児童福祉法 第46条の2
クイックジャンプ
- 児童福祉施設の長は、都道府県知事又は市町村長(第三十二条第三項の規定により第二十四条第五項又は第六項の規定による措置に関する権限が当該市町村に置かれる教育委員会に委任されている場合にあつては、当該教育委員会)からこの法律の規定に基づく措置又は助産の実施若しくは母子保護の実施のための委託を受けたときは、正当な理由がない限り、これを拒んではならない。
- 2.保育所若しくは認定こども園の設置者又は家庭的保育事業等を行う者は、第二十四条第三項の規定により行われる調整及び要請に対し、できる限り協力しなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 児童福祉法第46条の2は、日本の児童福祉法に含まれる条文です。
- 児童福祉法第46条の2の条文原文は「児童福祉施設の長は、都道府県知事又は市町村長(第三十二条第三項の規定により第二十四条第五項又は第六項の規定による措置に関する権限が当該市町村に置かれる教育委員会…」で始まります。
- 児童福祉法第46条の2は第三章 事業、養育里親及び養子縁組里親並びに施設に置かれています。
- 児童福祉法の公布日は昭和22年12月12日です。
- 児童福祉法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 児童福祉法第46条の2の前の条は児童福祉法第46条です。
- 児童福祉法第46条の2の次の条は児童福祉法第47条です。
- 児童福祉法第46条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第46条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000164 - 本サイト収録
児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第46条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000164/46_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点児童福祉法46条の2は、都道府県知事や市町村長から措置等の委託を受けた児童福祉施設の長は、正当な理由がない限りこれを拒めないと定める。保育所等の利用調整への協力は努力義務にとどまる。
Q · 行政が決めた入所を、児童福祉施設は断ることができるの?
措置委託なら正当な理由なしに断れない
児童福祉法46条の2第1項により、都道府県知事や市町村長から措置、助産の実施、母子保護の実施の委託を受けた児童福祉施設の長は、正当な理由がない限り拒めません。定員超過や設備上の対応不能は正当な理由になりえますが、経営上の都合だけでは足りません。一方、保育所等の利用調整(同条2項)は「できる限り協力」する努力義務にとどまり、受入義務まではありません。
解説
保育所に落ちた。役所の窓口で「施設に空きがない」と言われて引き下がる人がほとんどだ。だが児童福祉法46条の2は、施設側の視点から見るとまったく違う景色を見せる。都道府県知事や市町村長が「この子をお願いします」と措置委託をしてきたとき、児童福祉施設の長は正当な理由がない限り拒めない。施設の受入義務である。児童養護施設、乳児院、母子生活支援施設、助産施設。これらに対する行政の委託は、施設の任意の判断で断れる性質のものではない。第2項はさらに保育所・認定こども園・家庭的保育事業者にまで届き、市町村が24条3項で行う利用調整とあっせん要請に「できる限り協力」せよと求める。ここにあなたが握るべき事実がある。施設が「うちは無理です」と言ったとき、それが法的に通る正当な理由なのか、単なる施設側の都合なのか、問う根拠があなたの側にある。
法的な位置づけ
児童福祉法46条の2は、児童福祉施設の受託義務を定める規定である。第1項は、都道府県知事または市町村長からの措置、助産の実施または母子保護の実施の委託について、施設の長に正当な理由のない拒否を禁じる。第2項は、保育所・認定こども園の設置者および家庭的保育事業等を行う者に対し、市町村が24条3項に基づき行う調整および要請への協力を努力義務として課す。
手順
- 1.入所の根拠が措置か利用調整かを確認する 施設から断りの連絡を受けたら、今回の入所が行政の措置委託(1項)か、保育の利用調整(2項)か、契約入所かを委託元の担当者に確認する。ここで次に打つ手が分かれる
- 2.施設の拒否理由を具体的に記録する 施設や担当者が挙げた理由(定員、設備、職員配置など)を、日時・相手の氏名とともにそのまま記録する。抽象的な「難しい」ではなく、どの事情なのかを聞き取る
- 3.委託元に書面で照会する 児童相談所・福祉事務所・市町村担当課に対し、拒否理由が正当な理由にあたるか、他施設との調整がどこまで尽くされたかを書面で照会する
- 4.不服申立てや外部相談を検討する 行政の処分に不服があれば、処分を知った日の翌日から3か月以内に審査請求を検討する(行政不服審査法18条)。並行して都道府県の児童福祉担当部署や弁護士会の相談窓口を使う
よくある質問 AI による整理
Q1措置委託とは何ですか?
