児童福祉法 第56条の2
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- 都道府県及び市町村は、次の各号に該当する場合においては、第三十五条第四項の規定により、国、都道府県及び市町村以外の者が設置する児童福祉施設(保育所を除く。以下この条において同じ。)について、その新設(社会福祉法第三十一条第一項の規定により設立された社会福祉法人が設置する児童福祉施設の新設に限る。)、修理、改造、拡張又は整備(以下「新設等」という。)に要する費用の四分の三以内を補助することができる。ただし、一の児童福祉施設について都道府県及び市町村が補助する金額の合計額は、当該児童福祉施設の新設等に要する費用の四分の三を超えてはならない。
- 一その児童福祉施設が、社会福祉法第三十一条第一項の規定により設立された社会福祉法人、日本赤十字社又は公益社団法人若しくは公益財団法人の設置するものであること。
- 二その児童福祉施設が主として利用される地域において、この法律の規定に基づく障害児入所給付費の支給、入所させる措置又は助産の実施若しくは母子保護の実施を必要とする児童、その保護者又は妊産婦の分布状況からみて、同種の児童福祉施設が必要とされるにかかわらず、その地域に、国、都道府県又は市町村の設置する同種の児童福祉施設がないか、又はあつてもこれが十分でないこと。
- 2.前項の規定により、児童福祉施設に対する補助がなされたときは、内閣総理大臣、都道府県知事及び市町村長は、その補助の目的が有効に達せられることを確保するため、当該児童福祉施設に対して、第四十六条及び第五十八条第一項に規定するもののほか、次に掲げる権限を有する。
- 一その児童福祉施設の予算が、補助の効果をあげるために不適当であると認めるときは、その予算について必要な変更をすべき旨を指示すること。
- 二その児童福祉施設の職員が、この法律若しくはこれに基づく命令又はこれらに基づいてする処分に違反したときは、当該職員を解職すべき旨を指示すること。
- 3.国庫は、第一項の規定により都道府県が障害児入所施設又は児童発達支援センターについて補助した金額の三分の二以内を補助することができる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 児童福祉法第56条の2は、日本の児童福祉法に含まれる条文です。
- 児童福祉法第56条の2の条文原文は「都道府県及び市町村は、次の各号に該当する場合においては、第三十五条第四項の規定により、国、都道府県及び市町村以外の者が設置する児童福祉施設(保育所を除く。」で始まります。
- 児童福祉法第56条の2は第四章 費用に置かれています。
- 児童福祉法の公布日は昭和22年12月12日です。
- 児童福祉法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 児童福祉法第56条の2の前の条は児童福祉法第56条です。
- 児童福祉法第56条の2の次の条は児童福祉法第56条の3です。
- 児童福祉法第56条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第56条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000164 - 本サイト収録
児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第56条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000164/56_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点児童福祉法56条の2は、都道府県・市町村が社会福祉法人等の設置する児童福祉施設の新設等費用の4分の3以内を補助できると定める。保育所は対象外で、補助後は行政が予算変更等を指示できる。
Q · 民間の児童養護施設を建てるとき、建設費は公費でどこまで出るの?
最大4分の3まで。ただし行政の指示権限が伴う
児童福祉法56条の2第1項により、都道府県及び市町村は、社会福祉法人・日本赤十字社・公益社団法人・公益財団法人が設置する児童福祉施設(保育所を除く)の新設等費用の4分の3以内を補助できます。地域に公立の同種施設がないか不十分であることも要件です。補助を受けると、同条第2項により行政から予算の変更や法令違反職員の解職を指示されうる立場になります。
解説
社会福祉法人を立ち上げて児童養護施設や障害児入所施設を新設しようとするとき、建設費の四分の三までを都道府県と市町村が補助できる。この数字が重い。自己負担は原則四分の一で済む計算になる。ただし条文をよく読むと、この補助には二つの関門がある。ひとつは設置主体の資格(社会福祉法人、日本赤十字社、公益社団法人・公益財団法人に限られ、株式会社やNPO法人は本条の対象外)、もうひとつは地域の需給状況(その地域に公立の同種施設がないか、あっても不十分であること)だ。そしてあなたが本当に知っておくべきは第2項である。補助を受けた瞬間、その施設は内閣総理大臣・知事・市町村長から「予算を組み替えろ」「この職員を解職しろ」と指示される立場になる。補助金は贈り物ではなく、経営権の一部と引き換えに受け取る資本である。
法的な位置づけ
児童福祉法56条の2は、国・地方公共団体以外の者が設置する児童福祉施設(保育所を除く)の新設・修理・改造・拡張・整備に要する費用について、都道府県及び市町村が4分の3以内を補助できる旨を定める規定である。設置主体と地域需給の二要件を課し、補助後は行政に予算変更指示権と職員解職指示権を付与する。
手順
- 1.設置主体の資格を確認する 設置予定の法人が社会福祉法人、日本赤十字社、公益社団法人・公益財団法人のいずれかに該当するか確認する。新設の補助は社会福祉法31条1項で設立された社会福祉法人に限られる
- 2.地域の需給状況を計画と照合する 整備予定地域の児童等の分布と、国・都道府県・市町村が設置する同種施設の有無・充足状況を、自治体の関連計画や担当課への事前相談で確認する
- 3.施設種別と補助スキームを特定する 保育所は本条の対象外であるため別系統の交付金を検討する。障害児入所施設・児童発達支援センターでは国庫補助(第3項)の有無も確認し、資金計画に反映する
- 4.補助後の監督権限を内部規程に織り込む 予算変更指示・職員解職指示(第2項)を受けた場合の理事会対応、職員処分手続、専門家への相談フローを事前に定めておく
よくある質問 AI による整理
Q1児童福祉法56条の2とは?
