刑事訴訟法 第147条
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- 何人も、左に掲げる者が刑事訴追を受け、又は有罪判決を受ける虞のある証言を拒むことができる。
- 一自己の配偶者、三親等内の血族若しくは二親等内の姻族又は自己とこれらの親族関係があつた者
- 二自己の後見人、後見監督人又は保佐人
- 三自己を後見人、後見監督人又は保佐人とする者
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第147条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第147条の条文原文は「何人も、左に掲げる者が刑事訴追を受け、又は有罪判決を受ける虞のある証言を拒むことができる。」で始まります。
- 刑事訴訟法第147条は第十一章 証人尋問に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第147条の前の条は刑事訴訟法第146条です。
- 刑事訴訟法第147条の次の条は刑事訴訟法第148条です。
- 刑事訴訟法第147条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第147条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第147条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/147
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法147条は、配偶者や三親等内の血族など近親者が刑事訴追・有罪判決を受ける虞のある証言を、証人が拒否できると定める。証人尋問への出頭・宣誓自体は免れない。
Q · 家族が刑事事件で起訴され、証人に呼ばれたら正直に答えるしかないの?
家族の刑責に触れる質問は拒否できます
刑事訴訟法147条により、配偶者・三親等内の血族・二親等内の姻族、さらに離婚等で過去に親族だった者が刑事訴追や有罪判決を受ける虞のある証言は、証人が拒むことができます。ただし証人尋問への出頭と宣誓そのものは拒否できず、欠席すると過料の対象になります。拒否できるのは家族の刑責に触れる個別の質問だけです。なお、家族をかばって嘘の証言をすれば偽証罪(刑法169条)になります。黙るのは権利ですが、嘘は犯罪です。
解説
証人として法廷に呼ばれたら、知っていることを正直に話す義務がある。多くの人はそう信じている。だが刑事訴訟法147条は、その義務に大きな穴を開けている。あなたの配偶者、三親等内の血族(親、子、兄弟姉妹、おじ、おい等)、二親等内の姻族、さらに離婚などで今は親族でなくなった人。これらの人が刑事訴追を受けたり有罪になったりする恐れのある証言は、拒むことができる。つまり、あなたは自分の家族を刑務所に送る道具になることを強制されない。重要なのは、これが「証人尋問そのものを欠席する権利」ではなく、「その質問に答えない権利」だという点だ。出頭し宣誓した上で、家族の刑責に触れる個別の質問だけを拒否する。そしてもう一つ。家族をかばって嘘をつけば偽証罪だが、147条で黙れば合法だ。この差を知らない人が、嘘という地雷を踏む。
法的な位置づけ
刑事訴訟法147条は近親者等の証言拒絶権を定める規定である。自己の配偶者、三親等内の血族、二親等内の姻族、これらの親族関係があった者、及び一定の後見関係者が刑事訴追又は有罪判決を受ける虞のある証言について、証人はその証言を拒むことができる。証言義務自体を免除するものではなく、当該の虞がある個別の証言のみを拒否できる点に特徴がある。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.呼出状が来たら親族関係を整理する 誰の刑責に触れる可能性があるかを確認する。配偶者、三親等内の血族、二親等内の姻族、離婚等で過去に親族だった者、後見関係者がすべて147条の対象であることを把握する
- 2.出頭・宣誓は拒めないと理解する 147条は証言義務の例外であり、証人尋問そのものは欠席できない。正当な理由なく欠席すると過料や勾引の対象になるため、必ず出頭し宣誓する
- 3.拒否する質問を事前に線引きする 尋問の前に、どの質問が家族の刑責に触れるかを紙に書き出し、弁護士と線引きしておく。一度答え始めると、その部分は証拠として記録に残り撤回できない
- 4.個別の質問ごとに証言拒否を述べる 対象の質問が来たら「147条により証言を拒否します」と明確に述べる。疎明を求められた場合に備え、親族関係を示す戸籍等を準備しておく
- 5.絶対に嘘をつかない 家族をかばうために嘘の証言をすれば偽証罪(刑法169条)になる。黙るのは合法的な権利だが、嘘は犯罪である。拒否か真実かの二択であり、虚偽は選ばない
よくある質問 AI による整理
Q1証言拒絶権とは何ですか?
