刑事訴訟法 第361条
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上訴の放棄又は取下をした者は、その事件について更に上訴をすることができない。上訴の放棄又は取下に同意をした被告人も、同様である。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第361条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第361条の条文原文は「上訴の放棄又は取下をした者は、その事件について更に上訴をすることができない。」で始まります。
- 刑事訴訟法第361条は第一章 通則に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第361条の前の条は刑事訴訟法第360条の3です。
- 刑事訴訟法第361条の次の条は刑事訴訟法第362条です。
- 刑事訴訟法第361条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第361条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第361条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/361
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法361条は、上訴を放棄・取下げした者は同一事件で再上訴できないと定める。控訴期限が残っていても、放棄の瞬間に上訴権は消滅し判決が確定する。
Q · 控訴を取り下げたら、期限内でももう一度控訴できないの?
できません。取下げの瞬間に上訴権が消え、判決が確定します
刑事訴訟法361条により、上訴の放棄または取下げをした者は、控訴期間の14日が残っていても同一事件で再び上訴できません。放棄・取下げに同意した被告人本人も同様に再上訴を封じられます(361条後段)。取下げの瞬間に上訴権は消滅して判決が確定するため、残された救済は要件が格段に厳しい再審(435条)のみとなります。
解説
有罪判決を受けた直後、拘置所の中で「もう疲れた、早く終わらせたい」と控訴を取り下げる。あるいは検察官や周囲から「控訴しても無駄だ」と言われ、控訴放棄の書面に署名する。その瞬間、たとえ控訴期限の14日がまだ5日残っていようと、あなたは二度とその事件で控訴できなくなる。判決はそこで確定する。これが刑事訴訟法361条だ。多くの人が誤解しているのは「放棄したけど、期限内ならまた気が変わって控訴できるだろう」という点。できない。放棄も取下げも、一度すれば撤回不能の片道切符である。さらに、あなたが被告人本人として、弁護人や法定代理人による放棄・取下げに「同意」の署名をした場合、その同意をしたあなた自身も再上訴を封じられる。署名一つ、頷き一つが、あなたの人生で最後の不服申立ての扉を閉める。
法的な位置づけ
刑事訴訟法361条は、上訴の放棄または取下げの不可逆性を定める規定である。いったん上訴を放棄しまたは取り下げた者は、控訴期間が残存していても同一事件について再び上訴することができず、その放棄・取下げに同意した被告人本人も同様に再上訴を封じられる。手続の確定を早める一方、誤判救済の最後の機会を消滅させる効果を持つ。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.14日間は絶対に放棄・取下げの書面に署名しない 有罪判決を受けても、控訴期間の14日は満額使うつもりで、焦って放棄・取下げの書面に署名しない。期限ギリギリまで判断を保留できることを先に理解しておく
- 2.弁護人と量刑相場・事実誤認・新証拠を精査 控訴審で原判決が破棄・減軽される現実的な可能性があるかを、弁護人とともに量刑相場・事実誤認の有無・新証拠の有無の観点から評価する。放棄は得るものがなく失うものだけが大きい一方通行であることを確認する
- 3.周囲・検察の「控訴しても無駄」という圧力に流されない 拘置所での身柄拘束の苦痛や、検察・周囲からの「早く終わらせろ」という言葉に流されて署名しない。未決勾留日数の本刑算入の見込みを弁護人に試算してもらい、判断材料を冷静に揃える
- 4.すでに取下げてしまったら効力を争えるか確認 意思能力を欠く状態や強迫下での取下げ、被告人本人の書面同意を欠く弁護人独断の取下げは、実務上その効力が争われた例がある。取下げが誰の意思でいつどのように作られたかを確認し、刑事弁護に強い弁護士へ速やかに相談する
よくある質問 AI による整理
Q1上訴の放棄とは何ですか?
上訴できる期間内に、自ら上訴する権利を行使しないと確定的に表示する行為です。書面で行い、放棄するとその瞬間に上訴権が消滅します(刑訴361条)。
Q2控訴の取下げはいつでもできますか?
