児童福祉法 第34条の20
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- 本人又はその同居人が次の各号のいずれかに該当する者は、養育里親及び養子縁組里親となることができない。
- 一拘禁刑以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなるまでの者
- 二この法律、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(平成十一年法律第五十二号)その他国民の福祉に関する法律で政令で定めるものの規定により罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなるまでの者
- 三児童虐待又は第三十三条の十第一項に規定する被措置児童等虐待を行つた者その他児童の福祉に関し著しく不適当な行為をした者
- 2.都道府県知事は、養育里親若しくは養子縁組里親又はその同居人が前項各号のいずれかに該当するに至つたときは、当該養育里親又は養子縁組里親を直ちに養育里親名簿又は養子縁組里親名簿から抹消しなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 児童福祉法第34条の20は、日本の児童福祉法に含まれる条文です。
- 児童福祉法第34条の20の条文原文は「本人又はその同居人が次の各号のいずれかに該当する者は、養育里親及び養子縁組里親となることができない。」で始まります。
- 児童福祉法第34条の20は第三章 事業、養育里親及び養子縁組里親並びに施設に置かれています。
- 児童福祉法の公布日は昭和22年12月12日です。
- 児童福祉法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 児童福祉法第34条の20の前の条は児童福祉法第34条の19です。
- 児童福祉法第34条の20の次の条は児童福祉法第34条の21です。
- 児童福祉法第34条の20には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第34条の20 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000164 - 本サイト収録
児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第34条の20(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000164/34_20
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点児童福祉法34条の20は、本人又は同居人に刑の執行未了や児童虐待歴がある者は養育里親・養子縁組里親になれず、登録後に該当すれば直ちに名簿から抹消されると定める。
Q · 同居している家族に前科があったら、里親になれないの?
同居人が欠格事由に当たれば、本人も里親になれない
児童福祉法34条の20第1項は、「本人又はその同居人」が欠格事由に当たる場合、養育里親・養子縁組里親になれないと定めます。拘禁刑以上の刑や、児童買春・児童ポルノ禁止法など政令で定める福祉関係法令による罰金刑は、執行を終えるまでが欠格期間です。一方、児童虐待その他著しく不適当な行為には期間の定めがありません。登録後に該当すれば、知事は直ちに名簿から抹消します(同条2項)。
解説
里親になりたいと窓口に行った人が最後に突き当たるのが、この条文である。児童福祉法34条の20は、養育里親・養子縁組里親になれない人の条件を三つ挙げる。拘禁刑以上の刑を受けて執行が終わっていない者、児童買春・児童ポルノ禁止法など政令で定める福祉関係法令の罰金刑の執行が終わっていない者、そして児童虐待や被措置児童等虐待を行った者その他児童の福祉に関し著しく不適当な行為をした者。ここであなたが見落としがちな点が二つある。第一に、条文は「本人又はその同居人」と書いている。あなた自身が完全に潔白でも、同居している家族の一人が該当すれば、あなたは里親になれない。第二に、三号には刑罰も期間制限も書かれていない。虐待の事実が認定されれば、刑事事件にならなくても、何年前のことでも、都道府県知事の判断で欠格になりうる。そして2項は、登録後に該当した場合、知事は「直ちに」名簿から抹消しなければならないと定める。裁量の余地はない。
法的な位置づけ
児童福祉法第34条の20は、養育里親及び養子縁組里親の欠格事由と名簿抹消を定める規定である。本人又は同居人について、拘禁刑以上の刑又は政令指定の福祉関係法令による罰金刑の執行が終わっていないこと、児童虐待その他児童の福祉に関し著しく不適当な行為をしたことを欠格事由とし、該当時の名簿抹消を都道府県知事の義務とする。
手順
- 1.同居家族の構成を書き出す 申請前に、住民票上の同居人と実際に生活を共にしている人を全員書き出し、それぞれについて1項1号・2号・3号の該当可能性を一つずつ照らし合わせる
- 2.児童相談所へ事前相談する 研修に入る前に、自治体の児童相談所や里親支援機関に一般的な該当性を相談する。欠格の疑いがあれば、同居形態の見直しや申請時期の調整を検討する
- 3.執行終了時期を資料で特定する 1号・2号の可能性がある場合、判決謄本や罰金の納付記録などで執行終了の時期を特定し、再申請が可能になる時期を逆算する
- 4.不利益処分には期限内に不服申立て 登録拒否や名簿抹消の通知を受けたら、教示欄を確認し、根拠記録の開示請求と並行して、審査請求(知った日の翌日から3か月)または取消訴訟(6か月)を検討する
よくある質問 AI による整理
Q1里親の欠格事由とは?
児童福祉法34条の20が定める、養育里親・養子縁組里親になれない条件です。本人又は同居人の刑の執行未了、福祉関係法令の罰金刑の執行未了、児童虐待等の三つがあります。
Q2執行猶予中でも里親になれる?
