刑事訴訟法 第50条
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- 公判調書が次回の公判期日までに整理されなかつたときは、裁判所書記は、検察官、被告人又は弁護人の請求により、次回の公判期日において又はその期日までに、前回の公判期日における証人の供述の要旨を告げなければならない。この場合において、請求をした検察官、被告人又は弁護人が証人の供述の要旨の正確性につき異議を申し立てたときは、その旨を調書に記載しなければならない。
- 2.被告人及び弁護人の出頭なくして開廷した公判期日の公判調書が、次回の公判期日までに整理されなかつたときは、裁判所書記は、次回の公判期日において又はその期日までに、出頭した被告人又は弁護人に前回の公判期日における審理に関する重要な事項を告げなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第50条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第50条の条文原文は「公判調書が次回の公判期日までに整理されなかつたときは、裁判所書記は、検察官、被告人又は弁護人の請求により、次回の公判期日において又はその期日までに、前回の公判期…」で始まります。
- 刑事訴訟法第50条は第六章 書類及び送達に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第50条の前の条は刑事訴訟法第49条です。
- 刑事訴訟法第50条の次の条は刑事訴訟法第51条です。
- 刑事訴訟法第50条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第50条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第50条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/50
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法50条は、公判調書が次回期日までに整理されないとき、請求により書記官が前回の証人供述の要旨を告げ、正確性への異議は調書に記載すると定める。
Q · 公判調書がまだできていないのに次回の裁判が来たら、前回の証言はどうやって確認するの?
請求すれば書記官が前回証言の要旨を告知してくれる
刑事訴訟法50条1項により、公判調書が次回期日までに整理されないときは、検察官・被告人・弁護人の請求があれば、裁判所書記官が前回期日の証人供述の要旨を口頭で告げなければなりません。請求しなければ告知義務は発動しません。告知された要旨が不正確だと感じたら、その時点で正確性に異議を申し立てれば、その旨が調書に記載されます。後の控訴審で原審記録の信用性を争う布石になります。
解説
刑事裁判の法廷で証人が証言した内容は、公判調書という公式記録に文字として残る。だが、この調書が次回の期日までに完成しないことが現実には起きる。書記官の作業が追いつかない、証人尋問が予想外に長引いた、期日が短い間隔で続く、そんな理由でだ。問題はここからである。前回の証言内容を正確に把握できないまま、次回の弁論や反対尋問に臨むことになれば、防御は足場を失う。刑訴法50条は、まさにこの空白を埋める。検察官、被告人、弁護人が請求すれば、書記官は次回期日までに前回の証人供述の要旨を口頭で告げなければならない。さらに重要なのは、その要旨が不正確だとあなたが異議を述べれば、その異議自体が調書に記録される点だ。後で「言った言わない」の争いになったとき、この一行の記録が効いてくる。
法的な位置づけ
刑事訴訟法50条は、公判調書が次回の公判期日までに整理されない場合に、裁判所書記官が当事者の請求に応じて前回期日の証人供述の要旨を口頭で告知すべき義務を定める規定である。要旨の正確性に対する異議の調書記載、および当事者欠席で開廷した期日における重要事項の告知義務も併せて規律する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.期日終了時に調書整理の見込みを確認 公判期日が終わったら、次回期日までに公判調書が整理される見込みかを、書記官または弁護人に確認する。証人尋問が長引いた事件や期日が短間隔で続く事件では遅延が起きやすい
- 2.間に合わないなら要旨告知を請求 整理が間に合わない見込みなら、検察官・被告人・弁護人の立場で前回証人供述の要旨告知を請求する(刑訴50条1項)。早く請求するほど書記官の記憶も新しく要旨の精度が上がる
- 3.要旨が不正確なら即座に異議 告知された要旨が記憶とズレていたら、その場で正確性に異議を申し立て、調書への記載を求める。どの部分がどう違うかを争点ごとに具体的に特定する。漠然とした異議は効力が弱い
- 4.完成調書と告知要旨を照合し控訴に備える 公判調書が完成したら閲覧請求(刑訴49条)で取り寄せ、告知された要旨と記載を照合する。食い違いがあれば刑訴51条の調書記載異議も併用し、書面で記録に残す
よくある質問 AI による整理
Q1公判調書とは何ですか?
公判期日における訴訟手続を記録した公式の調書です。裁判所書記官が作成し、刑訴52条により公判手続を証明する排他的な証明力を持ちます。
Q2公判調書の閲覧はできますか?
被告人は刑訴49条により、整理された公判調書を閲覧できます。50条の要旨告知と併用すると、未整理段階でも記録の中身を把握しやすくなります。
Q3証人供述の要旨はいつ告知されますか?
調書が次回期日までに整理されない場合、請求により次回期日においてまたはその期日までに告知されます(刑訴50条1項)。
Q4刑事訴訟法50条の告知請求は誰ができますか?
検察官・被告人・弁護人が請求できます。裁判所が自動で告知するのではなく、当事者の請求があって初めて書記官の告知義務が発動します。
Q5公判調書が間に合わないとどうなりますか?
そのままでは前回証言を正確に把握できません。50条の要旨告知を請求しなければ、記憶だけで次回の反対尋問や弁論に臨むことになります。
Q650条の異議と51条の異議はどう違いますか?
