刑事訴訟法 第258条
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検察官は、事件がその所属検察庁の対応する裁判所の管轄に属しないものと思料するときは、書類及び証拠物とともにその事件を管轄裁判所に対応する検察庁の検察官に送致しなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第258条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第258条の条文原文は「検察官は、事件がその所属検察庁の対応する裁判所の管轄に属しないものと思料するときは、書類及び証拠物とともにその事件を管轄裁判所に対応する検察庁の検察官に送致しな…」で始まります。
- 刑事訴訟法第258条は第二章 公訴に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第258条の前の条は刑事訴訟法第257条です。
- 刑事訴訟法第258条の次の条は刑事訴訟法第259条です。
- 刑事訴訟法第258条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第258条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第258条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/258
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法258条は、検察官が管轄外と思料する事件を、書類・証拠物とともに管轄裁判所に対応する検察庁の検察官へ送致する義務を定める。
Q · 刑事事件って、自分で「どこの裁判所で裁かれるか」を選べないの?
選べません。検察官が管轄に応じて送致します
刑事訴訟法258条により、検察官は事件が自分の検察庁に対応する裁判所の管轄に属しないと思料するとき、書類および証拠物とともに、管轄裁判所に対応する検察庁の検察官へその事件を送致しなければなりません。これにより被疑者は、土地管轄(刑訴2条、犯罪地・被告人の住所・居所・現在地で決まる)に合わない場所で起訴されることを防がれます。送致では捜査記録もそのまま引き継がれ、ゼロからの再捜査にはなりません。
解説
あなたが何かの容疑をかけられたとき、どこの裁判所で裁かれるかは、あなた自身が選べない。それを一番最初に振り分けるのが検察官だ。258条はこう命じる。検察官は、自分の所属する検察庁に対応する裁判所では管轄に属さない事件だと思ったら、書類も証拠物もまとめて、管轄裁判所に対応する検察庁の検察官へ送致しなければならない。つまりあなたの事件は、起訴される前から「正しい土俵」へと運ばれていく。土地管轄(刑訴2条、犯罪地または被告人の住所・居所・現在地で決まる)に合わない場所で勝手に起訴されないための、入口の交通整理である。これを軽く見るとどうなるか。仮に管轄違いの場所で起訴されれば、裁判所は中身の審理に入る前に「管轄違いの判決」(刑訴329条)を出さざるを得ず、手続は振り出しに戻る。258条は、その空回りを未然に防ぐ、検察内部のルートスイッチなのだ。
法的な位置づけ
刑事訴訟法258条は事件の送致を定める規定であり、検察官が、所属検察庁に対応する裁判所の管轄に事件が属しないと判断したとき、書類および証拠物を添えて、管轄裁判所に対応する検察庁の検察官へ事件を送致する義務を課す。起訴前における土地管轄(刑訴2条)の調整機能を担う。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.逮捕・取り調べ段階で事件の管轄を確認する 事件がどこの管轄かを弁護人と確認する。犯罪地・住所・居所・現在地(刑訴2条)のどの基準が効いているかを押さえ、自分の事件がどの検察庁に握られているかを把握する
- 2.管轄違いの疑いがあれば起訴前に指摘する 土地管轄に疑問があれば、起訴される前に弁護人を通じて検察官へ指摘し、258条による正しい検察庁への送致を促す。法廷で争うより前段階で土俵を正す方が手続の蒸し返しを避けられる
- 3.起訴後に気づいたら管轄違いの判決を検討する 起訴後に管轄違いに気づいた場合は、第一審で管轄違いの判決(刑訴329条)を求める主張を検討する。ただし管轄が認められる事件が大半である点も踏まえ、実体的に争う損得を見極める
- 4.送致先の弁護人アクセスを再検討する 送致で事件が別の街へ移ると、弁護人の地理的アクセスが問題になる。必要なら送致先の地域の弁護士への切り替えや、接見・記録閲覧の体制を整える
よくある質問 AI による整理
Q1事件の送致とは何ですか?
