公認会計士法 第28条の3(使用人等に対する監督義務)
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公認会計士は、第二条第一項又は第二項の業務を行うため使用人その他の従業者を使用するときは、当該業務を適正に遂行するよう当該使用人その他の従業者を監督しなければならない。
この条文の基本情報
使用人等に対する監督義務とは何ですか?
定義使用人等に対する監督義務とは、公認会計士法第28条の3に定められた規定で、「公認会計士は、第二条第一項又は第二項の業務を行うため使用人その他の従業者を使用するときは、当該業務を適正に遂行するよう当該使用人その他の従業者を監督しなければな…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 公認会計士法第28条の3(使用人等に対する監督義務)は、日本の公認会計士法に含まれる条文です。
- 公認会計士法第28条の3の条文原文は「公認会計士は、第二条第一項又は第二項の業務を行うため使用人その他の従業者を使用するときは、当該業務を適正に遂行するよう当該使用人その他の従業者を監督しなければな…」で始まります。
- 公認会計士法第28条の3は第四章に置かれています。
- 公認会計士法の公布日は昭和23年7月6日です。
- 公認会計士法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 公認会計士法第28条の3の前の条は公認会計士法第28条の2です。
- 公認会計士法第28条の3の次の条は公認会計士法第28条の4です。
- 公認会計士法第28条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)第28条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000103 - 本サイト収録
公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)第28条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000103/28_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点公認会計士法28条の3は、監査証明業務や財務書類の調製・相談業務のために使用人その他の従業者を使う公認会計士に、業務が適正に遂行されるよう監督する義務を課す。
Q · 会計事務所のスタッフがミスや情報漏えいをしたら、会計士本人の責任になるの?
監督を怠れば、会計士本人の義務違反になる
公認会計士法28条の3は、監査証明業務(2条1項)や財務書類の調製・相談業務(2条2項)のために使用人その他の従業者を使う公認会計士に、業務が適正に遂行されるよう監督する義務を課しています。スタッフの不正やミスそのものではなく、監督を怠ったことが会計士本人の法令違反となり、同法31条による懲戒(29条の戒告・業務停止・登録抹消)につながりえます。
解説
会計事務所の失敗は、たいてい公認会計士本人ではなく、補助スタッフの段階で起きている。監査調書の改ざん、顧客データの持ち出し、確認状の未発送などだ。公認会計士法28条の3は、こうした事態の責任を「スタッフ個人の問題」で済ませない。監査証明業務(2条1項)や、財務書類の作成・相談業務(2条2項)のために使用人その他の従業者(正社員に限らず、業務を手伝わせる者を広く含みうる)を使う公認会計士には、業務が適正に行われるよう監督する義務がある。つまり、署名した会計士の責任は自分の作業だけでなく、事務所全体の作業の流れにまで及ぶ。あなたが個人事務所を経営する会計士なら、「指示はした」だけでは足りない。チェックの仕組みを作り、その記録を残しておく必要がある。あなたが会計士に仕事を依頼する経営者なら、担当者の後ろで誰が作業しているのかを尋ねる正当な理由が、この一文にある。
法的な位置づけ
公認会計士法28条の3は、使用人等に対する監督義務を定める規定である。公認会計士が同法2条1項の監査証明業務または同条2項の財務書類の調製・財務に関する調査・立案・相談業務を行うために使用人その他の従業者を使用する場合、当該業務が適正に遂行されるよう、その従業者を監督しなければならない旨を定める。
手順
- 1.対象業務と従業者の範囲を洗い出す 事務所で行っている業務のうち、2条1項(監査証明)と2条2項(財務書類の調製・相談等)に当たるものを特定し、関与する正社員・アルバイト・派遣・業務委託者を一覧化する
- 2.守秘誓約とアクセス権限を整える 契約形態を問わず全従業者から守秘義務の誓約書を取得し、顧客データへのアクセス権限を担当範囲に限定する。個人クラウドや私物端末の利用ルールも明文化する
- 3.レビュー手順を決めて記録を残す 誰がどの段階で成果物や調書をレビューするかを手順書にまとめ、レビュー日・レビュー者・指摘事項を記録として残す。事後に作った記録では監督の証拠になりにくい
- 4.研修と定期点検を回す 採用時と繁忙期前に研修を実施し、受講記録を残す。半年ごとに権限設定やレビュー記録を点検し、不備があれば是正策を書面化する
よくある質問 AI による整理
Q1公認会計士の監督義務とは何ですか?
