刑事訴訟法 第328条
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第三百二十一条乃至第三百二十四条の規定により証拠とすることができない書面又は供述であつても、公判準備又は公判期日における被告人、証人その他の者の供述の証明力を争うためには、これを証拠とすることができる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第328条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第328条の条文原文は「第三百二十一条乃至第三百二十四条の規定により証拠とすることができない書面又は供述であつても、公判準備又は公判期日における被告人、証人その他の者の供述の証明力を争…」で始まります。
- 刑事訴訟法第328条は第四節 証拠に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第328条の前の条は刑事訴訟法第327条です。
- 刑事訴訟法第328条の次の条は刑事訴訟法第329条です。
- 刑事訴訟法第328条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第328条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第328条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/328
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法328条は、伝聞法則で証拠にできない書面や供述でも、証人の証言の証明力を争う弾劾目的なら証拠にできると定める。ただし対象は証言者本人の自己矛盾供述に限られる。
Q · 裁判で証拠にできない供述調書なのに、どうして証人を崩すのには使えるの?
原則使えないが、証言の信用性を争う弾劾目的なら使える
刑事訴訟法328条により、伝聞法則(320条)で本来は証拠にできない書面・供述でも、公判で証人らの供述の証明力を争う弾劾目的に限り証拠にできます。ただし最高裁平成18年11月7日判決は、対象を証言者本人の自己矛盾供述に限定しました。第三者の供述や噂で揺さぶることはできず、また弾劾に使えても調書の内容を事実として認定する材料にはなりません。
解説
法廷で証人が「被告人が殴るのを確かに見た」と断言した。ところが同じ証人は、事件直後の警察聴取では「とっさのことでよく見ていない」と話していた。この食い違いを記録した供述調書は、伝聞法則(刑事訴訟法320条)により、本来そのままでは事実を立証する証拠にできない。だが328条は別の扉を開ける。証人の証言の信用性を崩すため、つまり「この人の話は前と矛盾している」と裁判官に示すためなら、その調書を法廷に持ち込める。ここが分水嶺だ。事実を証明する武器としては使えなくても、相手の証言を切り崩す武器としては使える。さらに最高裁(平成18年11月7日)は、この用法を本人自身の過去の矛盾発言(自己矛盾供述、つまり同じ人物が前と違うことを言った記録)に限ると判断した。他人の供述や噂で揺さぶることはできない。328条は証人の信用を崩す隠し玉であり、同時にその射程は厳しく絞られている。
法的な位置づけ
刑事訴訟法328条は弾劾証拠を定める規定であり、321条から324条までにより証拠とできない書面・供述でも、公判準備または公判期日における被告人・証人その他の者の供述の証明力を争う目的でのみ証拠として用いることを認める。供述内容を事実認定する資料にはできず、証明力を争う範囲に限られる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.証拠開示で相手方証人の捜査段階供述調書を確保する 公判前整理手続の証拠開示請求で、相手方証人が捜査段階でした供述調書を入手する。法廷で初めて矛盾に気付いても、裏付けの調書が手元になければ突けないため、準備段階で集めきることが弾劾の生命線
- 2.法廷証言と過去供述の矛盾を洗い出す 確保した供述調書と、相手方証人の予想される法廷証言を突き合わせ、食い違う点を抽出する。328条で使えるのは本人自身の自己矛盾供述に限られるため、第三者の供述や噂は素材から除外する
- 3.証人尋問の直後に328条で証拠請求する 証人が法廷で証言を確定させた直後に「捜査段階ではこう話していますね」と過去供述を提示し、証明力を争うため証拠請求する。訂正の逃げ道を塞ぐタイミングが勝負
- 4.弾劾と事実立証を混同しないよう主張を整理する 328条で許されるのは『証言に矛盾がある』と示す一点のみ。調書の内容を事実として使いたい場合は321条以下の伝聞例外の要件を別途満たす必要があるため、目的を切り分けて主張する
よくある質問 AI による整理
Q1弾劾証拠とは何ですか?
証人らの供述の証明力(信用性)を争うために用いる証拠です。刑事訴訟法328条が根拠で、伝聞法則で本来は証拠にできない書面でも、弾劾目的なら証拠にできます。
Q2刑事訴訟法328条はどんな証拠に使えますか?
321条から324条までにより証拠にできない書面・供述に使えます。ただし最高裁平成18年判決により、対象は証言者本人の自己矛盾供述に限定されています。
Q3自己矛盾供述とは何ですか?
