刑事訴訟法 第270条
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- 検察官は、公訴の提起後は、訴訟に関する書類及び証拠物を閲覧し、及び謄写することができる。
- 2.前項の規定にかかわらず、第百五十七条の六第五項に規定する記録媒体は、謄写することができない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第270条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第270条の条文原文は「検察官は、公訴の提起後は、訴訟に関する書類及び証拠物を閲覧し、及び謄写することができる。」で始まります。
- 刑事訴訟法第270条は第二章 公訴に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第270条の前の条は刑事訴訟法第269条です。
- 刑事訴訟法第270条の次の条は刑事訴訟法第271条です。
- 刑事訴訟法第270条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第270条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第270条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/270
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法270条は、検察官が公訴提起後に訴訟記録を閲覧・謄写できると定める。ただし録画された被害者供述の記録媒体は謄写が禁止され、閲覧のみが認められる。
Q · 起訴されたら、弁護士は事件の証拠を全部コピーして持ち帰れるの?
ほとんどコピー可、録画証言だけは閲覧のみ
刑事訴訟法270条により、検察官は公訴提起後、訴訟に関する書類及び証拠物を閲覧・謄写(コピー)できます。ただし第2項により、157条の6第4項のビデオリンク方式で録画された被害者等の供述記録媒体だけは謄写が禁止され、裁判所等での閲覧(再生)に限られます。被告人側の弁護人にも40条で同様の制限が及び、録画証言は持ち帰れません。
解説
刑事事件の記録は、起訴された瞬間に役所の引き出しへ封印される紙束ではない。検察官は公訴を提起した後、訴訟に関する書類と証拠物を閲覧し、コピー(謄写)を取ることができる。ここまでは当然に見える。だが本当に知っておくべきは第二項だ。性犯罪の被害者や子どもがカメラの前で語った録画証言(ビデオリンク方式、157条の6第4項の記録媒体)は、検察官ですら謄写、つまりコピーができない。法廷という一つの場所でしか再生されない証拠が、刑事手続の中に確かに存在する。なぜか。被害者の顔と声が記録媒体として外に出れば、回復しがたい二次被害が起きるからだ。あなたが被告人側なら、弁護人はこの録画を持ち帰れず、その場で繰り返し見るしかない。あなたが被害者なら、あなたの証言は法律によってコピーから守られている。
法的な位置づけ
刑事訴訟法270条は、検察官による訴訟記録の閲覧謄写権を定める手続規定である。第1項は公訴提起後の書類及び証拠物への閲覧及び謄写を認め、第2項は157条の6第4項の録画された供述記録媒体について謄写を禁止し、被害者の二次被害防止と証拠への適正なアクセスとの調整を図る。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.証拠の中に録画証言があるか確認する 弁護人に、証拠の中に157条の6第4項のビデオリンク方式の録画証言(記録媒体)が含まれているかを真っ先に確認する。あれば謄写できないため別扱いになる
- 2.録画証言の現地閲覧を早期に予約する 録画証言はコピーできないため、裁判所または検察庁での再生閲覧の予約を、第一回公判の準備が本格化する前に複数回押さえる。期日が近いほど枠は埋まる
- 3.録画以外の書類・証拠物を分業してコピー入手 録画以外の一般の書類・証拠物は40条で弁護人が閲覧謄写できるため、早期にコピーを入手し、録画閲覧と並行して防御の分業を進める
- 4.録画を反復再生し供述の矛盾をメモ化する 反対尋問の核心は供述の矛盾点。現地で録画を繰り返し再生し、時系列・表情・言い淀みを書面化して反対尋問の材料を準備する
よくある質問 AI による整理
Q1訴訟記録の閲覧謄写とは何ですか?
訴訟記録を見ること(閲覧)とコピーすること(謄写)です。刑事訴訟法270条は公訴提起後に検察官がこれを行えると定めています。
Q2録画証言はコピーできますか?
できません。157条の6第4項の録画された供述記録媒体は、270条2項により謄写が禁止され、閲覧(再生)のみが認められます。
Q3弁護人は事件記録を全部コピーできますか?
ほとんどは40条で閲覧謄写できますが、録画証言の記録媒体だけは例外でコピーできず、現地での再生に限られます。
Q4ビデオリンク方式とは何ですか?
証人が法廷とは別室からモニター越しに証言する方法です。性犯罪被害者や子どもの心理的負担と二次被害を減らすための制度です。
Q5録画証言はいつ閲覧できますか?
公訴提起後、訴訟が係属している間に閲覧できます。ただし再生の予約枠が限られ、第一回公判前の準備期間が実質的な勝負どころです。
Q6刑事訴訟法270条と40条の違いは何ですか?
270条は検察官の閲覧謄写権、40条は弁護人の閲覧謄写権を定めます。録画証言が謄写禁止となる点は両者で共通します。
Q7被害者は自分の証言記録を閲覧できますか?
犯罪被害者保護法に基づく公判記録の閲覧謄写制度を利用できます。請求先や根拠条文は被害者・弁護人・検察官で異なります。
Q8録画証言の現地閲覧は何回できますか?
回数に法定の上限はありませんが、再生の予約枠が限られます。第一回公判が近いほど取りづらく、早く予約した側が有利です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1弁護士なら、私の事件の証拠は全部コピーして見せてくれるんですよね?