行政が子どもの保護や支援を決定し、その実施を児童福祉施設に委ねる仕組みです。児童養護施設への入所措置(児童福祉法27条)などが代表例です。
Q2児童福祉施設が受入れを拒否するのは違法?
措置委託を正当な理由なく拒めば、児童福祉法46条の2第1項に反します。刑事罰はありませんが、都道府県による指導監督の対象になりえます。
Q3児童養護施設への入所は誰が決めるの?
都道府県知事が決定します(児童福祉法27条1項3号)。実務上は児童相談所が調査と調整を担い、決まった施設に措置を委託します。
Q4母子生活支援施設に入れないときはどうする?
まず母子保護の実施を申し込んだ福祉事務所に、委託先の施設が断った理由と他施設との調整状況を確認します。緊急性が高ければ婦人相談所等の一時保護も検討します。
Q5助産施設はどうやって利用できる?
経済的理由で入院出産が難しい妊産婦が、福祉事務所に助産の実施を申し込みます。実施が決まれば助産施設へ委託され、施設は正当な理由なく拒めません。
Q6施設の受入拒否はどこに相談できる?
委託元の児童相談所・福祉事務所・市町村担当課が第一の窓口です。解決しなければ都道府県の児童福祉担当部署や弁護士会の子どもの権利に関する相談窓口を使えます。
Q7認定こども園にも受入義務はありますか?
児童福祉法46条の2第2項では、市町村の利用調整への「できる限りの協力」という努力義務です。応諾義務は子ども・子育て支援法33条が別に定めています。
Q8家庭的保育事業等とは何を指しますか?
家庭的保育(保育ママ)、小規模保育、居宅訪問型保育、事業所内保育などの地域型保育事業です。本条2項で利用調整への協力が求められます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1施設に「定員がいっぱいで」と言われたら、それで終わりですか?
終わりではない。定員超過は正当な理由になりうるが、本当に超過しているか、他の施設との調整が尽くされたかは委託元である行政が判断すべき事柄である(46条の2第1項)。実務のポイント:児童相談所は管内の施設の空き状況を把握しているが、受入困難な事情を施設側が先回りして伝えていることがある。「他にどの施設に打診したか」を担当者に聞くと、調整の実態が見える
Q2保育所に落ちたのも、この条文で争えますか?
通常の保育所利用は市町村の利用調整(24条3項)であり、本条2項の「できる限り協力」という努力義務の世界で、施設に受入義務はない。争うなら市町村の利用調整の結果に対する不服申立てになる。実務のポイント:保育所の選考指数は自治体ごとに公開されており、開示請求で自分の指数と入所者のボーダーを確認できることが多い。落選理由を感情で受け止める前に、数字で確認する道がある
間違えやすい点 AI による整理
- 「施設が断ったら、もう入れない」と諦める人が多いが、立てている問いそのものがずれている。問うべきは「施設が断れるか」ではなく「誰が委託を決定したか」である。行政による措置委託であれば施設に受入義務が発生し、断るには正当な理由の説明が要る。施設との交渉ではなく、委託元との交渉が本筋だ
- 1項の「拒んではならない」と2項の「できる限り協力しなければならない」を同じ強さだと思われがちだが、法的性質が違う。1項は義務規定で、違反すれば施設の運営に対する都道府県の指導監督や改善勧告(46条)に繋がりうる。2項は努力義務で、協力しなくても直ちに法的制裁はない。保育所の利用調整で「断られた」場合と、措置委託で「断られた」場合は、あなたが取るべき次の手が全く違う
- 「正当な理由」は施設が自由に判断できると誤解されているが、法律上の要件である以上、客観的な基準で判断される。定員超過、設備上の対応不能、感染症の流行といった具体的事情は正当な理由になりうるが、施設の経営方針や職員の負担感だけでは足りない。実務上、どこまでが正当な理由かは解釈が分かれている論点である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象となる場面 | 46条の2第1項:措置・助産の実施・母子保護の実施の委託 | 46条の2第2項:市町村が24条3項で行う保育の利用調整・要請 子ども・子育て支援法33条:保護者からの利用申込み |
| 義務の強さ | 法的義務(正当な理由がない限り拒否不可) | 努力義務(できる限り協力) 応諾義務(正当な理由がなければ拒否不可) |
