刑事訴訟法 第390条の2
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前条の規定にかかわらず、控訴裁判所は、拘禁刑以上の刑に当たる罪で起訴されている被告人であつて、保釈又は勾留の執行停止をされているものについては、判決を宣告する公判期日への出頭を命じなければならない。ただし、重い疾病又は傷害その他やむを得ない事由により被告人が当該公判期日に出頭することが困難であると認めるときは、この限りでない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第390条の2は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第390条の2の条文原文は「前条の規定にかかわらず、控訴裁判所は、拘禁刑以上の刑に当たる罪で起訴されている被告人であつて、保釈又は勾留の執行停止をされているものについては、判決を宣告する公…」で始まります。
- 刑事訴訟法第390条の2は第二章に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第390条の2の前の条は刑事訴訟法第390条です。
- 刑事訴訟法第390条の2の次の条は刑事訴訟法第391条です。
- 刑事訴訟法第390条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
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- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第390条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第390条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/390_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法390条の2は、拘禁刑以上の罪で起訴され保釈中等の被告人に対し、控訴裁判所が判決宣告期日への出頭を命じなければならないと定める。逃亡防止が目的である。
Q · 控訴審は出なくていいと聞いたのに、判決の日だけ出頭を命じられるのはなぜ?
実刑ならその場で収監されうるため、判決日の出頭が義務づけられます
控訴審は原則として被告人の出頭が不要です(刑事訴訟法390条)。しかし390条の2は、拘禁刑以上の刑に当たる罪で起訴され、保釈中または勾留の執行停止中の被告人について、判決を宣告する公判期日への出頭を命じなければならないと定めます。狙いは逃亡防止です。実刑が宣告された瞬間に保釈・勾留執行停止は失効するため(343条)、出頭命令は、収監すべき被告人をその場まで来させる仕組みとして機能します。重い疾病等やむを得ない事由があれば例外とされます。
解説
控訴審には、第一審と違うルールがある。390条により、被告人は判決を含む公判期日に出頭しなくてよい。弁護人に任せ、自宅で結果を待てる。多くの人がそう理解している。ところが390条の2は、その例外を突きつける。拘禁刑以上の刑に当たる罪で起訴され、保釈中または勾留の執行停止中の被告人については、控訴裁判所は判決宣告の期日への出頭を命じなければならない。なぜ判決の日だけ呼び出すのか。答えは別の条文にある。343条により、実刑判決が宣告された瞬間、あなたの保釈は効力を失う。つまり、判決の日に法廷へ呼ばれ、そこで実刑が言い渡されれば、その場で身柄を拘束されうる。これは、判決前に逃亡する被告人が相次いだことへの立法的な答えだ。出頭命令は単なる形式ではなく、収監の入口になりうる。
法的な位置づけ
刑事訴訟法390条の2は、控訴審における判決宣告期日への出頭命令を定める規定である。控訴審では被告人の出頭が原則不要であるが(同法390条)、拘禁刑以上の刑に当たる罪で起訴され保釈中または勾留の執行停止中の被告人については、控訴裁判所が判決を宣告する公判期日への出頭を命じなければならない。重い疾病・傷害その他やむを得ない事由により出頭が困難と認められる場合は除かれる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.出頭命令を受けたら判決の見通しを弁護人と共有 判決宣告期日への出頭命令が届いたら、まず弁護人と「控訴棄却・実刑」の可能性を具体的に詰める。出頭命令は実刑が問題になる事件で発せられるため、最悪のシナリオを前提に動き出す
- 2.実刑見込みなら判決日の前に身辺整理 控訴棄却・実刑が見込まれるなら、343条で保釈が即時失効する前提に立ち、家族への連絡、勤務先や事業の引継ぎ、収監後の連絡先メモを判決日の前に整える。収監後は身動きが取れない
- 3.上告の方針を判決日の前に確定 上告(刑訴405条)を行うか、行うなら理由構成をどうするかを弁護人と決めておく。上告申立ては判決宣告日の翌日から14日以内のため、収監前に体制を固めておく
- 4.出頭困難ならやむを得ない事由を客観的に疎明 重い疾病・傷害等で出頭が困難な場合は、ただし書きの適用を求める。当日「体調不良」と連絡するだけでは足りず、診断書など客観的な裏付けを期日が来る前に準備する
よくある質問 AI による整理
Q1拘禁刑とは何ですか?
