児童福祉法 第61条
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児童相談所において、相談、調査及び判定に従事した者が、正当な理由なく、その職務上取り扱つたことについて知得した人の秘密を漏らしたときは、これを一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 児童福祉法第61条は、日本の児童福祉法に含まれる条文です。
- 児童福祉法第61条の条文原文は「児童相談所において、相談、調査及び判定に従事した者が、正当な理由なく、その職務上取り扱つたことについて知得した人の秘密を漏らしたときは、これを一年以下の拘禁刑又…」で始まります。
- 児童福祉法第61条は第八章 罰則に置かれています。
- 児童福祉法の公布日は昭和22年12月12日です。
- 児童福祉法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 児童福祉法第61条の前の条は児童福祉法第60条の3です。
- 児童福祉法第61条の次の条は児童福祉法第61条の2です。
- 児童福祉法第61条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第61条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000164 - 本サイト収録
児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第61条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000164/61
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点児童福祉法61条は、児童相談所で相談・調査・判定に従事した者が、正当な理由なく職務上知得した秘密を漏らした場合、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処すると定める。
Q · 児童相談所の職員が相談内容を外で話したら、罪になるの?
罪になりうる。退職後でも一年以下の拘禁刑等の対象
児童福祉法61条により、児童相談所で相談・調査・判定に従事した者が、正当な理由なく職務上知得した人の秘密を漏らすと、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処されます。対象は正規職員に限られず、判定業務に関わった嘱託の心理職なども含まれえます。条文は在職中に限定していないため、退職後の漏示も対象になりえます。一方、要保護児童対策地域協議会(同法25条の2)を通じた共有など、正当な理由がある場合は処罰されません。
解説
児童相談所の相談員があなたの家庭の事情を聞き取る。虐待通告の内容、親の精神科通院歴、子どもが語った家庭内の出来事、経済状況。これらは一箇所に集約され、記録として残る。ここであなたが知っておくべきは、児童福祉法61条が課しているのは「守秘義務がある」という訓示ではなく、破れば一年以下の拘禁刑または五十万円以下の罰金という刑事罰だという点だ。しかも処罰対象は「相談、調査及び判定に従事した者」であり、職員だけでなく判定業務に関わった嘱託の心理職なども入りうる。さらに重要なのは、この罪が退職後も追いかけてくることだ。条文は在職中に限定していない。元職員が飲み会で「あの家庭はひどかった」と実名で語れば、それは職務上知得した秘密の漏示になる。逆にあなたが通告する側なら、自分の氏名が相手に伝わるかどうかを、この条文と通告者秘匿の運用の両方から確認できる
法的な位置づけ
児童福祉法第61条は、児童相談所で相談・調査・判定に従事した者による秘密漏示を処罰する罰則規定である。職務上取り扱ったことについて知得した人の秘密を、正当な理由なく漏らす行為を構成要件とし、法定刑は一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金である。
よくある質問 AI による整理
Q1児童相談所の守秘義務とは?
児童相談所で相談・調査・判定に関わった者が、職務上知った人の秘密を正当な理由なく漏らしてはならない義務です。違反には児童福祉法61条で刑事罰が科されます。
Q2児童福祉法61条の罰則は?
一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金です。2025年6月1日の刑法改正施行により、「懲役」は「拘禁刑」に置き換えられました。
Q3児相の守秘義務は退職後も続く?
続くと解されます。条文は「従事した者」とし、在職中に限定していません。退職後に個人を特定できる形で事例を話せば処罰対象になりえます。
Q4児相の非常勤職員も守秘義務の対象?
対象になりえます。処罰対象は身分ではなく「相談、調査及び判定に従事した者」という業務への関与で決まるため、嘱託の心理職なども含まれえます。
Q5児童相談所は情報を学校に伝えてもいい?
正当な理由があれば可能です。要保護児童対策地域協議会の枠組みでの共有は典型例です。枠外で職員個人の判断で伝えた場合は、漏示が問題になりえます。
Q6児相職員の秘密漏示はどこに相談する?
