刑事訴訟法 第148条
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共犯又は共同被告人の一人又は数人に対し前条の関係がある者でも、他の共犯又は共同被告人のみに関する事項については、証言を拒むことはできない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第148条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第148条の条文原文は「共犯又は共同被告人の一人又は数人に対し前条の関係がある者でも、他の共犯又は共同被告人のみに関する事項については、証言を拒むことはできない。」で始まります。
- 刑事訴訟法第148条は第十一章 証人尋問に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第148条の前の条は刑事訴訟法第147条です。
- 刑事訴訟法第148条の次の条は刑事訴訟法第149条です。
- 刑事訴訟法第148条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第148条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第148条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/148
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法148条は、親族が共犯・共同被告人の一人でも、他の被告のみに関する事項については証言を拒めないと定める。証言拒絶権は親族関係のある者の範囲に限られる。
Q · 身内が共犯事件で起訴された裁判で証人に呼ばれたら、全部黙っていられる?
身内のことは拒めるが、他の共犯者だけの話は拒めない
刑事訴訟法148条により、共犯・共同被告人の一人と147条の親族関係(配偶者・三親等内の血族等)があっても、他の共犯・共同被告人「のみ」に関する事項については証言を拒めません。拒絶権は親族関係のある人について働くのであって、事件全体を覆うものではないからです。ただし質問が少しでも身内の関与に触れるなら、それは「他人のみに関する事項」ではなくなり、147条の拒絶権が復活します。境界は『誰に関する事項か』であり、判断に迷えば理由を述べて拒絶を主張すべきです。
解説
弟が仲間数人と一緒に起訴された。あなたは証人として呼ばれる。多くの人は「家族なんだから、証言は全部断れる」と考える。半分は正しく、半分は致命的に間違っている。刑訴法147条は、配偶者や一定の親族が刑事訴追を受けるおそれのある証言を拒める権利を与える。だが148条はその権利に線を引く。共犯者や共同被告人のうち、あなたと親族関係があるのは弟一人。残りの仲間「だけ」に関する事項については、あなたは証言を拒めない。つまり拒絶権は「人」に付くのであって、「事件」全体を覆う傘ではない。問題はここから。あなたが残りの仲間について語った内容が、巡り巡って弟の有罪の証拠になることがある。逆に、質問が弟にも少しでも関わるなら、それは「仲間のみに関する事項」ではなくなり、拒絶権が復活する。この境界線の引き方を知っているかどうかで、あなたが法廷で守れるものが変わる。
法的な位置づけ
刑事訴訟法148条は、証言拒絶権の人的範囲を画する規定である。共犯または共同被告人の一人もしくは数人と前条の親族関係がある証人であっても、他の共犯または共同被告人のみに関する事項については証言を拒めない。すなわち147条の拒絶権は親族関係のある者に関する事項に限定され、その範囲を超える他人のみの事項には及ばないことを明らかにする。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.召喚状を受けたらまず親族関係を整理 証人召喚状が届いたら、自分と各被告(共犯・共同被告人)との親族関係を一人ずつ確認する。147条で拒める範囲(配偶者・三親等内の血族等)に該当する被告は誰か、該当しない被告は誰かを書き出す
- 2.弁護人と質問シミュレーション 尋問前に弁護人(または当番弁護士)と、どの質問が身内に少しでも関わるかを想定する。検察が『他の共犯者だけの事項』として聞いてきても身内の関与と不可分なものはどれかを洗い出し、拒絶を主張する範囲を決めておく
- 3.法廷では理由を述べて拒絶 身内に関わる質問は『誰との親族関係に基づきどの範囲を拒むか』を明示して拒絶する。曖昧に黙ると証言拒絶罪(161条)や過料(160条)のリスクが立つため、正当な拒絶であることを示す
- 4.他人のみの事項は答えつつ波及を意識 他の共犯者のみに関する事項には答える義務がある。ただしその答えが共謀の存在を裏づけ身内に跳ね返りうるため、事実関係を正確に、かつ推測を交えず述べる。境界判断に迷えばその場で弁護人の意見を求める
よくある質問 AI による整理
Q1刑事訴訟法148条とは何ですか?
