刑事訴訟法 第360条の2
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死刑又は無期拘禁刑に処する判決に対する上訴は、前二条の規定にかかわらず、これを放棄することができない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第360条の2は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第360条の2の条文原文は「死刑又は無期拘禁刑に処する判決に対する上訴は、前二条の規定にかかわらず、これを放棄することができない。」で始まります。
- 刑事訴訟法第360条の2は第一章 通則に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第360条の2の前の条は刑事訴訟法第360条です。
- 刑事訴訟法第360条の2の次の条は刑事訴訟法第360条の3です。
- 刑事訴訟法第360条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第360条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第360条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/360_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法360条の2は、死刑または無期拘禁刑の判決に対する上訴の放棄を禁止する。ただし上訴を義務づける制度ではなく、14日以内に上訴を申し立てなければ判決は確定する。
Q · 死刑判決を受けた本人が「上訴したくない」と言ったら、そのまま放棄できるの?
放棄はできないが、14日上訴しなければ確定する
刑事訴訟法360条の2により、死刑または無期拘禁刑の判決に対しては、上訴を放棄する正式な手続が認められません。本人が「もう争わない」と望んでも、放棄届は受理されません。ただし上訴そのものは強制されず、控訴期間の14日(刑訴法373条)に誰も上訴を申し立てなければ、死刑判決でも確定します。守られているのは能動的な放棄の禁止だけで、沈黙による確定は防げません。
解説
判決の主文で「死刑」または「無期拘禁刑」と告げられた瞬間、被告人は一つの自由を奪われる。上訴を自分の意思で放棄する自由だ。通常なら、争うも諦めるも本人次第で、上訴の放棄も取下げもできる(刑訴法359条)。だが死刑と無期拘禁刑だけは別格だ。執行されれば取り返しがつかないからこそ、本人が絶望のあまり「もういい」と言っても、法はその放棄届を受け付けない。ここで多くの人が誤解する。放棄が禁止されているなら、自動的に上級審が審理してくれるのか。違う。日本に必要的上訴(自動上訴、死刑事件で本人の意思に関係なく上級審が必ず審理する制度)はない。被告人が上訴を申し立てないまま14日が過ぎれば、死刑判決でもそのまま確定する。守られているのは「放棄という正式な手続」だけで、沈黙による確定は誰も止められない。
法的な位置づけ
刑事訴訟法360条の2は、上訴放棄の禁止を定める規定である。死刑または無期拘禁刑に処する判決については、上訴の放棄を原則的に認める前二条(刑訴法359条・360条)にかかわらず、当事者がこれを放棄することができない。刑の不可逆性に鑑み、被告人の能動的な上訴放棄を制限する手続的保障として機能する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.判決後の残り日数をまず確認する 死刑または無期拘禁刑の判決が告知されたら、その日の翌日から起算して14日(刑訴法373条・55条)が上訴期間であることを確認する。本人が諦めかけていても、まず「いつまでに動くか」を全員で共有する
- 2.控訴審を担当する弁護人を確保する 国選・私選を問わず、控訴審を担当する弁護人を期間内に確保する。生育歴、量刑不当、事実誤認、手続違反など主張の余地を洗い出させる
- 3.本人が拒んでも、まず控訴を申し立てておく 上訴放棄届は受理されないが、上訴を申し立てない不作為は止められない。そこで衝動的・絶望的な確定を防ぐため、期間内にとりあえず控訴を申し立てる。申し立てれば取下げに同意要件(刑訴法360条の3)がかかる
- 4.冷静さを取り戻す時間を確保する 控訴を申し立てた後、本人が「やはり取り下げたい」と言っても、360条の3により法定代理人等の同意がなければ取下げの効力は生じない。この期間に量刑・事実認定を再検討し、判断を急がせない
よくある質問 AI による整理
Q1死刑判決は自動的に最高裁まで審理されますか?
