医療法 第23条の2
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都道府県知事は、病院又は療養病床を有する診療所について、その人員の配置が、第二十一条第一項(第一号に係る部分に限る。)又は第二項(第一号に係る部分に限る。)の規定に基づく厚生労働省令又は都道府県の条例で定める基準に照らして著しく不十分であり、かつ、適正な医療の提供に著しい支障が生ずる場合として厚生労働省令で定める場合に該当するときは、その開設者に対し、期限を定めて、その人員の増員を命じ、又は期間を定めて、その業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 医療法第23条の2は、日本の医療法に含まれる条文です。
- 医療法第23条の2の条文原文は「都道府県知事は、病院又は療養病床を有する診療所について、その人員の配置が、第二十一条第一項(第一号に係る部分に限る。」で始まります。
- 医療法第23条の2は第四章 病院、診療所及び助産所に置かれています。
- 医療法の公布日は昭和23年7月30日です。
- 医療法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 医療法第23条の2の前の条は医療法第23条です。
- 医療法第23条の2の次の条は医療法第24条です。
- 医療法第23条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第23条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000205 - 本サイト収録
医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第23条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000205/23_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点医療法23条の2は、病院等の人員配置が基準に照らし著しく不十分で、適正な医療に著しい支障がある場合、都道府県知事が開設者に増員命令または業務停止命令を出せると定める。
Q · 看護師や医師が足りない病院に、行政は何かできるの?
知事が開設者に増員や業務停止を命じられる
医療法23条の2により、病院または療養病床を有する診療所の人員配置が、21条に基づく厚生労働省令・都道府県条例の基準に照らして著しく不十分で、かつ適正な医療の提供に著しい支障が生ずる場合、都道府県知事は開設者に対し、期限を定めて増員を命じ、または期間を定めて業務の全部もしくは一部の停止を命じることができます。実務では立入検査での指摘や行政指導が先行するのが通常です。
解説
看護師が足りない病棟、夜勤が一人きりの療養病床。そんな状況を「現場の努力で回している美談」として見ている人は多い。だが法律の目で見ると、そこにはもう一本、知事の手にある安全装置が掛かっている。医療法23条の2は、病院または療養病床を持つ診療所について、医師・看護師などの人員配置が国の省令や都道府県の条例の基準に照らして「著しく不十分」で、しかも適正な医療に「著しい支障」が出る場合、都道府県知事が開設者に増員を命じ、または業務の全部か一部の停止を命じられると定める。ここで押さえておくべきは二点だ。第一に、発動には「著しく不十分」と「著しい支障」の二つがどちらも必要で、単なる基準割れでは足りない。具体的な線引きは厚生労働省令に委ねられている(最新の規定をご確認ください)。第二に、命令の相手は院長ではなく開設者(病院を経営する法人など)である。患者も職員も、人手不足を「どうしようもないこと」と諦める前に、それを正式に問題にできる窓口が役所にあることを知っておく価値がある
法的な位置づけ
医療法23条の2は、病院および療養病床を有する診療所の人員配置に関する行政処分の根拠規定である。人員が医療法21条に基づく省令・条例の基準に照らして著しく不十分であり、かつ適正な医療の提供に著しい支障が生ずる場合に、都道府県知事が開設者に対し、期限付きの増員命令または期間付きの業務の全部・一部停止命令を発することができる旨を定める。
よくある質問 AI による整理
Q1医療法23条の2とは何ですか?
病院や療養病床を持つ診療所の人員が基準を大きく下回り、医療に著しい支障が出る場合に、都道府県知事が増員や業務停止を命じられると定めた規定です。
Q2増員命令とはどんな処分ですか?
都道府県知事が病院の開設者に対し、期限を定めて医師や看護師などの人員を増やすよう命じる行政処分です。医療法23条の2が根拠です。
Q3病院の人員配置基準はどこで決まっていますか?
