ずること並びに必要な調査及び指導を行うこと並びにこれらに付随する業務を行うこと。
- 四児童及び妊産婦の福祉に関し、心身の状況等に照らし包括的な支援を必要とすると認められる要支援児童等その他の者に対して、これらの者に対する支援の種類及び内容その他の内閣府令で定める事項を記載した計画の作成その他の包括的かつ計画的な支援を行うこと。
- 五前各号に掲げるもののほか、児童及び妊産婦の福祉に関し、家庭その他につき、必要な支援を行うこと。
- 2.市町村長は、前項第三号に掲げる業務のうち専門的な知識及び技術を必要とするものについては、児童相談所の技術的援助及び助言を求めなければならない。
- 3.市町村長は、第一項第三号に掲げる業務を行うに当たつて、医学的、心理学的、教育学的、社会学的及び精神保健上の判定を必要とする場合には、児童相談所の判定を求めなければならない。
- 4.市町村は、この法律による事務を適切に行うために必要な体制の整備に努めるとともに、当該事務に従事する職員の人材の確保及び資質の向上のために必要な措置を講じなければならない。
- 5.国は、市町村における前項の体制の整備及び措置の実施に関し、必要な支援を行うように努めなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 児童福祉法第10条は、日本の児童福祉法に含まれる条文です。
- 児童福祉法第10条の条文原文は「市町村は、この法律の施行に関し、次に掲げる業務を行わなければならない。」で始まります。
- 児童福祉法第10条は第四節 実施機関に置かれています。
- 児童福祉法の公布日は昭和22年12月12日です。
- 児童福祉法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 児童福祉法第10条の前の条は児童福祉法第9条です。
- 児童福祉法第10条の次の条は児童福祉法第10条の2です。
- 児童福祉法第10条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第10条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000164 - 本サイト収録
児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第10条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000164/10
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点児童福祉法10条は、子育てや妊産婦の相談の第一窓口を市町村とし、相談対応・情報提供・支援計画作成を義務づける。専門的判定は児童相談所に求めなければならない。
Q · 子育てのことで困ったら、最初にどこへ相談すればいいの?
まず市町村の窓口。児童相談所は専門的判断を担う後方支援役
児童福祉法10条1項により、児童及び妊産婦の福祉に関する相談への対応、必要な調査・指導、情報提供は市町村の業務とされ、「行わなければならない」と規定されています。住まいの市区町村のこども家庭センターや子ども家庭支援の担当課が最初の窓口です。専門的な知識が必要な事案では市町村長が児童相談所の技術的援助・助言を求め(2項)、医学的・心理学的などの判定が必要な場合は児童相談所の判定を求めなければなりません(3項)。
解説
「子育てで困ったら、まず児童相談所へ」。そう信じている人が圧倒的に多いが、児童福祉法10条はあなたの最初の窓口を市町村(市役所・区役所・町村役場)に置いている。相談に応じる義務、実情を把握する義務、情報を提供する義務、そして2022年改正で新たに加わった「包括的・計画的な支援」(サポートプランの作成)の義務、これらはすべて市町村が「行わなければならない」と書かれている。努力義務ではなく法的義務だ。さらに2項・3項が効く。市町村の職員が専門的判断に迷ったとき、児童相談所に技術的援助・助言を求めなければならず、医学的・心理学的・教育学的・社会学的・精神保健上の判定が必要な場合は児童相談所の判定を求めなければならない。つまり、あなたが市の窓口で「うちでは分かりません」と押し返されたら、それは法律違反の可能性がある。市町村は児童相談所につなぐ義務を負っているのだから。
法的な位置づけ
児童福祉法第10条は、市町村が行うべき児童及び妊産婦の福祉に関する業務を定める規定である。実情の把握、情報の提供、家庭等からの相談への対応と調査・指導、要支援児童等に対する計画作成を含む包括的支援を列挙し、専門的事項について児童相談所の援助・助言・判定を求める義務、市町村の体制整備義務及び国の支援努力義務を定める。
手順
- 1.市町村の窓口を特定して連絡する 住まいの市区町村のこども家庭センター、または子ども家庭支援の担当課に電話や来庁で連絡し、児童福祉法10条1項3号に基づく相談であることを伝える
- 2.相談内容と担当者を記録する 相談日時、担当者名、話した内容、窓口からの回答を自分側でもメモに残す。後の経過確認や再相談の基準になる
- 3.専門的判断が必要なら児童相談所への援助・判定依頼を求める 発達、医療、精神保健など専門的判断が必要な内容であれば、10条2項の技術的援助・助言、3項の判定を児童相談所に求めるよう市町村に依頼する
- 4.サポートプランの作成段階で希望を伝える 包括的支援が必要な場合は1項4号のサポートプラン作成を求め、作成時に自分の希望や不要な支援を具体的に伝えて計画へ反映させる
- 5.動かない場合は児童相談所へ直接相談する 市町村の対応が進まない場合、都道府県等の児童相談所に直接相談する。一時保護などの処分に不服があれば、処分を知った日の翌日から3か月以内に審査請求を検討する
よくある質問 AI による整理
Q1児童福祉法10条とは?
