児童福祉法 第21条の8
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市町村は、次条に規定する子育て支援事業に係る福祉サービスその他地域の実情に応じたきめ細かな福祉サービスが積極的に提供され、保護者が、その児童及び保護者の心身の状況、これらの者の置かれている環境その他の状況に応じて、当該児童を養育するために最も適切な支援が総合的に受けられるように、福祉サービスを提供する者又はこれに参画する者の活動の連携及び調整を図るようにすることその他の地域の実情に応じた体制の整備に努めなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 児童福祉法第21条の8は、日本の児童福祉法に含まれる条文です。
- 児童福祉法第21条の8の条文原文は「市町村は、次条に規定する子育て支援事業に係る福祉サービスその他地域の実情に応じたきめ細かな福祉サービスが積極的に提供され、保護者が、その児童及び保護者の心身の状…」で始まります。
- 児童福祉法第21条の8は第六款 子育て支援事業に置かれています。
- 児童福祉法の公布日は昭和22年12月12日です。
- 児童福祉法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 児童福祉法第21条の8の前の条は児童福祉法第21条の7です。
- 児童福祉法第21条の8の次の条は児童福祉法第21条の9です。
- 児童福祉法第21条の8には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第21条の8 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000164 - 本サイト収録
児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第21条の8(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000164/21_8
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点児童福祉法21条の8は、市町村に対し、子育て支援サービス提供者の連携及び調整を図り、保護者が最も適切な支援を総合的に受けられる体制の整備に努めるよう求める努力義務規定である。
Q · 児童福祉法21条の8を根拠に、市役所に特定の子育てサービスを求められる?
いいえ。努力義務のため特定サービスの請求権は生じない
児童福祉法21条の8は、市町村に子育て支援サービスの提供者間の連携及び調整を図り、保護者が最も適切な支援を総合的に受けられる体制の整備に「努めなければならない」と定める努力義務規定です。個々の保護者に特定サービスの給付請求権を与えるものではありません。ただし、窓口が事業単位で話を打ち切った場合に、連携と調整は市町村の責務であると指摘する根拠にはなり、市町村子ども・子育て支援事業計画への意見提出などで活用できます。
解説
保育園の一時預かりは定員いっぱい、ファミリー・サポート・センターは会員登録から一か月待ち、子育て支援センターでは「それはうちの課の担当ではない」と言われる。この「たらい回し」こそ、児童福祉法21条の8が市町村に潰すよう求めた状態である。本条が命じているのは、子育て支援事業に係る福祉サービスが積極的に提供されること、そしてサービスを提供する者同士の連携及び調整を図り、保護者が児童と自身の心身の状況や置かれた環境に応じて「総合的に」最も適切な支援を受けられる体制を整えることだ。ただし文末は「努めなければならない」、つまり努力義務である。ここを誤解すると戦い方を間違える。あなたはこの条文を振りかざして特定のサービスを請求できるわけではない。できるのは、窓口が個別事業の可否だけで話を切ったとき、連携と調整、そして総合的な支援は市町村の責務だと指摘して、話を事業単位から体制単位へ引き上げることだ。交渉相手は目の前の担当者ではなく、市町村という主体に変わる。
法的な位置づけ
児童福祉法21条の8は、市町村の子育て支援体制整備に関する規定であり、次条に定める子育て支援事業その他の福祉サービスが積極的に提供され、保護者が児童及び保護者の心身の状況や環境に応じて最も適切な支援を総合的に受けられるよう、サービス提供者等の活動の連携及び調整を図ること等の体制整備を市町村の努力義務として定める。
手順
- 1.断られた事業名を記録する 窓口で断られた内容を、一時預かり事業、子育て短期支援事業、子育て援助活動支援事業など正式な事業名で記録する。日時と担当部署も残す
- 2.連携・調整による組み合わせの提示を求める 個別事業の可否ではなく、連携及び調整として利用可能なサービスの組み合わせを提示するよう求める。こども家庭センター(10条の2)への接続も依頼する
- 3.事業計画との食い違いを指摘する 市町村子ども・子育て支援事業計画の量の見込みと確保方策のページを用意し、計画上は確保済みなのに利用できない食い違いを指摘する
- 4.計画策定過程・議会へ働きかける パブリックコメント期間や子ども・子育て会議に意見を出し、必要なら議会へ陳情する。保育所の不承諾処分を争う場合は、処分を知った日の翌日から3か月以内に審査請求する
よくある質問 AI による整理
Q1児童福祉法21条の8とは?
市町村に、子育て支援サービスの提供者どうしの連携と調整を図り、保護者が総合的に支援を受けられる体制を整えるよう求める努力義務規定です。
Q2子育て支援 努力義務 違法になる?
