刑事訴訟法 第302条
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第三百二十一条乃至第三百二十三条又は第三百二十六条の規定により証拠とすることができる書面が捜査記録の一部であるときは、検察官は、できる限り他の部分と分離してその取調を請求しなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第302条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第302条の条文原文は「第三百二十一条乃至第三百二十三条又は第三百二十六条の規定により証拠とすることができる書面が捜査記録の一部であるときは、検察官は、できる限り他の部分と分離してその…」で始まります。
- 刑事訴訟法第302条は第一節 公判準備及び公判手続に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第302条の前の条は刑事訴訟法第301条の2です。
- 刑事訴訟法第302条の次の条は刑事訴訟法第303条です。
- 刑事訴訟法第302条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第302条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第302条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/302
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法302条は、伝聞例外で証拠とできる書面が捜査記録の一部であるとき、検察官に他の部分と分離した証拠請求を義務づけ、裁判官の予断を防ぐ規定である。
Q · 検察官は捜査記録を丸ごと裁判所に出せるの?
原則できず、使える書面だけ分離して請求します
刑事訴訟法302条により、321条〜323条・326条で証拠にできる書面が捜査記録の一部であるとき、検察官はできる限り他の部分と分離して証拠調べを請求しなければなりません。捜査記録には証拠能力のない自白調書や起訴外の余罪情報も綴じられており、丸ごと裁判官に渡れば予断が生じます。302条は使える書面だけを切り出させ、起訴状一本主義(256条6項)とともに予断排除を担保します。
解説
日本の刑事裁判には、多くの人が知らない防火壁がある。検察官は起訴のとき、起訴状一枚しか裁判所に出せない(起訴状一本主義、刑訴256条6項)。裁判官にあらかじめ予断を持たせないためだ。では証拠調べの段階ではどうか。検察官の手元には捜査記録、つまり警察が集めた供述調書・捜査報告書・前科照会の分厚い束がある。この中には法廷で使える書面(321条から323条、326条の伝聞例外に当たるもの)もあれば、使えない部分、あなたにとって不利な余罪情報や没になった自白調書も綴じ込まれている。302条は、使える書面が捜査記録の一部であるとき、検察官に「できる限り他の部分と切り離して」証拠請求せよと命じる。あなたが被告人なら、この一条は、裁判官の目に触れる情報を絞り込む盾になる。丸ごとファイルを見てしまった裁判官は、もう公平な白紙には戻れない。
法的な位置づけ
刑事訴訟法302条は、伝聞例外(321条〜323条・326条)により証拠能力を認められる書面が捜査記録の一部を構成する場合に、検察官へ可能な限り他の部分から分離して証拠調べを請求することを命じる手続規定である。予断排除原則を証拠調べ段階で具体化する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.検察官の証拠請求の中身を確認 検察官が証拠調べを請求した書面が、捜査報告書や供述調書など捜査記録の束のまま請求されていないかを確認する。甲号証の一覧と内訳を弁護人と精査する
- 2.不採用部分・余罪情報の混在をチェック 請求書面に証拠能力を争う自白調書、起訴外の余罪情報、前科照会などが綴じ込まれていないかをチェックし、分離すべき部分を特定する
- 3.証拠意見の段階で302条の分離を申し立てる 証拠調べ請求に対する証拠意見を述べる段階で、302条を根拠に採用部分と不採用部分の分離を求め、裁判官がその書面を取り調べる前に異議を申し立てる
- 4.裁判員裁判は公判前整理手続で証拠を絞る 裁判員裁判では公判前整理手続を活用し、市民の裁判員が法廷に立つ前に争点と証拠を整理させ、不利な書面を本番前に排除しておく
よくある質問 AI による整理
Q1起訴状一本主義とは?
検察官が起訴の際に裁判所へ提出できるのは起訴状一枚のみで、捜査記録を添付できない原則です。刑訴256条6項が根拠で、裁判官の予断を防ぎます。
Q2予断排除原則とは?