市町村が行うべき児童・妊産婦の福祉業務を定めた条文です。実情把握、情報提供、相談・調査・指導、包括的支援、児童相談所への援助・判定依頼を規定しています。
Q2子育ての相談はどこにすればいい?
まずは住まいの市区町村のこども家庭センターや子ども家庭支援の担当課です。児童福祉法10条1項3号により、相談に応じることは市町村の業務とされています。
Q3こども家庭センターとは?
2022年改正で設けられた市町村の相談拠点で、母子保健と児童福祉の相談機能を一体化したものです。根拠規定は児童福祉法10条の2です。
Q4サポートプランには何が書かれる?
包括的な支援が必要な要支援児童等について、支援の種類や内容など内閣府令で定める事項を記載した計画です。児童福祉法10条1項4号が根拠です。
Q5児童相談所と市役所の違いは?
市町村は身近な相談・情報提供・支援計画を担う第一の窓口、児童相談所は専門的な判定や一時保護など、より高度な対応を担う機関という役割分担です。
Q6妊娠中の悩みも市町村に相談できる?
できます。児童福祉法10条は「児童及び妊産婦の福祉」を対象としており、妊産婦からの相談も市町村の業務に含まれています。
Q7児童福祉法10条3項の判定とは?
医学的、心理学的、教育学的、社会学的及び精神保健上の判定が必要な場合、市町村長が児童相談所に判定を求めなければならないとする規定です。
Q8市町村が相談に応じないのは違法?
10条1項は相談対応を「行わなければならない」業務と定めています。正当な理由なく対応しない場合、法の趣旨に反する対応として問題にできる余地があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1市役所に相談したら、児童相談所に通報されて子どもを連れて行かれるんじゃないですか?
市町村の相談(10条1項3号)と、児童相談所の一時保護(33条)は別の手続である。市町村は相談・調査・指導を担い、保護の権限を持たない。実務のポイント:実務では、相談段階で自ら支援を求めてきた家庭は「協力的」と評価され、後に深刻化した場合でも保護ではなく在宅支援が選ばれやすい。自分から動いた記録があるかどうかが、後の判断の分かれ目になる
Q2窓口で「それはうちの担当じゃない」と言われたら、どうすればいいんですか?
10条1項は市町村の義務として相談対応・情報提供・包括的支援を列挙しており、担当課の切り分けは内部の問題である。5号は「前各号に掲げるもののほか、必要な支援」まで含む。実務のポイント:条番号を挙げて「この業務は市町村の義務ですよね」と確認すると、多くの窓口は上席に判断を上げる。上席に上がった案件は記録が残り、たらい回しが止まる
Q3サポートプランって、断ることもできるんですか?
1項4号のサポートプランは支援のための計画であり、原則として本人・保護者の意向を踏まえて作成される。ただし拒否した記録は、後に状況が悪化した際の判断材料になりうる。実務のポイント:全面拒否より、内容を限定して受けるのが実務的に有利である。「この項目は不要」と個別に交渉した記録は、協力姿勢の証拠として残る
Q4住んでいる自治体の対応が明らかに手薄なんですが、これは仕方ないんですか?
4項は市町村に体制整備と職員の人材確保・資質向上の義務を、5項は国にその支援の努力義務を課している。自治体の体制不足は法の実施上の問題である。実務のポイント:自治体の子ども家庭支援の体制は、こども家庭庁が公表する調査で自治体別に比較できる。転居先を選ぶ段階でこの数字を見る人はほぼいないが、乳幼児を抱える家庭にとっては保育園の定員より効く指標になりうる
間違えやすい点 AI による整理
- 「児童相談所が子育て相談の総本山」という理解は、2004年改正以降の法構造とずれている。市町村が第一次的な相談窓口、児童相談所は専門的・困難事例を担う後方支援という役割分担に変わった。この構造を知らずに児童相談所に直接行くと、結果的に市町村に戻される時間ロスが生まれる
- 市町村の相談対応は「親切なサービス」だと思われているが、条文は「行わなければならない」と書く。法的義務である。深刻度を知らないまま「忙しそうだから遠慮しよう」と引くのは、権利を自分で捨てる行為だ。窓口が対応しないなら、それは行政の不作為として問題化できる
- あなたから見れば「相談に乗ってくれるかどうか」の問題だが、法律から見れば「市町村が調査・指導・判定依頼まで一連の責務を負っているか」の問題である。この落差があなたを潰す。あなたは好意を期待し、法律は義務を課している。期待の言葉で話すか、義務の言葉で話すかで、窓口の対応速度は変わる
- 10条は市町村の内部事務規定だから住民には関係ないと読まれがちだが、4項・5項は体制整備と人材確保を市町村に義務づけ、国にその支援の努力義務を課している。あなたの住む自治体の子ども家庭センターの職員数が足りないという話は、この条項の実施状況の問題である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 実施主体 | 児童福祉法10条:市町村(市町村長) | 児童福祉法11条:都道府県 児童福祉法12条:児童相談所(都道府県等が設置) |
| 主な役割 | 身近な相談対応、情報提供、実情把握、サポートプラン作成 | 市町村への援助、広域的・専門的な相談対応 専門的な相談・判定、一時保護などの実施機関 |
