児童福祉法 第14条
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- 市町村長は、前条第四項に規定する事項に関し、児童福祉司に必要な状況の通報及び資料の提供並びに必要な援助を求めることができる。
- 2.児童福祉司は、その担当区域内における児童に関し、必要な事項につき、その担当区域を管轄する児童相談所長又は市町村長にその状況を通知し、併せて意見を述べなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 児童福祉法第14条は、日本の児童福祉法に含まれる条文です。
- 児童福祉法第14条の条文原文は「市町村長は、前条第四項に規定する事項に関し、児童福祉司に必要な状況の通報及び資料の提供並びに必要な援助を求めることができる。」で始まります。
- 児童福祉法第14条は第五節 児童福祉司に置かれています。
- 児童福祉法の公布日は昭和22年12月12日です。
- 児童福祉法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 児童福祉法第14条の前の条は児童福祉法第13条です。
- 児童福祉法第14条の次の条は児童福祉法第15条です。
- 児童福祉法第14条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第14条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000164 - 本サイト収録
児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第14条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000164/14
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点児童福祉法14条は、市町村長に児童福祉司への状況通報・資料提供・援助の請求権限を与え、児童福祉司には担当区域の児童の状況を児童相談所長又は市町村長へ通知し意見を述べる義務を課す。
Q · 市町村と児童相談所の児童福祉司は、子どもの情報をどうやってやり取りしているの?
市町村長は照会でき、児童福祉司は通知する義務を負う
児童福祉法14条1項により、市町村長は児童福祉司に対し、13条4項に定める職務に関する状況の通報、資料の提供、必要な援助を求めることができます(権限)。2項により、児童福祉司は担当区域内の児童について、必要な事項を児童相談所長又は市町村長に通知し、併せて意見を述べなければなりません(義務)。市町村側は任意、児童福祉司側は義務という非対称な設計です。通知の様式や期限は本条には定められていません。
解説
児童虐待の通報先といえば児童相談所、そう思っている人がほとんどだろう。だが児童福祉法14条が描いているのは、市町村長と児童福祉司の間に張られた双方向の情報回線である。1項は市町村長の側から、13条4項に定める児童福祉司の職務に関して、状況の通報・資料の提供・必要な援助を「求めることができる」と定める。2項は逆向きで、児童福祉司は担当区域内の児童について、児童相談所長または市町村長に状況を通知し、併せて意見を述べ「なければならない」。ここが決定的だ。市町村側は任意(求めることができる)、児童福祉司側は義務(述べなければならない)。あなたが役所の窓口で「うちの管轄ではない」と言われたとき、本当に情報が届いていないのか、それとも届いた情報が動いていないのかを切り分ける根拠が、この条文の非対称性にある。虐待事件の検証報告書が繰り返し指摘してきた「関係機関の連携不足」は、抽象的な反省ではなく、この条文が機能しなかったという具体的な失敗である。
法的な位置づけ
児童福祉法14条は、市町村長と児童福祉司との間の情報連携を定める規定である。1項は市町村長に、児童福祉司の職務(同法13条4項)に関する状況の通報・資料提供・援助を求める権限を付与し、2項は児童福祉司に、担当区域内の児童の状況を児童相談所長又は市町村長へ通知し意見を述べる義務を課している。
よくある質問 AI による整理
Q1児童福祉司とはどんな仕事ですか?
児童相談所に置かれる専門職で、児童相談所長の命を受けて子どもの保護や福祉に関する相談に応じ、専門的な指導などを行います。設置と職務は児童福祉法13条が定めています。
Q2児童福祉法14条には何が書いてありますか?
市町村長が児童福祉司に状況の通報・資料提供・援助を求めることができる権限(1項)と、児童福祉司が児童相談所長又は市町村長に状況を通知し意見を述べる義務(2項)です。
Q3児童福祉司の担当区域とは何ですか?
児童福祉司ごとに割り当てられる受け持ち地域のことです。14条2項の通知義務は、この担当区域内の児童についてのものであり、区域を管轄する児童相談所長又は市町村長が通知先となります。
Q4市町村長は児童福祉司に何を求められますか?
児童福祉司の職務に関する事項について、必要な状況の通報、資料の提供、必要な援助の三つを求めることができます。「できる」規定なので、求めるかどうかは市町村長の判断です。
Q5児童福祉司が通知義務を怠ったら罰則はありますか?
