児童福祉法 第57条
クイックジャンプ
- 都道府県、市町村その他の公共団体は、左の各号に掲げる建物及び土地に対しては、租税その他の公課を課することができない。但し、有料で使用させるものについては、この限りでない。
- 一主として児童福祉施設のために使う建物
- 二前号に掲げる建物の敷地その他主として児童福祉施設のために使う土地
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 児童福祉法第57条は、日本の児童福祉法に含まれる条文です。
- 児童福祉法第57条の条文原文は「都道府県、市町村その他の公共団体は、左の各号に掲げる建物及び土地に対しては、租税その他の公課を課することができない。但し、有料で使用させるものについては、この限…」で始まります。
- 児童福祉法第57条は第七章 雑則に置かれています。
- 児童福祉法の公布日は昭和22年12月12日です。
- 児童福祉法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 児童福祉法第57条の前の条は児童福祉法第56条の8です。
- 児童福祉法第57条の次の条は児童福祉法第57条の2です。
- 児童福祉法第57条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第57条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000164 - 本サイト収録
児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第57条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000164/57
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点児童福祉法57条は、主として児童福祉施設のために使う建物と土地に、公共団体が租税その他の公課を課すことを禁じる。ただし有料で使用させるものは対象外となる。
Q · 保育園の建物や園庭に固定資産税はかかるの?
原則かからないが、有料で貸している部分は対象外
児童福祉法57条により、都道府県・市町村その他の公共団体は、主として児童福祉施設のために使う建物と、その敷地など主として施設のために使う土地に租税その他の公課を課すことができません。判定の基準は所有者ではなく用途の実態です。ただし但書により、建物や土地を有料で使用させているものは非課税の対象外となります。対象施設は児童福祉法7条の児童福祉施設に限られます。
解説
保育園や児童養護施設の建物に、固定資産税がかからない。この事実を知っている保育事業者は多いが、「自分の物件が該当するか」を正しく判定できている人は驚くほど少ない。児童福祉法57条は、都道府県・市町村その他の公共団体に対し、主として児童福祉施設のために使う建物と、その敷地その他主として児童福祉施設のために使う土地について、租税その他の公課を課することを禁じている。ポイントは三つ。第一に、これは「減免してあげる」という恩恵ではなく、課税権そのものを封じる規定である。第二に、判定基準は所有者が誰かではなく「主として」その用途に使っているかという実態である。テナントビルの2階だけで小規模保育をやっている場合、建物全体が非課税になるわけではない。第三に、但書がすべてをひっくり返す。有料で使用させているもの、つまり施設に建物を貸して賃料を取っている部分は、この限りでない。あなたが大家として保育園に部屋を貸しているなら、賃料を取っている以上、非課税の射程外に置かれる可能性が高い。ここを読み違えたまま賃料設定や事業計画を組むと、数年分の固定資産税が後から追いかけてくる。
法的な位置づけ
児童福祉法57条は、都道府県・市町村その他の公共団体に対し、主として児童福祉施設のために使う建物及びその敷地その他主として児童福祉施設のために使う土地について、租税その他の公課の賦課を禁止する規定である。有料で使用させるものは但書により適用除外とされる。
手順
- 1.課税明細書で課税対象を特定する 固定資産税の納税通知書と課税明細書を並べ、施設の建物・土地のうちどの家屋・筆に課税されているかを一覧化する。課税地目と現況欄を確認し、施設用途が台帳に反映されているかを見る
- 2.施設該当性と用途の実態を文書化する 児童福祉法7条の児童福祉施設に当たることを認可書等で示し、建物・土地ごとに主として施設のために使っているかを床面積・利用時間ベースで整理する。他用途部分や有料使用部分は区分して記載する
- 3.市町村の資産税担当に非課税を申し出る 物件所在地の市町村(東京23区は都税事務所)に、児童福祉法57条を根拠として明示した申出書と資料を提出する。自治体独自の減免条例の有無もあわせて確認する
- 4.認められなければ期限内に審査請求する 課税処分を維持された場合、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内に審査請求を行う。取消訴訟を視野に入れる場合は6か月の出訴期間も管理する
よくある質問 AI による整理
Q1児童福祉法57条とは何ですか?
主として児童福祉施設のために使う建物と土地に、都道府県・市町村などが税金や公課を課すことを禁じる規定です。有料で使用させるものは除かれます。
Q2保育所の園庭や駐車場も非課税になりますか?