同じ人物が、法廷での証言と過去(捜査段階など)の供述とで食い違うことを言います。328条の弾劾はこの本人自身の矛盾に限られます。
Q4証明力を争うとはどういう意味ですか?
証言が事実として認められるかではなく、その証言が信用できるか(証拠としての価値)を崩すことです。事実そのものの立証とは目的が異なります。
Q5弾劾証拠はいつ提出すればいいですか?
実務上は証人尋問の直後、記憶が鮮明なうちに矛盾を突くのが効果的です。弁論が進んだ後では機を逸し、弾劾の破壊力が半減します。
Q6供述調書は裁判で証拠になりますか?
原則として伝聞法則(320条)で事実認定には使えません。例外的に321条以下の要件を満たすか、328条の弾劾目的の場合のみ証拠にできます。
Q7弾劾証拠と伝聞例外(321条)の違いは何ですか?
321条は供述内容を事実として立証できますが、328条は証言の信用性を崩すだけで内容を事実認定には使えません。目的も要件も異なります。
Q8弾劾証拠は誰が請求できますか?
検察官・弁護人いずれも請求できます。相手方証人の信用性を崩すため、被告人側が捜査段階の供述調書を弾劾目的で証拠請求する場面が典型です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1裁判で証拠にできない調書なのに、なんで証人を崩すのには使えるんですか?
事実を証明する場面と、証言の信用性を崩す場面を法律が区別しているからです。伝聞法則(320条)が禁じるのは、調書の内容を真実として事実認定に使うこと。328条が認めるのは『この証人は前と違うことを言っている』という一点を示す弾劾目的だけです。実務のポイント:弁護人が証人尋問の前に過去の供述調書を分単位で読み込むのは、この弾劾材料を探しているから。証言を真正面から否定するより、過去の自分の言葉と矛盾させる方が、裁判官の心証への効き方が深い
Q2知り合いから聞いた話で、証人が嘘をついていると示せますか?
できません。最高裁(平成18年11月7日)は、328条で弾劾に使えるのは証言した本人自身の過去の矛盾発言(自己矛盾供述)に限ると判断しました。第三者の供述や伝聞で揺さぶることは許されません。実務のポイント:この限定説を知らないと、せっかく集めた材料が法廷で却下される。弾劾の素材は『証人本人が、いつ、どこで、何と言ったか』の記録に絞って準備するのが鉄則。供述調書、録音、本人作成のメモやメールが王道です
Q3弾劾で矛盾を突いたら、その調書の中身が真実だと認められるんですか?
認められません。328条で許されるのは『証言に矛盾がある』と示すところまでで、調書に書かれた内容を事実として認定する材料にはなりません。中身を事実として使いたいなら、321条以下の伝聞例外の要件を別途満たす必要があります。実務のポイント:弾劾と立証の混同は実務でも争点になりやすい。証言を崩す目的と、別の事実を立てる目的は、証拠の使い方も求められる要件もまったく違う。ここを切り分けて主張できるかで、証拠請求が通るかが変わる
間違えやすい点 AI による整理
- 「裁判で使えない調書は、もう一切出せない」と思われているが、それは事実認定の場面の話。同じ調書でも、証人の証言が前後で食い違っていると示すための弾劾目的なら、328条で法廷に持ち込める。使えないはずの紙が、別の目的では生き返る
- 弾劾証拠の存在は知っていても、その射程の狭さを多くの人が見落としている。最高裁(平成18年11月7日)は、328条で使えるのは証言した本人自身の過去の矛盾発言(自己矛盾供述)に限ると判断した。第三者の供述や噂話で揺さぶる使い方は封じられている。「弾劾なら何でも出せる」という理解は、実務では通用しない
- 「弾劾証拠で矛盾を突けば、その調書の中身が事実として認められる」と考えるのは、問いの立て方そのものが誤っている。328条で許されるのは『矛盾がある』という一点を示すことだけ。調書に書かれた内容が真実だと認定する材料にはならない。証言を崩すことと、別の事実を立てることは、まったく別の作業だ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 目的 | 328条:供述の証明力(信用性)を争う弾劾 | 320条:原則として伝聞証拠を事実認定から排除 321条:供述書面を事実認定の証拠として使う伝聞例外 |
| 供述内容の真実性 | 内容を事実として認定する材料にはできない | 反対尋問を経ない供述の真実性を担保できない 要件を満たせば内容を事実として立証できる |
| 適用要件 | 本人の自己矛盾供述であること(最判平成18.11.7) | 公判廷外供述を内容の真実性のため使わないこと 供述不能・特信状況など条文ごとの厳格な要件 |