50条の異議は要旨告知の正確性に対するもの、51条の異議は完成した調書記載に対するものです。二段構えで原審記録の信用性を争えます。
Q7被告人が欠席した期日の記録はどう知るのですか?
刑訴50条2項により、被告人・弁護人欠席で開廷し調書が未整理のとき、書記官は出頭した側に審理の重要事項を告げなければなりません。
Q8公判調書の証明力とは何ですか?
刑訴52条により、公判期日の訴訟手続は公判調書のみによって証明できます。これを排他的証明力といい、記録の正確性が決定的に重要になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1調書ってそんなに遅れるものなんですか? 普通すぐできると思ってました
実務では、証人尋問が長時間に及んだ事件や、期日が短い間隔で続く事件で、次回までに整理が間に合わないことが起きます。だからこそ刑訴法50条1項は、未整理の場合に書記官が証人供述の要旨を口頭で告げる仕組みを用意しています。実務のポイント:弁護人は調書の遅延に気づいても、いちいち告知請求をしないことがあります。手間と、要旨告知より自分の手控えメモの方が詳しいという判断からです。だが正確性に異議を残すという第1項後段の機能は、告知請求を経て初めて使える。記録に布石を打ちたい場面では、あえて請求する価値がある
Q2要旨が違うと思っても、その場で文句を言うのは気が引けます。後から直せませんか?
50条1項後段は、告知の時点で異議を申し立てたときに、その旨を調書に記載すると定めています。つまり異議はその場で述べることに意味があり、後出しでは同じ記録効果を得にくい。実務のポイント:完成した調書の記載自体への異議は、別途51条で申し立てられます。50条の異議(要旨告知への異議)と51条の異議(調書記載への異議)は別物で、両方を使い分けると原審記録の信用性を多角的に争える。この二段構えを意識している被告人はほとんどいない
間違えやすい点 AI による整理
- 「調書は裁判所が自動的に整えてくれるもので、自分は待つだけ」と思われているが、50条の告知は請求がなければ発動しない。黙っていれば、書記官は要旨を告げる義務を負わない。動かさない権利は、ないのと同じである
- 告知制度の存在は知っていても、その「正確性に異議を申し立てれば調書に記載される」という第1項後段の威力を見落としている人が多い。この一行の異議記録が、後の控訴審で原審記録の信用性を崩す突破口になりうる。制度を知っているだけでは足りず、異議まで打って初めて武器になる
- あなたから見れば「調書が遅れただけの事務的な遅延」だが、手続法から見れば「防御の前提となる情報があなたに与えられていない状態」である。この落差を放置したまま反対尋問に入ると、争点を外したまま証人を帰してしまう
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象となる記録の状態 | 50条:未整理の調書(要旨を口頭で告知) | 49条:整理済みの調書(閲覧) 51条:完成した調書の記載(異議) |
| 行為の主体 | 請求は当事者、告知は書記官 | 閲覧は被告人 異議は当事者 |
| 発動の契機 | 調書未整理 + 当事者の請求 | 調書整理後 調書完成後 |
| 記録への効果 | 正確性異議が調書に記載される | 記録の内容を把握 記載の訂正・是正につながる |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は審判期日に書記官が審判筆録を作成する旨を定めるが、未整理時に証言要旨を口頭告知させる日本型の暫定補完規定は明文化されていない
ドイツは公判手続の調書化義務を定めるが、調書遅延時の口頭による要旨告知という手続は日本に特有
米国は速記官による逐語録(transcript)制度を採り、当事者は費用負担で謄本を入手できるが、口頭での要旨告知という構造は採らない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたが被告人として出廷し、前回の証人が決定的な不利益証言をした。だが次回期日が一週間後に迫っているのに調書がまだ整理されていない。要旨の告知を請求しなければ、弁護人は記憶だけで反対尋問を組むことになる。あと数日、請求は今すぐ動かないと間に合わない
- もし証人が法廷で述べた内容と、後に完成した調書の記載がズレていたら? 告知の時点で要旨の正確性に異議を述べておけば、その異議が調書に残る。何も言わなければ、不正確な記録がそのまま証拠の前提になる
- あなたや弁護人が出頭せずに開廷された期日があった。第2項により、書記官は出頭した側に審理の重要事項を告げる義務を負う。欠席で進んだ手続の中身を、あなたは知らないままにされない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 期日終了時に、次回までに調書が整理される見込みか、書記官や弁護人に確認する2. 間に合わない見込みなら、検察官、被告人、弁護人の立場で告知の請求を行う(50条1項) 3. 告知された要旨が記憶とズレていたら、その場で正確性に異議を述べ、調書への記載を求める4. 異議は争点ごとに具体的に特定して述べる。漠然とした異議は記録されても効力が弱い
訴えられた側:1. あなたや弁護人が欠席のまま進んだ期日があれば、第2項により書記官に審理の重要事項の告知を求める2. 告知された内容を弁護人と突き合わせ、欠席中に不利な手続が進んでいないか確認する3. 後の控訴を見据えるなら、調書記載と告知内容の食い違いを書面で記録に残しておく4. 公判調書の閲覧請求(49条)も併用し、完成した記録と告知要旨を照合する
時効(請求できる期限):告知の請求と正確性の異議は、いずれも次回の公判期日における手続の中で行う必要がある。調書が整理されないまま次回期日が過ぎると、その期日での告知請求の機会は失われる。期日間の時間的余裕を見て早めに動くこと
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