親族の証言拒絶権(147条)の限界を定める規定です。共犯・共同被告人の一人と親族関係があっても、他の被告だけに関する事項は証言を拒めないとし、拒絶権を人的範囲に限定します。
Q2証言拒絶権は事件全体に及びますか?
及びません。拒絶権は親族関係のある特定の人に関する事項についてのみ働きます。同じ法廷の他の共犯者だけに関する事項には証言義務がそのまま残ります。
Q3他の共犯者の話が身内に関わる場合はどうなりますか?
質問が他人と身内の双方に関わるなら「他人のみに関する事項」ではなくなり、147条の拒絶権が復活します。身内の関与と不可分なら拒絶を主張できます。
Q4親族とはどこまでの範囲ですか?
147条が定める配偶者、三親等内の血族、二親等内の姻族、またはかつてその関係にあった者などです。148条はこの親族関係を前提に範囲を画します。
Q5証言を拒める場合はどう申し立てますか?
答える前に、誰との親族関係に基づきどの範囲を拒むのかを明確に述べて申し立てます。答え始めた後の撤回はできないため、質問ごとに事前判断が必要です。
Q6共同被告人と共犯者は同じ扱いですか?
148条は「共犯又は共同被告人」を併記し、いずれについても他の者のみに関する事項は拒めないとします。手続上の地位を問わず人的範囲で線引きします。
Q7証言拒絶権と黙秘権は違いますか?
違います。黙秘権は被告人・被疑者自身の権利、証言拒絶権は証人の権利です。147・148条は証人としての親族の立場を規律します。
Q8民事裁判でも同じルールがありますか?
民事訴訟法196条に親族の証言拒絶権があり、他人のみに関する事項は拒めないという発想は民事にも通じます。離婚・相続で身内が当事者の場合に同様の線引きがされます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1夫が共犯事件で起訴されました。私が証人に呼ばれたら、全部黙っていられますか?
全部は黙れません。刑訴法147条で夫(配偶者)に関する不利益な証言は拒めますが、148条により、夫以外の共犯者「だけ」に関する事項は証言義務があります。実務のポイント:検察は「他の被告だけの話」として質問を組み立て外堀を埋めてきます。だが質問が少しでも夫の関与に触れるなら、それは「他人のみに関する事項」ではなくなり拒絶権が復活する。この線引きを尋問前に弁護人と詰めるかどうかで、守れる沈黙の幅が変わる
Q2正当な理由なく証言を拒んだらどうなりますか?
正当な理由のない証言拒絶には過料や費用賠償(刑訴法160条)、さらに証言拒絶罪(161条)が科されうる。148条の領域(他の共犯者のみの事項)で黙れば「正当な理由なし」と扱われる危険があります。実務のポイント:逆に、拒絶理由を「誰との親族関係に基づき、どの範囲を拒むか」と具体的に述べれば、裁判所はその領域を尊重する。理由を言わずただ黙る人ほど制裁リスクを負い、理由を明確にする人ほど守られる。同じ沈黙でも、言い方ひとつで結果が分かれる
間違えやすい点 AI による整理
- 「家族が被告なら、その裁判での証言は全部拒める」と思いがちだが、拒絶権は親族関係のある特定の人についてのみ働く。同じ法廷に立つ他の共犯者については、証言義務がそのまま残る
- 「拒めるか拒めないか」を質問単位で考えること自体がずれている。本当の問いは「この質問は身内のみに関わるか、他人のみに関わるか、両方に関わるか」だ。両方に関わる質問なら、他人の話のように見えても拒絶権は生きている。問いの立て方を間違えると、拒めたはずの証言を喋ってしまう
- 「証言を拒めない」ことは知っていても、その証言が身内に跳ね返る深刻さを軽く見ている。あなたが他の共犯者について語った事実関係が、共謀の存在を裏づけ、結果としてあなたの身内の有罪認定を支える証拠になりうる。拒めない一言が、守りたかった人を沈める
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 拒絶できる根拠・対象 | 148条:147条の拒絶権の限界(他の被告のみの事項は拒めない) | 147条:親族関係に基づく証言拒絶権の本体 146条:自己負罪のおそれによる証言拒絶権 |
| 保護される利益 | 他の被告の公正な裁判・真実発見(拒絶権の歯止め) | 親族間の情義(身内を罪に陥れない自由) 証人自身が刑事訴追を受けない自由 |
