刑事訴訟法 第360条の3
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上訴放棄の申立は、書面でこれをしなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第360条の3は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第360条の3の条文原文は「上訴放棄の申立は、書面でこれをしなければならない。」で始まります。
- 刑事訴訟法第360条の3は第一章 通則に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第360条の3の前の条は刑事訴訟法第360条の2です。
- 刑事訴訟法第360条の3の次の条は刑事訴訟法第361条です。
- 刑事訴訟法第360条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第360条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第360条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/360_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法360条の3は、上訴の放棄・取下げは書面でしなければならないと定める。口頭の表明では成立せず、書面提出で初めて効力が生じ、判決が確定する。
Q · 判決後に「控訴しません」と口で言ったら、もう上訴を放棄したことになる?
いいえ。書面を出すまで放棄は成立しません
刑事訴訟法360条の3により、上訴の放棄および取下げは書面でしなければ効力を生じません。法廷や勾留場で口頭で「控訴しません」と述べても、それだけでは法的な放棄は未成立です。書面を提出していない限り、上訴期間(控訴は告知の翌日から14日、刑訴法373条)はなお残っています。逆に適式な書面を一度提出すれば判決は確定し、361条により同一事件での再上訴はできなくなります。署名を求められても「弁護人と相談してから」と保留する権利があります。
解説
判決の言い渡しを聞いた直後、頭が真っ白なまま「もう控訴しません」と口走ってしまう被告人は珍しくない。だが刑事訴訟法360条の3は、その一言だけでは上訴放棄が成立しないと定める。放棄も取下げも、必ず書面でしなければならない。なぜこんな形式を課すのか。上訴を放棄した瞬間、判決は確定し、二度と争えなくなる(361条)。人生を左右する不可逆の決断を、法廷の動揺した一瞬の口頭で固めさせないためだ。書面という一拍が、あなたに我に返る時間を与える安全装置になっている。逆に言えば、あなたが書面を出さない限り、上訴期間(控訴は14日、刑訴法373条)は丸ごとあなたのもの。係官や検察官に急かされても、書面にサインするまでは何も確定していない。
法的な位置づけ
刑事訴訟法360条の3は、上訴の放棄および取下げの方式を定める規定であり、これらの訴訟行為は書面によらなければ効力を生じない旨を規定する。口頭による意思表示では足りず、適式な書面の提出をもって放棄・取下げの効力が確定的に発生する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.口頭で言ってしまっても、まず未成立だと知る 法廷や勾留場で勢いに任せて「控訴しません」と言ってしまっても、書面を出していなければ放棄は法的に成立していない。慌てず、上訴期間内(控訴は告知の翌日から14日、刑訴法373条)に弁護人へ連絡する
- 2.署名を求められても保留する 係官や検察官から放棄書面への署名を促されても、その場でサインせず「弁護人と相談してから」と一言保留する。書面を出さない限り上訴期間は丸ごと残るため、沈黙が最大の選択肢温存になる
- 3.放棄の当否を弁護人と総点検する 控訴審で覆る見込み、未決勾留日数の算入、確定後の不利益を弁護人と精査する。死刑・無期判決への上訴はそもそも放棄できない(360条の2)点も確認する
- 4.決めたら適式な書面で提出する 放棄・取下げを決めたら書面を作成し、原裁判所または上訴裁判所へ提出する。勾留中は刑事施設の長を経由して差し出す。提出は361条により最終決断となるため慎重に行う
- 5.既に出してしまったら瑕疵を精査する すでに書面を提出してしまった場合は、放棄の意思表示に錯誤・強制など重大な瑕疵がなかったかを弁護人と精査し、無効主張の余地を探る
よくある質問 AI による整理
Q1上訴放棄とは何ですか?
確定前の判決に対する上訴権を自ら手放す訴訟行為です。刑事訴訟法360条の3により書面が必要で、放棄すれば判決が確定し361条で再上訴できなくなります。
Q2控訴の取下げはどうやってする?
刑訴法360条の3に基づき書面で取下げをします。口頭では効力が生じません。取下げをするとその事件で再び上訴できなくなる点に注意が必要です。
Q3上訴放棄の書面はどこに提出する?
原裁判所または上訴裁判所に提出します。勾留中の場合は刑事施設の長を経由して差し出すことも認められています。弁護人と提出先を確認するのが安全です。
Q4上訴を放棄するとどうなりますか?
判決がただちに確定し刑の執行が始まります。361条により同一事件での再上訴はできなくなるため、不可逆の決断となります。
Q5死刑判決でも上訴を放棄できますか?
できません。刑訴法360条の2により、死刑または無期の懲役・禁錮の判決に対する上訴は放棄が認められていません。
Q6控訴の取下げはいつまでできますか?
上訴審の判決があるまでの間に取り下げることができます。書面によることが必要で、取下げ後は同一事件で再上訴できません。
Q7弁護人が上訴を取り下げることはできますか?
刑訴法360条により、原審の弁護人等が放棄・取下げをするには被告人の書面による同意が必要です。本人の意思を欠く取下げは効力を生じません。
Q8上訴放棄の書面に決まった様式はありますか?
法定の厳格な書式はありませんが、放棄・取下げの意思と対象事件が明確である必要があります。施設経由で差し出した日が提出日とみなされます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1口で『控訴しません』って言っちゃったんですが、もう手遅れですか?