努力義務のため、事業が未実施でも直ちに違法とはなりません。ただし体制整備の不備は、事業計画の審議や議会で問われる対象になります。
Q3一時預かり 断られた どうする?
事業名を記録したうえで、ほかの事業との組み合わせを窓口に提示してもらいます。動かなければ事業計画の確保方策との食い違いを指摘します。
Q4子育て支援事業 市町村 どこに相談?
入口は市町村の子育て支援担当課やこども家庭センター(児童福祉法10条の2)です。ショートステイなども児童相談所ではなく市町村が窓口です。
Q5子育て たらい回し 違法?
違法とまでは言えませんが、提供者間の連携及び調整は21条の8が市町村に求める内容です。「連携はどの部署が担うか」と聞くのが有効です。
Q6子育て支援 自治体 格差 なぜ?
子育て支援事業の実施が市町村の努力義務で、地域の実情に応じた裁量に委ねられているためです。事業の中身と量は市町村ごとに異なります。
Q7子ども・子育て支援事業計画 意見 出せる?
出せます。計画策定時のパブリックコメントや子ども・子育て会議への意見提出が可能で、計画に盛り込まれれば予算化につながります。
Q8ショートステイ トワイライトステイ 利用 できる?
子育て短期支援事業として児童福祉法21条の9に列挙されています。実施の有無や条件は市町村ごとに違うため、住んでいる市町村に確認します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1市役所に「そういう事業はやってません」と言われたら、それで終わりですか?
終わりではない。21条の9の事業は努力義務なので未実施が直ちに違法とはならないが、21条の8は他の提供者との連携及び調整を市町村に求めている。自ら実施していなくても、社会福祉法人や NPO の資源に繋ぐ余地が残る。実務のポイント:市町村子ども・子育て支援事業計画には「量の見込み」と「確保方策」が載っている。計画上は確保済みなのに窓口で断られた場合、その齟齬を指摘すると話が担当者の手を離れて上に上がる
Q2保育園に落ちたのは21条の8違反じゃないんですか?
条文の強度が違う。保育を必要とする児童の保育所における保育は24条1項の市町村の義務であり、21条の8の努力義務とは別物である。入所不承諾は行政処分なので審査請求や取消訴訟の対象になるが、21条の8を根拠に特定サービスを請求することはできない。実務のポイント:不承諾通知の末尾には必ず教示欄がある。争うなら処分を知った日の翌日から3か月(行政不服審査法18条1項)、この期間は待ってくれない
Q3引っ越すと今受けている支援は受けられなくなるんですか?
事業ごとに市町村が実施主体なので、利用できる内容は転居で変わりうる。21条の8が求めるのは当該市町村の区域内の体制整備であり、自治体をまたぐ引き継ぎまでは明文化されていない。実務のポイント:こども家庭センター(10条の2)間の情報引き継ぎは、支援を要する家庭について実務上行われている。転出届の際に「転居先への引き継ぎをお願いしたい」と明示的に頼むかどうかで、新しい土地で一から説明し直す量が変わる
間違えやすい点 AI による整理
- 「この条文を根拠に市町村を訴えられますか」という問いの立て方自体が誤っている。努力義務規定は、個別の保護者に特定サービスの給付請求権を与えない。立てるべき問いは「どの手続でこの条文を突きつけると効くか」であり、答えは個別申請の窓口ではなく、市町村子ども・子育て支援事業計画の策定過程、子ども・子育て会議、議会への陳情という別系統の回路にある
- 「子育て支援は市町村の仕事」と知っている人は多いが、その深刻度までは知られていない。次条21条の9に列挙された放課後児童健全育成事業、子育て短期支援事業、一時預かり事業なども、実施は「必要な措置の実施に努めなければならない」という努力義務にとどまる。隣の市にある事業があなたの市にない理由は、法律の不備ではなく裁量行使の差であり、だからこそ働きかける余地も残っている
- あなたから見れば「支援を求めている一人の親」だが、条文から見れば市町村が整えるべき対象は「体制」であって個人への個別対応ではない。この落差が、窓口で話が噛み合わない正体である。個人の困りごととして訴えると「ご事情は分かりますが」で終わるが、体制の不備として提示すると、担当者の裁量を超えた別の回路が動き出す
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の内容 | 21条の8:連携・調整を含む子育て支援の体制整備 | 21条の9:子育て支援事業の列挙と実施 24条1項:保育所における保育の実施 |
| 義務の強さ | 努力義務(努めなければならない) | 努力義務(必要な措置の実施に努める) 市町村の義務 |
