刑事訴訟法 第160条
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- 証人が正当な理由がなく宣誓又は証言を拒んだときは、決定で、十万円以下の過料に処し、かつ、その拒絶により生じた費用の賠償を命ずることができる。
- 2.前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第160条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第160条の条文原文は「証人が正当な理由がなく宣誓又は証言を拒んだときは、決定で、十万円以下の過料に処し、かつ、その拒絶により生じた費用の賠償を命ずることができる。」で始まります。
- 刑事訴訟法第160条は第十一章 証人尋問に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第160条の前の条は刑事訴訟法第159条です。
- 刑事訴訟法第160条の次の条は刑事訴訟法第161条です。
- 刑事訴訟法第160条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第160条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第160条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/160
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法160条は、証人が正当な理由なく宣誓又は証言を拒んだとき、裁判所が決定で10万円以下の過料を科し、拒絶で生じた費用の賠償も命じられると定める。
Q · 証人なのに「話したくない」と黙ったら、どうなりますか?
前科の付かない過料だが、別に161条の刑事罰も並走する
刑事訴訟法160条により、証人が正当な理由なく宣誓又は証言を拒むと、裁判所は決定で10万円以下の過料を科し、拒絶で生じた費用の賠償も命じられます。これは前科の付かない秩序罰(過料)であり、別ルートの161条には1年以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金という刑事罰が並走します。過料を払っても161条の刑事訴追は別途可能で、二重処罰にはあたりません。医師や弁護士の証言拒絶権(149条)も、理由を示して主張しなければ正当な理由なき拒絶と扱われます。
解説
友人の刑事裁判で証人として呼ばれた。出頭はしたが、面倒に巻き込まれたくなくて「覚えていません」と口を閉ざす。よくある光景に見えるが、刑事訴訟法160条はそこに値札を付ける。正当な理由なく宣誓や証言を拒むと、裁判所は決定一つで10万円以下の過料を科し、さらにあなたの拒絶のせいで無駄になった費用の賠償まで命じられる。ここで多くの人が見落とすのは二点。第一に、これは「罰金」ではなく「過料」、つまり前科の付かない秩序罰(裁判の秩序を保つための制裁で、刑罰ではないもの)だが、別に161条で1年以下の拘禁刑や罰金という本物の刑事罰も待っている。同じ拒絶で二度殴られうる。第二に、医師や弁護士のように法律で証言拒絶権が認められている場合でも、その権利を理由を示して正面から主張しなければ、ただの「正当な理由なき拒絶」として過料の対象になる。黙る前に、何を根拠に黙るのかを言葉にできるかどうかが分かれ目だ。
法的な位置づけ
刑事訴訟法160条は、証人が正当な理由なく宣誓又は証言を拒否した場合の制裁を定める規定であり、裁判所は決定により10万円以下の過料を科し、併せて拒絶によって生じた費用の賠償を命じることができる。これは前科の付かない秩序罰であり、刑罰である同法161条とは法的性質を異にする。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.呼出状が来たら出頭は原則義務と理解する 証人尋問の呼出状を受け取ったら、出頭自体は原則として法的義務であり、不出頭は150条の過料・151条の刑罰の対象になると理解する。出頭さえ拒めば終わり、ではない
- 2.拒める質問と根拠条文を事前に整理する 答えたくない質問があれば、その理由が自己負罪のおそれ(146条)、近親者に関する事項(147条)、業務上の秘密(149条)のどれに当たるかを尋問期日前に紙に書き出して整理する
- 3.法廷では黙らず根拠を明示して疎明する 法廷で答えを拒むときは黙り込まず、「○○条を理由に証言を拒みます」と根拠を明示し、その理由を疎明する。根拠を示した拒絶は正当な理由として扱われ、何も言わない拒絶は過料の引き金になる
- 4.過料の決定が出たら3日以内に即時抗告する 過料の決定書を受け取ったら、即時抗告ができる(160条2項)。期間は告知から3日(422条)と極めて短いため、受け取った当日のうちに弁護士へ連絡し、正当な理由の存在を主張・疎明する
よくある質問 AI による整理
Q1証言拒否の過料はいくらですか?