手遅れではない。360条の3は上訴放棄を書面でしなければ効力が生じないと定めるので、口頭の発言だけでは放棄は成立していない。書面を出していなければ、上訴期間内(控訴は14日、刑訴法373条)はなお控訴できる。実務のポイント:勾留中に係官から放棄を勧められて口頭で同意しても、書面に署名するまでは法的に何も確定しない。署名を求められたら「弁護人と相談してから」と一言保留する権利が、あなたには常にある
Q2上訴放棄の書面を出した後で、やっぱり撤回できますか?
原則できない。361条は放棄・取下げをした者はその事件で再び上訴できないと定め、適式な書面が提出された瞬間に判決は確定する。ただし放棄が錯誤や強制によるなど、意思表示に重大な瑕疵がある場合には無効を主張できる余地が判例上ある。実務のポイント:書面を出してしまった後の唯一の活路は「放棄の意思表示自体が無効」という主張。だからこそ、放棄前に必ず弁護人を通すことが、後の救済余地を残す最大の保険になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「裁判官や係官の前で『控訴しません』と言えば、もう放棄が成立する」と思い込んでいる人が多いが、実際は書面を出すまで法的な放棄は一切成立していない。口頭の発言は、後から撤回できる前段階にすぎない
- 上訴放棄は「いつでも気軽に撤回できる手続」と軽く考えられがちだが、深刻なのはその不可逆性だ。適式な書面を一度出せば判決は確定し、361条によりその事件で二度と上訴できない。撤回の余地は、意思に重大な瑕疵があった場合のごく例外に限られる
- 「書面を求められるのは形式主義で、自分を縛る面倒なルールだ」と感じる人もいる。だが視点を変えれば、この書面要件はあなたを守る盾でもある。口頭で放棄を迫られても、書面がなければ未放棄。形式の壁が、急かされた決断からあなたを引き離してくれる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する内容 | 360条の3:放棄・取下げの方式(書面でしなければ無効) | 360条:代理人等による放棄・取下げに要する被告人の書面同意 360条の2:死刑・無期判決に対する上訴は放棄不可 |
| 効力発生の要件 | 適式な書面の提出(口頭では効力を生じない) | 本人の書面同意がある代理人等の意思表示 (放棄自体が禁止されるため要件問題が生じない) |
| 提出・成立後の効果 | 判決が確定し、361条により同一事件で再上訴できない | 本人同意がなければ放棄・取下げは無効 放棄は一切できず、上訴の途は確保される |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も捨棄・撤回は原則書面だが、審判期日においては口頭での申述を認める点で日本より柔軟。
韓国も放棄・取下げは原則書面とし、公判廷では口頭可とする。台湾と同様の構造で、日本のみ口頭の例外を置かない。
ドイツは上訴の放棄・取下げを認めるが、弁護人による放棄には明示の特別の授権を要するなど、本人意思の保護を別の方式で図る。
米国では上訴の任意取下げを Rule 42が規律し、放棄は司法取引(plea agreement)中の appeal waiver 条項として現れることが多い。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 実刑判決の直後、勾留場で「控訴しても無駄だから、この放棄の書面にサインしろ」と促されたら、あなたはどうする? サインした瞬間に判決は確定し、もう取り返せない。だが書面を出すまでは上訴期間が丸ごと残っている。その差を知っているかどうかで、結末が分かれる
- 法廷で勢いに任せて「控訴しません」と言ってしまった。けれど書面はまだ出していない。この段階では上訴放棄は成立しておらず、翌日でも冷静になって控訴できる。
- 控訴の提起期間まであと3日。放棄するか争うか、まだ決めかねている。だが書面を出さない限り放棄は成立しないので、ギリギリまで弁護人と量刑の当否を詰め、期間満了による自然確定を待つという選択肢も残せる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 早まって口頭で「控訴しません」と言ってしまった場合でも、書面を出していなければ放棄は未成立。慌てず上訴期間内(控訴は14日、刑訴法373条)に弁護人へ連絡する2. 係官から放棄書面への署名を求められても、「弁護人と相談してから」と保留する3. 既に書面を出してしまったなら、放棄の意思表示に錯誤・強制など重大な瑕疵がなかったかを弁護人と精査し、無効主張の余地を探る4. 控訴提起期間の起算点(判決告知の翌日)を確認し、残り日数を逆算して動く
訴えられた側:1. 上訴を本当に放棄してよいか、控訴審で覆る見込み・未決勾留日数の算入・確定後の不利益を弁護人と総点検する2. 放棄を決めたら、適式な書面を作成して提出する。口頭表明だけでは効力が生じない点に注意3. 死刑または無期の懲役・禁錮の判決に対する上訴は、そもそも放棄できない(360条の2)ことを確認する4. 書面提出後は361条により同一事件での再上訴ができないため、提出は最終決断として行う
時効(請求できる期限):上訴放棄・取下げ自体に固有の期限はないが、放棄しなければ上訴提起期間(控訴・上告とも裁判告知の日の翌日から14日、刑訴法373条・414条)内に上訴の可否を決める必要がある。期間内に放棄書面を出せば即時確定、出さずに上訴もしなければ期間満了で確定する(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:本条が書面方式を要求するのは、上訴の放棄・取下げが判決を確定させ同一事件での再上訴を封じる重大かつ不可逆な訴訟行為であるため、その意思の真意性と明確性を確保する趣旨と解される。口頭の表明には方式上の効力が認められない。
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