刑事訴訟法 第260条
クイックジャンプ
検察官は、告訴、告発又は請求のあつた事件について、公訴を提起し、又はこれを提起しない処分をしたときは、速やかにその旨を告訴人、告発人又は請求人に通知しなければならない。公訴を取り消し、又は事件を他の検察庁の検察官に送致したときも、同様である。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第260条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第260条の条文原文は「検察官は、告訴、告発又は請求のあつた事件について、公訴を提起し、又はこれを提起しない処分をしたときは、速やかにその旨を告訴人、告発人又は請求人に通知しなければな…」で始まります。
- 刑事訴訟法第260条は第二章 公訴に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第260条の前の条は刑事訴訟法第259条です。
- 刑事訴訟法第260条の次の条は刑事訴訟法第261条です。
- 刑事訴訟法第260条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第260条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第260条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/260
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法260条は、検察官が告訴・告発・請求のあった事件の処分をしたとき、速やかに告訴人・告発人・請求人へ通知する義務を定める。この通知が不服申立ての起算点となる。
Q · 告訴したのに『不起訴』の通知が来た。もう何もできないの?
いいえ、検察審査会への申立など反撃の手段があります
刑事訴訟法260条により、検察官は告訴・告発・請求のあった事件の処分をしたとき、速やかにその旨を告訴人らへ通知しなければなりません。この通知は終点ではなく分岐点です。受け取った後、刑訴261条で不起訴理由の告知を請求でき、検察審査会法30条に基づき市民11人で構成される検察審査会へ審査を申し立てられます。起訴相当が二度議決されれば強制起訴に至ります。公務員の職権濫用罪等なら刑訴262条の付審判請求も選択肢です。
解説
刑事事件で泣き寝入りしないための最初の分岐点が、この一文に隠れている。検察官は、告訴・告発・請求のあった事件について起訴か不起訴かを決めたら、速やかにその旨を告訴人らに通知しなければならない。一見ただの事務手続だが、この通知書こそ、あなたが検察の判断を覆すための入場券だ。不起訴の通知が届いて初めて、あなたは検察審査会への審査申立(検察審査会法30条)や、不起訴理由の告知請求(刑訴法261条)という反撃ルートを起動できる。逆に言えば、被害届だけ出して告訴をしていない人には、この通知すら届かない。同じ被害者でも、告訴状を出したかどうかで、その後に戦える権利がまるで違う。検察が「不起訴」と書いた紙は、あなたの物語の終わりではなく、第二ラウンドの開始合図だ。
法的な位置づけ
刑事訴訟法260条は処分の通知を定める規定であり、検察官が告訴・告発・請求のあった事件について公訴を提起しまたは提起しない処分をしたとき、速やかにその旨を告訴人・告発人・請求人へ通知すべき義務を規定する。公訴の取消しまたは他検察庁への送致をした場合も同様である。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.不起訴通知書を必ず保管する 届いた不起訴処分通知書は全ての反撃ルートの起算点になる。捨てず原本を保管し、到達日を記録する
- 2.不起訴理由の告知を書面請求する 刑訴261条に基づき、検察官に不起訴理由の告知を書面で請求し、検察の判断根拠を文書で押さえる。論理の穴を突いてから次の手続に進む
- 3.検察審査会へ審査申立をする 理由に納得できなければ、検察審査会法30条に基づき検察審査会へ審査を申し立てる。費用無料・弁護士なしでも可能で、書面一枚で始められる
- 4.職権濫用罪等は付審判請求を検討する 公務員の職権濫用等の特定罪種なら、刑訴262条の付審判請求を検討する。通知を受けた日から7日以内という極めて短い期限に注意
よくある質問 AI による整理
Q1不起訴処分通知書とは何ですか?
検察官が告訴・告発・請求のあった事件を起訴または不起訴にしたとき、その結果を告訴人らに知らせる書面です。刑訴260条が根拠で、反撃手続の起算点になります。
Q2不起訴の通知はいつ届きますか?
刑訴260条は『速やかに』通知すると定めます。明確な日数の規定はありませんが、処分後遅滞なく送付されるのが原則です。
Q3検察審査会への申立に期限はありますか?
法律上の厳格な期限はありませんが、対象事件の公訴時効が完成すると申立ての意味を失います。証拠保全のため早期の申立が有利です。
Q4不起訴理由の告知請求はどうやってしますか?
刑訴261条に基づき、告訴人・告発人・請求人が検察官に書面で請求すると不起訴の理由を告知してもらえます。検察審査会申立の前に行うのが効果的です。
Q5付審判請求とは何ですか?
公務員の職権濫用罪等について、不起訴に不服のある告訴人らが裁判所へ審判を求める手続です。刑訴262条、通知を受けた日から7日以内の短い期限があります。
Q6告訴と告発の違いは何ですか?
告訴は被害者など特定の者が処罰を求める意思表示、告発は犯人・被害者以外の第三者が行うものです。いずれも260条の通知対象になります。
Q7不起訴処分を覆す方法はありますか?
検察審査会への審査申立(検審法30条)、不起訴理由の告知請求(261条)、付審判請求(262条)の三つの主なルートがあります。
Q8検察審査会の起訴相当議決にはどんな効力がありますか?
市民11人が起訴相当と二度議決すると、検察官の判断とは無関係に強制起訴されます。2009年の制度改正で導入されました。
この条文についての質問 AI による整理
Q1被害届を出したのに、不起訴かどうかの連絡が全然来ません。おかしくないですか?
