児童福祉法 第48条
クイックジャンプ
児童養護施設、障害児入所施設、児童心理治療施設及び児童自立支援施設の長、その住居において養育を行う第六条の三第八項に規定する内閣府令で定める者並びに里親は、学校教育法に規定する保護者に準じて、その施設に入所中又は受託中の児童を就学させなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 児童福祉法第48条は、日本の児童福祉法に含まれる条文です。
- 児童福祉法第48条の条文原文は「児童養護施設、障害児入所施設、児童心理治療施設及び児童自立支援施設の長、その住居において養育を行う第六条の三第八項に規定する内閣府令で定める者並びに里親は、学校…」で始まります。
- 児童福祉法第48条は第三章 事業、養育里親及び養子縁組里親並びに施設に置かれています。
- 児童福祉法の公布日は昭和22年12月12日です。
- 児童福祉法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 児童福祉法第48条の前の条は児童福祉法第47条です。
- 児童福祉法第48条の次の条は児童福祉法第48条の2です。
- 児童福祉法第48条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第48条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000164 - 本サイト収録
児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第48条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000164/48
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点児童福祉法48条は、児童養護施設等の長、ファミリーホームの養育者、里親に対し、学校教育法の保護者に準じて入所・受託中の児童を就学させる義務を課す規定。
Q · 施設や里親家庭で暮らす子どもを学校に通わせる義務は、誰にあるの?
施設長・ファミリーホーム養育者・里親が負います
児童福祉法48条により、児童養護施設・障害児入所施設・児童心理治療施設・児童自立支援施設の長、ファミリーホームの養育者、里親は、学校教育法に規定する保護者に準じて、入所中・受託中の児童を就学させなければなりません。親権そのものは実親に残るため、進路の最終決定など親権に属する事項は実親や児童相談所との調整が必要です。
解説
入学通知書は、必ずしも実の親のところには届かない。児童養護施設、障害児入所施設、児童心理治療施設、児童自立支援施設で暮らす子、ファミリーホーム(小規模住居型児童養育事業)の子、里親家庭の子。この子たちを学校に通わせる義務は、48条によって施設長・養育者・里親の肩に載る。鍵は「学校教育法に規定する保護者に準じて」という文言だ。親権そのものが移るわけではない。学校に行かせる義務だけが現に育てる者の手に渡り、進路の最終決定や重い医療同意など親権に属する判断は実親の側に残る。この二重構造が、措置児童の教育をめぐる現場の詰まりのほぼ全てを生んでいる。あなたが里親なら、委託された翌日から就学義務の主体はあなただ。学校の窓口で「保護者の方を連れてきてください」と言われたとき、根拠条文を出せるかどうかで、その子の四月が変わる。
法的な位置づけ
児童福祉法48条は、社会的養護のもとにある児童の就学義務の主体を定める規定であり、児童養護施設等の長、小規模住居型児童養育事業の養育者および里親を、学校教育法上の保護者に準じる者として、入所中または受託中の児童を就学させる義務者とする。親権の帰属は変更せず、就学義務のみを現に養育する者に割り当てる点に特徴がある。
手順
- 1.措置・委託決定時に就学先を議題に載せる 措置決定や委託前のケース会議で、就学先の学校、住民票の扱い、区域外就学の承諾の要否を児童相談所と確認する。年度替わりの措置では特に早く動く
- 2.市町村教育委員会に学齢簿と就学校を確認 住民票所在地の市町村教育委員会に、学齢簿の記載と就学校指定の通知先を確認する。通学先が別の市町村なら区域外就学の手続を同時に始める(学校教育法施行令9条)
- 3.学校窓口で義務主体であることを示す 転入・入学の手続で、児童福祉法48条により施設長・里親が保護者に準じる就学義務者であることを伝え、続柄欄は「里親」「施設長」と明記する
- 4.親権に属する事項は実親・児相と書面で調整 進路の最終決定など親権に関わる事項は、実親の意向と児童相談所の意見を書面で確認してから進める。不登校等があれば学校との協議記録を月次で残す
よくある質問 AI による整理
Q1児童福祉法48条とは何ですか?