証人が一定の理由により証言を拒める権利です。147条は近親者の刑責に関わる証言、146条は自己負罪の証言を対象とし、いずれも質問ごとに行使します。
Q2三親等内の血族とはどこまでですか?
親・子(一親等)、祖父母・孫・兄弟姉妹(二親等)、曾祖父母・おじおば・おいめい(三親等)までを指します。これらは147条の保護対象です。
Q3二親等内の姻族とは誰のことですか?
配偶者の親(一親等姻族)、配偶者の祖父母・兄弟姉妹(二親等姻族)などを指します。147条はこれらの者の刑責に関わる証言も拒否対象とします。
Q4証言を拒否すると罰せられますか?
147条の正当な理由による拒否は罰せられません。罰せられるのは正当な理由のない拒否(160条の過料、161条の証言拒絶罪)の場合です。
Q5証人尋問を欠席できますか?
できません。147条は出頭・宣誓義務を免除しません。正当な理由なく欠席すると過料や勾引の対象になり、出頭した上で個別の質問を拒否します。
Q6後見人の刑事事件でも証言を拒否できますか?
できます。147条は自己の後見人・後見監督人・保佐人、及び自己がそれらの立場にある者の刑責に関わる証言も拒否対象として明文化しています。
Q7証言拒絶権はいつ行使しますか?
証言を求められた時に、質問ごとに「147条により証言を拒否します」と述べて行使します。一度答えた証言は記録に残り撤回できません。
Q8民事裁判でも近親者の証言拒否はできますか?
できます。民事手続では民事訴訟法196条が近親者等の証言拒絶権を定めており、刑事の147条に対応する規定です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1兄が裁判にかけられていて証人に呼ばれました。断れますか?
証人尋問そのものは断れず、出頭と宣誓の義務があります。ただし兄(三親等内の血族)が刑事訴追や有罪になる恐れのある質問には、147条で答えを拒めます。質問ごとの判断です。実務のポイント:拒否権は質問単位なので、つい話し始めると、その部分はもう証拠として記録に残ります。何を聞かれそうか、どこから拒むかを尋問前に整理しておくかどうかで、家族の有罪か無罪かが変わることがある。
Q2本当のことを言いたくないとき、嘘をつくのと黙るのは同じですか?
全く違います。147条で黙るのは合法的な権利ですが、家族をかばって嘘の証言をすれば偽証罪(刑法169条、最新の改正状況をご確認ください)です。実務のポイント:パニックになった証人ほど、つい嘘をついて自分まで犯罪者になる。弁護士が事前に「答えたくない質問は嘘をつかず堂々と拒否しろ」と教えるのはこのため。黙る権利を知らない人だけが、嘘という最悪の道を選ぶ。
Q3離婚した元配偶者の事件でも拒否できますか?
できます。147条は「自己とこれらの親族関係があつた者」、つまり過去に親族だった人も明文で含めています。離婚した元配偶者、かつての義理の親や兄弟姉妹も対象です。実務のポイント:「もう他人だから証言義務がある」と思い込んで答えてしまう人が多い。条文をそのまま読めば元親族も守られると分かるのに、検察官が親切に教えてくれるわけではない。条文を知っている人だけが、この保護を実際に使える。
間違えやすい点 AI による整理
- 近親者をかばう証言拒否ができることを何となく知っている人もいる。だがその範囲が「おじ、おい、めい」のような三親等、さらに離婚した元配偶者や元義理の家族にまで及ぶことは、ほとんど知られていない。守られる範囲はあなたが思うより広い。
- 「証言を拒否すれば過料や罪に問われる」と恐れる人が多いが、問いの立て方が逆だ。正当な理由のない拒否(160条、161条)が罰せられるのであって、147条という正当な理由がある拒否は、過料も証言拒絶罪も成立しない。
- 「拒否するか、正直に話すか」の二択だと思い込んでいる。実際の最悪手は第三の選択肢、つまり家族をかばって嘘をつくことだ。それは偽証罪(刑法169条)になる。黙る権利はあるが、嘘をつく権利はない。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 保護される対象 | 147条:近親者(配偶者・三親等内血族・二親等内姻族等)の刑責 | 146条:自己(証人本人)の刑責 149条:業務上の秘密(医師・弁護士等が知り得た他人の秘密) |