刑事訴訟法160条により10万円以下の過料です。さらに拒絶で生じた費用の賠償も命じられます。前科の付かない秩序罰ですが、別に161条の刑事罰もありえます。
Q2過料と罰金の違いは何ですか?
過料は前科の付かない秩序罰、罰金は前科の付く刑事罰です。160条は過料、161条は罰金・拘禁刑で、同じ証言拒絶に両方が並走しうる点が重要です。
Q3証言を拒める正当な理由とは何ですか?
自己負罪のおそれ(146条)、近親者に関する事項(147条)、医師・弁護士等の業務上の秘密(149条)などです。理由を示して主張する必要があります。
Q4証人尋問の即時抗告は何日以内ですか?
過料の決定の告知を受けた日から3日以内です(刑事訴訟法422条)。週末も基本的に進むため、決定書を受け取った当日から動くのが鉄則です。
Q5証人として出頭しないとどうなりますか?
出頭拒否は150条の過料・151条の刑罰の対象です。160条は出頭後の証言拒絶を扱う別の規定で、両者は局面が異なります。
Q6宣誓を拒否しても過料になりますか?
なります。160条は「宣誓又は証言」を拒んだ場合を対象とし、宣誓拒絶も証言拒絶と同様に10万円以下の過料の対象です。宗教上の理由でも当然には認められません。
Q7証言拒絶の過料は前科になりますか?
なりません。160条の過料は秩序罰で前科は付きません。ただし同じ拒絶で161条の刑事罰を科されると、そちらは前科になります。
Q8守秘義務があれば証言を全部断れますか?
断れません。149条の証言拒絶権は職業ごとに範囲が決まっており、範囲外の事項を拒むと正当な理由なき拒絶として160条の過料の対象になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1証人に呼ばれたけど行きたくないし話したくもない。罰金を払えば済みますか?
二つの局面を分けて考える必要があります。出頭しないことは150条の過料・151条の刑罰、出頭して証言を拒むことは160条の過料・161条の刑罰の対象です。しかも160条は「罰金」ではなく「過料」、前科の付かない秩序罰です。実務のポイント:過料を払っても161条の刑事訴追は別に可能で、二重処罰にはあたりません。秩序罰と刑事罰は法的性質が違うからです。お金で済むと高をくくると、前科の付く刑事罰まで来ることがある
Q2過料の決定が出てしまいました。もう払うしかないですか?
いいえ、即時抗告ができます(160条2項)。ただし期間は決定の告知から3日以内(422条)と極めて短い。抗告では、証言を拒んだことに正当な理由があった、たとえば証言拒絶権の行使だったと主張します。実務のポイント:この3日は週末も基本的に進むため、決定書を受け取った瞬間が勝負です。週末を挟むと弁護士に連絡が付かないうちに期間が過ぎる。受け取った日のうちに動くのが鉄則
Q3医者や弁護士なら、守秘義務があるから証言を断れますよね?