まず自治体の監察部門や個人情報保護担当に文書で申し入れます。刑事は警察・検察への告訴、民事は国家賠償法1条に基づく自治体への請求を検討します。
Q7児童福祉法61条違反の時効は?
法定刑が長期一年の拘禁刑のため、公訴時効は三年です(刑事訴訟法250条2項)。起算点は漏示行為の時です。
Q8児相職員の守秘義務違反で損害賠償できる?
できる余地があります。公務員の職務上の行為なら国家賠償法1条で自治体に請求します。民法709条の不法行為と並んで検討します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1児相の人が学校の先生に家庭のことを話すのは、これに引っかからないんですか?
要保護児童対策地域協議会(児童福祉法25条の2)の構成員として共有する場合は正当な理由があり、協議会の構成員側にも同25条の5で守秘義務がかかります。問題は協議会の枠外で職員個人の判断で伝えた場合です。実務のポイント:協議会を経由したかどうかは会議録に残ります。共有の当否を争うときは、まず協議会の開催記録の有無を確認するのが実務の入口です
Q2誰が通告したか、あとから知る方法はないんですか?
原則としてありません。児童虐待の防止等に関する法律7条が通告者を特定させる情報の漏示を禁じ、児童福祉法61条が職員の漏示を刑事罰で裏打ちしています。情報公開請求をしても通告者情報は非開示です。実務のポイント:逆に言えば、誰が通告したかを職員に詰め寄る行為自体が記録に残り、その後の指導方針の判断材料になります。聞き出そうとするほど不利になる構造です
Q3退職した元職員が、昔の事例を講演で話すのはアウトですか?
個人が特定できない形に加工されていればセーフ、地域・時期・家族構成などで特定可能ならアウトです。61条は在職中に限定していないため、退職後も適用されます。実務のポイント:福祉・心理の研修業界では「事例の脱同定化」が形式的に済まされがちですが、複数の断片を組み合わせれば特定できる場合が多い。発表前に第三者に「これで誰か分かるか」を確認させる手順を踏んでいるかどうかが、防御線になります
間違えやすい点 AI による整理
- 公務員だから国家公務員法・地方公務員法の守秘義務で足りる、と思われがちだが、児童福祉法61条はそれとは別に置かれた特別の罰則である。地方公務員法60条の守秘義務違反は一年以下の拘禁刑または五十万円以下の罰金で法定刑は同水準だが、61条は非常勤の嘱託や委託先の判定従事者など、身分上「公務員」でない者にも及びうる点が決定的に違う
- 守秘義務があることは知っていても、その深刻度を知らない人が多い。61条違反は前科がつく刑事事件であり、福祉職・心理職としてのキャリアは事実上そこで終わる。さらに漏示された当事者からは民法709条で別途損害賠償を請求されうる。刑事と民事は別軌道で同時に走る
- 「正当な理由」があれば何でも話せると読むのは、問いの立て方が誤っている。正しい問いは「誰に、何の目的で、どの範囲まで」である。要保護児童対策地域協議会(児童福祉法25条の2)の枠組みで共有するのと、職員個人の判断で学校の担任に伝えるのとでは、正当性の評価が全く違う
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 義務の主体 | 児童福祉法61条:児童相談所で相談・調査・判定に従事した者 | 児童福祉法25条の5:要保護児童対策地域協議会の構成員等 児童虐待防止法7条:通告を受けた児童相談所・市町村等の職員 |
| 保護される情報 | 職務上取り扱ったことについて知得した人の秘密全般 | 協議会の職務に関して知り得た秘密 通告をした者を特定させるもの |
| 主な役割 | 児相内部からの漏示を刑事罰で直接抑止 | 協議会での正規共有の受け手側に守秘を課す 通告者の身元を守り、通告をためらわせない |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は通報者の身分秘匿を児童福祉法規で定め、公務員の漏洩は刑法の一般規定で処罰する二段構え。日本は児相従事者専用の罰則を置く点が異なる