2022年の刑法改正で懲役と禁錮を一本化した自由刑です(2025年6月1日施行)。390条の2の出頭命令は、この拘禁刑以上に当たる罪で起訴された被告人を対象とします。罰金刑だけの軽い罪には及びません。
Q2控訴審の判決の日に出頭しないと保釈金はどうなりますか?
正当な理由のない不出頭は保釈取消事由となり(刑訴96条)、保釈保証金の没取につながります。近年の改正で不出頭に対する罰則も整備されています。最新の改正状況の確認をおすすめします。
Q3保釈中に控訴が棄却されたらどうなりますか?
実刑判決の宣告と同時に保釈または勾留執行停止が効力を失います(刑訴343条)。判決の場で身柄を拘束されうるため、出頭命令はこの収監の入口になりえます。
Q4勾留の執行停止とは何ですか?
勾留の効力を保ったまま、その執行を一時停止して身柄を解放する処分です(刑訴95条)。保釈とともに、390条の2の出頭命令が対象とする身柄状態の一つです。
Q5実刑判決のあとすぐに収監されますか?
実刑が宣告されると保釈・勾留執行停止が即時失効するため(343条)、その場で身柄を拘束されうるのが実務です。判決日の前に身辺整理や連絡体制を整えておくことが重要です。
Q6判決宣告期日の出頭命令に例外はありますか?
あります。重い疾病・傷害その他やむを得ない事由により出頭が困難と認められる場合は命令が及びません。ただし診断書など客観的な疎明が必要で、ハードルは高いとされます。
Q7控訴審の出頭命令はいつから始まった制度ですか?
保釈中等の被告人の逃亡防止を目的に、令和5年(2023年)の刑事訴訟法改正で新設された比較的新しい規定です。施行日・適用範囲の詳細は最新の改正状況をご確認ください。
Q8上告するには判決からどのくらいで申し立てますか?
上告の申立ては判決宣告日の翌日から14日以内です(刑訴414条が準用する373条)。実刑で収監される前提なら、上告の方針を判決日の前に弁護人と整えておくべきです。
この条文についての質問 AI による整理
Q1控訴審は出なくていいって聞いたのに、なんで判決の日だけ呼ばれるんですか?
原則は確かに出頭不要です(刑事訴訟法390条)。ただ390条の2は、拘禁刑以上の罪で起訴され保釈中・勾留執行停止中の被告人について、判決宣告の期日だけは出頭を義務づけます。狙いは逃亡防止です。実務のポイント:判決の日に呼ばれる本当の理由は、343条で実刑宣告と同時に保釈が失効するから。つまり出頭命令は、収監すべき人にその場まで来てもらう仕組みです。弁護人はこの命令が来た時点で実刑の可能性を覚悟して準備に入ります
Q2出頭命令を無視して行かなかったら、どうなりますか?
判決自体は被告人が来なくても宣告できます。問題はその後で、正当な理由のない不出頭は保釈取消事由(刑事訴訟法96条)となり、保釈保証金の没取につながります。近年の改正で不出頭に対する罰則も整備されています(最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:「やむを得ない事由」のただし書きは重病・重傷が中心で、ハードルは高い。診断書なしに当日「体調不良」と連絡しても通りません。逃げる目的の欠席は、その後の身柄や量刑判断で確実に不利に響きます
間違えやすい点 AI による整理
- 「控訴審に出るかどうかは自分で選べる」と思っている人が多い。前提が誤っている。390条で出頭不要なのは原則にすぎず、判決宣告の期日については390条の2が出頭を義務づける。少なくとも実刑が問題になる事件では、判決の日に出るか出ないかという選択肢は最初から存在しない
- 出頭しなければならないことは知っていても、その日に何が起きるかの深刻度を見落としている人が多い。出頭命令は「来なさい」で終わらない。343条がセットで動き、実刑が宣告された瞬間に保釈は失効する。出頭命令は、収監される場所まで自分の足で来させる仕組みだと理解した瞬間、見え方が変わる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 出頭の要否 | 390条の2:判決宣告期日は出頭を命じなければならない(義務) | 390条:控訴審は原則として出頭不要 286条:第一審は被告人の出頭が原則必要 |
| 対象となる被告人 | 拘禁刑以上の罪で起訴され、保釈中または勾留執行停止中の者 | 控訴審の被告人一般 第一審の被告人一般 |
