児童福祉法 第43条の2
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児童心理治療施設は、家庭環境、学校における交友関係その他の環境上の理由により社会生活への適応が困難となつた児童を、短期間、入所させ、又は保護者の下から通わせて、社会生活に適応するために必要な心理に関する治療及び生活指導を主として行い、あわせて退所した者について相談その他の援助を行うことを目的とする施設とする。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 児童福祉法第43条の2は、日本の児童福祉法に含まれる条文です。
- 児童福祉法第43条の2の条文原文は「児童心理治療施設は、家庭環境、学校における交友関係その他の環境上の理由により社会生活への適応が困難となつた児童を、短期間、入所させ、又は保護者の下から通わせて、…」で始まります。
- 児童福祉法第43条の2は第三章 事業、養育里親及び養子縁組里親並びに施設に置かれています。
- 児童福祉法の公布日は昭和22年12月12日です。
- 児童福祉法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 児童福祉法第43条の2の前の条は児童福祉法第43条です。
- 児童福祉法第43条の2の次の条は児童福祉法第44条です。
- 児童福祉法第43条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第43条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000164 - 本サイト収録
児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第43条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000164/43_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点児童福祉法43条の2は、環境上の理由で社会生活への適応が困難となった児童を短期間入所させ又は通わせ、心理治療と生活指導を行う児童心理治療施設を定める。
Q · 児童心理治療施設にはどうやって入るの?
児童相談所に相談し、措置として入所か通所が決まる
児童心理治療施設(児童福祉法43条の2)は、原則として児童相談所を通した都道府県の措置(同法27条1項3号)で利用します。病院の紹介状や施設への直接申込みでは利用できません。条文は短期間の入所と、保護者の下から通う通所の両方を認めていて、退所後の相談援助も施設の目的に含めています。保護者が同意しない入所には、家庭裁判所の承認(同法28条)が必要です。
解説
学校に行けなくなった子ども、家庭で傷つき人との距離感が測れなくなった子ども。そうした子を「入院」でも「施設送り」でもなく、心理治療と生活指導をセットで受けさせる場所が法律上存在する。それが児童心理治療施設である。この条文が定める最大の特徴は二つ。第一に「短期間」の入所であること、つまり家庭から切り離して終わりではなく、戻すことを前提に設計されている。第二に「通わせて」でもよいこと、つまり家に住んだまま昼間だけ通う通所利用が法律上正面から認められている。さらに退所した後の相談援助まで施設の目的に書き込まれている。不登校で手詰まりになった保護者が、医療機関とフリースクールの二択しかないと思い込んでいる間、行政に申し込める第三の選択肢がここに用意されている。利用は原則として児童相談所を経由する措置であり、入口はスクールカウンセラーではなく児童相談所である。
法的な位置づけ
児童心理治療施設とは、児童福祉法43条の2に基づく児童福祉施設である。環境上の理由で社会生活への適応が困難となった児童を短期間入所させるか保護者の下から通わせて、心理に関する治療と生活指導を主に行い、あわせて退所者への相談その他の援助も行う施設をいう。旧称は情緒障害児短期治療施設。
よくある質問 AI による整理
Q1児童心理治療施設とは
児童福祉法43条の2に定める児童福祉施設です。社会生活への適応が困難となった児童に、短期間の入所か通所で心理治療と生活指導を行います。
Q2児童心理治療施設 対象年齢
対象は児童福祉法上の児童で、原則18歳未満です。必要な場合は措置の延長が認められることがあります(同法31条)。
Q3児童心理治療施設 費用
措置による利用なので、費用は公費負担が基本です。保護者には所得に応じた徴収金が課されることがあり、金額は自治体の基準で決まります。
Q4児童心理治療施設 通所 できる?
できます。条文には「保護者の下から通わせて」とあり、自宅で暮らしながら日中に通う形態が法律で認められています。
Q5児童心理治療施設 全国 何か所
全国で50か所前後と少なく、施設のない都道府県もあります。管轄内にない場合は、近隣県の施設への措置が検討されることがあります。
Q6児童心理治療施設 職員 配置
医師、心理療法担当職員、児童指導員、保育士などが配置されます。基準は「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」で定められています。
Q7児童心理治療施設 学校 どうなる
施設内や近くの学校の分校・分教室で教育を受ける形が多いです。在籍校との関係や出席の扱いは、事前に教育委員会へ確認しておくと安心です。
Q8児童心理治療施設 入所期間 どのくらい
条文は「短期間」としていますが、実際は数か月から2年程度が多いです。支援計画に家庭復帰の目安を書き込んでもらうことが大切です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うちの子、不登校なんですけど、こういう施設って申し込めるものなんですか?