裁判官の心証は法廷で正式に取り調べた証拠のみで形成すべきとする刑事裁判の基本原則です。起訴状一本主義や302条の分離請求がこれを具体化します。
Q3捜査記録は裁判官が全部読むの?
いいえ。日本では起訴状一本主義により裁判官は起訴状だけを受け取り捜査記録は見ません。302条は証拠調べ段階でも不採用部分の遮断を求めます。
Q4刑事訴訟法302条をわかりやすく言うと?
証拠に使える書面が分厚い捜査記録の一部であるとき、検察官に使える部分だけを切り離して裁判所へ請求させる規定です。予断の元を遮断します。
Q5伝聞証拠は刑事訴訟法の何条?
伝聞禁止の原則は刑訴320条、例外が321条〜328条です。302条はこの321〜323条・326条で証拠とできる書面の分離を求めます。
Q6刑事裁判で証拠意見はいつ述べる?
検察官の証拠調べ請求に対し証拠決定の前に述べます。302条の分離や異議は、裁判官がその書面を取り調べる前が実質的な期限です。
Q7起訴されていない余罪は裁判に影響する?
捜査記録に余罪情報が紛れたまま裁判官に渡ると無意識の予断を生みます。302条はこの余罪漏洩を防ぐ仕切りとしても機能します。
Q8公判前整理手続とは?
裁判員裁判などで争点と証拠を事前に整理する非公開手続です。市民の裁判員が法廷に立つ前に証拠を絞り込み予断のリスクを減らせます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1裁判官って、裁判が始まる前に事件のことをどこまで知ってるんですか?
ほとんど何も知りません。起訴状一本主義(刑訴256条6項)により、検察官が裁判所に出せるのは起訴状一枚だけで、捜査記録は添付できません。302条はこの「白紙の裁判官」状態を証拠調べの段階まで守る規定です。実務のポイント:日本の裁判官が公判の冒頭で基本的な事実すら知らないように見えるのは、無能だからではなく制度設計です。逆に検察官がうっかり予断を生む情報を法廷に持ち込むと、弁護人はそれを公平な裁判を受ける権利(憲法37条)の侵害として争える
Q2検察官が証拠を丸ごと出してきたら、裁判官はもう見ちゃってるし手遅れですよね?
見られる前に止めるのが勝負です。302条は検察官に分離義務を課し、弁護人は証拠調べの請求に対する意見(証拠意見)の段階で異議を述べられます。裁判員裁判では、さらに前の公判前整理手続で証拠が整理されます。実務のポイント:腕のいい刑事弁護人は、法廷ではなく公判前整理手続で証拠の絞り込み勝負を終わらせます。市民の裁判員が一度でも不利な情報を目にすれば取り返しがつかないため、本番前のこの非公開手続が実際の主戦場になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「裁判官は起訴された時点で事件の全容を把握している」と思われがちだが、その問いの立て方自体が日本の刑事手続を誤解している。起訴状一本主義(256条6項)の下、裁判官は起訴状一枚しか受け取らず、捜査記録は一切見ていない。302条はこの白紙状態を、証拠調べの段階まで延長する仕組みだ
- 「伝聞証拠は使えない」ことは知っていても、その深刻さを取り違えている人が多い。問題は、使えない書面が捜査記録の束に綴じられたまま、採用できる書面と一緒に裁判官の手元へ渡ることだ。302条が物理的な分離を要求するのは、証拠能力の判断より前に、視覚的接触そのものが予断を生むからである
- あなたから見れば「できる限り分離」は努力義務の弱い規定に映る。だが裁判官の側から見れば、これは予断排除原則という刑事裁判の土台に直結する。この温度差を見落とすと、弁護人がこの一条を盾にできる場面を取り逃がす
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する段階 | 302条:証拠調べ段階での書面の分離請求 | 256条6項:起訴段階での捜査記録添付禁止(起訴状一本主義) 320条:証拠能力の判断(伝聞排除) |