本条自体に罰則規定はありません。ただし公務員としての職務上の義務であり、怠れば服務上の責任や、重大事案では検証・国家賠償の場面で問題とされる余地があります。
Q6児童福祉司の意見に市町村は従わなければいけませんか?
14条2項は意見を述べる義務を定めるだけで、その意見に市町村長を拘束する効力は規定していません。意見をどう扱うかは市町村側の判断に委ねられています。
Q7児童福祉司に直接相談することはできますか?
児童相談所に連絡すれば、その地域を担当する児童福祉司につながるのが一般的です。全国共通ダイヤル189にかけると、最寄りの児童相談所に接続されます。
Q8児童福祉法14条は児童虐待以外にも使われますか?
使われます。対象は虐待に限らず、13条4項の職務全般、つまり子どもの保護や福祉に関する相談・指導の事項です。不登校や養育困難など、幅広い家庭の課題が含まれます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1市役所と児童相談所、どっちに言えばいいんですか?
どちらでも構わない。児童虐待の防止等に関する法律6条は市町村・都道府県の福祉事務所・児童相談所のいずれへの通告も認めており、児童福祉法14条2項は児童福祉司が児童相談所長または市町村長へ通知する回線を定めている。実務のポイント:緊急性が高いと感じる状況なら児童相談所(189)、継続的な見守りが必要な家庭の話なら市町村が動きやすい。どちらに言ったかを記録しておくと、後で経過を追うときの起点になる
Q2通報したことが相手にバレませんか?
児童虐待の防止等に関する法律7条により、通告を受けた機関の職員は通告者を特定させる情報を漏らしてはならないとされている。匿名での通告も可能である。実務のポイント:ただし近隣で知っているのが自分だけという状況だと、内容から推測されることはある。伝える内容を「いつ何が聞こえたか」という事実に絞り、自分の推測や個人的評価を混ぜないほうが、特定されにくく行政も動きやすい
Q3通報したのに何も起きていないように見えます。確認する方法はありますか?
調査の詳細は個人情報保護の観点から通告者に開示されないのが原則である。ただし児童福祉法14条2項は児童福祉司の通知・意見陳述を義務としており、市町村内で情報が共有される建て付けになっている。実務のポイント:「どうなりましたか」と聞いても答えは返らないが、「情報は要保護児童対策地域協議会(25条の2)で取り扱われていますか」と聞けば、枠組みに乗っているかどうかだけは確認できることが多い
間違えやすい点 AI による整理
- 「児童福祉司は児童相談所の職員だから、市町村とは別組織で関係ない」と整理している人が多い。だが2項は、児童福祉司が児童相談所長「又は」市町村長に通知すると定めており、市町村長は情報の正規の受け手である。組織図で分けて考えると、この横の回線が見えなくなる
- 連携不足という言葉は知られているが、その深刻さの中身は知られていない。14条2項は義務規定であるにもかかわらず、通知や意見陳述の具体的な様式・期限・記録保存は本条自体には書かれていない。義務があることと、それが検証可能な形で履行されることは別問題であり、この隙間が過去の重大事件の検証で繰り返し問題になってきた
- 「通報すれば行政が動いてくれるか」という問いを立てる人が多いが、問いの立て方が誤っている。正しい問いは「その情報が誰の手元に、どの法的根拠で届き、誰に応答義務が生じたのか」である。14条はその応答義務の所在を示す条文であり、動くかどうかではなく、誰が動かなければならない立場に置かれたかを決める
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 児童福祉法14条:市町村長と児童福祉司の間の情報連携 | 児童福祉法25条:要保護児童を発見した者の通告義務 児童福祉法25条の2:要保護児童対策地域協議会による関係機関の連携 |
| 義務・権限の主体 | 市町村長(求める権限)と児童福祉司(通知・意見陳述の義務) | 要保護児童を発見したすべての者 協議会を設置する地方公共団体と構成機関 |
| 情報の流れ | 行政機関の内部での双方向(市町村 ⇄ 児童福祉司) | 一般市民・機関から行政への一方向の通告 複数機関の協議の場での情報共有 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は専門職の通報義務と地方主管機関による処遇を法律で定めており、通報後の対応期限も規定する点で、期限を定めない日本の14条より手続が具体的である
