公認会計士法 第34条の12(監査又は証明の業務の執行方法)
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- 監査法人は、その公認会計士である社員以外の者に第二条第一項の業務を行わせてはならない。
- 2.監査法人が会社その他の者の財務書類について証明をする場合には、当該証明に係る業務を執行した社員は、当該証明書にその資格を表示して署名しなければならない。
- 3.監査法人は、前項の規定による証明書による証明に代えて、内閣府令で定めるところにより、当該証明に係る会社その他の者の承諾を得て、電磁的方法であつて同項の規定による措置に代わる措置を講ずるものとして内閣府令で定めるものにより当該証明をすることができる。この場合においては、同項の規定は、適用しない。
- 4.第二十五条の規定は、監査法人が会社その他の者の財務書類について証明をする場合に準用する。
この条文の基本情報
監査又は証明の業務の執行方法とは何ですか?
定義監査又は証明の業務の執行方法とは、公認会計士法第34条の12に定められた規定で、「監査法人は、その公認会計士である社員以外の者に第二条第一項の業務を行わせてはならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 公認会計士法第34条の12(監査又は証明の業務の執行方法)は、日本の公認会計士法に含まれる条文です。
- 公認会計士法第34条の12の条文原文は「監査法人は、その公認会計士である社員以外の者に第二条第一項の業務を行わせてはならない。」で始まります。
- 公認会計士法第34条の12は第三節に置かれています。
- 公認会計士法の公布日は昭和23年7月6日です。
- 公認会計士法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 公認会計士法第34条の12の前の条は公認会計士法第34条の11の5です。
- 公認会計士法第34条の12の次の条は公認会計士法第34条の13です。
- 公認会計士法第34条の12には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)第34条の12 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000103 - 本サイト収録
公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)第34条の12(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000103/34_12
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点公認会計士法34条の12は、監査法人の監査証明業務を公認会計士である社員に限り、業務を執行した社員に証明書への資格表示と署名を義務付ける規定である。
Q · 監査法人のパートナーなら、会計士じゃなくても監査報告書に署名できるの?
できない。会計士である社員しか監査を担えない
公認会計士法34条の12第1項により、監査法人は公認会計士である社員以外の者に監査証明業務を行わせてはなりません。公認会計士でない特定社員は監査法人の社員ではありますが、監査意見の形成や署名を担うことはできません。また同条2項により、証明に係る業務を執行した社員は、証明書に公認会計士の資格を表示して署名する必要があります。会社の承諾を得れば、内閣府令で定める電磁的方法で証明することもできます(同条3項)。
解説
上場企業の有価証券報告書を、監査報告書の末尾まで読む人はほとんどいない。そこには「業務執行社員 公認会計士 ○○」という肩書付きの氏名が並ぶ。その近くには「公認会計士法の規定により記載すべき利害関係はない」という一文もある。どちらも飾りではない。本条が監査法人に課した義務の跡である。監査法人は組織として契約を結ぶ。しかし監査や財務書類の証明(公認会計士法2条1項の業務)を実際に担えるのは、公認会計士である社員だけだ。会計士資格を持たない「特定社員」がパートナーとして在籍していても、監査の責任者にはなれない。さらに証明書には、業務を執行した社員が資格を表示して署名しなければならない。会社との利害関係の有無も明示する(4項による25条の準用)。つまり「大手監査法人が OK を出した」という漠然とした安心の裏には、名前のある個人が資格を賭けて行った署名がある。その名前を読める人だけが、監査の質を「法人」ではなく「人」で見分けられる。
法的な位置づけ
公認会計士法34条の12は、監査法人による監査証明業務の執行方法を定める規定である。監査証明業務を公認会計士である社員に限定し、業務を執行した社員に証明書への資格表示と署名を義務付ける。あわせて、会社の承諾を条件とする電磁的方法による証明を認め、利害関係の明示について同法25条を準用する。
手順
- 1.EDINET で監査報告書を取得する 対象会社の有価証券報告書を EDINET で検索し、末尾に添付された独立監査人の監査報告書を PDF で保存する。複数期分をまとめて取得しておく
- 2.業務執行社員の氏名と資格表示を確認する 監査報告書の署名欄で、業務執行社員の氏名と「公認会計士」の資格表示がそろっているかを確認する。期ごとの署名者の交代も一覧にする
- 3.利害関係の記載を確認する 監査報告書の「利害関係」の記載を読み、法定の明示事項が記載されているかを確認する。定型文として読み飛ばさない
- 4.処分情報と照合する 金融庁や公認会計士・監査審査会の公表資料で、監査法人や署名者に関する処分・勧告の有無を調べ、投資判断や責任追及の検討材料にする
よくある質問 AI による整理
Q1業務執行社員とは何ですか?
