刑事訴訟法 第188条
クイックジャンプ
訴訟費用の負担を命ずる裁判にその額を表示しないときは、執行の指揮をすべき検察官が、これを算定する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第188条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第188条の条文原文は「訴訟費用の負担を命ずる裁判にその額を表示しないときは、執行の指揮をすべき検察官が、これを算定する。」で始まります。
- 刑事訴訟法第188条は第十五章 訴訟費用に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第188条の前の条は刑事訴訟法第187条の2です。
- 刑事訴訟法第188条の次の条は刑事訴訟法第188条の2です。
- 刑事訴訟法第188条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第188条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第188条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/188
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法188条は、訴訟費用の負担を命ずる裁判に金額が示されていないとき、執行を指揮する検察官がその額を算定すると定める。算定への不服は裁判所に異議申立できる。
Q · 判決で『訴訟費用は被告人の負担』と言われたのに金額が分からない。誰がいつ決めるの?
判決後、執行を指揮する検察官が算定します
刑事訴訟法188条により、訴訟費用の負担を命ずる裁判にその額が示されていないときは、執行を指揮する検察官がその額を算定します。裁判官は負担の有無と割合のみを裁判し、具体的な金額は判決確定後に検察官が計算して納付通知を送ります。算定された額に不服があれば判決をした裁判所に執行に関する異議を申し立てることができ(502条)、貧困で払えない場合は執行免除の申立て(500条)も可能です。
解説
裁判が終わり、有罪判決で「訴訟費用は被告人の負担とする」と言い渡された。あなたはその場で具体的な金額を一度も聞いていない。理由は単純で、判決書に金額が書かれていないからだ。刑事訴訟法188条はこう定める。訴訟費用の負担を命じる裁判にその額が示されていないとき、執行を指揮する検察官がこれを算定する。つまり、あなたがいくら払うかを決めるのは法廷の裁判官ではなく、判決確定後の検察官だ。そして訴訟費用には、証人や鑑定人の旅費日当だけでなく、あなたが「無料」だと思い込んでいた国選弁護人の報酬まで含まれる。後日、検察庁から「訴訟費用○○円を納付せよ」という通知が届いて、あなたは初めて金額を知る。だが知っておくべきは、その算定に不服があれば判決をした裁判所に異議を申し立てられること(502条)、貧困で払えないなら執行免除を申し立てられること(500条)。金額は決定事項ではなく、争える余地が残っている。
法的な位置づけ
刑事訴訟法188条は、訴訟費用の負担を命ずる裁判にその額が表示されていない場合に、執行を指揮すべき検察官がその額を算定する旨を定める手続規定である。裁判所が負担の有無を裁判し、執行段階で検察官が金額を確定するという役割分担を示し、訴訟費用には証人・鑑定人の費用や国選弁護人の報酬が含まれる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.納付通知の内訳を最初に確認する 検察庁から訴訟費用の納付通知が届いたら、振り込む前にまず内訳明細を開く。証人旅費・日当、鑑定費用、国選弁護人報酬の各項目に過大がないか点検する
- 2.算定に不服なら判決裁判所へ異議を申し立てる 算定に誤りや過大があると判断したら、判決をした裁判所に執行に関する異議を申し立てる(502条)。検察官の執行が完了する前に動く必要があり、執行後では取り返しがつかない
- 3.貧困で払えない場合は執行免除を申し立てる 金額自体は正しいが貧困で払えないなら、通知を放置せず執行免除の申立てを行う(500条)。資力のなさを示す疎明資料(収入・資産状況の資料)をそろえる
- 4.公判段階なら181条但書で負担回避を疎明する まだ公判中で貧困が明らかなら、181条但書により訴訟費用の負担自体を免れうる。資力の疎明資料を弁護人経由で早めに提出し、そもそも請求段階に至らないよう備える
よくある質問 AI による整理
Q1訴訟費用にはどんな費用が含まれますか?
証人や鑑定人の旅費・日当・宿泊料、鑑定料、そして国選弁護人の報酬などが含まれます。範囲は刑事訴訟費用等に関する法律で定められ、有罪なら181条で被告人負担となりえます。
Q2訴訟費用の納付通知を無視するとどうなりますか?
訴訟費用の裁判は検察官の命令で執行され(490条)、放置すると財産の差押えに進みます。争うにせよ免除を求めるにせよ、通知を受けたら速やかに書面で動く必要があります。
Q3訴訟費用の算定に不服があるときは?
算定は検察官の処分にすぎず最終確定ではありません。判決をした裁判所に執行に関する異議を申し立てられます(502条)。執行が完了する前に動かないと実益を失います。
Q4貧困で訴訟費用が払えないときはどうすればいい?
執行免除の申立てができます(500条)。本来、判決時に貧困が明らかなら181条但書で負担自体を免れたはずなので、資力を疎明する材料をそろえて申し立てます。
Q5無罪になったら訴訟費用は払わなくていいですか?
原則として無罪なら訴訟費用は国庫負担で、被告人に負担させる181条は有罪を前提とします。費用負担命令は有罪判決に伴うものと理解するのが基本です。
Q6訴訟費用の負担を命じる裁判は誰が執行しますか?
裁判の執行は原則として検察官が指揮し(472条)、訴訟費用の裁判は検察官の命令によって執行されます(490条)。金額の算定もこの執行指揮の一環として検察官が行います。
Q7訴訟費用の算定に時効はありますか?
188条の算定自体に固有の時効はありません。ただし算定処分への異議(502条)は執行が完了する前に行わなければ実益を失うため、納付通知後は速やかな対応が必要です。
Q8控訴・上告すると訴訟費用は増えますか?