韓国は通報義務者の範囲を広く列挙し、通報義務違反に過料を科す。市町村と専門職の間の連携を個別条文で定める日本とは構造が異なる
ドイツは少年局(Jugendamt)に子の福祉が危うくなった場合の保護責任を課し、関係機関との協働を組み込む。市町村レベルに責任が集中している点が日本と異なる
米国は連邦補助金の要件として州に通報・調査制度の整備を求め、具体的な機関間連携は州法に委ねる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 隣家から連日子どもの泣き声と怒鳴り声が聞こえる。市の子育て支援課に相談したら「児童相談所へ」と言われ、児相に電話したら「まず市町村で」と言われた。このたらい回しに対して、14条は市町村長が児童福祉司に状況通報と援助を求める権限を持つと定めている。窓口で「14条に基づいて児童福祉司への照会をお願いします」と言えるかどうかで、担当者の対応は変わる
- あなたが小学校の教員で、気になる児童の家庭状況を市に伝えた。数か月後、何も動いていないように見える。児童福祉司には担当区域内の児童について市町村長へ通知し意見を述べる義務があるため、情報が児童福祉司まで届いていたなら記録が残っているはずだ。要保護児童対策地域協議会(25条の2)の記録開示と併せて追える
- もし自分が離婚調停中で、相手方が「児童相談所に通報した」と主張してきたら? 通報があれば児童福祉司が担当区域の児童として状況を把握し、市町村長にも通知が回る構造になっている。あなたの知らないところで、あなたの家庭に関する記録が二つの行政機関に蓄積されていく
- 市役所の福祉担当に配属されて3日目。目の前に「気になる家庭がある」という近隣住民からの相談が来た。あなたに与えられた法的な道具が14条1項である。児童福祉司に状況の通報と資料提供を求める権限は、課長の決裁を待つ話ではなく法律が市町村長に与えたもの
- 民生委員として高齢者宅を訪問したら、同居の孫が学校に行っていないことに気付いた。市町村の担当課に伝えれば、そこから児童福祉司へ照会が走る回路が14条にある。単なる「気になった話」で終わらせず、行政の記録に乗せる入口になる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 子どもの安全が気になる状況を見たら、日時・具体的な様子・聞こえた内容をその都度メモし写真等は無理に撮らない2. 市町村の児童福祉担当課または児童相談所(全国共通ダイヤル189)に連絡、匿名でも可3. 窓口で「児童福祉法14条に基づく児童福祉司への照会」と「要保護児童対策地域協議会(25条の2)での取り扱い」を確認4. 動きがない場合、提供日時と内容の記録を残したうえで再度連絡、必要に応じて都道府県の児童福祉部局へ
訴えられた側:1. 通報されたこと自体は違法でも不名誉でもない。調査への対応拒否は事態を悪化させるだけなので、まず事実関係を落ち着いて説明する2. 訪問調査や面談の日時・担当者名・質問内容を自分でも記録する3. 事実と異なる記載があると感じたら、その場で口頭で訂正を述べ、書面で意見を出す4. 一時保護など不利益な措置に至った場合は、審査請求または弁護士への相談を検討、子どもの福祉が判断基準である点を踏まえ対立姿勢より改善計画の提示が有効
時効(請求できる期限):本条に特定の期限規定はない。ただし児童虐待の防止等に関する法律8条により、通告を受けた市町村・児童相談所は速やかに安全確認を行う義務があり、運用上おおむね48時間以内の目視確認が求められている(最新の通知内容をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和22年(1947年) 新設:児童福祉法の制定(昭和22年法律第164号)。以後、児童福祉司の職務規定(13条)の改正に伴い、本条の参照関係も調整されてきた
- 児童福祉法 第13条児童福祉司の設置と職務、本条1項の対象事項の定義元
- 児童福祉法 第12条児童相談所の設置、児童福祉司の所属先
- 児童福祉法 第10条市町村の児童福祉に関する業務、市町村長の権限の基盤
- 児童福祉法 第25条要保護児童発見者の通告義務、情報流入の入口
- 児童福祉法 第25条の2要保護児童対策地域協議会、機関間連携の実施枠組み
- 児童虐待の防止等に関する法律 第6条虐待通告義務、本条の情報回線に流れ込む特別規定
- 児童虐待の防止等に関する法律 第8条通告受理後の安全確認措置、市町村側の応答義務の特則
- 地方自治法 第2条市町村の事務処理の一般原則、市町村長権限の枠組み
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