医療法21条に基づき、医師などは厚生労働省令(医療法施行規則)、看護師その他の従業者は都道府県の条例で員数が定められています。
Q4業務停止命令は病院全体に出されますか?
全部停止も一部停止も条文上可能です。地域医療への影響を考慮し、特定の病棟や診療に限った一部停止が選ばれる余地があります。
Q5クリニック(無床診療所)も対象ですか?
本条の対象は病院と療養病床を有する診療所です。病床のない診療所は、本条の増員命令・業務停止命令の対象に含まれていません。
Q6増員命令に従わないとどうなりますか?
命令違反は、医療法29条による開設許可の取消しや閉鎖命令などの対象となりえます。具体的な処分の要件は現行条文で確認が必要です。
Q7病院の人手不足はどこに相談できますか?
都道府県の医療安全支援センターや保健所の医療監視担当が窓口です。日時・待ち時間・夜勤人数などの記録を添えると伝わりやすくなります。
Q8増員命令の前に弁明の機会はありますか?
業務停止などの不利益処分の前には、行政手続法13条により原則として弁明の機会が与えられます。改善計画の進捗を具体的に示すことが重要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1看護師が足りないって、どのくらい足りなかったら命令が出るんですか?
医療法23条の2は、21条に基づく省令や条例の基準に照らして「著しく不十分」で、かつ適正な医療に「著しい支障」がある場合に限っています。具体的な線は厚生労働省令で定められています(最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:実際に命令まで進む例は少なく、大半は立入検査の指摘と改善計画の段階で収束する。だからこそ、指摘段階での対応記録が後の命令の有無を決める
Q2病院が業務停止になったら、入院している患者はどうなるんですか?
業務の全部または一部の停止が命じられると、対象の病棟や診療は止まるため、転院などの調整が必要になります(医療法23条の2)。通常、行政は患者の安全を考慮して停止の範囲や期間を定めます。実務のポイント:「全部停止」より「一部停止」が選ばれやすいのは、地域の医療提供体制への影響が大きいため。家族は通知が出た時点で地域連携室に転院先の候補を早めに出させると、慌てずに済む
Q3職員が役所に通報したら、クビにされたりしませんか?
人員不足そのものの情報提供は、公益通報者保護法の対象となる通報に当たる場合があり、その場合は通報を理由とする解雇は無効になります(公益通報者保護法3条)。ただし対象事実や通報先の要件があります。実務のポイント:通報の前に、勤務表や人員数の記録を自分の手元に正当な範囲で残しておくこと。後から「根拠のない通報」と言われないための一番の保険になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「人員基準を一人でも割ったら即業務停止」と恐れる経営者がいるが、それは違う。23条の2の発動には「著しく不十分」と「適正な医療の提供に著しい支障」の二重要件が必要で、実務ではまず立入検査での指摘、改善計画、行政指導という段階を踏むのが通常である。ただし行政指導を無視し続けた記録は、後に命令の根拠として効いてくる
- 人手不足は病院の内部事情で、患者や家族が口を出せる問題ではないと思われがちだ。視点を変えると、法律はこれを公衆衛生上の問題として扱い、都道府県知事に是正権限を与えている。家族の目から見ると「待たされる不便」だが、法律の目から見ると「適正な医療が提供されていない危険」になりうる。この落差を知らないと、声を上げる機会そのものを逃す
- 院長に言えば解決すると考えがちだが、命令の名宛人は「開設者」である。医療法人立なら法人、つまり理事長と理事会が責任主体になる。院長(管理者)が現場で奮闘しても、採用予算を握る開設者が動かなければ改善は進まない。誰に向けて問題を提起するかという問いの立て方から見直す必要がある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象となる問題 | 医療法23条の2:人員配置の著しい不足 | 医療法24条:構造設備の不備・衛生上有害など 医療法29条:命令違反などを理由とする開設許可取消し等 |