いいえ。日本に必要的上訴(自動上訴)の制度はありません。放棄が禁止されているだけで、被告人が上訴を申し立てなければ14日で確定します。
Q2上訴の放棄とは何ですか?
判決に不服を申し立てる権利を、自分の意思で正式に手放す手続です。通常は可能ですが、死刑・無期拘禁刑では刑訴法360条の2で禁止されます。
Q3死刑判決の上訴期間は何日ですか?
控訴は判決告知の日の翌日から14日(刑訴法373条)、上告も14日です。この期間を過ぎると死刑判決でも確定します。
Q4上訴を放棄できないのに、なぜ死刑が確定するのですか?
放棄という能動的手続は禁止されますが、上訴を申し立てない不作為(期間徒過)は別です。沈黙のまま14日が過ぎれば確定します。
Q5無期拘禁刑でも上訴は放棄できませんか?
できません。刑訴法360条の2は死刑と無期拘禁刑の両方を対象とし、いずれも上訴の放棄を認めていません。
Q6家族が死刑判決で上訴を諦めたらどうすればいいですか?
本人が諦めても、まず弁護人を通じて控訴を申し立てるのが鉄則です。申し立てれば取下げに同意要件(360条の3)がかかります。
Q7上訴放棄の禁止と取下げの制限は違いますか?
違います。放棄禁止は360条の2、上訴後の取下げ制限は360条の3です。場面ごとに別のブレーキが用意されています。
Q8拘禁刑とは何ですか?
2022年改正で懲役と禁錮を一本化した刑罰で、2025年6月1日施行。本条の「無期拘禁刑」はこの改正後の表記です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1死刑判決を受けた本人が「上訴したくない」と言ったら、本当に無視されるんですか?
上訴の放棄という正式な手続はできません(刑訴法360条の2)。ただし上訴は強制ではないので、控訴期間の14日(刑訴法373条)に誰も上訴を申し立てなければ判決は確定します。実務のポイント:日本には死刑事件の必要的上訴(自動上訴)制度がなく、実際に被告人が自ら上訴せず確定した死刑判決は複数存在します。本人が望めば上級審を経ずに確定しうるという点で、米国の一部州の制度とは大きく異なる
Q2一度控訴してから「やっぱりやめる」と取り下げるのもダメなんですか?
死刑・無期拘禁刑の判決では、上訴の取下げにも制限があります(刑訴法360条の3)。法定代理人など一定の者の同意がなければ、取下げの効力が生じません。実務のポイント:だからこそ弁護人や家族の立場では、本人が諦めかけていても「まず控訴を申し立てておく」のが鉄則です。申し立ててしまえば、衝動的な取下げに同意というブレーキがかかり、本人が冷静になる時間を稼げる
間違えやすい点 AI による整理
- 「死刑判決は自動的に最高裁まで審理される」と思っている人が多いが、日本に必要的上訴(自動上訴)の制度はない。放棄が禁止されているだけで、被告人が上訴を申し立てなければ確定する。問いの立て方そのものが誤っている
- 放棄が禁止されていることは知っていても、それが「上訴の取下げ」(刑訴法360条の3)とは別の話だと気づいていない人が多い。一度上訴した後の取下げには、また別の条文で同意要件がかかる。放棄と取下げ、二つの場面に別々のブレーキが用意されている
- 「放棄できないなら、被告人が何もしなくても国が守ってくれる」と思いがちだが、逆である。期間徒過による確定は誰も止められない。法が止めるのは能動的な放棄だけで、受動的な沈黙は射程外だ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 適用場面 | 360条の2:判決後にまだ上訴していない段階の「放棄」 | 360条の3:一度上訴した後の「取下げ」 359条:通常の上訴放棄・取下げ(原則自由) |
| 対象となる刑 | 死刑・無期拘禁刑のみ | 死刑・無期拘禁刑のみ 全ての刑(一般規定) |
| 効果 | 放棄そのものができない(届出不受理) | 取下げに法定代理人等の同意が必要 本人の意思で放棄・取下げ可能 |
