刑事訴訟法 第272条
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- 裁判所は、公訴の提起があつたときは、遅滞なく被告人に対し、弁護人を選任することができる旨及び貧困その他の事由により弁護人を選任することができないときは弁護人の選任を請求することができる旨を知らせなければならない。但し、被告人に弁護人があるときは、この限りでない。
- 2.裁判所は、この法律により弁護人を要する場合を除いて、前項の規定により弁護人の選任を請求することができる旨を知らせるに当たつては、弁護人の選任を請求するには資力申告書を提出しなければならない旨及びその資力が基準額以上であるときは、あらかじめ、弁護士会(第三十六条の三第一項の規定により第三十一条の二第一項の申出をすべき弁護士会をいう。)に弁護人の選任の申出をしていなければならない旨を教示しなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第272条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第272条の条文原文は「裁判所は、公訴の提起があつたときは、遅滞なく被告人に対し、弁護人を選任することができる旨及び貧困その他の事由により弁護人を選任することができないときは弁護人の選…」で始まります。
- 刑事訴訟法第272条は第一節 公判準備及び公判手続に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第272条の前の条は刑事訴訟法第271条の8です。
- 刑事訴訟法第272条の次の条は刑事訴訟法第273条です。
- 刑事訴訟法第272条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第272条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第272条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/272
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法272条は、公訴提起後、裁判所が被告人に弁護人選任権と国選弁護請求権を遅滞なく告知する義務を定める。ただし既に弁護人がある場合は告知不要である。
Q · 起訴状と一緒に届いた「弁護人を選任できる」という紙、これは国選弁護人が自動でつくということ?
起訴後に裁判所が弁護人選任権を告知する義務の規定です
刑事訴訟法272条により、公訴提起後、裁判所は被告人に対し弁護人を選任できる旨と、資力等の事由で選任できないときは国選弁護人を請求できる旨を遅滞なく告知しなければなりません。ただしこれは「請求できる権利の案内」にすぎず、被告人が資力申告書を提出して請求しない限り国選弁護人は自動ではつきません。資力が基準額(50万円)以上なら、先に弁護士会への私選申出が前置されます(36条の3)。必要的弁護事件(289条)でなければ、放置すると弁護人不在で審理が進みうる点に注意が必要です。
解説
起訴状が自宅に届く。その分厚い封筒の中に、見落としやすい一枚が紛れている。「弁護人を選任することができる、そして貧困その他の事由で選任できないときは国に選んでもらうよう請求できる」という裁判所からの告知だ。272条は、公訴が提起されたとき、裁判所にこの告知を義務づけている。あなたが被疑者から被告人へ変わった瞬間、国はあなたに「弁護士を頼む権利がある」と教えなければならない。だが落とし穴がある。逮捕勾留の段階で国選弁護人がついていても、起訴された後は改めて請求しなければ被告人国選はつかない。しかもただ「お金がない」と言うだけでは足りず、資力申告書を提出し、預貯金などが基準額(現在50万円)以上なら、先に弁護士会へ私選の申出をしておく必要がある。この一枚を読み飛ばし、必要的弁護事件でもなければ、あなたは弁護人不在のまま法廷に立たされかねない。
法的な位置づけ
刑事訴訟法272条は、公訴提起後における裁判所の権利告知義務を定める規定である。裁判所は被告人に対し、弁護人を選任しうる旨および資力等の事由で選任できない場合に国選弁護人の選任を請求しうる旨を、遅滞なく知らせなければならない。第2項は資力申告書の提出義務と、資力が基準額以上の場合の弁護士会申出前置を教示する義務を課す。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.通知到達日に現金・預貯金を集計 起訴状とともに届いた272条の告知を見落とさず、その日のうちに現金と預貯金の合計を確認する。基準額(50万円)未満か以上かで、進むルートが変わる
- 2.基準額未満なら資力申告書を添えて国選請求 資力が基準額未満なら、資力申告書を記載し、国選弁護人の選任を裁判所に請求する(36条、36条の2)。書式は裁判所窓口または書記官から入手する
- 3.基準額以上なら弁護士会へ私選申出(または私選を自力で確保) 資力が基準額以上なら、まず弁護士会へ私選の申出をする(36条の3)。時間を惜しむなら最初から私選弁護人を自分で探し、前置手続を飛ばすのも有効
- 4.自分の事件が必要的弁護事件か確認 事件が死刑・無期・長期三年を超える必要的弁護事件(289条)なら裁判所が職権で国選をつける。それ以外は放置すると弁護人不在で審理が進むため、必ず自分で請求する
- 5.第一回公判期日前に弁護人を確保 弁護人を第一回公判前に確保できれば、証拠開示請求や保釈請求を弁護人が即座に動かせる。一日の遅れが防御の準備期間を削るため、通知到達後ただちに動く
よくある質問 AI による整理
Q1国選弁護人とは何ですか?