窓口は児童相談所である。本条は「社会生活への適応が困難となつた児童」を対象としており、不登校もその理由として明記された「学校における交友関係」に関わる。ただし利用は原則として児童相談所の措置(児童福祉法27条1項3号)で、直接施設に申し込む形ではない。実務のポイント:施設数は全国で50か所前後と少なく、都道府県によっては存在しない。管轄内になければ近隣県の施設に措置される例もあるので、「ない」と言われたら県外の可能性まで確認する
Q2入所すると、もう家には帰れないんでしょうか。
条文は「短期間」と明記しており、家庭復帰を前提に設計されている。さらに「保護者の下から通わせて」とあるとおり通所利用も法律上の形態である。退所後の相談援助も本条が施設の目的に含めている。実務のポイント:実際の在所期間は数か月から2年程度が多く、「短期間」という語感より長くなることがある。措置開始時に家庭復帰の目安と条件を支援計画に書き込んでもらうと、期間が漫然と延びるのを防げる
Q3児童養護施設とは何が違うんですか?
目的が違う。児童養護施設(児童福祉法41条)は保護者のない児童や養育困難な児童を養育する場、児童心理治療施設は本条のとおり心理治療と生活指導を主として行う場である。児童自立支援施設(同44条)は不良行為やそのおそれのある児童が対象で、さらに別枠。実務のポイント:同じ子でもどの施設種別に措置されるかで、配置される専門職も退所後の進路支援も変わる。児童相談所の面談で施設種別を自分から話題にできる保護者は、説明の詳しさが違ってくる
Q4「情緒障害児短期治療施設」って名前で聞いたことがあるんですが、別物ですか?
同じものである。2016年(平成28年)改正により2017年4月1日から「児童心理治療施設」に名称変更された。旧名称は「情緒障害児」という表現が実態と合わず、当事者への影響も指摘されていた。実務のポイント:自治体サイトや古い支援団体の資料には旧名称がまだ残っている。検索するときは両方の名称で当たると、見落としていた地域資源が出てくることがある
間違えやすい点 AI による整理
- 「施設=親と引き離される場所」という前提そのものが、この条文には当てはまらない。条文は「短期間、入所させ、又は保護者の下から通わせて」と書いている。家庭に住んだまま通所する形態が法律上の本則の一つとして並んでいる。分離か同居かという問いの立て方自体が、選択肢を狭めている
- 「心理治療施設なら医療機関と同じで、医師の診断書があれば入れる」と考えがちだが、入口が違う。原則として児童相談所の措置(児童福祉法27条1項3号)であり、病院の紹介状では動かない。窓口を間違えると数か月を失う
- この施設の名称を「情緒障害児短期治療施設」と記憶している人は多い。名称を知っていること自体は正しいのだが、2016年改正で2017年4月から「児童心理治療施設」に改称された。古い名称で検索し続けると、最新の運営指針も自治体の案内も見つからない。知っているつもりの知識が、そのまま情報アクセスの壁になる
- 「退所したら支援は終わり」と思われているが、条文は「あわせて退所した者について相談その他の援助を行う」ことまで施設の目的に含めている。退所後に再び不安定になったとき、元の施設に相談する法的根拠がここにある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 施設の目的 | 43条の2児童心理治療施設:心理に関する治療と生活指導 | 41条 児童養護施設:保護者のない児童や養育困難な児童の養育 44条 児童自立支援施設:不良行為をした児童やそのおそれのある児童の指導と自立支援 |
| 対象児童 | 環境上の理由で社会生活への適応が困難となった児童 | 保護者のない児童、虐待されている児童など養護を要する児童 不良行為をした児童・するおそれのある児童、生活指導を要する児童 |
| 利用形態 | 短期間の入所または保護者の下からの通所 | 入所 入所または保護者の下からの通所 |
| 退所者への支援 | 退所者への相談その他の援助を目的に明記 | 退所者への相談その他の自立のための援助を目的に明記 退所者への相談その他の援助を目的に明記 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾には心理治療専門の施設という独立の類型はなく、安置及教養機構や心理輔導機構が機能を分担している。日本は目的別に施設類型を細かく分けている
韓国は児童福祉施設の一類型として아동보호치료시설を置いている。治療と保護を一体で行う点が日本と近い