条文は建物の敷地に加え「その他主として児童福祉施設のために使う土地」も対象としています。園庭や送迎用スペースも用途の実態次第で射程に入りえます。
Q3公課とは何を指しますか?
租税以外に公共団体が課す金銭負担を広く指す用語です。57条は租税と並べて公課の賦課も禁じており、固定資産税に限らない点が特徴です。
Q4保育園に物件を貸している大家は非課税になりますか?
賃料を取って施設に使用させている場合、但書の「有料で使用させるもの」に当たる可能性が高く、57条による非課税は受けにくいと考えられます。
Q5非課税の申出はどこにすればよいですか?
固定資産税であれば、物件所在地の市町村(東京23区は都税事務所)の資産税担当窓口に、用途を示す図面や利用実績とともに申し出るのが一般的です。
Q6児童福祉施設の非課税はいつから適用されますか?
固定資産税は毎年1月1日の現況で判定されるのが原則です。年度途中に施設を開設した場合、翌年度からの扱いになることが多いため自治体に確認が必要です。
Q7放課後児童クラブ(学童)も対象ですか?
57条の対象は児童福祉法7条の児童福祉施設です。放課後児童健全育成事業は「事業」として位置付けられており、施設該当性は個別に確認が必要です。
Q8非課税なのに課税された場合どうすればよいですか?
まず自治体に更正を求め、応じない場合は処分を知った日の翌日から3か月以内に審査請求(行政不服審査法18条)を検討します。期限管理が重要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うちは認可外の保育施設なんですが、これも非課税になりますか?
57条の対象は「児童福祉施設」で、その定義は児童福祉法7条にあり、認可を受けた保育所・児童養護施設・児童発達支援センター等が列挙されている。認可外施設は原則としてここに入らず、適用は難しい。実務のポイント:ただし自治体独自の認証制度(東京都認証保育所など)に基づく減免条例を持つ市区町村は多い。57条で駄目でも条例で救われる道がある。資産税課ではなく子ども家庭部局に「減免条例はありますか」と聞くと話が早い
Q2建物のうち保育室は3階だけで、1階と2階は普通のテナントです。どうなりますか?
「主として児童福祉施設のために使う建物」という要件を建物単位で満たすかが問題になる。実務では床面積按分で保育部分のみを非課税とする扱いが一般的だが、自治体により運用に幅があり、解釈が分かれている論点でもある。実務のポイント:按分の分母分子をどう取るかで税額は大きく動く。共用部分(階段、エレベーターホール)を保育部分に按分できるかを主張するかしないかで、数十万円単位の差が出る。図面を持ち込んで先に自分の按分案を提示した方が有利に運ぶ
Q3社会福祉法人ではなく株式会社が運営する保育所でも対象ですか?
57条は運営主体の法人格ではなく、建物・土地の用途を基準にしている。株式会社立の認可保育所であっても、児童福祉法7条の児童福祉施設として運営されていれば対象になりうる。実務のポイント:株式会社立だと課税庁側が反射的に「収益事業だから課税」と構えてくることがある。そのとき条文に主体の限定がないことを指摘できるかどうかが分かれ目。地方税法348条の非課税規定とは要件が違うので、両方の根拠を並べて主張するのが実務の定石
間違えやすい点 AI による整理
- 「非課税といっても、申請すれば減免してもらえるという話でしょう」と受け取られがちだが、条文の構造が違う。57条は「課することができない」と書いている。これは自治体の課税権そのものを奪う規定であり、裁量で減免するかどうかの話ではない。要件を満たしていれば、課税処分自体が違法になる。この差は、争うときの武器の強さが根本的に違う
- 非課税になるのは施設の建物だけだと思っている人が多いが、条文は「敷地その他主として児童福祉施設のために使う土地」も明記している。園庭、駐車場、送迎バスの待機スペースまで射程に入りうる。逆に言えば、敷地を分筆して一部を別用途に使っている場合、その部分だけ課税対象として切り出される
- 「有料で使わせている」の意味を、利用者から保育料を取っていることだと誤読する人がいる。但書が指しているのは、建物・土地を他人に有料で使用させている場合である。保育料を徴収していても施設運営そのものであれば但書には当たらない。この誤読のせいで、非課税を主張できる立場の事業者が自分から諦めてしまう
- 課税庁の側から見れば、非課税は「申出があってはじめて把握する」ものであり、黙っていても自動で外してくれるとは限らない。あなたから見れば法律上当然の非課税でも、自治体の課税台帳には現況が反映されていない。この認識の落差が、払わなくてよい税を何年も払い続ける原因になる
