刑事訴訟法 第271条
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- 裁判所は、公訴の提起があつたときは、遅滞なく起訴状の謄本を被告人に送達しなければならない。
- 2.公訴の提起があつた日から二箇月以内に起訴状の謄本が送達されないときは、公訴の提起は、さかのぼつてその効力を失う。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第271条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第271条の条文原文は「裁判所は、公訴の提起があつたときは、遅滞なく起訴状の謄本を被告人に送達しなければならない。」で始まります。
- 刑事訴訟法第271条は第一節 公判準備及び公判手続に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第271条の前の条は刑事訴訟法第270条です。
- 刑事訴訟法第271条の次の条は刑事訴訟法第271条の2です。
- 刑事訴訟法第271条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第271条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第271条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/271
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法271条は、裁判所が公訴提起後に遅滞なく起訴状の謄本を被告人へ送達すべきと定める。公訴提起から二か月以内に送達されないと、起訴はさかのぼって失効する。
Q · 起訴されたら、起訴状っていつ届くの?届かなかったらどうなるの?
起訴後に送達される。二か月届かなければ起訴は失効する
刑事訴訟法271条により、裁判所は公訴提起後、遅滞なく起訴状の謄本を被告人に送達しなければなりません。そして公訴提起の日から二か月以内に謄本が送達されないときは、公訴提起はさかのぼって効力を失います(同条2項)。この場合、裁判所は公訴棄却の決定(刑訴法339条1項1号)で手続を打ち切ります。ただし失効しても無罪ではなく「起訴がなかった状態」に戻るだけで、公訴時効が未完成なら検察は再び起訴できます。
解説
起訴された。その通知が自宅に届く。多くの人はそこで頭が真っ白になるが、法律家はまず封筒の中身と、二つの日付に目を走らせる。刑事訴訟法271条は二つのことを定めている。第一に、裁判所は公訴の提起があったら遅滞なく起訴状の謄本(検察官が裁判所に出した起訴状の写し、あなたが何の罪で訴えられたかが書かれた書面)を被告人に送達しなければならない。第二に、ここが玄人しか見ていない部分だが、公訴提起の日から二か月以内に起訴状の謄本が送達されなければ、その公訴提起はさかのぼって効力を失う。つまり起訴そのものが最初からなかったことになる。所在をくらました被告人、住所変更を届けず古い住所に送られた被告人、こうしたケースでこの二か月ルールが牙を剥く。ただし効力を失っても、公訴時効が完成していなければ検察は再び起訴できる。一度のリセットであって、免罪符ではない。
法的な位置づけ
刑事訴訟法271条は起訴状の謄本送達を定める規定であり、裁判所が公訴提起後に遅滞なく起訴状の謄本を被告人へ送達する義務と、公訴提起の日から二か月以内に送達されない場合に公訴提起がさかのぼって効力を失う旨を規定する。手続の入口で被告人に訴因を告知する適正手続上の関所として機能する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.起訴状の謄本の二つの日付を確認する 起訴状の謄本を受け取ったら、罪名より先に「公訴提起の日付」と「送達された日付」を突き合わせる。差が二か月に迫っていないかを真っ先に確認する
- 2.送達手続の瑕疵をチェックする 宛先が現住所か、本人または同居者が適法に受領しているか、補充送達・付郵便送達の要件を満たすかを点検する。誤った宛先や本人不受領があれば送達の有効性が争点になる
- 3.弁護人を確保し公訴棄却の主張を検討する 当番弁護士・国選または私選弁護人を早期に選任し、送達手続の適法性と二か月失効の有無を確認する。瑕疵があれば本案に入る前に公訴棄却(339条1項1号)を主張できるか検討する
- 4.再起訴・時効リスクを前提に防御の本筋を組み立てる 失効しても公訴時効が未完成なら再起訴される。逃げ得を狙わず、送達という手続的主張と事件そのものの争い方の両方を弁護人と組み立てる
よくある質問 AI による整理
Q1起訴状の謄本とは何ですか?
検察官が裁判所に提出した起訴状の写しで、誰がどの罪で訴えられたかが書かれた書面です。刑事訴訟法271条により、裁判所が被告人に送達します。
Q2起訴状はいつ届きますか?
刑訴法271条1項により、公訴提起後「遅滞なく」送達されます。明確な日数の定めはありませんが、二か月以内という上限が同条2項にあります。
Q3起訴状が届かないとどうなりますか?
公訴提起から二か月以内に謄本が送達されないと、公訴提起はさかのぼって失効します(271条2項)。裁判所は公訴棄却の決定で手続を終わらせます。
Q4公訴棄却とは何ですか?
本案の有罪無罪を判断せず、手続上の理由で訴訟を打ち切る裁判所の判断です。271条2項の失効は339条1項1号の公訴棄却決定につながります。
Q5起訴状送達の二か月はどう数えますか?
起算点は公訴提起日(検察官が起訴状を裁判所に提出した日)です。その日から二か月以内に謄本が送達されたかで判断されます。
Q6在宅起訴とは何ですか?
身柄を拘束せず、被告人を自宅などに置いたまま起訴する形態です。起訴状の謄本は届出住所に郵送されるため、送達トラブルが起きやすくなります。
Q7起訴状を受け取ったらまず何をすべきですか?
罪名より先に公訴提起日と送達日を確認します。差が二か月に迫っていれば送達の有効性が防御の論点になり得ます。早期に弁護人を確保してください。
Q8起訴は取り消しや無効にできますか?
271条2項の失効や送達手続の瑕疵があれば公訴棄却を主張できます。ただし時効未完成なら再起訴され、無罪確定ではない点に注意が必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1起訴状が届かなければ、ずっと逃げ続ければ無罪になるんですか?
