児童福祉法 第33条の10
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- この節において、被措置児童等虐待とは、児童自立生活援助事業、放課後児童健全育成事業、子育て短期支援事業、一時預かり事業、小規模住居型児童養育事業、家庭的保育事業等、病児保育事業、意見表明等支援事業、妊産婦等生活援助事業、児童育成支援拠点事業若しくは乳児等通園支援事業に従事する者、里親若しくはその同居人、乳児院、母子生活支援施設、保育所、児童館、児童養護施設、障害児入所施設、児童心理治療施設、児童自立支援施設若しくは認可外保育施設(第五十九条第一項に規定する施設のうち、第六条の三第九項から第十二項まで又は第三十九条第一項に規定する業務を目的とするものをいう。次項第五号において同じ。)の長、その職員その他の従業者、指定発達支援医療機関の管理者その他の従業者、一時保護施設を設けている児童相談所の所長、当該一時保護施設の職員その他の従業者又は第三十三条第一項若しくは第二項の委託を受けて児童の一時保護を行う業務に従事する者(以下「施設職員等」と総称する。)が、事業を利用する児童、委託された児童、入所する児童又は一時保護が行われた児童(以下「被措置児童等」という。)について行う次に掲げる行為をいう。
- 一被措置児童等の身体に外傷が生じ、又は生じるおそれのある暴行を加えること。
- 二被措置児童等にわいせつな行為をすること又は被措置児童等をしてわいせつな行為をさせること。
- 三被措置児童等の心身の正常な発達を妨げるような著しい減食又は長時間の放置、同居人若しくは生活を共にする他の児童による前二号又は次号に掲げる行為の放置その他の施設職員等としての養育又は業務を著しく怠ること。
- 四被措置児童等に対する著しい暴言又は著しく拒絶的な対応その他の被措置児童等に著しい心理的外傷を与える言動を行うこと。
- 2.この節において、所管行政庁とは、次の各号に掲げる事業、里親、施設又は一時保護の区分に応じ、当該各号に定める者をいう。
- 一児童自立生活援助事業、一時預かり事業、小規模住居型児童養育事業、病児保育事業、意見表明等支援事業又は妊産婦等生活援助事業これらの事業について届出を受け、又はこれらの事業を行う都道府県の知事
- 二放課後児童健全育成事業、子育て短期支援事業、家庭的保育事業等、児童育成支援拠点事業又は乳児等通園支援事業これらの事業について認可を行い、若しくは届出を受け、又はこれらの事業を行う市町村の長
- 三里親次のイ又はロに掲げる里親の区分に応じ、当該イ又はロに定める者
- 一第六条の四第一号又は第二号の規定による登録を受けた里親当該登録を行つた都道府県の知事
- 二第二十七条第一項第三号の規定による委託を受けた里親(イに掲げるものを除く。)当該委託をした都道府県の知事
- 四乳児院、母子生活支援施設、保育所、児童館、児童養護施設、障害児入所施設、児童心理治療施設又は児童自立支援施設これらの施設の設置について認可を行い、若しくは届出を受け、若しくはこれらの施設を設置する都道府県の知事又は国の設置するこれらの施設が属する国の行政機関の長
- 五認可外保育施設又は指定発達支援医療機関これらの施設が所在する都道府県の知事
- 六一時保護次のイからハまでに掲げる一時保護の区分に応じ、当該イからハまでに定める者
- 一一時保護施設において行う一時保護当該一時保護施設を設置する都道府県の知事
- 二第三十三条第一項又は第二項の委託を受けて行う一時保護(登録一時保護委託者が行うものに限る。)同条第一項第一号の登録を行つた都道府県知事
- 三第三十三条第一項又は第二項の委託を受けて行う一時保護(ロに掲げるものを除く。)当該委託をした児童相談所長を監督する都道府県知事
- 3.この節において、審議会等とは、次の各号に掲げる所管行政庁の区分に応じ、当該各号に定めるものをいう。
- 一国の行政機関の長児童の福祉に関する事業に従事する者又は学識経験のある者であつて、第三十三条の十五第一項に規定する事項に関し公正な判断をすることができるもののうちから、当該国の行政機関の長があらかじめ指定する者
- 二都道府県知事都道府県児童福祉審議会
- 三市町村長市町村児童福祉審議会を設置する市町村にあつては市町村児童福祉審議会、市町村児童福祉審議会を設置しない市町村にあつては児童の福祉に関する事業に従事する者又は学識経験のある者であつて第三十三条の十五第一項に規定する事項に関し公正な判断をすることができるもののうちから当該市町村の長があらかじめ指定する者
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 児童福祉法第33条の10は、日本の児童福祉法に含まれる条文です。
- 児童福祉法第33条の10の条文原文は「この節において、被措置児童等虐待とは、児童自立生活援助事業、放課後児童健全育成事業、子育て短期支援事業、一時預かり事業、小規模住居型児童養育事業、家庭的保育事業…」で始まります。
- 児童福祉法第33条の10は第七節 被措置児童等虐待の防止等に置かれています。
- 児童福祉法の公布日は昭和22年12月12日です。
- 児童福祉法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 児童福祉法第33条の10の前の条は児童福祉法第33条の9の2です。
- 児童福祉法第33条の10の次の条は児童福祉法第33条の11です。
- 児童福祉法第33条の10には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第33条の10 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000164 - 本サイト収録
児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第33条の10(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000164/33_10
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点児童福祉法33条の14は、保育所・児童養護施設・里親等の施設職員等が預かる児童に行う身体・性的・ネグレクト・心理的虐待を被措置児童等虐待と定義する。
Q · 保育園や児童養護施設の職員が子どもに暴言を吐いたり放置したりしたら、法律上の虐待になるの?