| 連動する効果 | 実刑宣告で保釈・勾留執行停止が失効し収監されうる(343条) | 出頭しなくても審理・判決が可能 不出頭時は開廷できないのが原則 |
| 違反・不出頭の帰結 | 保釈取消・保証金没取(96条)、罰則の整備あり | — 勾引等による出頭確保 |
他国ではどう定めているか 1 か国
台湾は判決宣告期日の出頭命令という形式ではなく、限制出境・出海などの防逃処分により逃亡を抑止する。逃亡防止という機能は近いが、制度設計が異なる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 保釈されて控訴審を戦ってきた被告人。第一審は実刑、控訴で逆転を狙う。判決の日、390条の2で出頭を命じられ法廷に立つ。控訴が棄却されれば、343条で保釈は失効し、その場で収監される。スーツの下に何を準備しておくかで、その後の数日がまるで違う
- もし判決当日に重い病気で動けなくなったら、どうなる? ただし書きにより、重い疾病や傷害その他やむを得ない事由で出頭困難と認められれば命令は及ばない。だが「仕事が抜けられない」「気が重い」程度では認められず、診断書などの客観的な裏付けが要る
- 判決まであと3日。家族への説明、身辺の整理、収監に備えた連絡先のメモ。出頭命令が届いた時点で、経験ある弁護人はすでに最悪のシナリオを読んで動いている
- 被害者遺族が傍聴席にいる。被告人が判決の日だけは必ず法廷に来る、この制度は遺族にとって「判決の瞬間に被告人が消えていない」という、当たり前のようで以前は保証されていなかった重みを持つ
取るべき行動
被害を受けた側:1. あなたが被害者・遺族なら、被害者参加制度(刑事訴訟法316条の33以下)で控訴審にも関与でき、意見を述べる機会がある2. 被告人の逃亡や所在に不安があれば、検察官に保釈や保釈条件についての意見を伝える3. 判決宣告期日は被告人の出頭が命じられるため、傍聴・参加の予定を期日に合わせて確保する4. 損害賠償は刑事とは別軌道で、民法709条に基づく民事や損害賠償命令の申立てを並行して検討する
訴えられた側:1. 出頭命令が来たら、まず弁護人と判決の見通しを共有する2. 控訴棄却・実刑が見込まれるなら、343条で保釈が即時失効する前提に立ち、身辺整理・上告(刑事訴訟法405条)の方針・収監後の連絡体制を判決日の前に整える3. 正当な理由なく出頭を怠ると保釈取消・保釈保証金の没取のおそれがあり、近年の改正で不出頭に対する罰則も整備されている(最新の改正状況をご確認ください) 4. ただし書きの「やむを得ない事由」は重い疾病・傷害等に限られ、診断書など客観的な疎明が要る
時効(請求できる期限):出頭命令は判決宣告の公判期日について発せられる。出頭困難の申立てや期日に関する手続は、その期日が来る前に行う必要がある。実刑判決の宣告で保釈・勾留の執行停止は即時に失効する(刑事訴訟法343条)。上告の申立ては判決宣告日の翌日から14日以内(刑事訴訟法414条が準用する373条)
学説
通説:本条は控訴審の出頭不要原則(390条)を維持しつつ、最も逃亡リスクの高い判決宣告の場面のみを切り出して出頭を義務づけたものと理解される。343条の保釈失効と一体で、判決前逃亡の防止と刑の執行確保を図る規定と位置づけられる。
改正沿革 AI による整理
- 令和5年(2023年) 保釈・勾留執行停止中の被告人の逃亡を防ぐための法改正により新設された条文。控訴審の出頭不要原則(390条)の例外として、判決宣告期日への出頭命令を義務づけた。条文中の「拘禁刑以上の刑」という文言は、令和4年(2022年)改正による懲役・禁錮の拘禁刑統合(2025年6月1日施行)を反映している。施行日・適用範囲の詳細は最新の改正状況をご確認ください
改正の年表
- 1.令和5年(2023年) 新設:保釈・勾留執行停止中の被告人の逃亡防止を目的とする刑事訴訟法改正により新設。控訴審の出頭不要原則(390条)の例外として、判決宣告期日への出頭命令を義務づけた。条文中の『拘禁刑以上の刑』は令和4年改正による拘禁刑統合(2025年6月1日施行)を反映。施行日・適用範囲の詳細は最新の改正状況をご確認ください。
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