資力が乏しく自分で弁護士を雇えない被告人のために、国の費用で選任される弁護人です。刑訴36条・37条が根拠で、実際の手配は法テラスが行います。
Q2資力申告書はどこでもらえますか?
裁判所の窓口や書記官から入手でき、書式は裁判所ウェブサイトでも公開されています。現金・預貯金の額を記載し、国選請求とともに提出します(36条の2)。
Q3国選弁護人の費用は無料ですか?
原則として国が立て替えますが、有罪判決を受けると訴訟費用として後で負担を命じられる場合があります。無罪なら負担はありません。
Q4必要的弁護事件とは何ですか?
死刑・無期・長期三年を超える罪の事件で、弁護人がいなければ開廷できない事件です(289条)。この場合は裁判所が職権で国選弁護人をつけます。
Q5起訴後に国選弁護人を請求する方法は?
通知到達後すぐ現金・預貯金を確認し、基準額未満なら資力申告書を添えて選任を請求します(36条、36条の2)。第一回公判前に動くのが重要です。
Q6国選弁護の基準額はいくらですか?
現在は現金・預貯金の合計50万円が基準額です。未満なら直接請求でき、以上なら弁護士会への私選申出が前置されます(36条の3)。
Q7弁護士会への私選申出とは何ですか?
資力が基準額以上の人が国選を請求する前提として、弁護士会に私選弁護人の紹介を申し出る手続です。これを経ても弁護人が得られない場合に国選が検討されます。
Q8法テラスは国選弁護とどう関係しますか?
国選弁護人を実際に手配・契約しているのが法テラス(日本司法支援センター)で、総合法律支援法を運営の土台としています。272条の請求の先にこの組織が動きます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1国選弁護人って、お金がない人しか頼めないんですよね?
完全な無一文である必要はありません。刑訴法36条の2の資力申告書を出し、現金・預貯金の合計が基準額(50万円)未満ならそのまま国選弁護人の選任を請求できます。基準額以上なら、まず弁護士会に私選の申出をする手順(36条の3)を踏みます。実務のポイント:被疑者段階でついた国選は起訴で一区切りします。起訴後に改めて請求しないと被告人国選は自動ではつかず、この継ぎ目を知らずに貴重な数週間を無駄にする人が多い。
Q2起訴状と一緒に来た紙、読まずに放っておいたらどうなりますか?
事件が必要的弁護事件(刑訴法289条:死刑・無期・長期三年を超える罪)なら、弁護人がいなければ開廷できず裁判所が職権で国選をつけます。ですがそれ以外の軽めの事件では、あなたが272条の通知に従って自分で請求しない限り、弁護人不在のまま審理が進みうる。実務のポイント:罰金見込みや軽微に見える事件ほど放置されやすく、本人が気付かぬうちに有罪が確定します。軽く見える事件ほど自分から動く価値がある。
Q3すでに自分で弁護士を頼んでいる場合も、この通知は来ますか?