著しい暴言や放置は被措置児童等虐待に該当しうる
児童福祉法33条の14第1項は、施設職員等が被措置児童等に行う行為のうち、①外傷が生じ又は生じるおそれのある暴行、②わいせつ行為、③著しい減食・長時間の放置・他の児童による暴力の放置等の著しい懈怠、④著しい暴言・拒絶的対応等の心理的外傷を与える言動を被措置児童等虐待と定義します。身体に傷がなくても、放置や暴言が「著しい」程度に達すれば該当します。通告先は同条2項により、事業ごとに都道府県知事または市町村長に分かれます。
解説
児童虐待といえば「親が子を」だと思われている。だがこの条文が扱うのは、親から引き離された後の世界だ。虐待から保護されて施設に入った子ども、里親に委託された子ども、学童保育に通う子ども、保育所に預けられた乳児。その子たちを守るはずの施設職員・里親・保育士が加害者になったとき、それを「被措置児童等虐待」と名付けたのが本条である。あなたが押さえるべきは三点。第一に、対象範囲が驚くほど広い。児童養護施設だけでなく、保育所、学童保育、病児保育、一時預かり、認可外保育施設、さらに里親の「同居人」まで含む。つまりあなたの子が通う保育園も、里親家庭に住む祖父母も、この条文の射程内にある。第二に、虐待の四類型(身体・性的・ネグレクト・心理的)に「他の児童による暴力の放置」が明記されている。施設内のいじめを職員が見過ごせば、それ自体が職員の虐待になる。第三に、通告先が定義されている。所管行政庁が事業ごとに都道府県知事か市町村長かに分かれており、通告先を間違えると初動が遅れる。
法的な位置づけ
被措置児童等虐待とは、児童福祉法第33条の14第1項が定める概念であり、保育所・児童養護施設・里親等の施設職員等が、事業を利用し、委託され、入所し、又は一時保護された児童に対して行う身体的暴行、わいせつ行為、他の児童による暴力の放置を含む著しい養育の懈怠、及び著しい心理的外傷を与える言動をいう。
よくある質問 AI による整理
Q1被措置児童等虐待とは?
施設職員・里親・保育士等が、預かっている子どもに行う身体的・性的・ネグレクト・心理的虐待のことです。児童福祉法33条の14第1項が定義しています。
Q2保育園の虐待 通報先はどこ?
保育所は同条2項4号により、設置の認可等を行う都道府県知事が所管行政庁です。家庭的保育事業等の小規模な保育は2号で市町村長となります。
Q3学童保育の虐待はどこに通報すればいい?
放課後児童健全育成事業(学童保育)は同条2項2号により、認可・届出を受ける市町村の長が所管行政庁です。学校や教育委員会ではなく市町村の担当課に伝えます。
Q4認可外保育施設の虐待はどこに通報する?
認可外保育施設は同条2項5号により、施設が所在する都道府県の知事が所管行政庁です。市役所ではなく都道府県の児童福祉担当課が窓口になります。
Q5子ども同士のいじめを職員が放置したら虐待?