| 義務の名宛人 | 検察官 | 検察官 裁判所(証拠能力の判断主体) |
| 目的 | 不採用部分の視覚的遮断による予断防止 | 起訴時点での裁判官の白紙状態の確保 反対尋問を経ない供述の排除 |
| 不遵守・違反の効果 | 努力義務(できる限り)、運用で調整 | 公訴棄却・起訴状無効の可能性 証拠能力の否定(証拠排除) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は起訴状一本主義を採らず卷証併送主義を維持。不採用書面の分離ではなく証拠能力規制で予断に対処する点が日本と異なる
韓国は明文で起訴状一本主義を採用し、日本の302条と同じく記録と裁判官を切り離す予断排除の構造をもつ
ドイツは捜査記録を裁判所へ全件提出する糾問的構造で、日本のような分離原則を採らない
米国は陪審制と証拠排除法則で予断を防ぐ。起訴状(indictment)のみが陪審に示され、捜査ファイル自体は渡らない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたが刑事裁判の被告人席に座っている。検察官が「甲第○号証、捜査報告書」と証拠請求したとき、その報告書にはあなたの前科照会や、起訴されていない別件の疑いまで書き込まれている。弁護人が302条を持ち出し、採用できる部分だけ切り離すよう求める。裁判官がその束を読む前に動けるかどうかで、心証の入口が変わる
- もし検察官が、証拠能力の争いがある自白調書を含む捜査記録一式を丸ごと証拠請求してきたら、どうなる? あなたに残された時間は次回期日の証拠意見まで。そこで異議を述べなければ、裁判官はその束をそのまま目にする。一度見た情報は、頭から消せない
- 裁判員裁判では、法律のプロでない市民6名が判断に加わる。捜査ファイルの不利な部分が一度でも目に入れば、予断の影響はプロの裁判官より大きい。302条の仕切りは、ここでこそ効く
取るべき行動
被害を受けた側:1. 検察官の証拠請求の内容を確認、捜査報告書や供述調書が捜査記録の束のまま請求されていないかチェック2. 不採用となるべき部分や起訴外の余罪情報が混在していれば、弁護人を通じて302条の分離を要求3. 証拠調べに関する意見(証拠意見)の段階で、裁判官がその書面を取り調べる前に異議を申し立てる4. 既に取り調べられてしまった場合でも、証拠排除の申立てや心証への影響を記録に残し、控訴審での主張材料を確保する
訴えられた側:1. 起訴後すぐ弁護人と捜査記録の開示状況を確認、検察官がどの書面を証拠請求する見込みか把握2. 裁判員裁判なら公判前整理手続を活用、市民の裁判員が法廷に現れる前に証拠を絞り込ませる3. 証拠能力に争いのある自白調書や、余罪・前科に触れる部分は、分離または排除を早期に主張4. 弁護人選びでは、法廷弁論より公判前整理手続での証拠戦に強い刑事弁護経験者を選ぶ
時効(請求できる期限):特定の消滅時効はない。ただし302条の分離や証拠への異議は、当該書面が裁判所で取り調べられる前に主張しなければ実益を失う。証拠意見の段階が実質的な期限であり、裁判員裁判では公判前整理手続での証拠整理がその起点となる。一度裁判官や裁判員の目に触れた情報は、後から手続的に排除しても心証からは消えない
学説
通説:302条の分離請求は予断排除原則の証拠調べ段階における具体化であり、起訴状一本主義(256条6項)を公判の進行に沿って補完するものと解される。
実務:「できる限り」という文言から努力義務と解されるが、裁判員裁判の普及により、公判前整理手続での証拠分離・絞り込みが実務上の主戦場となっている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:現行刑事訴訟法の全面制定に伴い新設。英米法的当事者主義・起訴状一本主義の導入を受け、証拠調べ段階でも捜査記録の不採用部分を裁判官から遮断する趣旨。
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