公認会計士法28条の3に基づき、スタッフを使って業務を行う公認会計士が、その業務が適正に遂行されるよう従業者を監督しなければならない義務です。
Q2公認会計士法28条の3に違反するとどうなる?
法令違反として同法31条の懲戒の対象になりえます。懲戒の種類は29条により、戒告、2年以内の業務の停止、登録の抹消の3種類です。
Q3会計事務所のアルバイトが情報漏えいしたら誰の責任?
公認会計士法上は、監督を怠った会計士本人の義務違反が問題になります。民事上は民法715条の使用者責任が問われる可能性もあります。
Q4税理士業務だけの会計士にも監督義務はある?
本条の対象は2条1項・2項の業務です。財務書類の調製や財務に関する相談業務を行うなら、監査をしていなくても監督義務の対象になります。
Q5会計士の監督義務 何をすればいい?
条文は具体的な方法を定めていません。実務上は、レビュー手順、守秘誓約、アクセス権限管理、研修などを整え、記録を残すことが考えられます。
Q6公認会計士の懲戒処分は誰が行う?
公認会計士法に基づく懲戒処分は内閣総理大臣が行い、実務上は金融庁が所管しています。日本公認会計士協会による会則上の処分とは別のものです。
Q7監査法人の職員にも28条の3は適用される?
本条の名宛人は「公認会計士」です。監査法人については法人としての業務管理体制などの規定が別にあるため、組織形態に応じて確認が必要です。
Q8会計士に依頼するとき担当スタッフを確認できる?
できます。監督義務がある以上、会計士は誰が作業し誰がレビューするかを説明できるはずです。契約前に書面で確認しておくのが有効です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1スタッフが勝手にやったことまで、会計士が責任を取らなきゃいけないんですか?
本条(28条の3)は、スタッフの行為そのものではなく、監督を怠ったことを公認会計士本人の義務違反として扱います。法令違反を理由とする懲戒(31条)につながりえます。実務のポイント:懲戒の場面で問われるのは「不正を防げたか」より「防ぐ仕組みと記録があったか」です。レビュー記録が残っているかどうかで、処分の重さが大きく変わります。
Q2派遣社員や業務委託の記帳スタッフも、監督の対象に入りますか?
条文は「使用人その他の従業者」と定めており、雇用契約の正社員に限らず、業務に従事させる者を広く含むと解される余地があります。範囲については解釈が分かれる部分もあります。実務のポイント:外部の作業者ほど情報管理の誓約が抜けやすく、事故が起きやすい層です。契約の形式に関係なく、同じ誓約書とアクセス制限を適用しておくのが安全です。
Q3依頼した会計士の事務所で、実際に誰が作業しているか聞いてもいいんでしょうか?