| 線引きの基準 | 『誰に関する事項か』(人的範囲) | 親族関係のある被告に関する事項か 自己または近親者の刑事責任に関わるか |
| 違反時の制裁 | 148条の領域で拒めば正当理由なしとされ得る | 正当な拒絶なら制裁なし 正当な拒絶なら制裁なし(160・161条) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も親族関係に基づく証言拒絶権を認めるが、拒絶範囲の限界の規律の仕方は異なる。証人と当事者の関係に着目する点は共通する。
韓国も同条番号で近親者の刑事責任に関する証言拒否を定める。親族関係を基礎に拒否範囲を画する発想は日本と類似する。
ドイツは親族(配偶者・婚約者・直系血族等)に包括的な証言拒絶権を認める。共犯者のみに関する事項の扱いは個別解釈に委ねられる部分が大きい。
米国には包括的な親族証言拒絶はなく、配偶者証言特権が中心。証言する側が特権を保持するとした連邦最高裁判例があり、日本の親族拒絶権とは構造が異なる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、あなたの夫が同僚二人と共謀して会社の金を横領した容疑で起訴され、あなたが検察側証人として召喚されたら? 夫に関する質問は147条で拒める。だが「同僚二人だけがどう動いたか」を問われたら、あなたは答える義務を負う。その答えが共謀の存在を裏づければ、夫にも跳ね返る
- あなたが共同被告の一人。隣の被告の妻が証人席に立つ。彼女は夫を守るため全て黙ると思っていたら、裁判長が「あなたについては証言義務がある」と告げる。あなたに不利な証言が始まる
- 証人尋問は三日後。弁護人から「あなたの証言可能範囲は身内に関する部分だけ」と説明されたが、検察の質問がどこから身内の領域に踏み込むのか、その線引きを今夜整理しないと、法廷で答えるべきか拒むべきか瞬時に判断できない
- 友人から「兄が共犯事件で起訴されて、自分が証人に呼ばれた。全部黙っていいよね?」と相談される。あなたは「兄のことは拒める。でも他の共犯者だけの話は喋らないといけない。ただし兄に関わる質問なら拒める」と正しく整理して答えられる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 召喚状を受けたら出頭は義務、無視は過料や勾引の対象。まず弁護人(または当番弁護士)に相談2. 自分と各被告との親族関係を整理し、147条で拒める範囲(配偶者、三親等内の血族等)を確定3. 尋問では身内に関わる質問は理由を述べて拒絶、他の共犯者のみの事項には答える4. 質問が身内と他人の双方に関わる場合は「148条のみに関する事項に当たらない」として拒絶を主張、判断に迷えばその場で弁護人の意見を求める
訴えられた側:1. 他の被告の親族が証人に立つ場合、その証人があなたに関する事項を証言する義務を負うことを前提に防御を組む2. その証言が身内(他の被告)の領域と不可分だと示せれば、証人は拒絶でき、不利な証言を封じられる余地がある3. 反対尋問で証言の信用性(身内をかばう動機による偏り)を突く4. 必要なら証拠能力や任意性を争い、弁護人と尋問戦略を事前に詰める
時効(請求できる期限):特定の出訴期限はない。証言拒絶の可否は尋問の場で個々の質問ごとに判断される。拒絶するなら、その質問に答える前に理由を示して申し立てること。答え始めた後の撤回はできない。証言義務違反には過料(刑訴法160条)、証言拒絶罪(161条)の制裁が予定されている
学説
通説:148条は147条の証言拒絶権を人的範囲で限定する規定であり、拒絶権は親族関係のある被告に関する事項についてのみ及ぶ。他の共犯・共同被告人のみに関する事項には証言義務が残るが、質問が親族の関与と不可分な場合は『他人のみに関する事項』に当たらず拒絶できると解されている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:現行刑事訴訟法の制定(昭和23年法律第131号)に伴い、親族の証言拒絶権(147条)の人的限界を画す規定として設けられた。
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