| 保護者が争う手段 | 個別の請求権なし。事業計画・子ども・子育て会議・議会を通じて働きかける | 個別の請求権なし。未実施の事業は計画化を働きかける 不承諾は行政処分。審査請求・取消訴訟が可能 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は直轄市・県市政府に整合的サービス機制の構築と福利措置の実施を求め、民間への委託・補助も予定する点で、日本の市町村による連携・調整と発想が近い
ドイツは公的青少年援助主体に全体責任を負わせ、必要な施設・サービスの適時かつ十分な提供を確保させる。日本の努力義務より規範の強度が高い
米国は連邦補助金を通じて州に保育サービスの提供と調整を促す仕組みであり、自治体に直接の体制整備義務を課す日本とは構造が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 育休からの復帰まであと21日、保育所は不承諾、一時預かりは定員いっぱい、ファミリー・サポート・センターは面談待ち。こんなとき窓口に何を言えば話が動くのか? 個別事業の空き状況を一つずつ聞くのではなく、連携・調整による利用可能な組み合わせの提示を求めることだ。職員が手元に持っている資源の一覧は、あなたが聞いた一事業分よりはるかに広い
- 子どもの発達に不安があり、保健センター、保育所、教育委員会の三か所で同じ話を最初から説明させられた。この重複こそ、本条が潰そうとした連携不足の典型である。こども家庭センター(10条の2)への接続を求める一言で、窓口の回路が変わることがある
- あなたが市町村の子育て支援担当職員だとする。予算査定で一時預かりの拡充が削られそうなとき、21条の8の体制整備と21条の9の事業実施がいずれも市町村の努力義務であり、不足は議会で問われると説明できるかどうか。同じ要求書でも、根拠条文が載っているかどうかで査定の通り方が変わる
- 友人がシングルで夜勤のある仕事に就くことになり、子どもの預け先がないと相談してきた。子育て短期支援事業(ショートステイ、トワイライトステイ)は21条の9に列挙された子育て支援事業で、入口は児童相談所ではなく市町村の窓口である。この一言を知っているかどうかで、友人が半年遠回りするかどうかが決まる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 断られた内容を事業名で記録する。一時預かり事業なのか、子育て短期支援事業なのか、子育て援助活動支援事業なのか。事業名が曖昧なままだと交渉は空転する2. 窓口には個別事業の可否ではなく、連携及び調整として利用可能な組み合わせの提示を求める3. 動かなければ市町村子ども・子育て支援事業計画の該当ページを持参し、計画上の確保方策と現実の齟齬を指摘する4. それでも動かなければ、子ども・子育て会議への意見提出と議会への陳情。予算を動かすのはこの二つである
訴えられた側:1. 「うちの事業ではない」で話を閉じた対応記録は、後に体制整備の不備として監査や議会で問われる。断る場合でも接続先を一つ示すのが本条の趣旨に沿う2. 連携の実務はこども家庭センター(10条の2)の調整機能に集約し、誰がどこへ繋いだかを必ず記録に残す3. 未実施の事業については21条の9の努力義務との関係を整理し、計画の確保方策に落として予算要求の根拠に転換する
時効(請求できる期限):本条自体に期限や時効の定めはなく、特定サービスの請求権を生む条文でもないため、民法166条の一般消滅時効も直接は働かない。実務で効く期限は別にある。保育所入所の不承諾など行政処分を争う審査請求は処分を知った日の翌日から3か月(行政不服審査法18条1項)、市町村子ども・子育て支援事業計画は5年を一期とし(子ども・子育て支援法61条)、その改定期が働きかけの本番となる
学説
通説:努力義務規定は市町村に政策目標を課すものであり、個々の保護者に特定サービスの給付請求権を与えない。体制整備の具体的内容は地域の実情に応じた市町村の裁量に委ねられる
- 児童福祉法 第21条の9本条にいう次条、子育て支援事業の列挙と実施の努力義務
- 児童福祉法 第21条の11情報提供、相談助言、あつせん調整要請(現行効力を要確認)
- 児童福祉法 第10条の2こども家庭センターの設置努力義務、連携調整の実装主体
- 児童福祉法 第24条保育所における保育は義務規定、本条の努力義務との強度差
- 児童福祉法 第2条国及び地方公共団体の児童育成責任という総則的根拠
- 子ども・子育て支援法 第59条地域子ども・子育て支援事業への財政的裏付け
- 子ども・子育て支援法 第61条市町村事業計画による体制整備の計画化と数値化
- 社会福祉法 第106条の4重層的支援体制整備事業、分野横断の連携根拠
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