公認会計士法 第34条の29(登録有限責任監査法人に対する処分等)
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- 内閣総理大臣は、登録有限責任監査法人が第三十四条の十の五若しくはこの章の規定又はこれらの規定に基づく命令に違反したときは、当該登録有限責任監査法人に対し、必要な指示をすること(次項第三号に該当した場合において、同項の規定により業務管理体制の改善を命ずること及び第三項の規定により社員が監査法人の業務又は意思決定の全部又は一部に関与することを禁止することを除く。)ができる。
- 2.内閣総理大臣は、登録有限責任監査法人が次の各号のいずれかに該当する場合には、その登録有限責任監査法人に対し、戒告し、第三十四条の十三第一項に規定する業務管理体制の改善を命じ、二年以内の期間を定めて業務の全部若しくは一部の停止を命じ、又は登録を取り消すことができる。
- 一第三十四条の二十七第一項各号(第一号を除く。)のいずれかに該当することとなつたとき。
- 二不正の手段により登録を受けたとき。
- 三第三十四条の十の五若しくはこの章の規定又はこれらの規定に基づく命令に違反したとき。
- 四前項の規定による指示に従わないとき。
- 3.内閣総理大臣は、登録有限責任監査法人が前項第三号又は第四号に該当するときは、その登録有限責任監査法人に対し、二年以内の期間を定めて、同項第三号又は第四号に該当することとなつたことに重大な責任を有すると認められる社員が当該登録有限責任監査法人の業務又は意思決定の全部又は一部に関与することを禁止することができる。
- 4.第三十二条から第三十四条までの規定は、前二項の処分について準用する。
- 5.第二項及び第三項の規定による処分の手続に付された登録有限責任監査法人は、清算が結了した後においても、この条の規定の適用については、当該手続が結了するまで、なお存続するものとみなす。
- 6.第二項及び第三項の規定は、これらの規定により登録有限責任監査法人を処分する場合において、当該監査法人の社員である公認会計士につき第三十条又は第三十一条に該当する事実があるときは、その社員である公認会計士に対し、懲戒の処分を併せて行うことを妨げるものと解してはならない。
- 7.第二項及び第三項の規定は、これらの規定により登録有限責任監査法人を処分する場合において、当該監査法人の特定社員につき第三十四条の十の十七第二項に該当する事実があるときは、当該特定社員に対し、同項の処分を併せて行うことを妨げるものと解してはならない。
この条文の基本情報
登録有限責任監査法人に対する処分等とは何ですか?
定義登録有限責任監査法人に対する処分等とは、公認会計士法第34条の29に定められた規定で、「内閣総理大臣は、登録有限責任監査法人が第三十四条の十の五若しくはこの章の規定又はこれらの規定に基づく命令に違反したときは、当該登録有限責任監査法人に対し、必要な…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 公認会計士法第34条の29(登録有限責任監査法人に対する処分等)は、日本の公認会計士法に含まれる条文です。
- 公認会計士法第34条の29の条文原文は「内閣総理大臣は、登録有限責任監査法人が第三十四条の十の五若しくはこの章の規定又はこれらの規定に基づく命令に違反したときは、当該登録有限責任監査法人に対し、必要な…」で始まります。
- 公認会計士法第34条の29は第五章の三に置かれています。
- 公認会計士法の公布日は昭和23年7月6日です。
- 公認会計士法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 公認会計士法第34条の29の前の条は公認会計士法第34条の28です。
- 公認会計士法第34条の29の次の条は公認会計士法第34条の30です。
- 公認会計士法第34条の29には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)第34条の29 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000103 - 本サイト収録
公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)第34条の29(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000103/34_29
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点公認会計士法34条の53は、登録有限責任監査法人の法令違反等に対し、内閣総理大臣が指示・戒告・改善命令・2年以内の業務停止・登録取消しを行えると定める。
Q · 有限責任監査法人が法令違反をしたら、金融庁はどんな処分ができるの?