まったく問題ありません。会計士には業務を適正に遂行させる監督義務(28条の3)があるため、担当体制を説明できて当然です。実務のポイント:「レビューは誰がいつ行うか」と具体的に尋ねると、答え方で事務所の品質管理のレベルがほぼ分かります。答えに詰まる事務所には、重要な案件を任せないほうがよいでしょう。
間違えやすい点 AI による整理
- 「最後に自分が署名・押印しているのだから、品質は担保されている」と考えがちだ。しかし本条が求めているのは、成果物の最終確認だけではない。業務が適正に遂行される過程そのものの監督である。結果に誤りがなくても、作業の流れが放置されていれば義務を果たしているとは言いにくい
- 多くの会計士は、スタッフの不正は「スタッフ自身の懲戒や解雇で終わる話」だと思っている。資格者側の視点ではそう見えるが、法律の視点では違う。使用人に懲戒処分を課す制度は本条にはない。公認会計士法上の懲戒(29条、31条)の対象になるのは、監督する立場の公認会計士本人である。立場の違いからくるこの認識の差が、事務所の存続そのものを危うくする
- 「うちは監査をしていないから関係ない」という問いの立て方自体が誤っている。本条は2条2項の業務(財務書類の調製、財務に関する調査・立案・相談)も対象にしている。コンサルティングや記帳指導が中心の事務所も、監督義務からは外れない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の内容 | 28条の3:従業者が業務を適正に遂行するよう監督する義務 | 27条:業務上知り得た秘密を漏らし・盗用しない守秘義務 31条:法令違反等に対する一般の懲戒 |
| 義務・処分の対象 | 従業者を使用する公認会計士本人 | 公認会計士本人(自身の守秘) 法令違反等をした公認会計士 |
| スタッフの漏えい事案での位置づけ | 監督体制の不備が会計士本人の義務違反として問われる | 会計士自身が漏らしたかが論点になる 28条の3違反を理由とする懲戒の根拠規定になりうる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾でも会計師の業務執行と懲戒は會計師法が規律する。補助人員の監督に関する具体的な条番号は要確認
韓国の公認会計士制度を規律する法律。事務所職員の監督に関する規定の有無と範囲は原典で要確認
ドイツでは事務所内の品質管理体制の整備を職業法上求める構造で、個人の監督義務を組織的な仕組みで担保する発想に近い
米国の上場会社監査では、監査責任者による補助者の監督が監査基準として定められている。法律ではなく監査基準での規律である点が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 繁忙期に雇った短期アルバイトが、顧客企業の試算表を個人のクラウドストレージにアップロードしていた。漏えいが発覚したとき、まず問われるのはアルバイトの責任ではない。監督体制を作っていなかった会計士本人の責任だ
- スタッフが作成した監査調書を、ほとんど読まずに承認していたらどうなるか? 後日、実施していない手続が「実施済み」と記載されていたと判明したとき、「部下が勝手にやった」という説明は、監督義務違反を自分で認めることに近い
- 金融庁の検査の通知が届いた。あと2週間で、事務所内のレビュー記録、スタッフ研修の実績、アクセス権限の管理状況を説明できる状態にしなければならない。紙一枚の監督記録もない事務所は、ここで追い詰められる
- IPO を準備中の会社の CFO が、監査法人ではなく個人の公認会計士に財務デューデリジェンスを依頼した。実際の作業は、資格を持たない若手スタッフがほぼ一人で担当していた。報告書の誤りで投資判断を誤ったとき、CFO が責任を追及できる相手は誰か
- 独立して2年目、初めて正社員を採用した。業務マニュアルも、レビューのルールも、守秘義務の誓約書もない。その状態で年末の繁忙期に入ろうとしている
取るべき行動
被害を受けた側:1. 会計士に依頼した成果物に誤りや情報漏えいがあった場合、実作業を担当した者と、レビューを担当した者を書面で照会する2. 契約書、メール、成果物の版の履歴を保全する3. 損害が生じていれば、債務不履行(民法415条)や使用者責任(同715条)による請求を検討する4. 職業倫理上の問題があると考えるなら、日本公認会計士協会や金融庁への情報提供も選択肢になる
訴えられた側:1. 問題が発覚した時点で、スタッフへの指示、レビューの記録、研修の実績を時系列で整理する2. 監督体制が存在していたことを客観的資料で示す。事後に作った文書は逆効果になる3. 原因を分析し、再発防止策を書面化する4. 懲戒手続や行政調査が見込まれる場合は、早い段階で公認会計士の懲戒事案に詳しい弁護士に相談する
時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効はない。民事上の請求には一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)、不法行為・使用者責任には損害および加害者を知った時から3年、行為の時から20年(同724条)が適用される。公認会計士法上の懲戒手続の期間制限は、最新の改正状況をご確認ください
- 公認会計士法 第2条監督義務の対象となる業務の範囲
- 公認会計士法 第26条信用失墜行為の禁止との連動
- 公認会計士法 第27条守秘義務、情報管理の監督の前提
- 公認会計士法 第29条懲戒処分の種類
- 公認会計士法 第31条法令違反に対する一般の懲戒
- 民法 第715条使用者責任による民事賠償
- 金融商品取引法 第193条の2上場会社監査証明の根拠規定
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