刑事訴訟法 第167条
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- 被告人の心神又は身体に関する鑑定をさせるについて必要があるときは、裁判所は、期間を定め、病院その他の相当な場所に被告人を留置することができる。
- 2.前項の留置は、鑑定留置状を発してこれをしなければならない。
- 3.第一項の留置につき必要があるときは、裁判所は、被告人を収容すべき病院その他の場所の管理者の申出により、又は職権で、司法警察職員に被告人の看守を命ずることができる。
- 4.裁判所は、必要があるときは、留置の期間を延長し又は短縮することができる。
- 5.勾留に関する規定は、この法律に特別の定のある場合を除いては、第一項の留置についてこれを準用する。但し、保釈に関する規定は、この限りでない。
- 6.第一項の留置は、未決勾留日数の算入については、これを勾留とみなす。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第167条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第167条の条文原文は「被告人の心神又は身体に関する鑑定をさせるについて必要があるときは、裁判所は、期間を定め、病院その他の相当な場所に被告人を留置することができる。」で始まります。
- 刑事訴訟法第167条は第十二章 鑑定に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第167条の前の条は刑事訴訟法第166条です。
- 刑事訴訟法第167条の次の条は刑事訴訟法第167条の2です。
- 刑事訴訟法第167条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第167条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第167条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/167
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法167条は、被告人の心神・身体の鑑定に必要なとき、裁判所が期間を定め病院等に被告人を留置できると定める。鑑定留置状を要し、保釈の規定は準用されない。
Q · 家族が鑑定留置になったら、保釈で出せなくなって拘束も延びるって本当?
本当。鑑定留置中は保釈が使えず勾留の進行も止まります
刑事訴訟法167条の鑑定留置は、勾留に関する規定を準用しますが、保釈に関する規定は準用しません(5項但書)。そのため鑑定留置の期間中は保釈請求ができません。さらに167条の2により、この間は勾留の執行が停止し勾留期間の進行が止まるため、留置が長引くほど身柄拘束の総期間は実質的に延びます。一方で、留置日数は未決勾留日数の算入については勾留とみなされ(6項)、後で刑期から差し引かれる扱いになります。
解説
ニュースで「容疑者は鑑定留置に付された」と流れても、その一文が事件の結末を左右することに気付く人は少ない。刑事訴訟法167条は、被告人の精神状態または身体状態を専門家に調べさせる必要があるとき、裁判所が期間を定めて病院などに被告人を留置できると定める。なぜこれが決定的か。刑法39条により、心神喪失なら無罪、心神耗弱なら刑が減軽されるからだ。つまり、あなたや家族が罪に問われたとき、有罪か無罪かの分かれ目が、法廷ではなく病院の一室で、1か月から3か月かけて判断されることがある。しかもこの留置には鑑定留置状という令状が必要で(2項)、その間は保釈が使えない(5項但書)。一方で、留置された日数は後で刑期から差し引かれる扱いになる(6項)。鑑定留置は防御の最強カードにも、自由を奪う檻にもなる、諸刃の剣だ。
法的な位置づけ
刑事訴訟法167条の鑑定留置とは、被告人の心神または身体の状態を専門家に鑑定させる必要がある場合に、裁判所が期間を定めて病院その他相当な場所へ被告人を留置する強制処分をいう。実施には鑑定留置状という令状を要し、勾留に関する規定が準用されるが、保釈の規定は準用されない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.鑑定留置の見込み期間を弁護人に確認 家族が鑑定留置に付される、または付される見込みになったら、まず弁護人に『鑑定にどのくらいかかる見込みか』『留置期間は何か月想定か』を確認する。167条の2で勾留の進行が止まるため、拘束の総期間を読み違えないことが重要
- 2.保釈が使えない期間を前提に方針を立てる 鑑定留置中は保釈の規定が準用されない(5項但書)。この間は保釈で出せないことを前提に、留置終了後の保釈請求の方針を弁護人と先に固めておく
- 3.鑑定請求の是非を戦略的に判断 責任能力を争うか否かを冷静に見積もる。鑑定結果が『完全責任能力あり』と出れば、かえって検察側の有利な証拠になりうる。請求する・しないの判断こそが弁護戦略の分かれ目になるため、勝算を弁護人と検討する
- 4.期間が不当に長ければ短縮を求める 留置期間が必要以上に長いと判断できる場合、弁護人を通じて裁判所に期間短縮を求める余地がある(4項)。あわせて留置日数が未決勾留日数として刑期算入の対象になること(6項)も確認しておく
よくある質問 AI による整理
Q1鑑定留置とは何ですか?