民間の児童福祉施設(保育所を除く)の新設・修理・改造・拡張・整備費用について、都道府県・市町村が4分の3以内を補助できると定めた規定です。
Q2児童福祉施設の整備費補助はいくらまで出る?
都道府県と市町村の補助額の合計で、新設等に要する費用の4分の3が上限です。両者が別々に4分の3ずつ出すことはできません。
Q3株式会社は児童福祉施設の整備費補助を受けられる?
本条の補助対象は社会福祉法人、日本赤十字社、公益社団法人・公益財団法人が設置する施設に限られ、株式会社は対象外です。
Q4児童福祉施設の補助に国の負担はある?
第3項により、都道府県が障害児入所施設または児童発達支援センターに補助した金額の3分の2以内を国庫が補助できます。
Q5施設が足りている地域でも補助は受けられる?
原則受けられません。地域の児童等の分布から同種施設が必要なのに、公立の同種施設がないか不十分であることが要件です。
Q6補助金で建てた施設の予算に行政が口を出せる?
出せます。予算が補助の効果をあげるうえで不適当と認めるとき、内閣総理大臣・知事・市町村長は必要な変更を指示できます。
Q7補助を受けた施設の職員を行政が解職させられる?
職員が児童福祉法やこれに基づく命令・処分に違反したとき、行政は解職すべき旨を指示できます。ただし解雇の有効性は労働法で別途判断されます。
Q8修理や改築だけでも補助対象になる?
なります。本条は新設のほか修理・改造・拡張・整備を「新設等」として対象にしています。ただし新設は社会福祉法人が設置する施設に限られます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1NPO法人でも児童福祉施設を建てるときにこの補助はもらえますか?
本条第1項1号の対象は社会福祉法人、日本赤十字社、公益社団法人・公益財団法人に限られており、NPO法人(特定非営利活動法人)は含まれない。施設の設置自体は35条4項の都道府県知事の認可を得れば可能だが、本条の補助対象からは外れる。実務のポイント:実務では社会福祉法人の設立認可自体に相当の資産要件と時間がかかるため、先に NPO で実績を作り、後から社会福祉法人化して補助対象に乗せるという二段構えを取る事業者がいる。設立順序の設計が、総事業費を左右する
Q2補助をもらったあと、行政に職員をクビにしろと言われたら従わないといけないんですか?
第2項2号は、職員が法令やそれに基づく処分に違反した場合に解職を指示する権限を行政に与えている。ただし指示に従って解雇しても、労働契約法16条の解雇権濫用法理の審査は別途受ける。行政の指示は解雇の正当性を自動的に保証しない。実務のポイント:この二重構造で板挟みになった施設は少なくない。実務では、解職ではなく配置転換や降格で対応し、行政と協議して指示の趣旨を満たしたと整理する処理が取られることがある。最初から「解雇か否か」の二択で考えない
Q3保育所を建てるときもこの四分の三の補助が使えますか?