執行猶予中は「執行を受けることがなくなるまでの者」に当たり欠格です。猶予期間を無事に満了すれば刑の言渡しは効力を失い(刑法27条)、1号の欠格は解けます。
Q3専門里親にも欠格事由は適用される?
適用されます。専門里親は養育里親の一類型として位置づけられているため、本条の「養育里親」に含まれ、同じ欠格事由と名簿抹消の規定が及びます。
Q4親族里親も同じ欠格事由が適用される?
本条が直接名指しするのは養育里親と養子縁組里親です。親族里親は別類型で、要件は省令や運営要綱で定められるため、申請先の児童相談所で個別に確認が必要です。
Q5里親の登録期間は何年?
養育里親は原則5年ごとに更新が必要で、専門里親は2年とされています。更新時にも研修等を経るため、その時点で欠格事由がないことが前提になります。
Q6欠格事由に当たらなくなったら再登録できる?
1号・2号は刑の執行終了などで欠格が解けるため、改めて申請できます。ただし研修や家庭調査は一からやり直しとなり、自動的に復活するわけではありません。
Q7刑の時効が完成した場合は里親になれる?
刑の時効が完成すると「執行を受けることがなくなった」状態になるため、1号・2号の欠格は解けます。ただし3号に当たる事実があれば別途欠格となりえます。
Q8児童虐待防止法の「児童虐待」とは何を指す?
児童虐待防止法2条は、保護者による身体的虐待・性的虐待・ネグレクト・心理的虐待の四類型を定めます。本条1項3号の「児童虐待」はこの定義を前提とします。
この条文についての質問 AI による整理
Q1何年も前の罰金前科でも、里親になれないんですか?
1項2号が縛るのは「執行を終わり、又は執行を受けることがなくなるまで」なので、罰金を納付し終えていれば、その号では欠格になりません。ただし対象法令は児童買春・児童ポルノ禁止法のほか政令で定める福祉関係法令に限られます。実務のポイント:問題は二号より三号です。三号は有罪判決を要件とせず期間制限もないため、不起訴で終わった事案でも児相の記録が残っていれば、そちらで検討対象になることがある。刑事記録の有無だけで安心しないこと
Q2同居人って、住民票が一緒なら全員ですか?
条文は「同居人」とだけ書き、住民票を基準とは書いていません。実務では住民票の記載に加え、実際に生活を共にしている実態で判断されます。住民票が別でも事実上同居していれば対象になりうる。実務のポイント:逆に、住民票上は同居でも実際には長期別居という場合、実態を客観的資料(賃貸契約、公共料金、勤務地)で示せるかが鍵になる。申請前に資料を揃えてから相談に行く人と、口頭で説明するだけの人とでは、審査の進み方が違う
Q3里親登録を抹消されたら、預かっている子はどうなりますか?
2項により知事は名簿から「直ちに」抹消します。里親登録が前提である以上、その子の措置(27条1項3号)も見直され、別の里親や施設への変更が検討されます。実務のポイント:子どもの移行は児相の措置権限の問題であり、里親側に拒否権はない。ただし子ども本人の意向聴取と、移行の時期・方法について意見を述べる余地はある。抹消を争うのと並行して、子どもの生活の連続性について具体的な提案を出すかどうかで、移行の丁寧さが変わることがある
Q4三号の「著しく不適当な行為」って、結局どこまでですか?
条文は虐待と被措置児童等虐待(33条の10)を例示した上で「その他児童の福祉に関し著しく不適当な行為」と包括的に定めており、個別具体的な線引きは都道府県知事の判断に委ねられています。実務上、解釈が分かれている領域です。実務のポイント:包括規定である以上、行政側も判断の根拠を記録として残さざるを得ない。争うなら抽象的な不当性ではなく、その記録に書かれた具体的な事実の誤りを突く方が実効的だ
間違えやすい点 AI による整理
- 「前科があっても執行を終えれば里親になれる」という理解は、方向としては正しいが射程を読み違えている。1項1号・2号は確かに執行終了までの期間制限だが、3号の虐待・著しく不適当な行為には期間制限が一切ない。刑罰を伴わない虐待認定は、時間の経過では消えない
- 多くの人が「自分が審査される」と考えて申請に臨むが、条文が見ているのは世帯である。あなたの適格性の問いの立て方そのものがずれている。本条の主語は「本人又はその同居人」であり、審査の対象は家庭という単位だ
- あなたから見れば、同居人の前科は他人の事情でありプライバシーである。しかし法律から見れば、それは子どもが毎日生活する空間に存在するリスク要因である。この落差を理解しないまま申請すると、審査過程で「隠していた」と評価され、信頼関係そのものを失う
- 「名簿抹消は行政の裁量だから、事情を説明すれば考慮してもらえる」と思われがちだが、2項は「直ちに……抹消しなければならない」と書く。該当性の認定には判断余地があっても、該当が確定した後の抹消自体に裁量はない。戦う場所は抹消の是非ではなく、該当性の有無である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律内容 | 34条の20:養育里親・養子縁組里親の欠格事由と名簿抹消 | 6条の4:里親の定義と類型(養育里親・養子縁組里親等) 34条の19:養育里親名簿・養子縁組里親名簿の作成 |