監査法人で、特定の会社の監査証明業務を実際に執行した社員のことです。公認会計士法34条の12第2項により、証明書に資格を表示して署名する義務を負います。
Q2監査報告書には誰が署名しますか?
監査法人の場合、その証明業務を執行した公認会計士である社員が、公認会計士の資格を表示して署名します。法人名だけでは足りません(公認会計士法34条の12第2項)。
Q3特定社員は監査業務に関われますか?
法人の経営や専門的な支援には関われますが、監査証明業務そのものは担えません。公認会計士法34条の12第1項が公認会計士である社員以外への委任を禁じています。
Q4監査報告書の「利害関係はない」とはどういう意味ですか?
監査法人や社員と被監査会社との間に、法律で明示すべき利害関係がないことの表明です。本条4項が準用する公認会計士法25条にもとづく法定の記載事項です。
Q5監査報告書の電子署名は認められますか?
認められえます。本条3項により、被監査会社の承諾を得て、内閣府令で定める電磁的方法を用いれば、紙の証明書への署名に代えて証明できます。
Q6監査法人が本条に違反するとどうなりますか?
監査法人は内閣総理大臣(金融庁)による行政処分の対象となりえます(公認会計士法34条の21)。関与した公認会計士個人も懲戒処分の対象となりえます。
Q7監査報告書の署名者はどこで確認できますか?
上場会社なら EDINET で公開されている有価証券報告書に添付された監査報告書で確認できます。業務執行社員の氏名が資格とともに記載されています。
Q8監査法人の社員は全員公認会計士ですか?
全員ではありません。公認会計士でない特定社員も社員になれます。ただし社員に占める公認会計士の割合には下限があり、監査証明業務は会計士である社員に限られます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1監査報告書に載ってる会計士の名前って、調べたら何か分かるんですか?
分かります。本条2項により、業務執行社員は資格を表示して署名します。氏名は公開情報です。日本公認会計士協会の会員情報や、金融庁が公表する懲戒処分の情報と照らし合わせることができます。実務のポイント:監査の質は、法人ごとよりもチームごとにばらつきが大きいと言われる。同じ大手監査法人でも、担当パートナーによって指摘の厳しさは違う。プロの機関投資家は署名者の名前を追っている
Q2会計士じゃない人が監査法人のパートナーになれるって本当?
本当です。公認会計士でない「特定社員」制度があり、一定の要件を満たし登録すれば社員になれます(公認会計士法34条の4以下)。ただし本条1項により、監査証明業務は担えません。社員に占める公認会計士の割合にも下限があります。実務のポイント:特定社員は IT、内部統制、品質管理などの専門家であることが多い。名刺の「パートナー」の肩書だけで監査責任者だと思い込まず、資格表示を確認する
Q3監査報告書が PDF の電子署名なんですが、それで有効なんですか?
有効になりえます。本条3項により、会社の承諾を得て、内閣府令で定める電磁的方法を使えば、紙の証明書に代えられます。実務のポイント:電子化で問題になりやすいのは、署名の技術より承諾の記録です。監査契約書や別の合意書に承諾が明記されているかを確かめておくと、後の紛争での隙を潰せる
間違えやすい点 AI による整理
- 「監査法人が監査するのだから、法人の誰がやっても同じ」と思われがちだ。実際は、監査証明業務を担えるのは公認会計士である社員に限られる。署名した業務執行社員は、個人として懲戒を受けるリスクを負う。法人の看板は、個人の責任を消す盾ではない
- 監査報告書にある「利害関係はない」という一文を定型文として読み飛ばす人は多い。しかしその一文は、25条(本条4項で準用)にもとづく法定の明示事項である。虚偽があれば、監査の独立性そのものが崩れる。意味を知っている人ほど、あの一行の重さに気付く
- 「特定社員は会計士じゃないから監査法人に関係ない」という問い方そのものがずれている。特定社員は制度上、監査法人の正式な社員(パートナー)である。経営や専門領域の支援を担える。問題は、在籍しているかどうかではない。監査証明業務の実行と署名を担っていないかどうかだ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 34条の12:監査法人が行う監査証明業務の執行方法 | 25条:公認会計士が証明をする場合の利害関係の明示 34条の11:監査法人の特定の事項についての業務の制限 |
| 主な義務・効果 | 会計士である社員への業務限定、業務執行社員の資格表示と署名 | 証明書への利害関係の有無等の明示 利害関係がある場合に監査証明業務を行えない |
| 相互関係 | 4項で25条を監査法人に準用 | 本条4項の準用元 本条と並び、監査法人の独立性と責任の所在を支える |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾でも財務報告の査核簽證は会計師個人が署名する仕組みで、事務所の看板の裏に個人の簽證責任が残る点は日本と共通する