検察官が、管轄に属しないと判断した事件を、書類・証拠物とともに管轄裁判所に対応する検察庁の検察官へ引き継ぐ手続です。刑事訴訟法258条が根拠です。
Q2刑事事件はどこの裁判所で裁かれるか自分で選べますか?
選べません。土地管轄(刑訴2条)に従い、犯罪地・住所・居所・現在地を基準に決まります。検察官と裁判所が判断し、被疑者本人は選択できません。
Q3事件の送致でまた一から取り調べをやり直すのですか?
原則やり直しません。258条は書類・証拠物を一緒に送致すると定めており、捜査記録は引き継がれます。送致先で補充捜査が行われることはあります。
Q4管轄違いの場所で起訴されたらどうなりますか?
裁判所は中身の審理に入る前に「管轄違いの判決」(刑訴329条)を出し、手続は振り出しに戻ります。258条はこの空回りを防ぐための送致義務です。
Q5犯罪地と住所地が違う場合、どこの検察庁が担当しますか?
原則は犯罪地の検察庁ですが、被告人の住所・居所・現在地も管轄基準(刑訴2条)になります。複数成立する場合があり、検察官が振り分けます。
Q6送致される事件はいつまでに処理されますか?
送致自体に固有の期限はありませんが、公訴時効(刑訴250条)の完成前に必要です。身柄事件では勾留期間(逮捕後最大23日)内に送致の要否が判断されるのが通常です。
Q7ネット犯罪のように犯罪地が複数にまたがる事件はどうなりますか?
被害者・加害者・サーバーが各地に分かれる事件では、どの検察庁が握るかで送致が動き、裁かれる街が変わります。複数の管轄が成立しうるためです。
Q8引っ越したら裁かれる場所も変わりますか?
変わることがあります。被疑者の現在地という管轄基準(刑訴2条)が働き、事件が新しい街の検察庁へ送致される場合があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1事件が別の検察庁に送られたら、また一から取り調べをやり直すんですか?
原則やり直しません。258条は書類と証拠物を一緒に送致すると定めているので、それまでの捜査記録はそのまま引き継がれます。ただし送致先の検察官が不足分の補充捜査を行うことはあります。実務のポイント:送致が挟まると、勾留や起訴のタイミングが数日ずれることがある。弁護人はこの「送致による時間の間」を、保釈の準備や被害者との示談交渉のための猶予として戦略的に使うことがある
Q2管轄違いの場所で起訴されたら、その裁判は無効になるんですか?
無効ではなく、裁判所が「管轄違いの判決」(刑訴329条)を言い渡し、その裁判所では中身の審理をしないという扱いになります。258条は、そもそも検察官にこの事態を避けるための送致義務を課しています。実務のポイント:管轄違いは被告人側から主張できる争点だが、実務では管轄が認められる事件が大半で、覆るのは稀。管轄違いで時間を稼ぐより、土俵の上で実体的に争った方が得な場面が多く、弁護人はその損得を冷静に見極める
間違えやすい点 AI による整理
- 「事件が別の検察庁へ送られたら、捜査をまた一からやり直す」と思われがちだが、258条は書類と証拠物を一緒に送致すると定めている。捜査記録はそのまま引き継がれ、ゼロからの再捜査にはならない。送致は仕切り直しではなく、バトンの受け渡しだ
- 土地管轄は誰でも知っている言葉だが、それが起訴される前から検察庁の間で調整されているという深刻さは見落とされている。あなたが取り調べを受けている裏で、どの裁判所があなたを裁くかが静かに確定していく。管轄は法廷で争うものという認識は、実態より一段遅い
- 「自分が住んでいる街、または事件が起きた街、どちらかを選んで裁判を受けられるはずだ」という前提でものを考える人がいるが、その問いの立て方自体がずれている。選ぶのはあなたではなく、刑訴2条の基準に従って検察官と裁判所が決める。あなたにできるのは、その基準が正しく適用されているかを点検することだけだ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 刑訴258条:管轄外の事件を管轄の検察庁へ送致する義務 | 刑訴2条:土地管轄の基準(犯罪地・住所・居所・現在地) 刑訴329条:管轄違いの判決(送致を怠った帰結) |