施設に入所中の児童や里親に委託された児童について、施設長・ファミリーホームの養育者・里親に就学させる義務を課す規定です。親権は移りません。
Q2児童福祉法48条の対象となる施設はどこですか?
児童養護施設、障害児入所施設、児童心理治療施設、児童自立支援施設の4種です。これにファミリーホームの養育者と里親が加わります。
Q3乳児院が48条に入っていないのはなぜ?
乳児院は原則として乳児を養育する施設で、入所児が就学年齢に達しないことが前提だからです。就学年齢に近づくと児童養護施設等への措置変更が検討されます。
Q4一時保護中の子どもは誰が就学させる?
本条の列挙に一時保護所は含まれていません。一時保護中の学習保障は別の枠組みで扱われるため、児童相談所に在籍校との連携方法を確認する必要があります。
Q5里親の就学義務は高校まで続きますか?
続きません。就学義務は義務教育の期間、つまり満15歳に達した日の属する学年の終わりまでです(学校教育法17条)。高校進学は義務の範囲外です。
Q6養子縁組里親や親族里親も就学義務を負う?
本条は「里親」と定めており、児童福祉法上の里親として委託を受けている以上、種類を問わず就学義務の主体になると読むのが自然です。
Q7措置児童の転校手続きは誰がする?
就学義務の主体である施設長・里親が中心となって進めます。住民票所在地と通学先の市町村が異なる場合は区域外就学の承諾も必要になります。
Q8施設の子の学用品や学校の費用は誰が払う?
措置児童の養育に要する費用は措置費として公費で支弁され、教育関係の費目も設けられています。具体的な対象範囲は児童相談所や自治体に確認します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1里親なんですけど、学校の書類に「保護者」として自分の名前を書いていいんですか?
児童福祉法48条により就学義務の主体は里親であり、日常の監護に関する事項は同法47条3項で里親が行える。進路の最終決定など親権に属する事項は実親や児童相談所との調整が必要になる。実務のポイント:提出書類には続柄を「里親」と明記し、委託を示す措置決定通知の写しを1部手元に置く。この一枚があるかないかで、窓口で止まるか通るかが変わる
Q2施設の子が学校に行かなくなったら、施設長が罰せられるんですか?
学校教育法144条は、履行の督促を受けてなお就学させない保護者に10万円以下の罰金を定める。48条は「準じて」と書くため、施設長や里親に罰則が及ぶかは実務上、解釈が分かれている。現実に先に来るのは教育委員会からの督促である。実務のポイント:学校との協議記録が残っている事案は義務不履行と評価されにくい。記録は事後に作れない、月次で残す
Q3施設に入るとき、住民票はどうなるんですか? 学校もそのまま通えますか?
措置入所で住民票を移すかは扱いが分かれる。学齢簿は住民票所在の市町村が編製し(学校教育法施行令1条)、就学すべき学校の指定通知もそこから出る(同令5条)。別の市町村の学校に通うなら区域外就学の承諾が必要になる(同令9条)。実務のポイント:3月の措置変更が最も危ない。年度替わりは教委の事務が詰まり、承諾が間に合わず入学式を過ぎる例が実際にある
Q4障害が重い子は、学校に行かなくてもいいことになっているんじゃないですか?