実は被害届だけでは260条の通知対象になりません。通知を受けられるのは告訴人・告発人・請求人だけです。被害届は「犯罪があった」と知らせる書類、告訴は「処罰を求める」意思表示で、両者は法的に別物です。実務のポイント:警察は告訴の受理に消極的なことが多く、「まず被害届で」と促されがちです。だが通知や検察審査会という権利が欲しいなら、最初から告訴状として受理させることが分かれ目になる
Q2検察審査会に申し立てても、どうせ検察の味方なんでしょう?
そうとは限りません。検察審査会は選挙人名簿から選ばれた市民11人で構成され、「起訴相当」「不起訴不当」を議決できます(検察審査会法)。2009年の制度改正で、起訴相当が二度議決されると強制起訴される仕組みになりました。実務のポイント:申立は無料で弁護士も不要、書面一枚で始められます。検察が一度不起訴にした事件でも、市民の目で見れば判断が変わることは現実に起きている。泣き寝入りの前に使える、数少ない市民側の武器だ
間違えやすい点 AI による整理
- 「不起訴になったら、もう何もできない」という前提でみんな諦める。だが、その問いの立て方そのものが間違っている。問うべきは「どのルートで覆すか」だ。検察審査会への申立、不起訴理由の告知請求、付審判請求(特定の職権濫用罪等)と、選択肢は複数ある
- 通知が来ること自体は知っていても、その通知が「起算点」としての重みを持つことを知らない人が多い。不起訴理由の告知請求も検察審査会の申立も、この通知を受けて初めて現実の手続として動き出す。通知書は捨ててはいけない一枚だ
- 「被害者なら当然、結果を知らせてもらえる」と思いがちだが、260条が通知するのは告訴人・告発人・請求人だけ。被害届を出しただけの被害者は、この条文の通知対象に入っていない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 機能 | 刑訴260条:処分結果の通知(検察官の義務) | 刑訴261条:不起訴理由の告知 刑訴262条:裁判所への付審判請求 |
| 起算点・期限 | 処分後『速やかに』通知 | 告訴人らの請求があれば告知 通知を受けた日から7日以内 |
| 対象範囲 | 全事件(告訴・告発・請求のあった事件) | 全事件(告訴人・告発人・請求人) 公務員の職権濫用罪等に限定 |
| 効果 | 反撃手続の起点となる | 検察の判断根拠を可視化する 認容で公訴提起があったものとみなす |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も不起訴処分書を告訴人に送達し、不服があれば再議(256条)を申し立てられる。市民審査ではなく上級検察への再議制度である点が日本と異なる
韓国も告訴人への処分通知義務を定め、不服には抗告制度がある。検察審査会型の市民審査制度は持たない
ドイツは不起訴(Einstellung)の通知後、Klageerzwingungsverfahren(起訴強制手続)として裁判所が起訴の当否を判断する。市民審査ではなく司法審査型
米国は被害者通知権を連邦法で保障するが、検察官の訴追裁量への市民統制制度は乏しく、起訴判断は大陪審が担う
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 不起訴の通知が届いた。検察審査会への審査申立に法律上の厳格な期限はないが、証拠は時間とともに散逸する。目撃者の記憶は薄れ、防犯カメラの映像は上書きされる。動くなら今だ。残された猶予はあなたが思うより短い
- 告発したのに「不起訴」とだけ書かれた通知が来た。理由が一行も書いていない。なぜ不起訴なのか、問い詰める方法はあるのか。ある。刑訴法261条で不起訴理由の告知を請求できる。沈黙の壁に一本だけ通路が空いている
- あなたが告発された側で、不起訴になったとする。安心してはいけない。告発人が検察審査会に申し立て、「起訴相当」の議決が二度出れば、検察官の判断とは無関係に強制起訴される。不起訴は確定ではない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 不起訴通知書を必ず保管する。これが全ルートの起点になる。2. 刑訴法261条で不起訴理由の告知を書面請求し、検察の判断根拠を押さえる。3. その理由に納得できなければ、検察審査会法30条に基づき検察審査会へ審査申立(費用無料、弁護士なしでも可)。4. 公務員の職権濫用等の特定罪種なら、刑訴法262条の付審判請求も検討する。証拠は通知到達後すぐに整理する
訴えられた側:1. 不起訴になっても確定ではないと心得る。告訴人が検察審査会に申し立てる可能性を念頭に置く。2. 検察審査会で「起訴相当」が二度議決されると強制起訴される(検察審査会法)。安心して証拠を処分しない。3. 自分に有利な証拠や供述は、不起訴後も保全しておく。4. 強制起訴に至った場合に備え、早めに刑事弁護に強い弁護士へ相談しておく
時効(請求できる期限):条文上の通知は「速やかに」なされる。反撃側の期限として、付審判請求(刑訴法262条)は不起訴通知を受けた日から7日以内という極めて短い期限がある。検察審査会への審査申立には法定の期限はないが、対象事件の公訴時効が完成すると申立ての意味を失う(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:260条の処分通知義務は、起訴便宜主義(刑訴248条)のもとで広く認められる検察官の訴追裁量を、告訴人らへの結果開示を通じて外部から統制する機能を担うと解されている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:現行刑事訴訟法の制定により、検察官の処分通知義務を明文化。戦後の当事者主義的刑事手続のもとで被害者・告訴人への手続的配慮として位置づけられた。
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める