| 義務を負う者 | 児童福祉施設の長 | 保育所・認定こども園の設置者、家庭的保育事業等を行う者 特定教育・保育施設の設置者 |
| 断られたときの主な相手方 | 委託元の都道府県・市町村(児童相談所・福祉事務所) | 利用調整を行う市町村 施設の設置者および確認を行う市町村 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では直轄市・県(市)の主管機関が家庭外安置を決定し、機構等に委託する。安置の決定主体が行政である点は日本の措置制度と共通する
韓国では市・道知事や市長・郡守・区庁長が保護措置として児童福祉施設への入所などを決定する
ドイツでは少年局が教育援助として施設養育を提供し、実施は主に民間の担い手に委ねられる
米国では州の児童福祉機関が里親や施設への委託を担い、連邦は Title IV-E により財政面から関与する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- DV から逃げて母子生活支援施設への入所を希望したが、施設から「定員が」と婉曲に断られた。市町村が母子保護の実施として委託を決定しているなら、施設は正当な理由なしに拒めない。定員超過は正当な理由になりうるが、「手のかかる家庭は避けたい」は正当な理由ではない。誰が委託を決定したのか、その一点を確認する
- 障害のある子の児童養護施設入所で、施設側が「専門的なケアができない」と難色を示した。これは正当な理由の典型例に近いが、実質は職員配置と支援体制の問題であり、児童相談所との調整で解消できることも多い。施設に断られた時点で終わりではなく、委託元である都道府県に戻って調整を求める道が残っている
- あなたが保育所の園長だとしたら? 市町村から「この家庭は優先度が高いので受け入れてほしい」と要請が来る。2項は「できる限り協力」であって拒否禁止ではない。1項の措置委託と2項の利用調整要請は法的拘束力の強さが違う。この差を知らずに1項の委託を断ると、施設の指導監督(46条)の対象になりうる
- もし、あと3日で退所期限が来る一時保護中の子どもの受入先が決まらなかったら? 児童相談所は複数施設に打診するが、施設が次々に断れば子どもは行き場を失う。46条の2第1項は、このドミノを止めるための最後の歯止めとして設計されている
取るべき行動
被害を受けた側:1. 今回の入所手続が行政の措置委託(1項)か、利用調整(2項)か、契約入所かを確認する。ここで次の手が分岐する2. 措置委託であれば、施設が示した拒否理由を具体的に聞き取り、記録する3. 委託元の児童相談所または市町村担当課に戻り、正当な理由に該当するか検証を求める。可能であれば書面で4. 対応に納得できない場合、都道府県の児童福祉担当部署への相談、または弁護士会の子どもの権利委員会などの窓口を使う
訴えられた側:1. 施設側として委託を断る場合、正当な理由を具体的かつ客観的に記録する。定員、設備、職員配置、他児への影響など事実ベースで2. 断る前に委託元と調整を試みた経緯を残す。調整努力の記録が後の指導監督で決定的になる3. 2項の利用調整要請については努力義務だが、協力実績は施設運営の評価に影響しうる4. 繰り返しの拒否は46条に基づく都道府県の報告徴収・改善勧告の対象になりうるため、単発の判断ではなく施設としての基準を文書化しておく
時効(請求できる期限):本条に特定の時効や期限はない。ただし施設の措置に関する不服申立ては行政不服審査法に基づく審査請求として、処分を知った日の翌日から3か月以内(同法18条)。損害賠償を求める場合は一般の消滅時効(民法166条、債権は知った時から5年または権利行使可能時から10年)が適用される
- 児童福祉法 第24条市町村の保育実施義務と利用調整の根拠
- 児童福祉法 第27条都道府県による施設入所措置の決定権限
- 児童福祉法 第46条施設に対する報告徴収・改善勧告等の監督
- 児童福祉法 第45条施設の設備運営基準、受入能力判断の前提
- 児童福祉法 第32条市町村長の権限の教育委員会への委任
- 子ども・子育て支援法 第33条特定教育・保育施設の応諾義務の特則
- 行政不服審査法 第18条措置に関する審査請求の期間制限
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める