違う。学校教育法18条の就学猶予・免除は病弱・発育不完全その他やむを得ない事由に限られる例外であり、原則は特別支援学校や訪問教育を含めて就学させる。障害児入所施設の長も児童福祉法48条の義務主体である。実務のポイント:訪問教育で足りるという前提を施設側が受け入れると、週数時間の授業で固定されてしまう。授業時数と通学形態は学校側と協議できる余地がある
間違えやすい点 AI による整理
- 入学・転校の手続は実の親がやるものだと思われているが、48条により就学義務の主体は施設長・ファミリーホームの養育者・里親である。ただし親権が移るわけではないので、進路の最終決定など親権に属する事項では実親や児童相談所との調整が残る。この義務と権限のズレを知らずに動くと、学校でも役所でも止められる
- 「里親には親権がないから、学校の書類にサインできないのではないか」という問いは、出発点から誤っている。問うべきは、その行為が日常の監護(児童福祉法47条3項の必要な措置)の範囲内かどうか、それとも親権者の同意を要する重大事項かどうかの線引きである。問いを立て替えた瞬間、ほとんどの学校書類は自分で処理できるものだと分かる
- 48条の存在を知っている福祉職でも、この義務が罰則の射程に触れうることまでは意識していないことが多い。学校教育法144条の罰金規定が「保護者に準じる者」にどこまで及ぶかは実務上、解釈が分かれているが、少なくとも教育委員会からの督促という行政上の圧力は現に施設・里親に向かって来る
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する内容 | 児童福祉法48条:入所・受託児童の就学義務 | 児童福祉法47条:施設長等の親権代行と監護・教育上の措置 児童福祉法27条:施設入所・里親委託の措置決定 |
| 義務・権限の主体 | 施設長・ファミリーホーム養育者・里親 | 施設長・里親等(親権者等がいない場合の親権代行を含む) 都道府県(児童相談所) |
| 親権との関係 | 親権は移さず、就学義務のみを割り当てる | 監護・教育等に必要な措置をとれる範囲を定める 措置の開始は親権の帰属を直接変えない |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は学齢児童の就学を強迫入學條例で規律し、家庭外に安置された児童の保護は兒少權法が担う。就学義務者の範囲を施設長・里親まで明示する日本の本条のような一条規定は、個別の関係規定を確認する必要がある
韓国も保護者の就学義務を教育法側で定める。施設入所児童の就学責任の配分は児童福祉法制との組合せで確認が必要
ドイツでは就学義務は州法の管轄で、施設養育(Heimerziehung)は連邦の SGB VIII が規律する二層構造
米国は就学義務自体は州法だが、同法により里親委託児童の教育の安定性(在籍校継続等)への配慮が州に求められる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 小学校入学の半年前に里親委託が決まったら、入学通知書はどこに届くのか? 学齢簿を編製するのは住民票のある市町村(学校教育法施行令1条)で、指定校の通知もそこから出る(同令5条)。里親家庭が別の市町村なら、通知は前住所地へ飛び、あなたの郵便受けには何も来ない。待っていると入学式に間に合わない
- 施設長として、入所児童の不登校が半年続いている。就学義務の主体は実親ではなくあなただ。教育委員会から履行の督促が来る可能性があり、学校教育法144条は督促後も履行しない保護者に10万円以下の罰金を定める。ただし48条は「準じて」であるため、施設長や里親に罰則が及ぶかは実務上、解釈が分かれている。実際の運用で効くのは、学校・教委・児童相談所との協議記録を残しているかどうかだ
- 里親のあなたの家から、委託児童の元の学校までは県境をまたぐ。そのまま通わせるには区域外就学の承諾が必要になる(学校教育法施行令9条)。電話一本で確認できる手続を、知らないまま放置する家庭が多い
- 乳児院から児童養護施設への措置変更が3月下旬に決まった。48条の列挙に乳児院がないのは対象年齢の問題で、入所先が変わった瞬間に就学義務が立ち上がる。入学式まで残り2週間、就学先の確定・区域外就学の承諾・学用品の準備を同時に走らせないと、その子は4月から学校のない日々を過ごす