ドイツは精神的障害がある、またはそのおそれがある子どもへの統合支援を給付請求権として構成している。外来・通所・入所から支援の形を選べる
米国は連邦の補助金要件として治療的居住施設(QRTP)の基準を定めている。施設の類型や運営は州ごとに異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 中学二年の子が一年以上不登校で、部屋から出てこない。病院では「病気ではない」と言われ、フリースクールは月数万円。区役所の窓口で「児童心理治療施設の通所利用を検討したい」と言えるかどうかで、その後の一年が変わる
- もし児童相談所から「一時保護のあと、施設入所を検討します」と言われたら? そこで提示される施設が児童養護施設なのか児童心理治療施設なのかを、保護者は区別できるだろうか。前者は養育の場、後者は心理治療の場。目的が違えば、退所後の見通しも支援内容も違う
- きょうだい児の暴力に耐えかねた親から相談を受けた。あなたは三分で「短期入所して治療を受け、家に戻す前提の制度がある」と説明できる。相談を受ける側に回ったときにこそ、この条文の存在が効いてくる
- 児童相談所が施設入所の措置を進めようとしているが、保護者は同意していない。同意がなければ家庭裁判所の承認(児童福祉法28条)が必要になる。審判の準備期間は数週間単位、意見書と資料を揃える時間は思ったより短い
- 施設職員として採用された初日。「情緒障害児短期治療施設」と書かれた古い書類とパンフレットが混在している。2017年4月に名称が変わっている、その一点を知らないまま保護者に説明すると、信頼を一気に失う
取るべき行動
被害を受けた側:1. 居住地を管轄する児童相談所に相談予約を入れる。学校経由でも直接でもよい2. 相談時に伝える材料を整理:欠席日数の記録、医療機関の受診歴、家庭内で起きた具体的出来事の日付3. 「入所と通所の両方を検討したい」と明示する、通所の余地があることを知らない担当者もいる4. 措置が難しいと言われた場合、市区町村の子ども家庭支援拠点、教育委員会の教育支援センター(適応指導教室)を並行して当たる5. 施設が決まったら、退所後の相談援助も施設の目的に含まれることを確認しておく
訴えられた側:1. 児童相談所から施設入所の措置を提案され納得できない場合、まず措置理由の説明を書面で求める2. 同意しない場合、児童相談所は家庭裁判所に承認を申し立てる(児童福祉法28条)ので、その手続を前提に子どもの生活記録・医療情報・支援実績を整理する3. 措置決定に不服がある場合は都道府県知事への審査請求(行政不服審査法)という道がある4. 子どもの意見表明の機会が確保されているかを確認する。2022年改正で子どもの意見聴取・意見表明等支援の仕組みが整備されている5. 早い段階で子どもの福祉に詳しい弁護士へ
時効(請求できる期限):本条自体に特定の期間制限はない。ただし施設入所措置は原則として児童が18歳に達するまで(必要な場合は20歳まで延長可、児童福祉法31条)。保護者が同意しない場合の家庭裁判所の承認による措置は原則2年以内で、更新には改めて承認が必要(同28条2項)。行政処分としての措置に不服がある場合の審査請求は、処分を知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)。(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成28年(2016年)改正、平成29年(2017年)4月1日施行 施設名称を「情緒障害児短期治療施設」から「児童心理治療施設」に変更。対象児童の表現も整理された。条文番号・改正回数の詳細は人的検証を要する
改正の年表
- 1.平成28年(2016年) 改正:施設名称を「情緒障害児短期治療施設」から「児童心理治療施設」に変更し、2017年4月1日に施行。対象児童の表現も、環境上の理由で社会生活への適応が困難となった児童という現行の書き方に整理された
- 児童福祉法 第7条児童福祉施設の種類の列挙、本条の位置づけ
- 児童福祉法 第41条児童養護施設、養育目的の施設との区別
- 児童福祉法 第44条児童自立支援施設、対象児童の区別
- 児童福祉法 第27条都道府県による施設入所措置の根拠
- 児童福祉法 第28条保護者が同意しない場合の家庭裁判所の承認
- 児童虐待の防止等に関する法律 第11条虐待事案における保護者指導と措置の連動
- 児童の権利に関する条約 第20条家庭環境を奪われた児童への代替的監護の保障
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