| 限界 | 上訴を義務化はせず、期間徒過(14日)による確定は防げない | 同意が得られれば取下げ可能 再上訴は361条で禁止される |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は逆に、死刑・無期徒刑の判決について原審裁判所が職権で必ず上級審に送る「職権上訴」制度をとり、被告人の意思に関わらず審査される
中国はすべての死刑判決を最高人民法院が職権で復核(再審査)する制度をとり、当事者の上訴とは別に上級審の審査が義務づけられる
米国では多くの州が死刑判決に自動上訴(automatic/mandatory appeal)を義務づけ、被告人が放棄を望んでも州最高裁の審査が行われる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、家族が死刑判決を受け「もう疲れた、上訴はしない」と漏らしたら、どうなる? 放棄届は法律上出せないが、あと14日、誰も上訴を申し立てなければ判決はそのまま確定する。残された時間は二週間だけだ
- あなたが無期拘禁刑を言い渡され、絶望のあまり弁護人に「全部受け入れる、上訴は要らない」と告げた。だが弁護人は上訴放棄届を出せない。法がそれを許さないからだ。あなたの意思だけでは、この刑を確定させることすらできない
- 死刑確定のニュース。「被告は上訴を断念」と報じられる。放棄が禁止されているはずなのに、なぜ確定したのか。期間徒過という抜け道がそこにある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 家族・支援者の立場で死刑または無期拘禁刑の判決が出たら、本人が諦めかけていても、まず弁護人と上訴申立ての要否を即協議する2. 放棄届は出せないが、上訴を申し立てなければ14日で確定する点を本人に伝える3. 国選・私選を問わず控訴審を担当する弁護人を確保、生育歴・量刑不当・事実誤認の主張点を洗い出す4. 本人が拒んでも、まず控訴を申し立てておけば取下げに同意要件(360条の3)がかかり、撤回のハードルが上がる
訴えられた側:1. 死刑・無期拘禁刑を言い渡され「全部受け入れる」と感じても、放棄という選択肢は法律上存在しないことを理解する2. 上訴するかしないかは、絶望の渦中で14日以内に決めない。まず控訴を申し立て、判断を先送りできる仕組みを使う3. 弁護人に量刑不当・事実誤認・手続違反の余地がないか必ず検討させる4. 一度申し立てれば、取下げには360条の3の同意が要るため、衝動的な確定を自分で防げる
時効(請求できる期限):上訴の放棄自体ができない条文だが、上訴を申し立てる期間が決定的。控訴は判決告知の日から14日(刑訴法373条)、上告も14日(同414条による準用)。期間は裁判告知の日の翌日から起算(刑訴法55条、358条)。この14日を徒過すれば、死刑・無期拘禁刑の判決でも確定する
学説
通説:本条は死刑・無期拘禁刑の不可逆性に鑑み、被告人の能動的な上訴放棄を禁じる手続的保障と解される。もっとも上訴の義務化(必要的上訴)までは定めておらず、上訴を申し立てない不作為による確定までは妨げない、というのが一般的な理解である。
改正沿革 AI による整理
- 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年6月1日)施行 懲役・禁錮の拘禁刑統合に伴い、条文中の「無期の懲役若しくは禁錮」が「無期拘禁刑」へと改められた。条文の趣旨自体は変更なし
- 新設年の検証が必要 本条(360条の2)の当初新設年および360条の3とともに追加された経緯について確証がなく、人的検証が必要。捏造を避けるため total_revisions を -1に設定
改正の年表
- 1.令和4年(2022年) 改正:拘禁刑の創設(懲役・禁錮の一本化)に伴い、条文中の「無期の懲役若しくは禁錮」が「無期拘禁刑」へ改められた。令和7年(2025年6月1日)施行。条文の趣旨自体に変更はない。
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