児童福祉法 第19条の20
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- 都道府県知事は、指定小児慢性特定疾病医療機関の診療内容及び小児慢性特定疾病医療費の請求を随時審査し、かつ、指定小児慢性特定疾病医療機関が第十九条の三第十項の規定によつて請求することができる小児慢性特定疾病医療費の額を決定することができる。
- 2.指定小児慢性特定疾病医療機関は、都道府県知事が行う前項の決定に従わなければならない。
- 3.都道府県知事は、第一項の規定により指定小児慢性特定疾病医療機関が請求することができる小児慢性特定疾病医療費の額を決定するに当たつては、医療情報基盤・診療報酬審査支払機構法(昭和二十三年法律第百二十九号)に定める審査委員会、国民健康保険法(昭和三十三年法律第百九十二号)に定める国民健康保険診療報酬審査委員会その他政令で定める医療に関する審査機関の意見を聴かなければならない。
- 4.都道府県は、指定小児慢性特定疾病医療機関に対する小児慢性特定疾病医療費の支払に関する事務を医療情報基盤・診療報酬審査支払機構、国民健康保険法第四十五条第五項に規定する国民健康保険団体連合会(以下「連合会」という。)その他厚生労働省令で定める者に委託することができる。
- 5.第一項の規定による小児慢性特定疾病医療費の額の決定については、審査請求をすることができない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 児童福祉法第19条の20は、日本の児童福祉法に含まれる条文です。
- 児童福祉法第19条の20の条文原文は「都道府県知事は、指定小児慢性特定疾病医療機関の診療内容及び小児慢性特定疾病医療費の請求を随時審査し、かつ、指定小児慢性特定疾病医療機関が第十九条の三第十項の規定…」で始まります。
- 児童福祉法第19条の20は第二目 指定小児慢性特定疾病医療機関に置かれています。
- 児童福祉法の公布日は昭和22年12月12日です。
- 児童福祉法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 児童福祉法第19条の20の前の条は児童福祉法第19条の19です。
- 児童福祉法第19条の20の次の条は児童福祉法第19条の21です。
- 児童福祉法第19条の20には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第19条の20 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000164 - 本サイト収録
児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第19条の20(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000164/19_20
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点児童福祉法19条の20は、都道府県知事が指定小児慢性特定疾病医療機関の請求を審査し支払額を決定する権限を定める。額の決定には審査請求できない。
Q · 小児慢性特定疾病の医療費を知事に減額されたら、審査請求で争えるの?
審査請求は不可。支払基金・国保連への再審査申出で争う
児童福祉法19条の20第5項は、知事による小児慢性特定疾病医療費の額の決定について審査請求をすることができないと明文で定めています。ただし閉じているのは行政不服審査法上の審査請求だけです。4項で支払事務を委託された社会保険診療報酬支払基金や国民健康保険団体連合会に対する再審査申出は、各機関の受付期間内であれば利用できます。また、3項の審査委員会等の意見聴取を経ていない決定は手続違背として争う余地があります。
解説
レセプトを出したのに、振り込まれた額が請求より少ない。その差額を最終的に決めているのは、国保連でも支払基金でもなく都道府県知事である。児童福祉法19条の20第1項は、知事に診療内容と請求を随時審査し、支払うべき額を決定する権限を与えている。2項で、指定小児慢性特定疾病医療機関はその決定に従う義務を負う。そして問題は5項だ。額の決定については審査請求をすることができない、と明文で書いてある。行政の決定に不服なら審査請求、という行政不服審査法の常識が、ここだけ切断されている。ただし封じられているのは審査請求という一本の回路であって、あなたが動ける場所がゼロになったわけではない。3項は知事に審査委員会等の意見聴取を義務づけ(聴かずに決めれば手続違背)、4項は支払事務を支払基金や国保連に委託できるとする。この二つの項こそ、実務で残された道の入口になっている。
法的な位置づけ
児童福祉法第19条の20は、指定小児慢性特定疾病医療機関に対する医療費の審査支払を定める規定である。都道府県知事に診療内容と請求の随時審査および支払額の決定権限を与え、医療機関に決定への服従義務を課す。決定前には審査委員会等の意見聴取を要し、支払事務は支払基金・国保連等に委託でき、額の決定に対する審査請求は排除される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.増減点連絡書の事由を読み解く 査定の通知が届いたら、対象レセプトと事由コードを特定し、適応外・過剰・重複・請求誤りのどれに当たるかを切り分ける。請求誤りなら修正、医学的判断の相違なら再審査の候補とする
- 2.カルテと症状詳記で根拠を固める 査定対象の診療行為について、カルテ記載・検査結果・投薬理由を突き合わせ、医学的必要性を説明する症状詳記を作成する。主治医の確認を必ず取る
- 3.受付期間内に再審査申出を提出 知事への審査請求は5項で不可のため、支払事務の委託先である支払基金または国保連へ、各機関の受付期間内に再審査申出を行う。期限は機関ごとの案内で事前に確認する
- 4.意見聴取の有無を記録で確認 額の決定を本格的に争う場合、3項の審査委員会等の意見聴取を経たかを確認するため、都道府県に決裁文書等の開示請求を行う。手続違背があれば違法主張の材料となる
- 5.訴訟ルートを弁護士と検討 再審査でも解決しない場合、取消訴訟か残額の支払請求訴訟かを含め、医療機関案件に詳しい弁護士と方針を決める。取消訴訟を選ぶなら出訴期間(行政事件訴訟法14条)に注意する
よくある質問 AI による整理
Q1小児慢性特定疾病医療費の審査とは?