指示から登録取消しまで五段階あり、社員個人の関与禁止も併科できる
公認会計士法34条の53により、内閣総理大臣(実務上は金融庁長官に委任)は、法令違反をした登録有限責任監査法人に対し、指示(1項)、戒告・業務管理体制の改善命令・2年以内の業務の全部または一部の停止・登録取消し(2項)を行えます。違反に重大な責任を有する社員には最長2年の業務関与禁止(3項)を命じることができ、社員である公認会計士個人の懲戒(6項)や特定社員の処分(7項)も並行して行えます。手続中に清算しても法人は存続しているものとみなされます(5項)。
解説
監査法人の名前の後ろに付いている「有限責任」の四文字は、国の登録を受けたことの証しである。その登録を剥がす権限を持っているのが内閣総理大臣だ(実務上は金融庁長官に委任されている、法49条の4)。処分は五段階ある。軽い順に、指示、戒告、業務管理体制の改善命令、二年以内の業務停止、登録取消しである。押さえておきたいのは次の三点だ。第一に、処分は法人だけにとどまらない。違反に重大な責任を持つ社員(監査法人の出資者兼経営陣)個人について、最長二年、業務や意思決定への関与を禁止できる。第二に、処分手続が始まった後で法人を清算しても、手続が終わるまでは法人が存続しているものとみなされる(5項)。解散して処分を逃げ切ることはできない。第三に、法人への処分とは別に、社員である公認会計士個人の懲戒(30条・31条)や、会計士資格を持たない特定社員の処分も併せて行える。あなたの会社の監査人がこの条文の対象になれば、決算スケジュールと株価にまで影響が及ぶ。
法的な位置づけ
公認会計士法34条の53は、登録有限責任監査法人に対する行政処分を定める規定である。法令違反等を理由として、内閣総理大臣は指示、戒告、業務管理体制の改善命令、2年以内の業務停止および登録取消しを行うことができ、重大な責任を有する社員の業務関与禁止、清算後の存続擬制、社員個人への懲戒の併科も規定されている。
よくある質問 AI による整理
Q1有限責任監査法人とは何ですか?
社員の責任が原則として出資額の範囲に限定される監査法人で、内閣総理大臣の登録を受ける必要があります。その代わりに継続的な監督に服します。
Q2監査法人の登録取消しとはどういう処分ですか?
有限責任監査法人としての登録を失わせる、本条2項で最も重い処分です。不正な手段による登録や重大な法令違反などが対象になります。
Q3監査法人の業務停止は最長何年ですか?
公認会計士法34条の53第2項により、業務の全部または一部の停止は2年以内の期間を定めて命じられます。社員の関与禁止も最長2年です。
Q4監査法人を処分するのは誰ですか?
条文上は内閣総理大臣ですが、権限は金融庁長官に委任されています(公認会計士法49条の4)。検査は公認会計士・監査審査会も担います。
Q5監査法人の処分歴はどこで確認できますか?
金融庁が報道発表として処分内容を公表しています。公認会計士・監査審査会の検査結果の公表資料もあわせて確認すると実態がつかめます。
Q6監査法人の業務関与禁止とは?
違反に重大な責任があると認められた社員について、最長2年間、法人の業務や意思決定の全部または一部に関与することを禁じる処分です(3項)。
Q7監査法人が処分前に解散したら処分は免れる?
免れません。34条の53第5項により、処分手続に付された法人は清算結了後も、手続が終わるまで存続しているものとみなされます。
Q8監査法人の処分に不服がある場合はどうする?
行政不服審査法による審査請求(原則3か月以内)や、行政事件訴訟法による取消訴訟(原則6か月以内)で争う道があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1監査法人が業務停止になったら、うちの会社の決算監査はどうなるんですか?
停止の範囲次第である。新規契約の受嘱だけを止める部分停止なら既存の監査は続くが、全部停止なら監査人を替える必要が出てくる。会計監査人が欠けた場合は一時会計監査人を選任する仕組みがある(会社法346条4項)。実務のポイント:処分は繁忙期の前後に公表されることもあり、そのときに後任を探しても大手はすでに手が回らない。平時から次の候補と面識を作っておく会社ほど慌てずに済む
Q2処分を受けたパートナー本人は、会計士を続けられるんですか?
