刑事訴訟法 第340条
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公訴の取消による公訴棄却の決定が確定したときは、公訴の取消後犯罪事実につきあらたに重要な証拠を発見した場合に限り、同一事件について更に公訴を提起することができる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第340条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第340条の条文原文は「公訴の取消による公訴棄却の決定が確定したときは、公訴の取消後犯罪事実につきあらたに重要な証拠を発見した場合に限り、同一事件について更に公訴を提起することができる…」で始まります。
- 刑事訴訟法第340条は第五節 公判の裁判に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第340条の前の条は刑事訴訟法第339条です。
- 刑事訴訟法第340条の次の条は刑事訴訟法第341条です。
- 刑事訴訟法第340条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第340条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第340条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/340
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法340条は、公訴取消による公訴棄却が確定した後、検察官が同一事件を再起訴できるのは、犯罪事実につきあらたに重要な証拠を発見した場合に限ると定める。
Q · 公訴取消で終わった事件は、また同じ容疑で起訴されることがあるの?
原則できない。あらたに重要な証拠がある場合に限り再起訴できる
刑事訴訟法340条により、公訴の取消しによる公訴棄却の決定が確定した後は、犯罪事実につきあらたに重要な証拠を発見した場合に限って、検察官は同一事件を再起訴できます。検察官の自由裁量ではなく客観的な要件で縛られているため、同一証拠の出し直しや方針変更、世論の圧力による再起訴は認められません。要件を欠く再起訴に対しては、裁判所が職権で公訴棄却します。さらに公訴時効が完成すれば、新証拠があっても再起訴はできません。
解説
起訴されたが、裁判の途中で検察官が自ら「公訴を取り消す」と言い出し、裁判所が公訴棄却の決定を出して事件が終わった。ほっとしたのも束の間、あなたは「また蒸し返されるのではないか」と怯える。刑事訴訟法340条は、その不安に明確な線を引く。一度公訴取消で終わった事件を検察官が再び起訴できるのは、「犯罪事実について、あらたに重要な証拠を発見した場合に限り」、というただ一つの条件を満たしたときだけだ。単なる方針変更、世論の圧力、前と同じ証拠の出し直しでは、二度目の起訴は許されない。要件を欠いた再起訴を、裁判所は職権で公訴棄却にする。つまりあなたは、検察官の気まぐれな再訴追から手続的に守られている。鍵は「新しい重要証拠」というハードルが、被告人ではなく検察側に立証責任として課されている点にある。守られている側が、その盾の存在を知らないのが一番もったいない。
法的な位置づけ
刑事訴訟法340条は、公訴の取消しによる公訴棄却の決定が確定した事件について、検察官による再起訴を制限する規定である。再度の公訴提起は、公訴取消後に犯罪事実につきあらたに重要な証拠を発見した場合に限って許され、その要件を欠く再訴追は公訴棄却の対象となる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.再起訴の起訴状が届いたら直ちに弁護人へ相談 公訴取消で終わった事件について再び起訴状が届いた場合、本案の有罪無罪に入る前にまず弁護人へ相談する。340条という入口論で争えるかを最初に判断する
- 2.検察の「新証拠」が取消後の新発見か精査 検察が主張する『あらたに重要な証拠』が、本当に公訴取消後に発見されたものか、前から捜査記録にあった証拠の出し直し・言い換えでないかを精査する。重要性が結論を左右しうるかも検討する
- 3.第一回公判前に340条違反の公訴棄却を申し立てる 要件不充足と判断できれば、第一回公判で本案について弁論する前に、340条違反・339条による公訴棄却を申し立てる。入口で勝てば長期の本案審理を回避できる
- 4.公訴時効の完成を確認し免訴も検討 公訴棄却確定後に再進行した公訴時効(刑訴254条)が完成していないか逆算で確認する。完成していれば免訴(337条)を主張する
よくある質問 AI による整理
Q1公訴の取消しとは何ですか?
起訴後に検察官が自ら公訴を取り下げることです(刑訴257条)。第一審判決前に限り可能で、裁判所はこれを受けて公訴棄却の決定をします(刑訴339条)。
Q2一事不再理と公訴取消は何が違いますか?