- 障害児入所施設に入っている子について、施設側が「訪問教育で対応します」と言われ、週数時間の授業だけになっている。就学猶予・免除は学校教育法18条の例外規定にすぎず、施設長は48条の義務主体である。授業時数と通学形態は、特別支援学校と交渉できる余地がある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 施設や里親家庭にいて学校に通えていない状態なら、まず在籍校と学籍の有無を確認(学齢簿は市町村教育委員会が編製、学校教育法施行令1条) 2. 担当の児童福祉司・児童相談所に、就学義務の主体は施設長・里親である(児童福祉法48条)と明示して是正を求める3. 動かないときは施設所在地の市町村教育委員会の就学担当へ直接相談、教委は就学状況の把握義務を持つ4. 障害を理由に授業時数が極端に少ない場合は、特別支援学校と通学形態・時数の協議を要求する
訴えられた側:1. 就学義務の主体が自分であることを前提に、在籍校・指定校・区域外就学の承諾状況を書面で棚卸しする2. 不登校事案は学校と月次で協議し、記録を残す。ICT 等を活用した学習の出席扱い(文部科学省通知)のルートを早期に押さえる3. 進路の最終決定など親権に関わる事項は、実親と児童相談所の意見を書面で確認してから動く4. 教育委員会から督促を受けた段階で、履行に向けた措置の記録を整えて提出する。罰則の適用可否より前に、行政上の是正で終局させるのが実務の筋
時効(請求できる期限):本条に特定の消滅時効はない。義務が及ぶ期間は学校教育法17条で確定しており、満6歳に達した日の翌日以後の最初の学年の初めから、満15歳に達した日の属する学年の終わりまで。学校教育法144条の罰金に関する公訴時効は3年(刑事訴訟法250条2項、最新の改正状況をご確認ください)。実務上の最大の期限は年度替わり、3月の措置決定は4月の学年開始に直結する
学説
実務上の見解:本条は就学義務について施設長・里親を保護者に準じて扱うが、学校教育法144条の罰則がこれらの者に及ぶかについては、「準じて」の文言をめぐり解釈が分かれているとされる
改正沿革 AI による整理
- 平成9年(1997年)改正 施設種別の名称変更に伴い、本条の列挙が養護施設から児童養護施設、教護院から児童自立支援施設へ書き換えられた(改正年・施行時期は人的検証が必要)
- 平成20年(2008年)改正 小規模住居型児童養育事業(ファミリーホーム)の創設に合わせ、その住居において養育を行う者が就学義務の主体として本条に加えられた
- 平成28年(2016年)改正 情緒障害児短期治療施設が児童心理治療施設へ改称され、本条の列挙もこれに合わせて改正された
- 令和4年(2022年)公布、令和5年(2023年)4月1日施行 こども家庭庁の設置に伴う整備で、委任先が厚生労働省令から内閣府令へ改正された。条文の実質的内容は変わっていない
改正の年表
- 1.昭和22年(1947年) 新設:児童福祉法の制定により、児童福祉施設の長等に入所児童を就学させる義務を定める規定として設けられた
- 2.平成9年(1997年) 改正:施設種別の再編に伴い、養護施設が児童養護施設に、教護院が児童自立支援施設に改められ、本条の列挙も書き換えられた
- 3.平成20年(2008年) 改正:小規模住居型児童養育事業(ファミリーホーム)の創設に合わせ、その養育者が就学義務の主体として加えられた
- 4.平成28年(2016年) 改正:情緒障害児短期治療施設が児童心理治療施設へ改称され、本条の列挙もこれに合わせて改められた
- 5.令和4年(2022年) 改正:こども家庭庁の設置に伴う整備で、ファミリーホーム養育者を定める委任先が厚生労働省令から内閣府令へ改められた(令和5年4月1日施行)
- 児童福祉法 第47条施設長等の親権代行と監護教育上の措置
- 児童福祉法 第6条の3第8項が小規模住居型児童養育事業を定義
- 児童福祉法 第48条の3親子再統合と家庭的環境確保の措置義務
- 児童福祉法 第27条施設入所・里親委託の措置決定の根拠
- 児童福祉法 第45条児童福祉施設の設備運営基準への委任
- 学校教育法 第16条本条が準用する保護者の就学義務の原型
- 学校教育法 第144条就学義務不履行に対する罰金規定
- 教育基本法 第5条義務教育の趣旨と保護者の責務
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める