刑事訴訟法 第257条
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公訴は、第一審の判決があるまでこれを取り消すことができる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第257条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第257条の条文原文は「公訴は、第一審の判決があるまでこれを取り消すことができる。」で始まります。
- 刑事訴訟法第257条は第二章 公訴に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第257条の前の条は刑事訴訟法第256条の2です。
- 刑事訴訟法第257条の次の条は刑事訴訟法第258条です。
- 刑事訴訟法第257条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第257条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第257条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/257
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法257条は、検察官が第一審判決があるまで公訴を取り消せると定める。取り消した事件は、新たな重要証拠がない限り再起訴できない(340条)。
Q · 起訴されたら、もう判決で有罪か無罪かを争うしかないの?
判決まで一直線とは限らない。検察官は判決前なら起訴を取り消せる
刑事訴訟法257条により、検察官は第一審判決が宣告されるまで、いつでも公訴を取り消せます。被告人の同意も裁判所の許可も不要で、示談の成立、証拠の崩壊、真犯人の出現などの事情があれば、判決を待たずに訴追を撤回できます。取消しがあると裁判所は公訴棄却の決定を出し(339条)、前科は残りません。ただし無罪確定ではなく、新たな重要証拠が見つかれば同一事件で再起訴される余地があります(340条)。
解説
起訴状が届いた。もう裁判で有罪か無罪かを争うしかない、多くの人はそう覚悟を決める。だが検察官の手元には、まだ一枚のカードが残っている。刑訴法257条は、検察官が第一審の判決が出るまでなら、いつでも公訴(起訴)を取り消せると定める。被告人の同意も、裁判所の許可もいらない、検察官の一存だ。なぜこんな権限があるのか。日本は起訴便宜主義(検察官が起訴するかどうかを裁量で決める仕組み、248条)を採るため、起訴した後に事情が変われば引く道も開けてある。示談が成立した、唯一の証人が証言を翻した、真犯人が別に現れた。こうした事情で検察官が「これは有罪を維持できない」と判断すれば、判決を待たずに撤回する。ただし落とし穴がある。一度取り消した公訴は、新たに重要な証拠を発見しない限り、同じ事件で二度と起訴できない(340条)。検察官にとっても、取消しは後戻りできない賭けだ。
法的な位置づけ
公訴の取消しとは、検察官が一度提起した公訴を、第一審判決の前に撤回する訴訟行為をいう。起訴便宜主義(248条)の延長として認められ、被告人の同意や裁判所の許可を要しない。取消しがあると裁判所は公訴棄却の決定を行い(339条)、再起訴は犯罪事実につき新たに重要な証拠を発見した場合に限られる(340条)。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.判決前の窓が開いているか確認する 257条の取消しが可能なのは第一審判決の宣告前まで。まず公判の進行状況を弁護人と確認し、結審・判決期日までに残された時間を把握する。判決後では量刑情状にしか使えない
- 2.宥恕文言入りの示談書を整える 示談を成立させる際、賠償額の合意だけでなく、被害者が処罰を望まない旨(宥恕文言)を書面に明記してもらう。これが検察官の取消し判断を後押しする決定的資料になる
- 3.疎明資料を添えて検察官へ正式に申し入れる 弁護人を通じ、取消しを基礎づける事情(示談成立、証拠の崩壊、真犯人の出現)を疎明資料とともに検察官へ届ける。被告人に請求権はないが、組織として取消しが合理的と思わせる材料を揃えるのが鍵
- 4.取消し後の再起訴リスクを確認する 公訴取消しが実現すれば裁判所は公訴棄却の決定を出し(339条)前科は残らない。ただし新証拠による再起訴の余地(340条)がないか、証拠状況を弁護人と最終確認しておく
よくある質問 AI による整理
Q1公訴の取消しとは何ですか?
検察官が一度提起した公訴を第一審判決の前に撤回することです。刑事訴訟法257条が根拠で、被告人の同意も裁判所の許可も不要、検察官の一存で行えます。
Q2公訴取消しはいつまでできますか?