| 拒否権の根拠 | 家族の情義・期待可能性への人道的配慮 | 自己負罪拒否特権(憲法38条の理念) 職業上の守秘義務・信頼関係の保護 |
| 拒否の単位 | 出頭・宣誓は必須、家族の刑責に触れる個別質問のみ拒否 | 出頭・宣誓は必須、自己負罪に触れる個別質問のみ拒否 秘密に属する事項について証言を拒否 |
| 違反時の効果 | 正当な拒否なら無罰、虚偽供述は偽証罪(刑法169条) | 正当な拒否なら無罰、虚偽供述は偽証罪 正当な理由なき拒否は160・161条の制裁対象 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も配偶者・直系血親・一定の親族について証言拒絶権を認める。出頭は必要で個別の証言を拒否する構造は日本と類似する
韓国も近親者が刑事訴追・有罪を受ける虞のある証言の拒否を認める。保護範囲・趣旨ともに日本147条とほぼ同型
ドイツは婚約者・配偶者・直系血族姻族等に広く証言拒絶権を認め、行使前に告知義務がある。日本より告知の手続が明確
米国は配偶者間の証言特権が中心で、近親者一般には及ばない。日本147条の方が保護範囲が広い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、あなたの弟が傷害事件で起訴され、検察官から証人として「事件の夜、弟はどこにいた」と聞かれたら? あなたは弟を不利にする答えを拒める。147条はそのためにある。三親等内の血族である弟は、明確に保護対象だ。
- あなたは家族の確定申告を手伝っていて、その家族が脱税で捜査対象になった。証人尋問の期日まであと一週間。何を答え、何を拒むかを今のうちに弁護士と線引きしておかないと、当日その場で判断する羽目になり、つい答えてしまう。
- 離婚した元配偶者が詐欺で起訴された。あなたは「もう他人だから証言義務がある」と思っている。だが147条は元配偶者も明文で守る。
- 友人が「親が事件を起こして、自分が証人に呼ばれた、本当のこと言うべき?」と相談してきた。あなたは三分で核心を説明できる。出頭と宣誓は断れないが、親の刑責に触れる質問は拒否できる、と。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 呼出状が来たら、まず誰の刑責に触れる可能性があるか家族関係を整理する(配偶者、三親等内の血族、二親等内の姻族、元親族すべて対象) 2. 出頭と宣誓は拒めず、欠席すると過料の対象。出頭した上で、個別の質問ごとに「147条により証言を拒否します」と述べる3. 拒否理由の疎明を求められることがあるので、親族関係を示せる戸籍等を準備しておく4. 絶対にやってはいけないのは、かばうために嘘をつくこと。それは偽証罪。黙るのは権利、嘘は犯罪だ。
訴えられた側:1. あなたが被告人で、相手方が呼んだ近親者証人がいても、その証人は核心を147条で拒める可能性がある、不利な証言が必ず出るとは限らない2. 検察側、弁護側どちらにも、近親者証人には拒否権の告知が必要とされ、告知を欠いた証言は証拠能力を争う余地がある3. 証人が拒否権を行使した沈黙そのものを、不利な推認の材料にすることは原則できない4. 共犯や共同被告人が絡む場合は146条、147条の適用除外(148条)との関係が複雑になるため、弁護人と整理する。
時効(請求できる期限):証言拒否は、その証言を求められた時に、質問ごとに行使する。出訴期間のような特定の時効はない。ただし一度答えてしまった証言は記録に残り撤回できないため、答える前の線引きが実質的な期限になる。
学説
通説:147条の証言拒絶権は、近親者に不利な証言を強制することの期待可能性の欠如に基づく人道的配慮の制度である。証言義務自体を免除するものではなく、出頭・宣誓を前提に、当該の虞がある個別の証言のみを拒否できる限定的な権利と解される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:現行刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)の制定に伴い、近親者等の証言拒絶権として147条が定められた。
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