来ません。272条但書は「被告人に弁護人があるときは、この限りでない」と定めます。私選弁護人を選任済みなら裁判所は告知義務を負いません。逆に言えば、通知が来た=あなたにまだ弁護人がいないと裁判所が把握しているサインでもあります。実務のポイント:私選弁護人を解任した直後などは記録上まだ弁護人ありとなっていて通知が来ないことがある。空白期間は自分から書記官に国選請求の意思を伝えるのが確実です。
間違えやすい点 AI による整理
- 国選弁護の制度を知っている人は多いが、その「継ぎ目」の深刻さを知る人は少ない。逮捕勾留中に被疑者国選がついても、起訴された後に改めて請求しなければ被告人国選はつかない。制度が切り替わる瞬間に弁護人不在の空白が生まれ、その数週間に証拠開示も保釈請求も止まる
- 「お金がないから国選を頼める」という問いの立て方自体がずれている。判断基準は『貧困』という主観的な感覚ではなく、資力申告書と基準額という客観的な手続だ。預貯金が基準額未満なら堂々と請求でき、基準額以上でも弁護士会申出という別の道がある。感覚で諦める前に手続を知るべきだ
- 通知が来た=国選弁護人がつく、ではない。272条の通知はあくまで「請求できる権利の案内」にすぎず、あなたが資力申告書を出して請求する行動を起こさなければ何も始まらない。郵便受けに届いた紙を権利の自動発動と勘違いした人ほど、初動で出遅れる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 272条:起訴後の弁護人選任権・国選請求権の告知義務 | 36条:被告人の請求による国選弁護人の選任 37条:裁判所の職権による国選弁護人の選任 |
| 発動の主体 | 裁判所(告知義務)→ 被告人(請求行動) | 被告人の請求が起点 裁判所の職権が起点 |
| 資力要件 | 資力申告書の提出を教示(基準額以上は弁護士会申出前置) | 資力申告書+基準額未満が原則(36条の2) 必要的弁護事件等では資力を問わない |
| 放置した場合 | 請求しなければ弁護人不在で審理が進みうる | 請求がなければ選任されない 289条の必要的弁護事件なら職権でつく |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も訊問時の権利告知(得選任辯護人)と一定の重罪事件での指定辯護を制度化。告知義務+強制弁護の二層構造は日本と近い
韓国も一定の事由(被告人が未成年・高齢・障害・重罪等)で国選弁護人を選任。資力要件型の国選も整備され、日本と類似の枠組み
ドイツは必要的弁護(notwendige Verteidigung)の類型を列挙し、該当時に職権で国選弁護人(Pflichtverteidiger)を選任する。資力ではなく事件の重大性を基準とする点で日本の289条に近い
米国は連邦憲法修正6条と本判例により、重罪被告人に州費用での弁護人選任を保障。資力なき被告人への国選付与を憲法上の権利とした点が特徴
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 起訴状とともに届いた通知。預貯金が60万円あるあなたは「基準額を超えるから国選は無理だ」と思い込み、紙を放置する。だが資力が基準額以上なら、弁護士会への私選申出という別ルートが用意されている。第一回公判まで残り三週間、動かなければ防御の準備期間がそのまま溶けていく
- もし通知書を読まずに机に放り込んだら、どうなるか。あなたの事件が死刑・無期・長期三年を超える必要的弁護事件(289条)なら、裁判所が職権で弁護人をつける。だがそれ以外の事件では、自分で請求しない限り弁護人不在のまま手続が進みうる
- 被疑者段階で国選弁護人がついていた。起訴された途端、その選任は一区切りつく。改めて被告人国選を請求しないと、弁護のない空白が生まれる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 起訴されたのに272条の通知が届かない、または告知内容が不十分だった場合、それ自体が訴訟手続の法令違反になりうる2. 弁護人不在のまま審理が進められ防御権を実質的に奪われたなら、控訴審でその手続違反を主張できる(必要的弁護事件で弁護人なく開廷した場合は特に重大) 3. まずは裁判所書記官に告知の有無と記録を確認、弁護士に相談して手続上の瑕疵を整理する
訴えられた側:1. 通知が届いたら即日、現金・預貯金の合計を確認2. 基準額(50万円)未満なら資力申告書を添えて国選弁護人選任を請求(36条、36条の2) 3. 基準額以上なら弁護士会へ私選の申出をするか、自分で私選弁護人を探す(36条の3) 4. 自分の事件が必要的弁護事件(289条)かを確認、そうでなければ放置は危険、第一回公判期日前に必ず弁護人を確保する
時効(請求できる期限):弁護人選任の請求自体に特定の時効はないが、実質的な分水嶺は第一回公判期日。起算点は272条の告知を受けた時。準備に要する時間を逆算し、通知到達後ただちに動くべきである(最新の運用状況をご確認ください)
学説
通説:272条の告知義務は、憲法37条が保障する弁護人依頼権を手続上実質化するための制度的担保と理解される。権利は知らされなければ存在しないに等しいため、裁判所に積極的告知を課す点に意義があるとされる。
改正沿革 AI による整理
- 平成16年(2004年) 総合法律支援法の制定と被告人・被疑者国選弁護制度の整備に伴い第2項を新設。資力申告書の提出義務と、資力が基準額以上の場合の弁護士会への私選申出前置を教示する義務を裁判所に課した
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:刑事訴訟法全面改正により、公訴提起後の弁護人選任権・国選弁護請求権の告知義務を裁判所に課す規定として設けられた
- 2.平成16年(2004年) 改正:総合法律支援法の制定および被告人・被疑者国選弁護制度の整備に伴い第2項を新設。資力申告書の提出義務と、資力が基準額以上の場合の弁護士会申出前置を教示する義務を裁判所に課した
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