| 住民から見た位置づけ | 第一の相談窓口 | 市町村の後方支援・調整役 専門的・困難な事案を担う後方支援 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は中央の衛生福利部と直轄市・県市政府が主管機関となり、日本の市町村に当たる郷鎮市区ではなく県市レベルが相談・保護の主な担い手となる
韓国は市・道知事と市長・郡守・区庁長が保護措置の主体となり、基礎自治体が児童保護の窓口を担う点で日本と近い
ドイツは地方の Jugendamt(少年局)が相談から保護までを一体的に担う全体責任を負い、日本のような市町村と児童相談所の二層分業とは構造が異なる
米国は連邦法が州への補助条件を定め、実際の相談・保護は州や郡の Child Protective Services が担う
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 産後、夜中に赤ちゃんが泣き止まず、自分が手を上げてしまいそうで怖い。この状態で市の窓口に電話すると「相談に応ずる」義務(1項3号)が発動する。妊産婦も本条の対象に明記されているので、「子どもの問題じゃないから」と断られる理由はない
- 発達に不安のある子を抱えて市役所に行ったら「専門的なことは分かりません」と言われた。そこで引き下がらなくていい。3項は、医学的・心理学的判定が必要なら市町村長が児童相談所の判定を求めなければならないと定める。「児童相談所の判定を求めてください」と一言言えるかどうかで、その日の帰り道が変わる
- 近所から毎晩子どもの叫び声が聞こえる。通告先は児童相談所だけだと思われているが、市町村も1項1号の実情把握義務を負う。あなたが市に伝えた情報は、行政の記録として残る
- もし、あなたが要支援児童等と認定され、市町村から「サポートプランを作成します」と言われたら? 2022年改正で新設された1項4号に基づく計画で、支援の種類・内容が内閣府令に従って文書化される。内容に納得できなければ、その場で意見を述べておくべきだ。一度作られた計画は、その後の支援の枠を決める
- シングルで働きながら育てていて、明日にも家賃が払えない。児童扶養手当の申請期限まであと数日。1項2号の情報提供義務と5号の包括的支援義務は、窓口が「その制度は別の課です」で終わらせないための根拠になる
取るべき行動
被害を受けた側:1. まず住まいの市町村のこども家庭センター(または子ども家庭支援課)に連絡、10条1項3号の相談業務であると伝える2. 相談日時・担当者名・話した内容を自分側でも記録、後の経過確認の基準になる3. 専門的判断が必要な内容(発達、医療、精神保健)なら2項・3項に基づく児童相談所の援助・判定を依頼する4. 包括的支援が必要な状況なら1項4号のサポートプラン作成を求め、作成過程で自分の希望を明記させる5. 市町村が動かない場合は、都道府県の児童相談所(27条以下の措置権者)へ直接相談する道が残っている
訴えられた側:1. 虐待の疑いで市町村から調査・指導を受けた場合、1項3号の「調査及び指導」であって、まだ児童相談所の一時保護(33条)ではないことを確認する2. 調査に協力的に応じた記録を残す、非協力の事実は後の判断で不利に働く3. 事実と異なる認定があれば、文書での訂正申立てを行う4. 一時保護や施設入所の措置に発展した場合は、行政不服審査・審査請求の対象になるため、その時点で弁護士(子どもの権利・行政事件に詳しい者)に相談する
時効(請求できる期限):本条の業務自体に特定の時効はない。ただし関連する行政処分(一時保護、入所措置)への審査請求は、処分を知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)。児童扶養手当など併走する給付には個別の申請期限があるため、窓口で同時に確認すること(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:本条は、身近な市町村を第一次的な相談窓口、児童相談所を専門的・困難事例の後方支援とする二層の役割分担を定めたものと理解されている
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和22年(1947年) 新設:児童福祉法制定。児童福祉に関する市町村の業務の基礎が置かれた
- 2.平成16年(2004年) 改正:市町村を児童家庭相談の第一義的な窓口と位置づけ、児童相談所は専門的な知識・技術を要する事案への援助や判定を担う役割分担へ再編
- 3.令和4年(2022年) 改正:要支援児童等に対する計画(サポートプラン)の作成その他の包括的かつ計画的な支援を市町村業務に加え、こども家庭センターの整備と連動させた
- 児童福祉法 第10条の2こども家庭センターの設置と機能
- 児童福祉法 第11条都道府県の業務、市町村への援助と役割分担
- 児童福祉法 第12条児童相談所の設置、判定・援助の実施主体
- 児童福祉法 第25条要保護児童発見時の通告先としての市町村
- 児童福祉法 第25条の2要保護児童対策地域協議会による情報共有
- 児童虐待の防止等に関する法律 第6条虐待通告義務、本条の相談体制と接続
- 母子保健法 第22条母子健康包括支援と妊産婦支援の一体化
- こども基本法 第11条こども施策への意見反映、支援計画作成時の指針
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