ほとんどはそうですが、一つだけ例外があります。性犯罪被害者や子どもがビデオリンク方式で行った録画証言(刑訴法157条の6第4項の記録媒体)は、弁護人も検察官もコピーできません(270条2項、40条)。閲覧は裁判所や検察庁での再生のみです。実務のポイント:この録画の閲覧予約は枠が少なく、第一回公判が近いと取りづらい。良い弁護人ほど受任直後に予約を押さえます。
Q2私が録画した被害証言、ネットに流れたりしませんか?
法律上、流出しにくい仕組みになっています。検察官の閲覧謄写を認める270条1項でも、その2項で録画媒体だけはコピーを禁止し、被告人側の弁護人にも同様の制限があります。だから記録媒体として外部へ持ち出されること自体がありません。実務のポイント:それでも閲覧の場でメモは取られます。完全な秘匿ではなく『コピーによる拡散の防止』が目的だと理解しておくと、過度な不安も油断も避けられます。
間違えやすい点 AI による整理
- 「起訴されたら弁護人は全部の証拠をコピーして持ち帰れる」と思われているが、録画証言(157条の6第4項の記録媒体)だけは例外。コピーは法律で禁じられ、閲覧は現地での再生に限られる
- 録画証言がコピー禁止だと知っていても、その深刻度を見落としている。弁護人が現地で何度も再生して矛盾を洗い出す作業は膨大で、予約枠も限られる。準備時間の設計を誤ると、反対尋問の材料が間に合わない
- 「記録を閲覧できるのは誰か」という問いの立て方そのものが危うい。270条は検察官、40条は弁護人、53条と犯罪被害者保護法は一般や被害者、と閲覧主体ごとに根拠条文が分かれている。自分がどの立場でどの条文を使うかを取り違えると、請求先も方法も間違える
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 閲覧謄写の主体 | 270条:検察官(公訴提起後) | 40条:弁護人 53条:何人でも(確定後の訴訟記録) |
| 録画証言(157条の6第4項)の謄写 | 270条2項により謄写禁止・閲覧のみ | 40条でも同様に謄写禁止・閲覧のみ 53条は確定後の一般閲覧制度で別枠 |
| 時期 | 公訴提起後、訴訟係属中 | 公訴提起後、訴訟係属中 裁判確定後 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も弁護人の閲覧抄録権を認めるが、偵査段階は偵査不公開(245条)で制限が強い。録画証言の取扱いは日本の謄写禁止と趣旨が近い
韓国も書類・証拠物の閲覧複写を認める。被害者保護の文脈で記録媒体の流出を制限する点は日本と類似
ドイツは弁護人の Akteneinsicht を広く認めつつ、被害者保護や第三者の権利との衡量で謄写を制限する規定を置く
米国は証拠開示(discovery)と検察官の開示義務で記録アクセスを規律。被害者の録画証言には別途プライバシー保護措置が及ぶ
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたが痴漢冤罪で起訴された。唯一の決め手は被害者の録画証言だ。弁護人は供述の矛盾を探したいが、その録画はコピー禁止(270条2項)。検察庁か裁判所まで足を運び、その場で何度も見るしかない。第一回公判まであと三週間、閲覧の予約を今すぐ入れないと、反対尋問の準備が間に合わない
- もし、あなたが性被害でビデオリンク方式で証言したら、その録画はどこまで流出する? 答えは「法廷の外には出ない」。270条2項と弁護人側の制限が、検察官にも被告人側にもコピーを禁じている。あなたの顔と声が記録媒体として持ち出されることはない
- 弁護士があなたの事件記録を「コピーしてきますね」と言った。だが録画証言だけは別。あれは現地で見るしかない
取るべき行動
被害を受けた側:1. ビデオリンク方式や録画での証言を希望する場合、捜査の早い段階で検察官や被害者支援担当に申し出る2. あなたの録画証言は270条2項と弁護人側の制限により、検察官にも被告人側にもコピーされない。閲覧は法廷または指定場所での再生に限られる3. 記録の閲覧謄写を自分で行いたい場合は、犯罪被害者保護法に基づく公判記録の閲覧謄写制度を利用4. 二次被害の懸念があれば、付添い・遮蔽措置(157条の2、157条の3)も併せて検討する
訴えられた側:1. 弁護人に、証拠の中に録画証言(157条の6第4項の記録媒体)があるかを真っ先に確認2. あれば、コピーは取れないので現地閲覧の予約を第一回公判の準備前に複数回押さえる3. 反対尋問の核心は供述の矛盾点。録画を繰り返し見て時系列・表情・言い淀みをメモ化する作業に時間を確保4. 一般の書類・証拠物は弁護人が40条で閲覧謄写できるので、録画以外は早期にコピーを入手して分業する
時効(請求できる期限):特定の消滅時効はない。閲覧謄写は公訴提起後、訴訟が係属している間いつでも可能。ただし録画証言の現地閲覧は予約枠が限られるため、実務上は第一回公判期日前の準備期間が実質的な勝負どころとなる
学説
通説:270条は当事者である検察官に記録への広いアクセスを保障する一方、2項は録画証言の謄写のみを切り離して禁じ、証拠吟味の必要性と被害者保護を両立させる趣旨と解されている。閲覧自体は認めることで防御権の核心は確保される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:現行刑事訴訟法の制定により、公訴提起後の検察官の訴訟記録に対する閲覧謄写権が定められた
- 2.平成12年(2000年) 改正:ビデオリンク方式(157条の6)等の被害者保護措置が導入され、録画された供述記録媒体の謄写を制限する枠組みが整備された
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