第一審の判決があるまでです(257条)。判決が宣告された瞬間にこの権限は消滅します。判決後は控訴の放棄・取下げが残るだけで、起訴自体の取消しはできません。
Q3公訴取消しと不起訴の違いは何ですか?
不起訴は起訴する前に検察官が訴追しない判断、公訴取消しは一度起訴した後に判決前へ撤回する行為です。どちらも有罪無罪の判断はされません。
Q4公訴取消し後に再起訴されることはありますか?
あります。犯罪事実につき新たに重要な証拠を発見した場合に限り、同一事件で再起訴できます(340条)。取消しは無罪確定ではなく条件付きの停止です。
Q5公訴棄却と公訴取消しの違いは何ですか?
公訴取消しは検察官の行為、公訴棄却は取消しを受けて裁判所が出す決定です(339条1項3号)。取消し→棄却という順で裁判が打ち切られます。
Q6示談すると起訴は取り消されますか?
自動ではありません。取消しは検察官の権限で、被告人に請求権はありません。ただし判決前に示談書(宥恕文言入り)を届けると、取消しの判断材料になります。
Q7検察審査会とは何ですか?
不起訴や公訴取消しに納得できない被害者などが審査を申し立てられる、一般市民で構成される機関です。二度『起訴相当』と議決すれば強制起訴に至る道もあります。
Q8起訴猶予と公訴取消しは同じですか?
違います。起訴猶予は起訴する前に検察官が起訴を見送る処分(248条)、公訴取消しは起訴した後に判決前へ撤回する行為(257条)です。タイミングが異なります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1起訴を取り消してもらえたら、もう無罪ってことですか?
無罪とは違います。公訴取消しがあると裁判所は『公訴棄却の決定』を出し(刑訴法339条1項3号)、裁判は打ち切られますが、有罪か無罪かの判断自体はされません。前科は残りませんが、新たに重要な証拠が見つかれば同じ事件で再び起訴される余地があります(340条)。実務のポイント:弁護人はあえて『取消し』より『無罪判決』を狙う場面もある。無罪が確定すれば再起訴リスクはゼロになるからです。早期決着と完全決着のどちらを取るかは戦略判断です
Q2検察官に『起訴を取り消してください』とお願いできるんですか?
取消しは検察官の権限であり、被告人に請求権はありません(刑訴法257条)。ただし弁護人を通じて、取消しを基礎づける事情(示談、証拠の崩壊など)を疎明資料とともに申し入れることは実務で行われます。実務のポイント:検察官は一度起訴した事件を取り消すと内部で説明責任が生じるため、簡単には動きません。だからこそ『判決でも勝てないし、取り消した方が組織にとっても合理的だ』と思わせる材料を、判決前に揃えて届けられるかが勝負になります
Q3一審の判決が出たあとでも、検察官が起訴を取り下げることはありますか?
257条による公訴取消しは第一審判決までで、判決後はできません。判決後に検察官が取りうるのは控訴の放棄・取下げですが、それは『判決を確定させる』行為であって、起訴自体をなかったことにする取消しとは別物です(刑訴法257条、控訴は351条以下)。実務のポイント:だから示談交渉は判決前が圧倒的に有利です。判決後の示談は控訴審の量刑に影響する程度にとどまり、前科を消す力はもうありません
間違えやすい点 AI による整理
- あなたは「起訴されたら裁判で無罪を勝ち取るしかない」と一本道で考えている。だが検察官の視点には『勝てない事件を判決まで引っ張るより、判決前に取り消す方が合理的』という撤退路も入っている。あなたが見ているのは『戦う』地図、検察官が見ているのは『引く』選択肢も含む地図。この落差を知らないと、示談を持ち込むべき時期を逃す
- 公訴取消しで事件が終わると聞いて安心する人がいる。だが取消しは無罪ではない。新たに重要な証拠が出れば、同じ事件で再び起訴される(340条)。『終わった』のではなく『条件付きで止まった』だけだ。その深刻さを見落とすと、後日の再起訴に虚を突かれる
- 「検察官が起訴を取り消すには裁判所の許可がいる」と思われがちだが、不要。257条は検察官の一方的な権限であり、裁判所は取消しがあれば公訴棄却の決定を出す(339条1項3号)だけで、取消しの当否を審査する立場にない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 行為の主体・性質 | 257条:検察官が公訴を撤回する訴訟行為 | 339条:取消しを受け裁判所が出す公訴棄却の決定 340条:取消し後の再起訴を制限する規定 |