ドイツでも監査法人の監査報告(Bestätigungsvermerk)には Wirtschaftsprüfer の署名が必要とされ、個人資格者への責任の帰属を確保している
米国は監査報告書への個人署名ではなく、エンゲージメント・パートナー氏名を Form AP で開示する方式で個人責任の透明化を図る
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 投資している銘柄で不正会計が発覚した。監査報告書を開くと、業務執行社員として二人の公認会計士の名前がある。この二人は公認会計士法上の懲戒(同法30条)の対象になりうる。監査法人そのものも行政処分(同法34条の21)の対象になりうる。責任を追う先は「法人」だけではない
- 監査法人の特定社員である IT 監査の専門家が、システム監査の結論を事実上まとめた。もしその人が監査報告書に業務執行社員として署名したら、どうなる? 本条1項違反であり、監査法人は処分の対象になる。特定社員の専門性は監査チームで活かせる。しかし監査意見を担う社員にはなれない
- あなたは IPO 準備中のベンチャーの CFO だ。申請まで残り三か月なのに、主幹事証券会社から監査報告書の署名パートナーについて確認が入った。監査法人内の交代や体制を今から確認しないと、スケジュール全体がずれる
- 友人の会計士が、監査報告書の署名を紙からクラウド上の電子署名へ切り替える作業を任された。会社の承諾を取り、内閣府令の方式に沿えば電磁的方法で証明できる(本条3項)。承諾の取得を飛ばすと、手続の正当性そのものが揺らぐ
- 監査を受けている会社の役員と、業務執行社員が親族関係にあると後から判明した。利害関係の明示義務(本条4項、25条準用)と、業務の制限(34条の11)の両面から問題になる。監査をやり直すことになれば、決算発表は延期されうる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 該当期の有価証券報告書と監査報告書を EDINET で保存し、業務執行社員の氏名と利害関係の記載を確認する2. 金融庁・公認会計士・監査審査会の公表資料で、処分・勧告の有無を調べる3. 投資損失なら、発行会社への金融商品取引法上の責任追及と、監査人への責任追及を並べて検討する4. 証券訴訟に強い弁護士に相談し、集団訴訟の動きがあるか確認する
訴えられた側:1. 署名した業務執行社員が公認会計士であり、資格表示と署名の形式を満たしているか、記録で確認する2. 電子署名で証明した場合は、会社の承諾を記録した書面と、内閣府令の方式に適合していたことを示す証拠を保全する3. 特定社員が担当した範囲を整理し、監査意見の形成と署名から外れていたことを示す4. 品質管理部門と早めに連携し、当局対応の窓口を一本化する
時効(請求できる期限):本条に固有の時効はないが、監査人への損害賠償請求には一般の消滅時効(民法166条:権利を行使できることを知った時から5年、行使できる時から10年)が適用される。不法行為構成なら、損害と加害者を知った時から3年、行為時から20年(民法724条)。金融商品取引法上の請求には別の期間制限がある(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 昭和41年(1966年) 監査法人制度の創設に伴い、監査法人による業務の執行方法を定める規定として新設されたとみられる(要確認)
- 平成19年(2007年) 特定社員制度の導入に伴い、監査証明業務を公認会計士である社員に限る趣旨が明確化されたとみられる(要確認)
- 令和3年(2021年)前後 押印見直しの流れで、署名押印から署名へ改められたとみられる(年次と改正法の特定は要確認)
改正の年表
- 1.昭和41年(1966年) 新設:公認会計士法改正により監査法人制度が創設され、監査法人による業務の執行方法に関する規律が設けられた
- 2.平成19年(2007年) 改正:公認会計士法改正で特定社員制度が導入され、公認会計士でない社員が監査証明業務を担えない枠組みが整えられた
- 公認会計士法 第2条監査証明業務の定義、本条1項の対象
- 公認会計士法 第25条利害関係の明示と署名義務、本条4項の準用元
- 公認会計士法 第34条の4社員の資格、特定社員制度の根拠(現行効力を要確認)
- 公認会計士法 第34条の11監査法人の特定事項についての業務制限
- 公認会計士法 第34条の21監査法人の違法行為等に対する処分
- 会社法 第337条会計監査人の資格と職務担当社員の選定
- 金融商品取引法 第193条の2上場会社等の財務書類の監査証明義務
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