3項の関与禁止は、その法人の業務や意思決定への関与を止める処分であり、公認会計士登録そのものを消すものではない。ただし6項により、30条・31条にもとづく個人の懲戒(戒告、業務停止、登録抹消)が並行して科されることがある。実務のポイント:法人への処分の公表文と個人への懲戒の公表文は別々に出ることがあるので、片方だけ読むと全体像を見誤る
間違えやすい点 AI による整理
- 「監査法人の処分は法人が罰金を払って終わり」と思われがちだが、本条の処分に金銭罰は含まれていない。課徴金は別の条文の仕組みである(34条の21の2)。本条が持っているのは、業務を止める、登録を消す、特定の社員を経営から外すという、事業の存続そのものに関わる手段だ。お金で片付けられない分、課徴金より重いことも多い
- 監査法人が処分されるのは粉飾を見逃したときだけだと考えるなら、前提がずれている。2項3号は、本章の規定やそれに基づく命令への違反を広く処分事由としている。1項の指示に従わないこと自体も独立した処分事由になる(2項4号)。最初は軽い指示だったのに、放置したせいで業務停止まで進む、という段階的な展開がありうる
- 法人が処分を受ければ個人の責任は法人に吸収される、と思っている会計士は少なくない。6項と7項はそれをはっきり否定している。法人の処分と、社員である公認会計士個人の懲戒、さらに資格を持たない特定社員への処分は、同時に並行して進めてよい。肩書きが法人の後ろに隠れることはない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 処分の対象 | 34条の53:登録有限責任監査法人とその社員 | 34条の21:監査法人一般 30条・31条:公認会計士個人 |
| 最も重い処分 | 有限責任監査法人としての登録取消し | 監査法人の解散命令 公認会計士の登録抹消 |
| 個人への波及 | 重大な責任ある社員の関与禁止+個人懲戒・特定社員処分の併科 | 社員の関与禁止等の規定あり 個人そのものへの懲戒(戒告・業務停止・登録抹消) |
| 金銭的制裁 | なし(業務・登録・人事に関わる処分のみ) | 課徴金は34条の21の2で別建て 課徴金は31条の2で別建て |
他国ではどう定めているか 2 か国
台湾では金融監督管理委員会が簽證會計師に対し警告や停止簽證等の処分を行い、會計師法上の懲戒と併存する二系統構造が日本と類似する
米国では PCAOB が登録監査事務所と関係者個人の双方に制裁を科せる。法人と個人を並行して処分する点で本条と発想が近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 上場準備中のあなたの会社が契約している監査法人に、金融庁が業務停止命令を出したらどうなるか。新規契約の受嘱停止だけで済むのか、既存契約の業務まで止まるのか。処分の範囲によっては監査人を探し直すことになり、IPO の日程が半年単位でずれ込む
- あなたは中堅監査法人のパートナー。品質管理の不備を見過ごしたまま、公認会計士・監査審査会の検査を受けた。検査結果に基づく勧告から処分まで、残された時間は数か月しかない。業務管理体制の改善計画を自分たちから出せるかどうかで、処分が戒告にとどまるか業務停止まで行くかが分かれうる
- 処分が出る前に法人を解散して清算してしまえばいい、と考えた経営陣がいる。5項がその道をふさいでいる
- 監査チームで働くスタッフのあなたは、ニュースで勤務先の筆頭パートナーに「業務関与禁止二年」と出ているのを見た。法人自体は存続していても、その人が担当していたクライアントは全部引き継ぎが必要になる。現場の繁忙期は直撃を受ける
取るべき行動
被害を受けた側:監査を受けている会社の立場なら:1. 処分内容を金融庁の公表資料で確認し、新規受嘱の停止だけか既存業務まで止まるのかを見極める2. 業務停止が自社の監査に及ぶ場合は、監査役等と協議して一時会計監査人の選任(会社法346条4項)を検討する3. 担当パートナーが関与禁止になったときは、後任の担当者と引き継ぎの日程を書面で確認する4. 開示が必要かどうかを証券取引所の規則に照らして早めに判断する
訴えられた側:処分を受ける監査法人・社員の立場なら:1. 準用される懲戒手続(32条から34条)にもとづく聴聞などの場で、事実関係と改善策を具体的に示す2. 違反が組織的なものか個人的なものかを切り分ける。重大な責任を持つ社員の特定(3項)に関わるため3. 指示の段階で改善を終わらせ、4号の指示違反に進ませない4. 処分に不服があれば、審査請求または取消訴訟の期限を管理する
時効(請求できる期限):本条に特定の時効はない。処分に対する審査請求は処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟は処分を知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)。業務停止と関与禁止はいずれも最長2年。懲戒処分の除斥期間の有無と長さは最新の改正状況をご確認ください
- 公認会計士法 第34条の21監査法人一般に対する処分の基本規定
- 公認会計士法 第34条の13改善命令の対象となる業務管理体制
- 公認会計士法 第34条の27登録拒否事由、取消事由の参照元
- 公認会計士法 第30条虚偽証明等に対する社員個人の懲戒
- 公認会計士法 第34条の10の17特定社員に対する処分の併科
- 会社法 第337条監査不能者の会計監査人欠格
- 行政手続法 第13条不利益処分の意見陳述手続の一般法
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