| タイミング | 第一審判決があるまで(判決後は不可) | 公訴取消しがあった後 公訴取消し後、再起訴を試みる段階 |
| 効果 | 訴追の撤回(有罪無罪の判断はされない) | 裁判の打ち切り(前科は残らない) 新証拠がなければ再起訴を遮断 |
| 要件 | 検察官の判断のみ(同意・許可不要) | 適法な公訴取消しの存在 犯罪事実につき新たに重要な証拠を発見 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も第一審弁論終結前に限り検察官の撤回起訴を認める点で日本と近い。撤回後の再行起訴は一定の制限に服する。
韓国も第一審判決の宣告前まで検察官の公訴取消しを認める。日本と同様、取消し後の再起訴は制限される。
ドイツは公判開始決定(Eröffnung des Hauptverfahrens)後は検察官による訴追の取下げを認めず、取消し可能な時期を日本より早く区切る。
米国では検察官の公訴取下げに裁判所の許可(leave of court)を要する点が日本と異なり、裁量濫用の防止を裁判所の関与に委ねる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 痴漢で起訴されたが、第一審の途中で被害者と示談が成立し、被害者が処罰を望まない旨を書面で表明した。弁護人がこの書面を検察官に届けると、公訴取消しの可能性が出てくる。判決が出る前のこのタイミングが分水嶺。第一審判決が宣告されてしまえば、257条のこの道は永久に閉じる
- もし、起訴後に唯一の目撃者が「人違いだった」と証言を覆したら、どうなる? 検察官は有罪維持が難しいと見て、判決前に公訴を取り消すことがある。無罪判決と違い、この場合はそもそも有罪無罪の判断自体がされない
- あなたが被害者として告訴し、加害者が起訴された。ところが公判の途中で検察官から「証拠不十分のため公訴を取り消す方針」と告げられた。被害者のあなたが直接できることは限られるが、検察審査会への申立てという別ルートは残されている
- 真犯人が別に名乗り出た。検察官は即座に公訴を取り消した。あなたは判決を待たず、被告人席を静かに降りる。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 検察官から公訴取消しの方針を聞いたら、まず理由(証拠不十分か、示談か)を確認する2. 取消しに納得できない場合、検察審査会へ審査を申し立てられる。一般市民で構成される審査会が二度『起訴相当』と議決すれば強制起訴に至る道もある3. 刑事とは別に、民事(民法709条)で損害賠償を直接請求する道は常に残っている4. 取消し後でも、新たな重要証拠を見つけて検察官へ提供すれば再起訴の可能性がある(340条)
訴えられた側:1. 弁護人を通じ、公訴取消しを基礎づける事情(示談成立、被害者の宥恕、証拠の崩壊、真犯人の出現)を第一審判決前に検察官へ正式に届ける2. 示談書には被害者が処罰を望まない旨(宥恕文言)を明記してもらう3. 取消しが実現すれば裁判所は公訴棄却の決定を出し(339条)、前科は残らない4. ただし取消しは無罪確定ではない。新証拠による再起訴の余地がないか、証拠状況を弁護人と確認しておく
時効(請求できる期限):公訴の取消しができるのは第一審の判決があるまで(刑訴法257条)。第一審判決が宣告された瞬間、この権限は消滅する。取消し後の再起訴は、犯罪事実につき新たに重要な証拠を発見した場合に限られる(同340条)
学説
通説:257条の公訴取消しは起訴便宜主義(248条)の延長として、起訴後の事情変化に対応する検察官の裁量を認める。もっとも取消しと再起訴の濫用を防ぐため、時的限界を第一審判決までとし、再起訴を新証拠の発見がある場合に限る(340条)ことで、訴追裁量の柔軟性と被告人の地位の安定を調和させると解される。
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