| 第三者供述の可否 | 不可(噂・伝聞での弾劾は許されない) | 原則不可(伝聞禁止の対象) 324条等の要件下で可 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は先行する不一致供述を一定要件で証拠能力ありとする規定を置く。弾劾目的に純化する日本の328条とは構成が異なるが、過去の矛盾供述を扱う点で機能が近い
韓国は탄핵증거(弾劾証拠)を明文で規定し、日本と同様に証明力を争う目的での使用を認める。日本法の強い影響を受けた構造
ドイツは矛盾顕出のため従前の供述を朗読する手続を定める。職権主義のもとで裁判所が矛盾を確認する点で、当事者主義的な日本の弾劾とは運用思想が異なる
米国は従前の不一致供述による証人弾劾を明文で認め、328条の母法的位置づけにある。要件・運用は判例で精緻化されている
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 痴漢冤罪で否認しているとして、被害証人が公判で「ずっと手を握られていた」と証言した。だが被害直後の被害届には「触られた気がした」とだけ書いてあった。この矛盾を328条で突けば、証言の信用性そのものが揺らぐ。やっていない側にとって、相手の供述を崩す一手はここから始まる
- もし、あなたが交通事故の刑事裁判で証人に立ち、記憶があいまいなまま「青信号だった」と断言してしまったとしたら? 事故直後に警察で「よく覚えていない」と話した記録が残っていれば、相手の弁護人はそれを328条で持ち出し、あなたの証言全体の信用を崩しにかかる。証言台では、過去の自分の言葉が刃になって返ってくる
- 目撃者の証人尋問が終わった直後、弁護人が「証人が捜査段階でした供述調書を、信用性を争うため証拠請求します」と立ち上がった。検察官は「それは伝聞だ」と異議を出す。だが328条の弾劾目的なら許される。この攻防が、有罪か無罪かの心証を分ける
- 共犯とされる人物が法廷で「自分は見張りをしただけ」と証言したが、取調べでは「実行役だった」と認めていた。あなたが被告人側なら、その自己矛盾供述を328条で突きつけ、相手の証言の信用を根こそぎ削る
取るべき行動
被害を受けた側:1. あなたが被害者・証人として証言する立場なら、捜査段階の供述調書に署名する前に内容を必ず読み込み、あいまいな記憶を断定的に書かれていないか確認する2. 記憶が不確かな点は「覚えていない」と正直に残す。後で法廷で断定すると、その差を328条で突かれる3. 証言前に検察官と打ち合わせ、過去の供述との整合を自分で点検しておく4. 食い違いを指摘されても慌てず、当時と今で何が違うのか理由を説明できるよう準備する
訴えられた側:1. 弁護人を通じ、公判前整理手続の証拠開示で相手方証人の捜査段階供述調書を確保する2. 法廷証言と過去供述の食い違いを洗い出し、自己矛盾供述に該当するものを弾劾用に整理する3. 証人尋問の直後、矛盾点を328条で証拠請求し、信用性を崩す4. 注意点として、第三者の供述や噂では弾劾できない(最判平成18.11.7)ので、必ず証言者本人の過去発言を素材にする
時効(請求できる期限):特定の時効はない。ただし弾劾証拠は公判での証拠調べの中で請求する必要があり、証人尋問が終わり弁論が進んだ後では機を逸する。実務上は証人尋問の直後が勝負どころ。捜査段階供述調書の確保は公判前整理手続の証拠開示段階で動かないと間に合わない(最新の手続運用をご確認ください)
学説
限定説(通説・判例):328条で許される弾劾証拠は、信用性を争う供述者本人の自己矛盾供述に限るとする立場。最判平成18.11.7が採用。第三者供述による弾劾を認めると伝聞法則が骨抜きになる危険を重視する
非限定説(少数説):条文の文言を重視し、証明力を争う限り本人の自己矛盾供述に限らず弾劾証拠として広く許容してよいとする立場。判例の限定説に対し批判的
改正沿革 AI による整理
- 要人的検証 条文の文言自体は昭和23年(1948年)の現行刑事訴訟法制定時に置かれて以降、大きな変動の有無に確信がないため total_revisions を -1とする。実務上の決定的展開は条文改正ではなく判例にあり、最高裁平成18年11月7日判決が328条で許容される弾劾証拠を自己矛盾供述に限定した(限定説の採用)。形式的改正履歴は人的検証が必要
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:現行刑事訴訟法の制定により、英米法の伝聞法則とともに弾劾証拠の規定が置かれた。条文の文言自体はその後大きな変動の有無について人的検証が必要
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