韓国は児童虐待事件に関わる者の秘密厳守を特例法でまとめて規定し、刑事罰で担保する
ドイツは刑法の職業秘密漏示罪がソーシャルワーカーや公務担当者を広く対象とし、児童・青少年支援の社会データ保護を SGB VIII で別途上乗せする
米国は連邦補助金の条件として州に児童保護記録の秘匿を求め、具体的な罰則は各州法で定める
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたが児童虐待の疑いを児童相談所に通告した。相手は近所の家庭で、顔を合わせる関係だ。「通告したのが自分だとバレたら報復される」。児童虐待防止法7条は通告者を特定させる情報の漏示を禁じ、児童福祉法61条は職員の漏示を刑事罰で裏打ちする。通告前に「通告者の秘匿はどう運用されていますか」と一言確認するだけで、相談所の対応記録に残る
- もし、児童相談所の職員があなたの家庭の事情を、学校や近所に事実上伝えていたとしたら? 関係機関との情報共有は「正当な理由」に当たる場合があるが、範囲を超えた伝達は61条の漏示になりうる。誰に何を伝えたのか、開示請求で記録を確認する道がある
- あなたが児童相談所の非常勤心理判定員で、退職して民間の相談機関に移った。前職の事例を研修のネタに話す。個人が特定できる形なら、退職後でも61条の射程内。「もう辞めたから関係ない」は通らない
- SNS に「今日の面接した親、まじでやばかった」と書き込む。地域名と年齢が分かれば特定可能性が生じる。あと数時間でスクショが拡散する
- 一時保護された子どもの親から「誰が通告したのか教えろ」と迫られる職員。ここで口を割れば刑事罰。断る根拠は施設の方針ではなく法律だと言い切れるかどうかで、その場の圧力の跳ね返し方が変わる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 漏示の事実を時系列で記録、誰が誰にいつ何を話したか、聞いた第三者の証言も確保2. 自治体の監察部門・個人情報保護担当に文書で申入れ、回答を書面で求める3. 並行して自己情報の開示請求を行い、記録上どこまで共有されていたかを確認4. 刑事は警察・検察への告訴、民事は民法709条と国家賠償法1条での賠償請求という二本立てを検討。国家賠償なら職員個人ではなく自治体に請求できる
訴えられた側:1. まず何をどの範囲で誰に話したかを正確に再現、記憶に基づく推測を混ぜない2. 要保護児童対策地域協議会や関係機関連携など、共有に正当な根拠があったかを規程・記録で裏付ける3. 特定の個人を識別できない一般化された事例であったなら、その点を具体的に示す4. 弁明の機会や事情聴取の前に、必ず弁護士に相談。懲戒手続と刑事手続は別に進むため、供述の一貫性が両方に影響する
時効(請求できる期限):本罪の法定刑は一年以下の拘禁刑であり、公訴時効は三年(刑事訴訟法250条2項)。起算点は漏示行為の時。民事の損害賠償は損害および加害者を知った時から三年、不法行為時から二十年(民法724条)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.令和4年(2022年) 改正:刑法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理により、法定刑の「懲役」が「拘禁刑」に改められた(2025年6月1日施行)
- 児童福祉法 第12条児童相談所の設置と所掌事務
- 児童福祉法 第25条の2要保護児童対策地域協議会による正規の情報共有
- 児童福祉法 第25条の5協議会構成員の守秘義務、共有先側の担保
- 児童福祉法 第25条要保護児童発見者の通告義務
- 児童虐待の防止等に関する法律 第7条通告者を特定させる情報の漏示禁止
- 地方公務員法 第34条一般職職員の守秘義務、身分に基づく重畳適用
- 刑法 第134条医師等の秘密漏示罪、職業別守秘義務の一般型
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