控訴審の判決前であれば取下げ自体に明確な期限はありませんが、効果は即時かつ不可逆です。取下げの瞬間に上訴権が消滅し判決が確定します。
Q3控訴放棄と控訴取下げの違いは何ですか?
放棄は控訴を提起する前にその権利を捨てる行為、取下げは提起した控訴を撤回する行為です。361条はどちらも再上訴を禁じる点で同じ効果です。
Q4死刑判決でも控訴を放棄できますか?
できません。死刑または無期の判決に対する上訴の放棄は刑訴360条の2で禁止されています。最も重い事件ほど不可逆な決断が制限されています。
Q5上訴権回復とはどんな制度ですか?
本人の責めに帰せない事由で上訴期間を過ぎた場合に上訴権を回復する制度です(刑訴362条)。自らの意思による放棄・取下げには適用されません。
Q6控訴取下げ後の救済と再審はどう違いますか?
取下げ後は通常の上訴は不可で、残るのは再審請求(刑訴435条)や非常上告です。再審は無罪を疑わせる明白な新証拠など要件が格段に厳しいです。
Q7上訴の取下げは書面が必要ですか?
原則として書面によります(刑訴360条の3)。口頭のみでは要件を欠き、被告人本人の同意も書面によることが必要です(360条)。
Q8控訴を取り下げると判決はいつ確定しますか?
取下げの効力が生じた時点で判決が確定します。控訴期間が残っていても、その瞬間に確定して刑の執行手続が進みます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1控訴を取り下げたけど、まだ14日の期限内です。もう一度控訴できませんか?
できません。刑事訴訟法361条が再上訴を明確に禁じています。期限が残っているかどうかは関係なく、取下げの瞬間に控訴権は消滅し、判決は確定します。実務のポイント:弁護士は被告人に取下げを勧めるとき、本来この不可逆性を最初に説明すべきです。もし「期限内ならまた控訴できる」と誤解させる説明を受けたなら、取下げの意思表示に瑕疵があったと争う余地が残ることがある。説明された内容と日時を記録しておく
Q2拘置所にいるのが辛くて控訴を取り下げたいんですが、後悔しますか?
未決勾留の苦痛から取下げを選ぶ人は多いですが、361条で撤回できないため、後から量刑不当や新証拠が出ても手遅れになります。実務のポイント:控訴審が長引いても、未決勾留日数は本刑に算入される(刑法21条)ことが多く、「早く終わらせる」利益は思うほど大きくない場合がある。取下げ前に、勾留日数の算入見込みを弁護人に試算してもらうと、判断材料が変わる(最新の改正状況をご確認ください)
Q3息子の弁護人が控訴を取り下げると言い、被告人本人の息子が同意書に署名しました。もう争えないんですか?
原則として争えません。361条後段は、放棄・取下げに同意した被告人本人も再上訴できないと定めます。要件は保護者ではなく被告人本人の書面同意です(360条)。実務のポイント:被告人本人の書面同意がなければ、弁護人や法定代理人の独断による取下げは成立しません。同意の手続が正しく踏まれていない取下げは、効力を争える可能性がある。同意書面が誰の意思でいつ作られたかを確認する
間違えやすい点 AI による整理
- 「控訴を放棄しても、14日の期限内ならまた控訴できる」と思っている人が多いが、361条はそれを正面から否定する。放棄も取下げも、残り期限とは無関係に、その瞬間に再上訴権を消滅させる
- 「取下げが撤回できないのは知っている」人でも、その射程の広さまでは知らない。控訴だけでなく上告も抗告も同じ網にかかる。しかも自分が「同意」しただけで本人が縛られる。不可逆の網は、思っているより広く張られている
- 「どうせ控訴しても結果は変わらないから放棄しよう」という問いの立て方そのものが危うい。控訴審で原判決が破棄される率はゼロではなく、量刑不当や事実誤認による減軽・破棄差戻しは現実に起きている。放棄は、その可能性ごと捨て去る行為だ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 性質 | 361条:放棄・取下げ後の再上訴禁止(不可逆) | 362条:上訴権回復(過ぎた期間を回復) 435条:再審(確定判決を覆す) |
| 適用場面 | 自らの意思で放棄・取下げした場合 | 本人の責めに帰せない事由で期間を徒過した場合 確定後に無罪を疑わせる明白な新証拠等がある場合 |