一事不再理(憲法39条)は確定判決後の再訴追を完全に封じます。公訴取消による公訴棄却は確定判決ではないため、あらたに重要な証拠があれば再起訴の余地が残ります。
Q3公訴棄却と無罪判決はどう違いますか?
無罪判決は本案について判断した確定判決で再訴追を遮断します。公訴取消による公訴棄却は手続上の終了にすぎず、新証拠次第で再起訴される可能性が残ります。
Q4再起訴に公訴時効の制限はありますか?
あります。公訴棄却が確定すると停止していた公訴時効が再進行します(刑訴254条)。新証拠が時効完成後に見つかれば再起訴はできません。
Q5検察審査会に申し立てるとどうなりますか?
不起訴や公訴取消に納得できない被害者は検察審査会に審査を申し立てられます。起訴相当・不起訴不当の議決が出れば、検察が再検討します。
Q6公訴取消は誰が決めますか?
検察官が自らの判断で公訴を取り消します(刑訴257条)。被告人や被害者が直接取り消すことはできず、裁判所がこれを受けて公訴棄却の決定をします。
Q7公訴取消後の再起訴を防ぐ方法はありますか?
再起訴の起訴状が届いたら、検察の挙げる証拠が公訴取消後に新たに発見された重要証拠か精査し、要件を欠けば340条違反として公訴棄却を申し立てます。
Q8同じ証拠での再起訴は違法ですか?
違法です。340条は『あらたに重要な証拠の発見』を要件とするため、前から記録にあった証拠の言い換えや出し直しでは再起訴の要件を満たしません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1公訴棄却で終わったのに、また起訴されることって本当にあるんですか?
あります。ただし検察官が公訴を取り消して公訴棄却の決定が確定した場合(刑訴257条、339条)、再起訴できるのは『あらたに重要な証拠を発見した場合に限る』と340条が定めています。検察の気分や世論では再起訴できません。実務のポイント:弁護人は再起訴の起訴状を受け取ると、まず検察が挙げる新証拠が『本当に取消後に新たに発見されたものか』を疑ってかかります。前から手元にあった証拠の出し直しは要件を満たさず、入口の公訴棄却で勝てるからです
Q2『あらたに重要な証拠』って、どの程度のものを指すんですか?
単なる新しい資料では足りません。340条の趣旨は被告人を反復起訴から守ることにあるため、その証拠が事件の結論を左右しうる重要性を持ち、かつ公訴取消の時点で検察が把握していなかったものである必要があります。実務のポイント:実務では『重要性』と『新規性』のどちらで争うかが弁護戦略の分かれ目です。証拠の存在自体は前からあったが解析で新事実が判明した、というケースは新規性をめぐって解釈が分かれており、実務上、評価が一様ではありません
間違えやすい点 AI による整理
- 「公訴取消で終わった事件は、もう一度起訴されても仕方ない、検察が決めることだから」と諦めている人が多い。だが立てた前提が誤っている。再起訴は検察の自由裁量ではなく、340条が「あらたに重要な証拠の発見」という客観的条件で縛っている。条件を欠けば、検察がどれだけ起訴したくても裁判所が止める
- 公訴取消による公訴棄却を、無罪判決や一事不再理(憲法39条)と同じ「もう絶対に蒸し返されない終局」だと思っている人がいる。これは深刻度の取り違えだ。無罪確定は二重の危険として再訴追を完全に封じるが、公訴取消後は新証拠さえあれば再起訴の余地が残る。同じ「事件が終わった」でも、防御の堅さがまるで違う
- 「新しい証拠が出れば、いつでも何度でも再起訴できる」と検察側を過大評価する誤解もある。実際は公訴時効という時間の壁がある。公訴取消で公訴棄却が確定すると停止していた時効が再び進行を始めるため、新証拠が時効完成後に見つかっても、もう起訴はできない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 制度の性質 | 340条:公訴取消後の再起訴制限 | 339条:公訴取消による公訴棄却の決定 337条:免訴(確定判決・大赦・時効完成等) |
| 再訴追の可否 | あらたに重要な証拠があれば再起訴可 | 340条の要件を満たす場合のみ再起訴の余地 原則として再訴追不可(一事不再理) |