はい。同条1項3号は、生活を共にする他の児童による暴行・わいせつ行為・心理的虐待の放置を、施設職員等自身の虐待として明記しています。
Q6暴言だけでも虐待になる?
なります。1項4号は著しい暴言や著しく拒絶的な対応など、心理的外傷を与える言動を虐待としています。あざや傷がなくても「著しい」程度なら該当します。
Q7被措置児童等虐待の通告後はどうなる?
所管行政庁が事実確認などの対応を行い、同条3項の審議会等が33条の15第1項の事項について第三者的な立場から関与する仕組みになっています。
Q8一時保護施設での虐待も対象?
対象です。一時保護施設を設ける児童相談所の所長・職員のほか、33条1項・2項の委託を受けて一時保護を行う者も施設職員等に含まれます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1保育園での「不適切保育」と「虐待」って、何が違うんですか?
法律上「不適切保育」という定義はなく、児童福祉法33条の14第1項の四類型に当たれば被措置児童等虐待です。行政やメディアが「不適切保育」と呼ぶものの多くは、実は3号(放置)か4号(著しい暴言)に該当します。実務のポイント:園や自治体が「不適切保育」という言葉を使うとき、虐待認定を回避する運用になっていることがある。通告の際は「不適切な対応があった」ではなく「1項4号に該当すると考える」と述べる。呼び名の選択が、その後の手続の重さを決める
Q2通告したら、うちの子が施設や園にいられなくなりませんか?
通告を理由に不利益な取扱いをすることは想定されておらず、通告者の特定につながる情報は漏らしてはならないとされています(児童福祉法33条の12関連規定)。行政は通告者を秘匿したうえで事実確認を行います。実務のポイント:通告は匿名でも受理されます。ただし匿名だと行政からの追加確認ができず調査が浅くなる傾向がある。実名で通告し、かつ「施設には通告者を伝えないでほしい」と明示するのが、調査の実効性と自分の安全を両立させる実務的な選び方
Q3里親の家に住んでいる里親の子どもが加害者でも、里親の責任になるんですか?
1項は行為主体を「里親若しくはその同居人」と定めており、同居人の行為も被措置児童等虐待になります。さらに3号は同居人や他の児童による行為の放置自体を虐待としているため、里親本人も別途責任を問われます。実務のポイント:里親認定・登録は都道府県の権限で、虐待認定は登録取消しの理由になりうる。同居家族の言動が自分の資格に直結することを、登録時の研修で十分に説明されていないケースが多い
間違えやすい点 AI による整理
- 「被措置児童等虐待は児童養護施設など措置で入った子の話」と読める名前だが、条文の対象事業を読むと放課後児童健全育成事業(学童保育)、一時預かり事業、病児保育事業、認可外保育施設まで含まれている。措置で入った子に限らず、あなたの子が日常的に利用するサービスの大半が射程に入る
- 施設内虐待は児童虐待防止法で処理されると思われがちだが、児童虐待防止法2条の「児童虐待」は保護者(親権者・未成年後見人・現に監護する者)による行為の定義であり、施設職員は原則として対象外。施設内は児童福祉法33条の14以下の別ルートで扱う。この二本立てを知らないまま「児童虐待防止法で通告します」と言っても、窓口で話が噛み合わない
- 職員が「何もしなかった」ことは虐待ではないと考えるのは自然だが、法律の側から見ると1項3号は不作為を明確に虐待行為として列挙している。子ども同士の暴力の放置、著しい減食、長時間の放置。あなたが「見て見ぬふりをしただけ」と思っている行為が、法律上は虐待の実行である。この落差が、通告されたときの職員の防御を崩す
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 行為主体 | 児童福祉法33条の14:施設職員等(保育所・施設の職員、里親とその同居人、一時保護の従事者等) | 児童虐待防止法2条:保護者(親権者・未成年後見人・現に監護する者) 学校教育法11条:校長及び教員 |
| 対象となる子ども | 事業を利用し、委託され、入所し、又は一時保護された児童(被措置児童等) | 保護者が監護する18歳未満の児童 学校に在籍する児童・生徒・学生 |
| 規律する行為 | 身体的・性的・ネグレクト(他児童による暴力の放置を含む)・心理的の四類型 | 身体的・性的・ネグレクト・心理的の四類型(家庭内) 体罰の禁止(懲戒権の限界) |
| 通告・相談の窓口 | 事業区分ごとの所管行政庁(都道府県知事または市町村長等) | 市町村・福祉事務所・児童相談所 学校設置者・教育委員会 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は加害主体を問わず何人に対しても虐待を禁止し、教育・保育・社会福祉の従事者に通報義務を課す一元型。日本のように家庭内と施設内で法律を分けない