一定の範囲で断れます。149条は医師、弁護士、宗教の職にある者などに、業務上知った他人の秘密について証言拒絶権を認めています。ただし範囲は職業ごとに限定され、何でも黙れるわけではありません。実務のポイント:拒絶権があっても、法廷で「149条により拒みます」と理由を示して主張しなければ、ただの正当な理由なき拒絶と扱われ160条の過料が来ます。権利は使うと宣言して初めて盾になる、黙るだけでは守ってくれません
間違えやすい点 AI による整理
- 「過料を払えば終わり」と考えがちだが、過料を払ってもなお161条の刑事訴追は別に可能だ。過料は知っていても、その先に前科の付く刑事罰が並んでいる深刻さまでは知られていない。秩序罰と刑事罰は法的性質が違うため、二重処罰にはあたらない
- 「自分が呼ばれた事件と無関係なら、話さなくても自由だろう」という問いの立て方そのものが誤っている。証言義務は事件の当事者かどうかではなく、真実発見に必要かどうかで生じる。無関係な第三者だからこそ、客観的な証人として最も強く協力を求められる
- 守秘義務さえあれば黙れると思いがちだが、149条の証言拒絶権は職業ごとに範囲が決まっており、何でも拒めるわけではない。範囲の認識を一段深めないと、守秘義務のつもりの沈黙が、範囲外で過料に変わる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 制裁の性質 | 160条:過料(前科の付かない秩序罰) | 161条:拘禁刑・罰金(前科の付く刑事罰) 150条:不出頭に対する過料 |
| 対象となる行為 | 出頭後の宣誓・証言の拒絶 | 出頭後の宣誓・証言の拒絶(刑事罰ルート) そもそも出頭しないこと |
| 金額・重さ | 10万円以下の過料 + 費用賠償 | 1年以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金 10万円以下の過料 + 費用賠償 |
| 不服申立て | 即時抗告(160条2項、3日以内・422条) | 通常の刑事手続による上訴 即時抗告(150条2項) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も証人が正当な理由なく具結・証言を拒んだ場合に罰鍰(過料に相当)を科す。秩序罰として刑罰と区別する点で日本と類似する。
韓国も証人の宣誓・証言拒絶に対し決定で過料を科す構造で、日本の160条とほぼ並行する規定。
ドイツは証言・宣誓拒絶に対し秩序金(Ordnungsgeld)や秩序拘禁(Ordnungshaft)等の秩序・強制手段を科す。秩序罰と刑罰を区別する枠組みは日本に影響を与えている。
米国では証言拒絶は法廷侮辱(contempt)として制裁の対象となり、民事的・刑事的 contempt の区別がある。秩序罰に近い扱いだが体系は異なる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、あなたが知人の刑事事件の証人として呼ばれ、出頭はしたが「話したくない」と黙り込んだら? 裁判所はその場で決定を出し、10万円以下の過料を科せる。しかも証言を渋ったことで生じた費用まで請求されうる。出頭すれば義務を果たした、という思い込みが一番危ない
- あなたが医師で、患者の診療情報について証言を求められた。業務上の秘密として証言拒絶権(149条)があるが、それを明確に主張せず、ただ答えを拒むと、正当な理由なき拒絶とみなされ過料の対象になる。権利は持っているだけでは盾にならない、使うと宣言して初めて働く
- 法廷で宣誓そのものを拒んだ。宗教上の理由を口にしても、正当な理由と認められるとは限らない。宣誓拒絶も証言拒絶と同じく過料の対象だ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 呼出状が来たら、まず出頭は原則義務だと理解する。出頭しないこと自体が150条・151条の制裁対象2. 答えたくない質問があれば、その理由が証言拒絶権(146条の自己負罪、147条の近親者、149条の業務上の秘密)に当たるか整理3. 法廷では黙り込まず、「○○を理由に証言を拒みます」と根拠を明示して疎明する4. 根拠なく拒めば10万円以下の過料、さらに161条の刑事罰もありうると認識して臨む(最新の改正状況をご確認ください)
訴えられた側:1. 過料の決定書を受け取ったら、即時抗告ができる(160条2項)。期間は3日(422条)、最優先で動く2. 抗告では「正当な理由があった」こと、つまり証言拒絶権の存在や拒絶事由を具体的に主張・疎明3. 同じ拒絶で161条の刑事手続が並行する可能性があるので、弁護士に早期相談4. 過料は前科にならないが、刑事罰は前科になる点を区別して対応方針を決める
時効(請求できる期限):過料の決定に対する即時抗告は、決定の告知を受けた日から3日以内(刑事訴訟法422条)。この期間を過ぎると決定は確定する。証言拒絶自体には特定の時効はないが、尋問期日その場で決定が出されるため、対応には即時性が求められる
学説
通説:160条の過料は訴訟手続上の秩序罰であり、161条の刑罰とは法的性質を異にする。両者は同一の証言拒絶に対して併科しうるが、性質が異なるため憲法39条の二重処罰の禁止には抵触しないと解されている。
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