都道府県知事が、指定医療機関の診療内容と医療費請求が適正かを随時チェックし、支払う額を決める手続です(児童福祉法19条の20第1項)。
Q2指定小児慢性特定疾病医療機関とは何ですか?
都道府県知事の指定を受け、小児慢性特定疾病の支給認定を受けた子どもの医療を担う病院・診療所・薬局等です。指定を受けると知事の額の決定に従う義務を負います。
Q3小慢の医療費の減額決定に審査請求できる?
できません。児童福祉法19条の20第5項が明文で審査請求を排除しています。争う場合は再審査申出や訴訟など別のルートを検討します。
Q4再審査申出はいつまでに出せばいい?
本条に期限の定めはなく、支払基金・国保連など各審査支払機関が定める受付期間によります。通知到着後すぐに各機関の案内で期限を確認してください。
Q5審査委員会の意見聴取とは何ですか?
知事が額を決める前に、支払基金の審査委員会や国保診療報酬審査委員会等の意見を聴く義務です(3項)。聴取を欠いた決定は手続違背の主張材料になります。
Q6知事の決定に従わない医療機関はどうなる?
2項の服従義務違反となり、報告徴収・立入検査や指定の取扱いの検討対象になり得ます(要件は別条)。同じ内容の請求を繰り返すのは避けるべきです。
Q7知事の額の決定は裁判で争える?
審査請求は排除されていますが、裁判の道が閉じたわけではありません。取消訴訟か残額の支払請求訴訟かは処分性の解釈が分かれるため、弁護士への相談が必要です。
Q8査定された分を患者に請求してよい?
医療機関への支払額の減額と、患者に追加負担を求めてよいかは別問題です。患者の自己負担は支給認定の上限額に従うのが原則で、安易な転嫁はできません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1査定で減らされた分、もう取り返せないんですか?
知事の額の決定そのものに審査請求はできない(19条の20第5項)。ただし封じられたのは行政不服審査法のルートだけで、4項で支払事務を委託された支払基金・国保連への再審査申出は別制度として残っている。実務のポイント:増減点連絡書の事由コードを読めば、査定が適応外か、過剰・重複か、請求誤りかが分かる。読まずに同じ内容で再請求する医療機関と、症状詳記を付け直して再審査へ出す医療機関では、年間の査定額が桁で違う
Q2都道府県が額を決めるなら、結局は言い値になりませんか?
3項が歯止めになっている。知事は額を決める前に、社会保険診療報酬支払基金法の審査委員会や国民健康保険診療報酬審査委員会などの意見を聴かなければならない。手続を欠いた決定は違法主張の材料になる。実務のポイント:一次審査を実際に行うのは審査委員会で、知事の決定はそれを追認する形が通常である。実質的に向き合う相手は知事部局ではなく審査委員会側であり、書面の宛先を間違えると一往復まるごと無駄になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「では、どこに審査請求すればいいのか」という問いの立て方自体が誤っている。5項が閉じているのは行政不服審査法上の審査請求という入口だけであり、支払基金・国保連に対する再審査申出(実務制度)や、裁判所での争いは同じ土俵の話ではない。探す先を間違えたまま期限だけが過ぎていく
- 2項の「決定に従わなければならない」は多くの実務者が知っている。だがその深刻度は意識されていない。従わない請求を続ければ、報告徴収・立入検査の対象となり、さらに指定の取扱いを検討される射程にも入る(要件は別条)。単なる訓示規定ではなく、指定という営業基盤に接続した義務である
- あなたから見れば、レセプトを出す先も入金元も国保連であり、相手は国保連に見える。だが法律から見れば、額を決定しているのは都道府県知事であり、国保連は4項の委託を受けた事務処理者にすぎない。この落差を知らないまま国保連に不服をぶつけても、決定そのものは一ミリも動かない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 19条の20:医療機関の請求の審査と支払額の決定 | 19条の3:指定医療機関が医療費を請求できる根拠(代理受領) 19条の18:指定の取消し(現行効力を要確認) |
| 判断主体 | 都道府県知事(審査委員会等の意見聴取が必要) | 支給認定・請求の枠組みを定め、額の確定は本条に委ねる 都道府県知事 |
| 医療機関への効果 | 決定への服従義務(2項)、審査請求は不可(5項) | 患者に代わって医療費を受領できる 指定が失われ、小慢医療費の請求ができなくなる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では健保署が医療費用を専門家審査し、医療機関は申復や争議審議を申し立てられる。小児の重大傷病も全民健保の枠内で扱われ、不服申立ての道が明文で開かれている点が日本の本条と対照的
韓国は健康保険審査評価院が審査し、医療機関は이의신청(異議申立て)が可能。不服申立てを明文で排除する日本の本条とは設計が異なる