被告人の心神または身体を専門家に鑑定させるため、裁判所が期間を定めて病院などに被告人を留置する強制処分です。刑事訴訟法167条が根拠で、鑑定留置状という令状が必要です。
Q2鑑定留置状とは何ですか?
鑑定留置を執行するために発せられる令状です(167条2項)。憲法33条の令状主義に基づき、裁判所の判断なしに被告人を病院などへ留置することはできません。
Q3鑑定留置の期間はどのくらいですか?
裁判所が定め、必要に応じて延長・短縮できます(4項)。法律上の一律の上限はありませんが、実務では1か月から3か月程度が多いとされます。
Q4鑑定留置中に勾留の期間は進みますか?
進みません。167条の2により鑑定留置中は勾留の執行が停止し、勾留期間の進行が止まります。そのため留置が長引くと拘束の総期間は実質的に延びます。
Q5鑑定留置の期間は延長されることがありますか?
あります。裁判所は必要があるときに留置の期間を延長または短縮できます(4項)。期間が不当に長いと感じる場合は、弁護人を通じて短縮を求める余地があります。
Q6鑑定留置中の被告人を誰が看守しますか?
病院など留置場所の管理者の申出または職権により、裁判所が司法警察職員に被告人の看守を命ずることができます(3項)。
Q7鑑定留置は拒否できますか?
被告人個人の意思で拒否することはできません。裁判所が必要と判断し鑑定留置状を発すれば強制的に執行されます。期間や場所の不当性は争う余地があります。
Q8鑑定留置はどんな場所で行われますか?
病院その他の相当な場所です(1項)。一般には鑑定を実施できる精神科病院や医療施設が選ばれ、留置場所は鑑定留置状で特定されます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1鑑定留置になったら、家族はもう保釈で出してもらえないんですか?
鑑定留置の期間中は保釈に関する規定が準用されません(167条5項但書)、つまり保釈は使えません。ただし鑑定留置が終われば通常の勾留に戻り、保釈請求が可能になります。実務のポイント:鑑定留置中は勾留の進行自体が止まる(167条の2)ため、留置が長引くほど身柄拘束の総期間は延びます。弁護人に『鑑定の見込み期間』と『終了後の保釈方針』を最初に確認しておくと、家族の見通しが立つ
Q2精神鑑定で『心神喪失』と出れば、必ず無罪になりますか?
なりません。鑑定はあくまで裁判所の判断材料の一つで、責任能力の最終認定は裁判官(裁判員裁判なら裁判員も含む)が行います。刑法39条をどう適用するかは裁判所の判断です。実務のポイント:実務では複数の鑑定が対立することがあり、その場合は裁判所がどちらを採用するかで結論が変わる。逆に『完全責任能力あり』と出れば弁護側の心神喪失主張は極めて困難になるので、鑑定請求は諸刃の剣。請求前に勝算を冷静に見積もる
Q3鑑定留置されていた期間は、もし有罪になったら刑期に算入されますか?