| 自らの放棄への適用 | 適用あり(再上訴を封じる) | 適用なし(自らの放棄・取下げには使えない) 理論上可能だが要件が格段に厳しい |
| ハードルの高さ | —(権利消滅の効果規定) | 中(帰責性のない事由の疎明) 最も高い(明白性・新規性の証明) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も捨棄上訴権・撤回上訴をした者は上訴権を喪失すると定め、再上訴を封じる点で日本と同趣旨
韓国は『상소를 취하한 자 또는 상소의 포기·취하에 동의한 자는 다시 상소하지 못한다』とほぼ同文で、日本の継受色が濃い
ドイツは上訴の放棄および取下げを規律し、これらがなされると当該上訴は失われる。被告人保護のため放棄の意思表示の明確性が要求される
米国では上訴権の放棄や上訴の自発的取下げにより上訴の機会を失うのが原則。司法取引における上訴権放棄条項の有効性が争点になることが多い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 第一審で実刑判決。控訴期限は14日。あなたは判決の翌日、拘置所で「早く刑務所に行って終わらせたい」と控訴放棄の書面に署名した。3日後、弁護士が新証拠を持って駆けつけたが、もう遅い。361条で再上訴の道は完全に閉ざされている
- もし、控訴を取り下げた後で、裁判所が量刑を誤っていたと気づいたら、どうなる。答えは残酷だ。取下げは撤回できず、その誤った判決のまま確定する。残るのは要件が格段に厳しい再審(435条)という、はるかに高い壁だけ
- 示談を急ぐあまり、被害者側に「控訴しない」と口約束して放棄。判決確定後、相手が示談を反故にした。それでも控訴は戻らない
- あなたの弁護人が「控訴は取り下げましょう」と提案し、あなたは同意書に署名した。弁護人が取下げを行い、あなたの同意も記録に残る。後で別の弁護士に相談しても、同意した被告人本人として、あなたも再上訴を封じられている(361条後段)
取るべき行動
被害を受けた側:1. 控訴期限14日は満額使うつもりで、絶対に焦って放棄・取下げの書面に署名しない2. 弁護人と量刑相場・事実誤認の有無・新証拠を精査し、控訴審で破棄や減軽が現実的にあり得るか評価する3. 周囲や検察から「控訴しても無駄」と言われても、それは相手にとって都合がよいだけと割り切る4. どうしても放棄するなら、その不可逆性(361条)を理解した上で行う。死刑・無期判決なら放棄自体ができない(360条の2)
訴えられた側:1. すでに放棄・取下げしてしまった場合、まずそれが有効に成立しているか確認する。意思能力を欠く状態や強迫下での取下げは、実務上その効力が争われた例があり、解釈が分かれている2. 有効な放棄・取下げなら原則として再上訴は不可(361条)、上訴権回復(362条)も自らの意思による放棄・取下げには適用されない3. 残る道は再審請求(435条)や非常上告だが、要件は格段に厳しい4. 速やかに刑事弁護に強い弁護士へ相談し、取下げの効力を争う余地があるか判断を仰ぐ
時効(請求できる期限):上訴の放棄・取下げ自体に期限はないが、その効果は即時かつ不可逆である。控訴の提起期間は裁判が告知された日の翌日から14日(刑事訴訟法358条、373条)。この14日が、放棄せず熟考できる唯一の窓。期間経過か放棄・取下げのいずれか早い方で、判決は確定する
学説
通説:上訴の放棄・取下げは明確な書面の意思表示を要し、いったん有効に成立すれば撤回できず、同一事件についての再上訴を封じる。射程は控訴に限らず上告・抗告にも及び、放棄・取下げに同意した被告人本人も拘束される点に本条の眼目がある。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:現行刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)の制定により、上訴の放棄・取下げの不可逆性および同意した被告人本人の再上訴禁止を定める規律として置かれた。
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