韓国も主体を限定せず禁止行為を列挙し、施設従事者による虐待は特例法で加重処罰の対象とする
ドイツは施設の運営許可制と、子の福祉を害する出来事の監督庁への報告義務で施設内虐待に対応する。虐待概念の定義より施設監督に重心がある
連邦法は虐待とネグレクトの最低限の定義を示し、施設内虐待の調査・通報は州法に委ねられる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたの子どもが通う認可外保育施設で、保育士が昼寝をしない子を長時間放置していると他の保護者から聞いた。これは「長時間の放置」としてネグレクト型の被措置児童等虐待に該当しうる。通告先は施設所在地の都道府県知事(2項5号)。市役所に電話しても管轄外で回されるだけ、最初から県庁の児童福祉担当課に入れるかどうかで動き出しの速度が変わる
- 児童養護施設で暮らす中学生が、年上の入所児童から日常的に暴力を受けている。職員は「子ども同士のことだから」と介入しない。ここが本条の核心で、同居人や他の児童による暴行を放置することも施設職員等の虐待として1項3号に明記されている。「職員は何もしていない」のではなく「放置という行為をしている」
- 里親として子どもを受け入れているあなたの家に、成人した実子が同居している。その実子が委託児童に暴言を吐いた。条文は「里親若しくはその同居人」と書いており、あなた本人でなくても同居人の行為が被措置児童等虐待になる。あなたは監督責任を問われる側に立つ
- もし、あなたが施設職員で、同僚が子どもを叩いている場面を目撃したらどうなる? 通告は義務であり(33条の12)、通告したことを理由とする解雇その他の不利益取扱いは禁止されている。ためらう理由は法的には存在しない
- 一時保護施設に入っている高校生が、職員から「お前の親も最低だったな」と言われ続けている。身体に傷はない。だが1項4号の「著しい暴言」「著しい心理的外傷を与える言動」に該当する。あざがないから虐待ではない、という常識はここで通用しない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 子どもの発言を日付入りで記録、あざは写真、体重減少は母子手帳と突き合わせ2. 事業種別を確認し、通告先を特定する(認可外保育施設・里親・児童養護施設は都道府県知事、学童保育・家庭的保育事業・子育て短期支援事業は市町村長、2項各号) 3. 施設に相談する前に所管行政庁へ通告、1項の号を特定して伝える4. 通告後、事実確認と審議会への報告(33条の15)が行われるので、進捗を照会する権利がある5. 並行して損害賠償は民法709条・715条で別軌道
訴えられた側:1. 通告されても即座に処分ではない、行政の事実確認手続が先行する2. 日々の保育記録・業務日誌・他職員の目撃を直ちに保全、後から作ると信用性を失う3. 1項各号の「著しい」という限定要件が争点になる。単発の強い口調と「著しい暴言」は法的評価が異なるので、頻度・継続性・子どもへの影響を具体的に反論する4. 施設側の組織的問題(人員配置、研修不足)が背景にあるなら、個人責任に閉じさせない主張を早期に立てる
時効(請求できる期限):本条自体に通告の期限はないが、虐待を受けたと思われる被措置児童等を発見した者は速やかに通告する義務がある(児童福祉法33条の12)。損害賠償請求は、損害および加害者を知った時から5年(人の生命または身体を害する不法行為、民法724条の2)、行為時から20年。児童の場合、未成年の間は時効の完成猶予がある(民法158条)(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成20年(2008年) 新設:児童福祉法改正(平成20年法律第85号)により、施設職員等による被措置児童等虐待の定義・通告・対応の仕組みが創設された(平成21年4月施行)。
- 児童福祉法 第33条の12被措置児童等虐待の通告義務と通告者保護
- 児童福祉法 第33条の15通告後の事実確認と審議会への報告
- 児童福祉法 第33条の17被措置児童等虐待の状況等の公表
- 児童福祉法 第33条一時保護の根拠、本条の対象児童を画する
- 児童福祉法 第6条の3対象となる各事業の定義規定
- 児童虐待の防止等に関する法律 第2条保護者による虐待を定義、本条と主体が異なる
- 民法 第715条施設設置者の使用者責任による賠償
- こども基本法 第3条こども施策の基本理念、虐待防止の指針
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