なりません。271条2項で公訴提起が失効しても、無罪判決ではなく「起訴がなかった状態」に戻るだけ。公訴時効(刑訴法250条)が未完成なら検察は再び起訴できる。実務のポイント:逃げている間、公訴提起による時効の停止(254条)も遡って消え、時効は走り続ける。二か月失効を狙うのは時効完成まで逃げ切れる事件でしか意味がなく、重大事件ではまず通用しない。
Q2在宅起訴で、引っ越して起訴状が古い住所に送られたらどうなりますか?
送達が有効に完了したかが争点になる。受け取れない状態のまま二か月が過ぎれば、271条2項で公訴提起は失効しうる。ただし実務では、所在調査や就業先への送達などあらゆる手段が尽くされる。実務のポイント:所在不明者への起訴状送達の可否や方法は、実務上、解釈が分かれている。受け取らなければ自動で失効すると安易に考えるのは危険で、送達の有効性は個別判断になる。
間違えやすい点 AI による整理
- 「起訴されたら裁判は必ず始まる」と思っているが、起訴状の謄本が送達されなければ、二か月で起訴そのものが効力を失う。手続が始まる前の入口に、見えない期限が一本引かれている
- 送達という言葉は知っていても、その重大さを知らない人が多い。これは単なる事務手続ではなく、期限を過ぎれば裁判所が公訴棄却の決定(刑訴法339条1項1号)を出して手続を打ち切るレベルの効果を持つ。届くか届かないかが、裁判の成否そのものを左右する
- 「逃げ続ければ二か月で起訴を無効にできる」と考えるのは、問いの立て方そのものが誤っている。効力を失っても、それは無罪ではなく「起訴がなかった状態」に戻るだけ。時効が完成していなければ検察は再び起訴でき、逃げている間に消えた時効の停止も復活しない。逃げ得という発想は成り立たない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 271条:起訴状謄本の送達義務と二か月失効 | 256条:起訴状の方式・起訴状一本主義 339条:公訴棄却の決定 |
| 効果 | 二か月以内に未送達なら公訴提起がさかのぼって失効 | 起訴状に予断を生じさせる書類添付を禁止 本案判断せず手続を打ち切る決定 |
| トリガー | 送達の遅延・不到達(所在不明・住所変更等) | 起訴状の記載・添付物の適否 271条2項失効その他の訴訟条件欠缺 |
| 連動条文 | 254条(時効停止の遡及消滅)・339条 | 271条(謄本送達の前提となる起訴状) 271条2項(失効事由の一つ) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も検察官が起訴状を裁判所に提出して起訴するが、二か月以内不送達による遡及失効という明文ルールは持たない
韓国は公訴提起後、裁判所が遅滞なく公訴状副本を被告人に送達する旨を定める点で機能的に近い。送達期限の構成は日本とは異なる
ドイツは中間手続で裁判所が起訴状を被告人へ送達し意見申述の機会を与える。二か月失効型のルールではなく手続保障型である
米国は罪状認否手続(arraignment)で被告人に起訴状の写しを交付し罪状を読み聞かせる。遡及失効ではなく迅速な裁判条項で別途規律される
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし起訴状の謄本が、公訴提起から二か月たっても手元に届かなかったら? その瞬間、起訴はさかのぼって効力を失う。残り日数を数えているのは、実は検察官の側だ。期限内に届けられなければ、積み上げた捜査が振り出しに戻る
- 海外赴任で住所を移したあなたに、古い住所宛てに起訴状が送られた。あなたは何も知らないまま二か月が過ぎる。理屈の上では公訴提起は失効する。だが現実には、検察は就業先や家族を通じてあらゆる送達手段を試みる。失効を当てにするのは危うい
- あなたが告訴した相手が、所在をくらまして起訴状を受け取らない。二か月の期限が近づく。失効すれば、検察は時効が来る前に再起訴できるかを計算し始める
取るべき行動
被害を受けた側:1. あなたが告訴・告発した事件で被告人が起訴状を受け取らず逃げている場合、まず担当検察官に送達状況を確認する2. 二か月の期限と公訴時効の残り期間を把握し、失効しても再起訴の余地があるかを聞く3. 被告人の就業先・立ち回り先など所在の手がかりを把握していれば検察に提供する、送達の足がかりになる4. 被害者参加制度(刑訴法316条の33)の利用も検討し、手続から取り残されないようにする
訴えられた側:1. 起訴状の謄本を受け取ったら、まず公訴提起の日付と送達日を確認し、二か月以内かを見る2. 送達手続に瑕疵があれば(誤った宛先、本人不受領)弁護人に伝え、公訴棄却(339条1項1号)を主張できるか検討する3. ただし失効しても時効未完成なら再起訴される。逃げ得は狙わず、防御の本筋は事件そのものの争い方に置く4. 当番弁護士・国選弁護人を早期に確保し、手続的主張と本案の両方を組み立てる
時効(請求できる期限):公訴の提起があった日から二か月(刑訴法271条2項)。起算点は公訴提起日(検察官が起訴状を裁判所に提出した日)。この期間内に起訴状の謄本が送達されないと、公訴提起はさかのぼって失効する
学説
通説:271条2項の二か月の起算点は公訴提起日であり、期間内に有効な送達が完了しない場合に公訴提起は遡って失効する。失効は訴訟条件の欠缺として339条1項1号の公訴棄却決定で処理され、時効未完成なら再起訴を妨げないと解される。所在不明者への送達の可否・方法は実務上解釈が分かれる論点とされる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:現行刑事訴訟法の制定に伴い、起訴状一本主義を前提とする起訴状謄本の送達義務と二か月失効ルールが定められた
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