| 作用する段階 | 起訴前(検察内部の振り分け) | 管轄を判断する全段階の前提基準 起訴後(公判で管轄を欠くと判明したとき) |
| 主体 | 検察官(送致義務を負う) | 検察官・裁判所が基準として参照 裁判所(管轄違いの判決を言い渡す) |
他国ではどう定めているか 4 か国
検察官が事件を自己の管轄に属しないと認めるときに該管検察官へ通知・移送する点で、日本の258条と機能的に対応する。
韓国も検察の管轄に応じた事件の送致・移送制度を持ち、起訴前に適正な管轄へ事件を運ぶ構造は日本と類似する。
ドイツは検察の管轄を裁判所の管轄に対応させており、管轄外の事件は管轄を有する検察庁へ移送される点で趣旨が共通する。
米国は犯罪地での裁判(venue)を憲法上保障し、不適切な地での起訴は移送・却下の対象となる。検察内部の送致という形ではなく訴追・移送ルールで処理する点が異なる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 出張先の県でうっかり交通事故を起こし、相手に怪我を負わせた。あなたの自宅は別の県。この事件、どこの検察庁が握り、どこの裁判所で裁かれる? 原則は犯罪地(事故現場)の検察庁だが、被疑者の現在地という基準も働く。258条はその振り分けの根拠になる
- あなたが被疑者として地元の警察に逮捕された。だが事件そのものは隣県で起きていた。検察官は書類と証拠物を一括して、隣県の検察庁の検察官へあなたの事件を送致する。
- 全国を転々とする仕事をしていて、複数の県にまたがる事件の容疑がかかった。勾留は最大23日、その限られた時間の中で、検察官は管轄を見極めて他庁へ送致するか自分のところで起訴するかを決める。送致されれば、あなたの防御の舞台が突然別の街に移る
取るべき行動
被害を受けた側:1. 被害届や告訴をどこの警察・検察庁へ出すか迷ったら、犯罪地(事件が起きた場所)の管轄を基準に考える2. 受理した検察庁が管轄違いと判断すれば258条で適切な検察庁へ送致されるので、最初の窓口が違っても門前払いにはならない3. 事件の進捗が見えなくなったら、送致された先の検察庁を確認し、被害者通知制度の利用を申し出る4. 損害賠償は刑事と別軌道(民法709条)なので、刑事の管轄に引きずられず民事の裁判管轄は別途検討する
訴えられた側:1. 逮捕・取り調べの段階で、事件がどこの管轄かを弁護人と確認する。犯罪地・住所・現在地(刑訴2条)のどれが効いているかを押さえる2. 管轄違いの疑いがあれば、起訴前に弁護人を通じて検察官へ指摘し、258条による正しい検察庁への送致を促す3. 起訴後に管轄違いに気づいた場合は、第一審で管轄違いの判決(刑訴329条)を求める主張を検討する4. 送致で担当が変わると弁護人の地理的アクセスも問題になる。必要なら送致先の地域の弁護士への切り替えも視野に入れる
時効(請求できる期限):258条の送致それ自体に固有の期限はないが、公訴時効(刑訴250条、罪の重さにより1年から25年、人を死亡させた一定の重大犯罪は時効なし)が完成する前に送致と起訴を済ませる必要がある。身柄事件では、勾留期間(逮捕後最大23日)内に送致の要否が判断されるのが通常(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:258条の送致は、起訴前に事件を法定の土地管轄(刑訴2条)に対応する検察庁へ移す手続的調整であり、被告人が法律で定められた裁判所以外で裁かれない保障を実効化する規定と理解される。書類・証拠物の一括送致により二重捜査の無駄も避けられる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:現行刑事訴訟法の全面制定(昭和23年法律第131号)により、検察官の管轄に基づく事件送致義務として規定された。
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