使えない。本条第1項は括弧書きで「保育所を除く」と明記している。保育所の整備については子ども・子育て支援法に基づく別系統の交付金制度が用意されており、そちらが適用される。実務のポイント:この区別を知らずに保育所整備の資金計画を本条ベースで組むと、補助率も申請窓口も全く違うため計画が根本から崩れる。保育所は児童福祉法の施設でありながら、財政スキームだけが別線路を走っている
間違えやすい点 AI による整理
- 「補助率四分の三」を知っている経営者は多いが、その補助が発動する条件の厳しさを見落としている。第1項2号は地域の需給状況を要件にしており、施設が飽和している地域では法人格も計画も申し分なくても補助されない。補助率の高さと採択可能性は別物である
- 「補助金を受けても、施設の運営は理事会が決める」というのが法人側の感覚だが、法律の側から見ると第2項により行政が予算内容と個別職員の身分にまで介入できる。この落差を理解していない理事会は、行政の指示を「越権」と誤認して対立を深める
- 本条を「施設整備の補助規定」と読むのは前提が半分ずれている。条文の構造上、第1項は補助の授権、第2項は補助を梃子にした監督権限の拡張であり、後段こそが本条固有の機能である。施設整備の補助それ自体は社会福祉法や各種交付金制度にも存在する
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 権限の発動根拠 | 56条の2第2項:補助を受けた施設に限り発動 | 46条:児童福祉施設全般に対する監督 58条:認可を受けた施設の認可取消 |
| 行政が取れる措置 | 予算変更の指示、法令違反職員の解職指示 | 報告徴収・立入検査・改善勧告・改善命令等 設置認可の取消 |
| 制度の目的 | 補助の目的が有効に達せられることの確保 | 設備運営基準の維持 基準違反・法令違反施設の排除 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾も民間の兒少福利機構の設立に許可制を採り、政府の補助・監督と組み合わせる構造は日本と類似する
韓国も社会福祉法人等への補助金交付と、目的外使用時の返還・監督を法定している
ドイツは民間の少年援助団体(freie Träger)への助成を公的主体の責務とし、公益性・適正運営を助成の前提とする
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 社会福祉法人を設立して児童養護施設を新設する計画を立てた。建設費4億円のうち3億円が公費で賄える可能性がある。だが申請の前に確認すべきは、その市町村圏域に既に公立の同種施設があるかどうか。ここが「足りている」と判定されれば、法人格も計画も完璧でも第1項2号の要件で落ちる
- 株式会社として障害児入所施設の運営に参入しようと考えている経営者。保育所であれば株式会社も参入できるが、本条の補助対象からは保育所自体が除外されており、さらに設置主体も社会福祉法人等に限定されている。事業計画の資金構造を、補助金前提で組んだ瞬間に破綻する
- 補助を受けた施設の施設長として、来年度予算を理事会で決めた。数か月後、都道府県から「この予算配分は補助の効果を上げるうえで不適当」として変更指示が届く。理事会の決議より行政の指示が上に来る場面が、現実に存在する
- 施設の職員が法令違反を犯した。理事長は内部処分で済ませたいと考えている。だが第2項2号により、行政は当該職員の解職を指示する権限を持つ。あと何日で弁明の機会を確保するか、顧問弁護士に相談する時間は限られている
- もし補助金で建てた施設を、10年後に別用途へ転用したくなったらどうなる? 社会福祉法58条以下の財産処分制限がかかり、補助金の返還を求められる可能性がある。建てた時点の四分の三が、将来の経営判断を縛り続ける
取るべき行動
被害を受けた側:補助を受けた法人側として行政の指示に納得できない場合:1. 指示文書を保存し、法的根拠条項(本条第2項1号か2号か、46条か58条か)を特定する2. 指示が処分性を持つか行政指導かを確認、処分であれば教示欄の記載を確認3. 職員解職の指示であれば、当該職員の弁明機会と労働契約上の手続を並行して整える。行政の指示に従った解雇でも労働法上の解雇権濫用は別途問われる4. 顧問弁護士と社会保険労務士の両方を関与させる
訴えられた側:補助の適正執行を問われる立場になった場合:1. 補助金交付決定通知と交付要綱の条件を突き合わせ、逸脱の有無を事実ベースで整理2. 予算執行の記録、理事会議事録、職員の処分記録を時系列で揃える3. 補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律の返還規定が適用されうるか確認、返還額の算定根拠を早期に把握4. 改善計画を自主的に提出し、行政の指示を待つ受け身の姿勢から交渉の主導権を取りに行く
時効(請求できる期限):本条自体に固有の期間制限はない。行政の指示が行政処分に当たる場合、審査請求は処分を知った日の翌日から3か月以内、取消訴訟は6か月以内(行政不服審査法18条、行政事件訴訟法14条)。補助金の返還請求権については補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律に基づく処理となる(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:本条第2項の予算変更指示権・職員解職指示権は、民間施設への公金支出を憲法89条後段の「公の支配」に属する事業への支出と評価するための監督装置と解される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成24年(2012年) 改正:障害児施設の再編により、障害児入所施設・児童発達支援センターの類型が設けられ、第3項の国庫補助の対象施設名もこれに対応した。
- 2.令和5年(2023年) 改正:こども家庭庁の発足に伴い、第2項の権限主体が厚生労働大臣から内閣総理大臣に改められた。
- 児童福祉法 第35条民間による児童福祉施設設置の認可根拠
- 児童福祉法 第45条児童福祉施設の設備運営基準の設定
- 児童福祉法 第46条施設に対する一般的監督権限の基礎
- 児童福祉法 第58条基準違反による認可取消権限
- 児童福祉法 第56条費用徴収と費用負担の一般規定
- 社会福祉法 第31条補助対象となる社会福祉法人の設立根拠
- 補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律 第17条補助目的外使用時の交付決定取消
- 子ども・子育て支援法 第65条保育所等の整備に係る別系統の財政措置
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