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は福祉法本体ではなく税法側の減免規定で社会福祉・慈善用途の不動産を扱う。日本のように福祉法が自治体の課税権を直接封じる構造とは異なる
韓国は地方税特例制限法で어린이집・유치원用不動産の取得税・財産税を減免する。特例法による期限付き減免である点が日本の恒久的な課税禁止と異なる
ドイツは公益目的に使用される不動産を不動産税から免除する。施設類型ではなく公益性(Gemeinnützigkeit)を軸に判定する
米国は州ごとの charitable / welfare exemption による。非営利法人の所有・運営が要件とされることが多く、用途基準の日本とは判定軸が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 認可保育所を運営する社会福祉法人が、自己所有の園舎について市から固定資産税の納税通知を受け取った。57条を知っていれば、課税そのものが法律上できないと主張して更正を求められる。知らなければ、そのまま払い続ける。実際、小規模事業者が「税金だから仕方ない」と何年も納付していた例は珍しくない
- あなたが所有する3階建てビルの1階を、企業主導型保育事業者に月額30万円で貸している。57条の但書が効いて、賃料を取っている部分は非課税の対象外になる可能性が高い。「保育園に貸しているから非課税でしょう」と思い込んで賃料を安く設定していたら、税負担を誰が飲むのかで揉める
- 市の税務課の職員として、児童発達支援センターから非課税の申出を受けた。建物の一部が職員の住居や別法人の事務所として使われている。「主として」の要件を満たすか、床面積按分でどこまで非課税とするか。この判断ミスが後で審査請求(行政不服審査法)に発展する
- 認可外保育施設を立ち上げようとしていて、開設まであと60日。物件契約の直前だが、その物件が児童福祉施設に該当するか(児童福祉法7条の施設類型に入るか)で税負担が年間数十万円変わる。契約書にサインする前に確認しないと、あとから覆せない
- もし、児童福祉施設として使っていた建物の一部を、収益事業(学習塾やカフェ)に転用したら? 「主として」の要件が崩れた瞬間、その年度以降の非課税扱いが失われる。用途変更の届出を怠ったまま課税庁に発見されると、遡及課税と延滞金が同時に来る
取るべき行動
被害を受けた側:1. 納税通知書と課税明細書を並べ、どの建物・土地に課税されているか筆ごとに確認2. 各物件について「主として児童福祉施設のために使っているか」を床面積・利用時間ベースで文書化(図面と利用実績表を用意) 3. 市町村の資産税課に非課税の申出を行い、57条を明示して根拠を示す4. 拒否された場合、納税通知書受領の翌日から3か月以内に審査請求(行政不服審査法)。過年度分については、自治体の還付・更正の運用と地方税法上の期間制限を必ず確認する
訴えられた側:1. 課税庁の立場、または貸主として但書該当を指摘された立場なら、まず「有料で使用させるもの」の範囲を契約書ベースで特定2. 賃料が実費弁償の水準にとどまるのか収益性があるのかを整理、実質判断の余地を探る3. 建物の一部のみが有料使用なら、床面積按分による部分非課税の主張を組み立てる4. 過去に非課税扱いを受けていた物件の用途を変更した場合は、発覚を待たず自主的に届出を行う。遡及課税は避けられなくても、加算的な不利益の幅は縮まる
時効(請求できる期限):課税処分に対する審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)。取消訴訟は処分を知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)。過年度分の還付請求については地方税法上の期間制限があり、自治体運用で幅があるため個別確認が必要(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和22年(1947年) 新設:児童福祉法(昭和22年法律第164号)の制定とともに、児童福祉施設用の建物・土地に対する公課禁止規定として設けられた
- 児童福祉法 第7条児童福祉施設の定義、57条の適用範囲を画する
- 児童福祉法 第35条児童福祉施設の設置認可、施設該当性の前提
- 児童福祉法 第45条施設の設備運営基準、施設としての実態判断の材料
- 児童福祉法 第56条費用徴収規定、有料性判断の文脈を提供
- 地方税法 第348条固定資産税の非課税規定、別ルートの非課税根拠
- 社会福祉法 第2条社会福祉事業の範囲、施設運営の位置付け
- 行政不服審査法 第18条課税処分への審査請求期間
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める