各審級でかかった証人費用・鑑定費用・国選弁護人報酬などが累積しうるため、徹底して争うほど有罪時の訴訟費用は膨らむ構造があります。立証方針は費用リスクも踏まえて設計します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1判決で『訴訟費用は被告人負担』と言われたのに、金額を教えてもらえませんでした。なぜですか?
刑事訴訟法188条が、判決に金額の記載がない場合は執行を指揮する検察官が算定すると定めているからです。裁判官は負担の有無と割合だけを判断し、具体的な金額計算は判決確定後に検察官が行います。実務のポイント:算定通知が届いて内訳を見て初めて、国選弁護人の報酬が含まれていることに驚く人が多い。通知が来る前に弁護人へ『訴訟費用はいくら来そうか』と聞いておくと、心の準備も資金準備もできる
Q2国選弁護人を頼んだのに、なぜあとで費用を請求されるんですか?
国選弁護人の報酬や費用は刑事訴訟費用等に関する法律上の訴訟費用に含まれ、181条により有罪の被告人に負担させることができるからです。国選は国が一時立替える制度であって、無条件の無料ではありません。実務のポイント:ただし181条但書で『貧困のため納付できないことが明らか』な場合は負担を命じられない。公判中に資力のなさを疎明できれば、そもそも請求自体を回避できる。有罪が見えている事件ほど、この疎明を早めに準備するのが弁護人の腕の見せどころだ
間違えやすい点 AI による整理
- 判決で「被告人の負担とする」と言われた時点で金額も確定している、と思い込みがちだが、188条が示す通り、金額は判決に載らず、判決確定後に検察官が算定する。あなたが具体的な数字を知るのは、納付通知が届いた瞬間だ
- 国選弁護人の費用が訴訟費用に含まれること自体は何となく知っていても、その深刻さを見落としている人が多い。事件が複雑で弁護活動が長期化すれば費用は積み上がり、有罪ならその全額が請求対象として跳ね返ってくる
- 「検察官が決めた金額なのだから従うしかない」という前提そのものが誤っている。算定はあくまで検察官の一処分であって最終確定ではなく、不服があれば判決をした裁判所が判断し直す(502条)。あなたが立てた『争えない』という問いが間違っている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律内容 | 188条:訴訟費用の額の算定(金額の確定) | 181条:訴訟費用を誰が負担するかの命令 502条:検察官の執行処分に対する異議 |
| 主体 | 執行を指揮する検察官 | 裁判所(判決) 判決をした裁判所 |
| タイミング | 判決確定後の執行段階 | 判決時 納付通知後・執行完了前 |
他国ではどう定めているか 2 か国
台湾も裁判の執行は検察官が指揮する建付けをとる。訴訟費用の執行段階での処理という点で日本188条と機能的に近い。
ドイツは費用負担の裁判とは別に、額の確定(Kostenfestsetzung)を申立てに基づき行う手続を設ける。額の確定を執行段階の別処分とする点が日本188条と類似する。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 有罪だが執行猶予はついた、これでもう終わったと胸をなで下ろした数週間後、検察庁から一通の納付通知が届いたら? そこには法廷で一度も聞かなかった「訴訟費用 十数万円」の文字。内訳の大半は、あなたが無料だと信じていた国選弁護人の費用だ
- あなたは無罪を主張して徹底的に争い、複数の証人を呼び、鑑定も求めた。だが有罪となった。争えば争うほど膨らんだ証人旅費と鑑定費用が、訴訟費用としてそのままあなたに請求される。防御に力を入れた分だけ、敗訴時の請求書が重くなる
- 納付通知が届いた。算定がおかしいと感じても、検察官の執行が進めば財産の差押えに向かう。異議を出すなら執行が完了する前に動くしかない。封筒を開けた今日が、争えるかどうかの分かれ目だ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 検察官からの算定通知が届いたら、まず内訳明細を確認し、証人旅費、鑑定費用、国選弁護人報酬の各項目を点検2. 算定に誤りや過大があると判断したら、判決をした裁判所に執行に関する異議を申し立てる(502条) 3. 金額自体は正しいが貧困で払えないなら、執行免除の申立て(500条)を別途行う4. 通知を無視すると財産差押えに進むため、争うにせよ免除を求めるにせよ、必ず書面で速やかに動く
訴えられた側:1. 公判段階で貧困が明らかなら、181条但書で訴訟費用の負担自体を免れうるため、資力の疎明資料を弁護人経由で提出2. 無罪主張で証人や鑑定を多用するほど敗訴時の費用が膨らむので、立証方針は費用リスクも踏まえて弁護人と設計3. 判決で負担を命じられたら、後日の算定通知に備えて内訳を予測しておく4. 国選弁護を利用した場合、その報酬が請求対象になる前提で資金計画を立てる
時効(請求できる期限):188条の算定自体に固有の時効はない。ただし検察官の処分に対する異議申立(502条)は、執行が完了する前に行わなければ実益を失う。訴訟費用負担の裁判は財産刑等と同様、検察官の命令によって執行される(490条)。納付通知を受けたら速やかに動くこと
学説
通説:188条による検察官の算定は執行指揮に付随する処分であって終局的な確定ではなく、額に不服があれば502条の異議によって判決裁判所が事後的に審査する、と理解される。負担の有無は裁判所、額の確定は検察官という役割分担に立つ。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:現行刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)の制定により、訴訟費用の額を執行段階で検察官が算定する仕組みが規定された。
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める