| 審査の対象 | 本人及び同居人(世帯単位) | 里親となる本人(研修修了等の要件) 名簿に登録される里親本人 |
| 行政の関与 | 該当時は知事が直ちに抹消(裁量なし) | 類型の区分を定める定義規定 都道府県知事に名簿作成を義務づけ |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は家庭寄養の枠組みを法律で定め、寄養家庭の資格・評估を下位の辦法に委ねる。日本の本条のように同居人まで欠格を法律本文で明示する構造とは異なる
韓国は保護措置の一つとして家庭委託を定め、委託家庭の基準は下位法令で規律する。犯罪歴照会の運用は日本と同様に行政側の審査に委ねられる
ドイツは里親許可制を採り、児童関連の一定の前科を持つ者を児童・青少年支援の担い手から排除する。拡大無犯罪証明書の提出が実務の中心となる
米国は連邦補助の条件として、州に里親候補者の犯罪歴照会と児童虐待登録簿の照会を義務づける。同居成人への照会も求められる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 里親登録を目指して研修まで終えた夫婦。申請直前になって、同居する成人の子に児童ポルノ禁止法違反の罰金前科があり、まだ納付が完了していないことが分かった。本人は無関係でも1項2号で欠格。納付完了を待つという選択肢はあるが、申請のタイミングを一から組み直すことになる
- すでに里子を受け入れて2年、家庭も落ち着いてきた里親のもとへ、同居人の逮捕の報が入る。2項は知事に「直ちに」抹消を命じており、猶予規定はない。抹消されれば措置は解除され、その子は別の家庭へ移る。里子にとって何が起きるのかを、あなたは制度の側から理解しておく必要がある
- もし児童相談所から「過去の指導歴があるので、三号に該当するか検討中です」と言われたら、あなたはどう動くか。三号には有罪判決の要件がない。つまり争点は刑事記録ではなく、児相の記録に何がどう書かれているかである。開示請求という手段が、ここで効いてくる
- 養子縁組里親として特別養子縁組を目指していた人が、抹消処分の通知を受け取る。あと14日で審査請求の期間が切れる。この通知書の最後の教示欄を今夜読むかどうかで、争う道が残るか消えるかが決まる
- 親族里親を検討している祖父母。実は親族里親は本条の対象である養育里親・養子縁組里親とは別類型で、条文の書き方が違う。自分がどの類型で申請しているのかを取り違えると、必要な書類も欠格の射程も変わる
取るべき行動
被害を受けた側:登録を拒否された、または抹消された立場であれば、1. 通知書に書かれた根拠条項が1項の何号かを確認する2. 一号・二号なら執行終了の時期を戸籍・判決謄本等で特定し、再申請可能時期を逆算する3. 三号なら根拠記録の開示を請求し、認定の事実的基礎を確認する4. 不服があれば通知書の教示欄に従い審査請求または取消訴訟を検討、期間は処分を知った日から起算されるため、まず日付を押さえる
訴えられた側:同居人が該当する疑いを指摘された側であれば、1. 事実関係を隠さず整理して提出する、隠蔽は信頼喪失という別のマイナスになる2. 一号・二号は期間の問題なので、執行終了時期を明示して時期を待つ判断も選択肢3. 三号の該当性を争うなら、行政手続法上の聴聞・弁明の機会(拒否処分・不利益処分の性質に応じる)で反論材料を出す4. 里子が既にいる場合、子どもの移行に関する意見を児相に伝える手続も並行して進める
時効(請求できる期限):一号・二号は刑の執行が終わるまで、または執行を受けることがなくなるまで(刑法32条の刑の時効、恩赦等)が欠格期間。三号に期間の定めはない。処分に不服がある場合、審査請求は処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟は処分があったことを知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成28年(2016年) 改正:児童福祉法改正により養子縁組里親が法定化され、養子縁組里親名簿の作成とともに、養育里親と並んで欠格事由が適用される構造となった
- 2.令和7年(2025年) 改正:刑法改正による懲役・禁錮の拘禁刑への一本化に伴い、1項1号の「禁錮以上の刑」が「拘禁刑以上の刑」に改められた(2025年6月1日施行)
- 児童福祉法 第6条の4里親の定義、養育里親・養子縁組里親の区分
- 児童福祉法 第34条の19養育里親名簿・養子縁組里親名簿の作成義務
- 児童福祉法 第33条の10被措置児童等虐待の定義、本条1項3号の前提
- 児童福祉法 第27条里親委託の措置決定、抹消時の措置見直しの根拠
- 児童福祉法 第11条都道府県の里親支援業務、研修・調査の根拠
- 児童虐待の防止等に関する法律 第2条本条1項3号の児童虐待の定義を供給
- 児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律 第4条本条1項2号が名指しする罰金刑の根拠法
- 行政不服審査法 第18条抹消処分に対する審査請求期間
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