| 起点となる事由 | 公訴取消による公訴棄却決定の確定 | 検察官による公訴の取消し(257条) 確定判決・大赦・公訴時効の完成等 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は公訴取消を不起訴処分とみなし(269条・270条)、確定後の再起訴は新事実・新証拠がある場合に限る(260条)。新証拠要件の発想が日本と共通する
韓国も公訴取消後の再起訴を『다른 중요한 증거(他の重要な証拠)』の発見がある場合に限定し、条文構造が日本340条と極めて近い
ドイツは公訴提起の却下決定(Nichteröffnungsbeschluss)後の再訴追を、新たな事実または証拠がある場合に限り認める。新証拠要件の点で日本と同型
米国は二重の危険が及ぶ(陪審宣誓・最初の証人尋問開始)前の取下げ(dismissal without prejudice)なら再訴追可。危険が及んだ後は再訴追が禁じられ、判断の基準時が日本と異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、あなたの事件が公判の途中で検察官の公訴取消によって打ち切られ、半年後にまったく同じ容疑で起訴状がもう一度届いたら、どうなる? 検察が前回と同じ証拠しか持っていないなら、340条違反として二度目の起訴自体が公訴棄却される。あなたは「新証拠はあるのか」と一点を突けばいい
- 被害者の立場。加害者の事件が検察官の判断で公訴取消になり、納得できない。あなたが新たに決定的な目撃証言や物証を掘り起こして検察に持ち込めば、340条の「あらたに重要な証拠」に該当し、再起訴の道が開く。証拠を出せるかどうかが、泣き寝入りと再起訴の分水嶺になる
- 公訴取消で終わったはずの事件。検察が再起訴したが、その「新証拠」が実は前から記録にあった供述の言い換えにすぎなかった。弁護人はこれを340条の要件不充足として争う。同じ証拠の化粧直しは「新たに発見した重要証拠」には当たらない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 公訴取消による公訴棄却で事件が終わった理由を、検察官または被害者支援の窓口で確認する2. 再起訴の唯一の鍵は「あらたに重要な証拠」(刑訴340条)であると理解し、新たな目撃証言・物証・デジタルデータなど、前回の捜査記録になかった証拠を整理して検察に提供する3. 検察の不起訴・取消の当否に納得できない場合は、検察審査会への審査申立てを検討する4. 何より公訴時効の残り期間を確認する。時効が完成すると、どれだけ強い新証拠が出ても再起訴はできない
訴えられた側:1. 公訴取消後に再び起訴状が届いたら、まず弁護人に相談し、検察が主張する「新証拠」が本当に公訴取消後に新たに発見されたものか、前から記録にあった証拠の焼き直しでないかを精査する2. 要件を満たさないと判断できれば、第一回公判で本案に入る前に340条違反・339条による公訴棄却を申し立てる3. 新証拠の「重要性」も争点になる。結論を左右しない些末な証拠では再起訴の要件を満たさない4. 同時に公訴時効が完成していないかも確認し、時効消滅していれば免訴を主張する
時効(請求できる期限):再起訴は犯罪ごとの公訴時効期間内でなければできない。公訴取消による公訴棄却が確定すると、起訴により停止していた公訴時効は確定時から再び進行を始める(刑訴254条)。新証拠の発見が時効完成後であれば再起訴は不可能。なお殺人など公訴時効が廃止された重大犯罪は期間の制約を受けない(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:340条の趣旨は、被告人を検察官による反復起訴の不安定な地位から守ることにある。そのため再起訴の要件である『あらたに重要な証拠』は、公訴取消時に検察が把握していなかった新規性と、事件の結論を左右しうる重要性の双方を備える必要があるとされる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:現行刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)の制定に伴い規定。公訴取消による公訴棄却の確定後の再起訴を、あらたに重要な証拠の発見がある場合に限定して明文化した。
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