| 行政の手段 | 期限付きの増員命令、期間付きの業務の全部・一部停止命令 | 施設の使用制限・使用禁止、修繕・改築の命令 開設許可の取消し、閉鎖命令 |
| 処分の相手方 | 開設者(医療法人など) | 開設者 開設者 |
| 処分の重さの位置づけ | 人員面の是正を促す中間段階の処分 | 設備面の是正を促す中間段階の処分 最終段階の処分(現行規定の確認が必要) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は醫療機構設置標準で人員配置を定め、違反時は主管機関が改善を求め処分する仕組み。日本の二重要件のような発動の絞りは明文上異なる
韓国は医療機関の遵守事項に人員基準を置き、違反時に是正命令を出す構造で、日本と類似する
ドイツは看護配置の下限を連邦規則で定め、下回った病院には報酬上の不利益を課す手法をとる
米国は Medicare 参加条件として適切な看護人員の確保を求め、違反は参加資格の問題として扱われる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 親が入院している療養病床で、夜間のナースコールに30分以上誰も来ない日が続いている。家族として病院に言っても「人手が足りなくて」で終わる。だがその状態が基準を大きく割り込み医療に支障が出ているなら、都道府県の医療監視担当や保健所に相談する道がある。個別の苦情ではなく「人員配置の問題」として伝えるのがポイントだ
- 医療法人の理事長であるあなたの病院で、医師の働き方改革による時間外上限規制の影響で当直医の確保ができず、医師数が基準を下回ったまま半年が過ぎた。立入検査で指摘を受け、改善計画の提出を求められている。ここで具体的な採用計画と期限を示せるかどうかが、行政指導で済むか命令に進むかの分かれ道になる
- もし保健所から「増員命令」の文書が届き、期限が3か月後と書かれていたら、どうなる? 期限までに達成できなければ、業務停止や開設許可に関わる処分へ進む可能性がある。採用、派遣、病床の一部休床、どれを今週中に決めるかで結末が変わる
- 看護師として働くあなたは、病棟の配置が明らかに基準を割っていると感じている。上司に言っても変わらない。内部から役所に情報提供するのは裏切りではなく、患者を守るための正規ルートの一つだ
- 業務の一部停止命令が出て、担当していた病棟が閉鎖に。入院患者の転院先探しが一気に始まる。二週間で数十人を移す現場は混乱する
取るべき行動
被害を受けた側:1. 入院中の家族が十分なケアを受けていないと感じたら、日時・待ち時間・夜勤の人数などを具体的に記録する2. まず病院の患者相談窓口に書面で伝え、回答を記録に残す3. 改善がなければ、都道府県の医療安全支援センターや保健所の医療監視担当に相談し、記録を提出する4. 転院を検討する場合は、主治医に紹介状を依頼しつつ地域連携室を活用する
訴えられた側:1. 立入検査で人員不足を指摘されたら、現状の員数と基準との差を正確に把握する2. 採用計画・派遣活用・病床の一部休床など、期限付きの改善計画を速やかに書面で提出する3. 命令の前に弁明の機会(行政手続法13条)が与えられた場合は、改善の進捗と地域医療上の事情を具体的に主張する4. 命令に不服があれば審査請求や取消訴訟を検討し、医療法務に詳しい弁護士に早期相談する
時効(請求できる期限):本条自体に時効はない。命令に不服がある場合、審査請求は処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟は処分があったことを知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)。増員命令には命令書で定められた期限があり、その期限が実質的なタイムリミットになる
- 医療法 第21条人員配置基準の根拠規定
- 医療法 第25条立入検査による実態把握
- 医療法 第24条構造設備不備に対する使用制限命令
- 医療法 第29条命令違反時の開設許可取消し等(現行効力を要確認)
- 行政手続法 第13条不利益処分前の弁明の機会
- 行政事件訴訟法 第14条命令に対する取消訴訟の出訴期間
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