ドイツは保険医協会と疾病金庫による請求審査(Abrechnungsprüfung)を制度化し、不服は社会裁判所で争う構造
米国 Medicare は多段階の claims appeal 手続を法定しており、行政段階の不服申立てを排除する日本の本条とは対照的
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 増減点連絡書が届き、月末の資金繰り表がその場で崩れたとしたら、まずどこに何を出す? 知事に審査請求はできない(5項)。使えるのは、4項で支払事務を委託された支払基金・国保連への再審査申出で、受付期間は機関ごとに決まっている。通知を開いた日から動ける日数は、思っているより短い
- 新しく小児慢性特定疾病の指定医療機関になり、初回請求でまとめて査定が入った。指定を取った時点で、19条の20第2項の「知事の決定に従う」義務も一緒に引き受けている。納得できないまま同じ内容で再請求を繰り返すのは、争い方として最も分が悪い
- 子どもが小児慢性特定疾病の支給認定を受けているのに、病院の窓口で「この分は自費で」と言われた。背景に査定がある可能性がある。だが知事が病院への支払額を減らしたことと、支給認定の対象医療について患者に上乗せ請求してよいかは別の問題である。まず支給認定証の自己負担上限額と診療明細書を突き合わせ、何が助成対象外とされたのかを病院に文書で確認する
取るべき行動
被害を受けた側:1. 対象レセプトと事由コードを特定し、査定が適応外か、過剰・重複か、請求誤りかを切り分ける2. 知事への審査請求は5項で不可なので、4項の委託先である支払基金・国保連への再審査申出へ、各機関の受付期間内に症状詳記を添えて出す3. 並行して、3項の意見聴取を経た決定かを決裁文書の開示で確認する4. 額そのものを裁判で争えるか(処分性の有無、取消訴訟か残額の支払請求訴訟か)は実務上、解釈が分かれているため、決定通知を持って医療機関案件に慣れた弁護士へ
訴えられた側:1. 1項の審査は「随時」であり、遡って行われうる。指摘が来たら該当レセプトとカルテ、症状詳記を先に突き合わせ、事実関係を自分の側で固める2. 2項の従う義務があるため、決定後に同内容の請求を繰り返さない。争うなら次回請求ではなく再審査の土俵で3. 返還を求められたら、対象期間と件数の特定を先に求め、一括の概算返還に安易に応じない4. 報告徴収・立入検査や指定の取扱いに発展しうるため、早い段階で事務長と弁護士を同席させる
時効(請求できる期限):本条に固有の期間制限はない。審査請求は5項で封じられているため行政不服審査法の期間(同法18条)は問題にならない。実務ルートである支払基金・国保連への再審査申出は各機関が定める受付期間内。仮に処分性を前提に取消訴訟を提起する場合は、決定を知った日から6か月、決定の日から1年(行政事件訴訟法14条)。診療報酬請求権自体の消滅時効は、権利を行使できることを知った時から5年(民法166条1項1号、最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説的理解:5項は行政不服審査法上の審査請求のみを排除するものであり、裁判を受ける権利(憲法32条)との関係から、訴訟による救済の道まで閉ざす趣旨とは解されていない。訴訟の形式(取消訴訟か給付訴訟か)は処分性の理解により分かれる
改正沿革 AI による整理
- 平成26年(2014年)児童福祉法改正(平成27年1月1日施行) 小児慢性特定疾病医療費の支給を法律上の給付として新設した改正に伴い、指定小児慢性特定疾病医療機関に対する審査・額の決定・支払事務の委託・審査請求の排除を定める本条が新設された。それ以前は予算事業としての運用であり、請求額の決定を巡る法的枠組みが条文上存在しなかった
改正の年表
- 1.平成26年(2014年) 新設:児童福祉法の一部改正(平成26年法律第47号)により、小児慢性特定疾病医療費の支給が法律上の給付となるのに伴い、審査・額の決定・支払事務の委託・審査請求排除を定める本条が新設された(平成27年1月1日施行)
- 児童福祉法 第19条の3第10項が指定医療機関の請求権の根拠
- 児童福祉法 第19条の2小児慢性特定疾病医療費支給の本体規定
- 児童福祉法 第19条の9指定医療機関の指定、本条の義務主体を画する(現行効力を要確認)
- 児童福祉法 第19条の18指定の取消し、決定違反の最終的帰結(現行効力を要確認)
- 行政不服審査法 第1条他の法律に特別の定めがある場合の適用除外の受け皿
- 行政事件訴訟法 第3条審査請求排除後に残る抗告訴訟の可否の枠組み
- 国民健康保険法 第45条第5項の国民健康保険団体連合会の根拠規定
- 健康保険法 第76条診療報酬の審査支払と委託に関する同型構造
- 社会保険診療報酬支払基金法 第1条審査支払機関としての基金の設置根拠
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