算入の対象になります。167条6項により、鑑定留置は未決勾留日数の算入については勾留とみなされ、刑法21条に基づき裁判所の裁量で刑期から差し引かれます。実務のポイント:未決勾留日数がどれだけ刑期に算入されるかは裁判所の裁量で、全部算入されるとは限らない。判決の主文で『未決勾留日数中○日をその刑に算入する』と明示されるので、判決言渡しではこの部分も必ず確認する
間違えやすい点 AI による整理
- 「鑑定留置になった = 精神異常者扱いで不利」と思われがちだが、実は責任能力を争う正攻法の手続だ。心神喪失なら無罪(刑法39条1項)、心神耗弱なら減軽(同2項)。鑑定留置は被告人を守る盾にもなる
- 鑑定留置中も身柄拘束が続くことは知られているが、その深刻度が見落とされている。この期間は保釈が一切使えず(5項但書)、しかも勾留の時計は止まる(167条の2)。つまり「あと何日で勾留期限」という計算が一度止まり、拘束が実質的に延びる
- 「精神鑑定の結果は絶対だ」という前提で語られがちだが、問いの立て方が誤っている。鑑定はあくまで裁判所の判断材料の一つで、最終的に責任能力を認定するのは裁判官(裁判員裁判なら裁判員も)だ。鑑定で『心神喪失』と出ても、裁判所がそれを採用しないことはある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 本条の役割 | 167条:鑑定のための留置(鑑定留置)の根拠 | 165条:裁判所による鑑定の命令 167条の2:鑑定留置中の勾留執行停止 |
| 身柄への影響 | 病院等に強制的に留置、保釈は使えない(5項但書) | 留置そのものは生じない(鑑定の命令のみ) 勾留の進行が止まり拘束の総期間が延びる |
| 必要な手続 | 鑑定留置状という令状が必要(2項) | 鑑定人への鑑定命令 鑑定留置の開始に伴い自動的に作用 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も鑑定留置の制度を持ち、令状にあたる鑑定留置票を要する点で日本と共通する。
韓国も감정유치(鑑定留置)を定め、裁判所の許可と期間の定めを要する点で日本と類似する。
ドイツは被疑者の精神状態を観察するための公的精神病院への収容を認め、収容期間は原則6週間を超えられないとする上限規制がある点が特徴。
米連邦法は訴訟能力・責任能力の鑑定のため一定期間の収容を認め、合理的期間を超えない範囲で延長できる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたの家族が傷害事件で逮捕され、弁護人が「精神鑑定を請求します」と言った。鑑定留置に付されれば、家族は病院に1か月以上移される。これは責任能力を争う重要な一手だが、その間は保釈申請ができない。早く出してあげたい気持ちと、無罪・減軽を狙う戦略が正面からぶつかる
- もし、起訴された被告人が鑑定留置になったら、それは弁護側に有利なサインなのか? 答えは「場合による」。検察官が責任能力を固めるために鑑定を求めることもあり、結果が「完全責任能力あり」と出れば、むしろ弁護側の心神喪失主張を封じる証拠になる
- 認知症の親が万引きで捕まった。責任能力が問われ、鑑定留置の話が出る。高齢者の刑事責任は、この一室で判断される
- 勾留期限まであと数日、しかし精神鑑定の結論が出ていない。ここで鑑定留置状が出ると、勾留の進行は止まり(167条の2)、評価が終わるまで身柄拘束が続く。「あと3日で出られる」という見込みが、数か月先送りになる瞬間だ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 加害者が責任能力を争い鑑定留置に付されても、それは無罪が確定したわけではない、鑑定は判断材料の一つに過ぎない2. 被害者参加制度(刑事訴訟法316条の33以下)で刑事手続に関与し、責任能力の争点について意見を述べる道がある3. 仮に心神喪失で無罪・不起訴となっても、医療観察法による入院措置を求める手続が別にある4. 刑事で心神喪失とされても、監督義務者(家族など)に民法714条の責任を問える場合がある、刑事責任と民事賠償は別の判断
訴えられた側:1. 精神鑑定の請求は責任能力を争う重要手段だが、鑑定留置中は保釈が使えない(5項但書)ことを弁護人と確認2. 鑑定留置で勾留の進行は停止する(167条の2)、身柄拘束の総期間がどう動くか試算してもらう3. 留置場所・期間・延長の有無は鑑定留置状で決まる、期間が不当に長ければ短縮を求める余地がある(4項) 4. 鑑定結果が不利に出るリスクも踏まえ、請求する・しないを戦略的に判断、安易な鑑定請求が検察側の証拠を作ることもある
時効(請求できる期限):鑑定留置の期間は裁判所が定め、必要に応じて延長・短縮できる(4項)。法律上の一律の上限はないが、実務では1か月から3か月程度が多い。重要なのは、留置中は勾留期間の進行が停止し(167条の2)、留置日数は未決勾留日数の算入では勾留とみなされる(6項)こと(最新の運用をご確認ください)
学説
通説:鑑定はあくまで裁判所の判断材料の一つであり、責任能力の最終的な認定は裁判官(裁判員裁判では裁判員を含む)が行う。鑑定で心神喪失と出ても、裁判所がこれを採用しない余地がある点で見解はおおむね一致する。
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